山陽本線広島近郊の旅(岩国→広島、22年GW)

記事上部注釈
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山陽本線の広島と岩国。地方都市としては比較的多い本数を誇り、国鉄時代には先見的な取り組みが行われた区間でもあります。そんな区間を堪能しました。

写真1. 快速も走るが土曜休日に限定!

復習:山陽本線(広島-岩国)の概要

広島県広島市と山口県岩国市。両者の距離は40kmほどで、在来線で結ばれています。その在来線の概要を紹介しましょう。

山陽本線(広島-岩国)の概要
  • 距離:41.4km
  • 所要時間:50分(普通、快速だと40分)
  • 運行本数:日中時間帯毎時2本(広島-岩国通し、広島-大野浦は毎時4本)
  • 主要経由地:横川、宮島口

図1. 広島と岩国の位置関係(googleマップより引用)

広島と岩国の位置関係を示しました(図1)。40kmほど離れています。地方都市圏の場合、中心駅から40km離れる場所まで行く場合、1時間間隔も想定されますが、ここ岩国は30分間隔の運転です。基本的に普通電車が毎時2本運転されており、所要時間は50分程度です。ただし、途中の大野浦までは本数は2倍確保されており、毎時4本の運転です。宮島口は宮島の最寄駅で、ここへの輸送も考慮されているのでしょう。また、広島-西広島は広島市中心街の北側を通ることもあり、その場所への運転頻度確保という側面もあります。

快速電車は1日に数えるほどしかありません。利用の多い時間帯にたまに運転されるというイメージでしょうか。

もともとこの区間は10分間隔で運転されており、その時点から比べるとサービス水準が低下しています。運転本数の概要を記すと以下の通りです。

  1. 1986年11月ダイヤ改正:日中時間帯の10分運転間隔を実現
    ※当時は国鉄から「民営」への移管の直前(1987年4月に民営化)で、それを考慮したダイヤ改正でした
  2. 2001年3月ダイヤ改正:毎時6本の普通電車のうち毎時1本を快速に格上げ
  3. 2003年3月ダイヤ改正:普通電車を毎時4本に再設定、時間帯によって快速を毎時2本に
  4. 2009年3月ダイヤ改正:快速を大幅削減、2~3時間間隔が基本(普通は毎時4本のまま)
  5. 2010年3月ダイヤ改正:快速は朝夕のみとなる(普通は毎時4本のまま)
  6. 2012年3月ダイヤ改正:普通電車の毎時1本を大野浦-岩国で削減
  7. 2016年3月ダイヤ改正:休日に限り、快速を毎時2本設定、大野浦以西の毎時3本は変わらず
    ※2018年の土砂災害~2020年ダイヤ改正までは快速の設定なし
  8. 2021年3月ダイヤ改正:普通電車の毎時1本を大野浦-岩国で削減

残念ながら、2001年3月ダイヤ改正で快速が設定されて以来、普通電車の本数は減少傾向です。特に、2012年ダイヤ改正では大野浦-岩国で30分間隔となることが常態化しました(15、15、30分間隔の歯抜け状態)。また、2021年ダイヤ改正では最大待ち時間を犠牲にしない形でさらに減便されています。なお、広島-大野浦では毎時4本は維持され、約15分間隔です。これは、広島よりでは利用が多いためでしょう。

現在、車両は227系電車に統一されています。

実際に岩国から広島に乗る

さて、実際に岩国から広島まで乗ってみましょう。行程の都合上、宮島口で降りています。

普通電車(岩国→宮島口)

岩国から乗ることにしましょう!

写真2. 岩国駅の発車案内

岩国駅の発車案内です(写真2)。広島方面は30分間隔で運転されています。ただし、岩国便は利用が多いと予想されるためか、3両編成の運転はなく、4両編成か5両編成が多いように見えます。

写真3. ホームの発車案内

ホームの発車案内です(写真3)。

写真4. 広島行きがやってきた

広島行きがやってきました(写真4)。広島で始発の白市行きに乗りかえられます。広島の都心部は新白島や横川のほうが便利な場合があります。本数が同じなのですから、通し運転のほうが利便性が高いように感じます。

写真5. 岩国を発車!

岩国を発車しました(写真5)。

写真6. 専用線が分岐

専用線が分岐します(写真6)。日本製紙岩国工場から製品の発送に使われます。専用線も電化したほうがスムーズに輸送できそうですが、紙製品の発送は時間との勝負ではないので、スムーズな輸送の優先順位は低いのでしょうか。

写真7. 和木に停車

和木に停車します(写真7)。和木町にあり、古くからありそうな名前の駅ですが、意外と新しく2008年の開業です。

写真8. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真8)。

写真9. 小瀬川を渡る

小瀬川を渡ります(写真9)。この川で山口県から広島県に入ります。

写真10. 広い駅構内

先ほどの和木とは異なり、広い駅構内です(写真10)。

写真11. 大竹に停車!

大竹に停車します(写真11)。ここで高校生の大群が乗ってきました。大竹から広島県です。公立高校であれば、通学圏は広島県に限られます。そのため、ここから乗る高校生の大半はこちらに向かうのでしょう。

写真12. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真12)。

写真13. 工場がある

工場があります(写真13)。このような産業が人を集め、人が産業を欲する、そんなサイクルも見られます。

写真14. 玖波に停車!

玖波に停車します(写真14)。「くば」と読みます。

写真15. トンネルがある

トンネルもあります(写真15)。広島地区で鉄道の本数が多いのは、山がちな地形で市街地が線的に発達しているためという側面もあります。

写真16. 海岸沿いを走る

海岸沿いを走ります(写真16)。島が見えますが、厳島です。

写真17. 厳島を眺める

厳島を眺めます(写真17)。

写真18. 大野浦に停車!

大野浦に停車します(写真18)。ここから15分間隔で運転される区間に入ります。

写真19. 住宅がある

住宅があります(写真19)。

写真20. 前空に停車

前空に停車します(写真20)。駅前こそのどかな感じがありますが、駅の山側には新興住宅街が広がっています。

写真21. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真21)。

写真22. 住宅街を走る

住宅街は続きます(写真22)。

写真23. 宮島口に到着!

宮島口に到着しました(写真23)。

写真24. 宮島口を発車!

宮島口を発車しました(写真24)。観光客が多く乗り、座席の75%程度が埋まっているように見えました。

快速シティライナー:宮島口→広島

さて、今度は快速シティライナーに乗ってみましょう。快速シティライナーの本数は少なく、以下の本数しか設定されていません。

快速シティライナーの概要
  • 運転区間:広島-岩国(広島9:12発のみ呉線始発)
  • 運転本数:土曜・休日に限り1日4往復
    • 広島9:12→岩国9:53(土曜・休日のみ)
    • 広島10:12→岩国10:52(土曜・休日のみ)
    • 広島17:12→岩国17:52(土曜・休日のみ)
    • 広島18:12→岩国18:52(土曜・休日のみ)
    • 岩国8:38→広島9:21(土曜・休日のみ)
    • 岩国9:39→広島10:20(土曜・休日のみ)
    • 岩国15:39→広島16:20(土曜・休日のみ)
    • 岩国16:39→広島17:20(土曜・休日のみ)
  • 停車駅:広島、横川、五日市、宮島口、大野浦-岩国の各駅

平日には快速シティライナーは運転されず、朝に通勤ライナーが1本だけ設定されるのみです。具体的には6:48→広島7:35です(停車駅は大竹、宮島口、宮内串戸、五日市-広島の各駅)。

休日の速達輸送を担う列車として、特に乗客が多い時間帯に設定されます。朝の下りと夕方の上りは宮島観光に、朝の上りと夕方の上りは広島へのお出かけを重視した設定といえそうです。

乗客の多い広島-大野浦の速達化を目的としており、同区間では横川、五日市と宮島口にしか停車しません。大野浦-岩国は乗客が少ないと想定されているためか、各駅に停車し普通電車のかわりの役割を担っています。

さて、実際に乗ってみましょう。

写真25. 広島9:21着は6両編成

宮島口の電光掲示板を見ると、6両編成です(写真25)。宮島口から乗る際は先頭のほうが空いています。

写真26. 宮島口にやってきた快速

その快速が宮島口にやってきました。

写真27. 宮島口を発車

宮島口を発車しました(写真27)。海側の席は埋まっており、山側の席に着席です。

写真28. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真28)。

写真29. 住宅街を走る

住宅が広がります。縮小傾向とは言え、15分間隔が保たれていることも納得できます。

写真30. 川を渡る

川を渡ります(写真30)。そこまで高速に走っているわけではありませんが、もう五日市に迫っています。

写真31. 五日市に停車

五日市に停車します(写真31)。

写真32. 八幡川を渡る

八幡川を渡ります(写真32)。

写真33. 山がちな地形を行く

山がちな地形を走ります(写真33)。西広島を通過し、新幹線も視野に入ってきました。

写真34. 新幹線が合流する

トンネルを抜け、新幹線と合流します(写真34)。

写真35. 太田川放水路を渡る

太田川放水路を渡ります(写真35)。

写真36. 横川に停車!

横川に停車します(写真36)。ここから広島まで1駅です。昔は普通電車でも1駅でしたが、今は間に新白島が開業しています。

写真37. 広島の市街地を走る

広島の市街地を走ります(写真37)。

写真38. 太田川を渡る

太田川を渡ります(写真38)。広島は三角州に発達した都市ですので、このように多くの川を渡ります。

写真39. 京橋川を渡る

京橋川を渡ります(写真39)。

写真40. 広島に到着!

広島に到着します(写真40)。残念なのは、9:20発普通白市行きに接続しないことです。こちらの到着時刻を2分前倒しし(2分程度のスピードアップなら可能です)、あちらの発車時刻を2分遅らせ(これも2分のスピードアップは可能です)、接続時間3分とするとサービスが向上します。

写真41. 広島で降りる面々

広島で多くの乗客が降りたちました(写真41)。広島9:21着であれば、遅めの出勤時刻の職場の出勤や、買い物に便利な列車ですので、日常利用者が多くいるのでしょう。

岩国から広島に乗ってみて

岩国から広島まで乗ってみました。私が乗った列車は4両編成や6両編成で、すれ違う列車も多くがその程度の長さでした。これは日中時間帯でもある程度の利用があり、座席を供給しようという心遣いを感じることができました。そして、広島近辺を除き、立ちが発生することもありませんでした。

しかし、227系電車は3両編成も可能な構成です。一方で大野浦-岩国では本数が少なくて不便な感想も抱きました。これらを総合的に考えると、6両編成を1本運転するのではなく、3両編成を2本運転するのが良いでしょう。例えば、以下のダイヤのように再編するのです。

  • 快速:広島-岩国を30分間隔(大野浦-岩国は各駅に停車)
  • 普通:広島-大野浦を毎時4本、大野浦-岩国を毎時2本

快速も普通も3両編成か4両編成を基本とすれば、現在よりも輸送力は若干向上する程度です。11時以前や15時以降であれば、2両編成を増結することも手です。

利用者は比較的多く、鉄道志向の利用者も多く見られます。いたずらに本数を減らすのではなく、ワンマン運転などの省力化をしつつ、本数を維持するなど、低コストでハイレベルなサービスを実現してもらいたいものです。

前後を読みたい!

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