伊勢志摩ライナーを楽しむ(近鉄名古屋→伊勢市)

記事上部注釈
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伊勢方面に伸びる近鉄特急。その近鉄特急のイメージリーダーといえばしまかぜでしょう。そんなしまかぜは競争率が高く、きっぷが取れないことも多いです。それに近い魅力を有する特急列車が伊勢志摩ライナーです。そんな伊勢志摩ライナーに乗りました。

写真1. 近鉄名古屋に入線する伊勢志摩ライナー

復習:伊勢方面への近鉄特急

簡単に伊勢方面の近鉄特急と伊勢志摩ライナーについてまとめます。

復習1. 近鉄の伊勢方面の特急列車

まず、伊勢方面の近鉄特急について簡単にまとめます(表1)。

表1. 宇治山田までの移動概要

大阪難波近鉄名古屋
所要時間1時間50分程度1時間25分程度
運賃+特急料金3510円3080円
運転間隔毎時1本毎時2本
備考汎用特急車中心汎用特急車中心

伊勢観光の拠点の宇治山田までについてまとめました。鳥羽や賢島であれば相応の所要時間が加算されます。

名古屋からの特急は毎時2本運転されていますが、そのうちの1本は五十鈴川(宇治山田の1つ先の駅)か鳥羽までです。先に行くにつれて需要が細り、大阪と名古屋からそれぞれ毎時1本でも足りるという近鉄の判断でしょう。なお、賢島からの大阪方面への特急は途中の宇治山田で名古屋行きに乗りつぐことはでき(逆方向は不可)、特急料金も条件(30分以内、合計で4本までなど)を満たせば通算です。逆方向は特急どうしの乗りかえは不可能ですが、特急で五十鈴川または鳥羽で普通電車に乗りかえが可能であり、普通電車が賢島まで先着します。このようにして、名古屋と鳥羽方面の乗車チャンスは毎時2回確保されています。

伊勢方面の特急は多くの車両が充当されます。汎用特急車、伊勢志摩ライナー、アーバンライナー、しまかぜです。特急車両が単一でないことに注意が必要です。

写真群1. 汎用特急車(これは比較的新しいほう)

写真群2. 2階建て車両を連結したビスタカー

写真群3. しまかぜの補完ともいえる伊勢志摩ライナー

写真群4. たまに乗り入れるアーバンライナー

写真群5. 大人気のしまかぜ

実はいちばん本数の多いのは汎用特急車です。汎用特急車には古い車両や新しい車両がありますが、両者は共通運用であり、古豪による移動を楽しめるか、新しい車両によるこぎれいな移動かは運です。

汎用特急車に混ざり、(団体向け以外では)近鉄唯一の2階建て車両ビスタカーも運用されています。ビスタカーの4両編成のうち半数は通常の平屋型のレイアウトですので、その場合は古豪の汎用特急車に乗るようなイメージです。

大阪-名古屋の速達型の特急(甲特急と表現もなされる)がひのとりに変わったこともあり、(従来充当されていた)アーバンライナーも伊勢方面に充当されます。ひのとりは伊勢方面にはやってきません。ひのとりは全列車津に停車しますので、名古屋→津をひのとりで移動、後続の特急で津→伊勢方面を移動というのは理論上は可能ですが、そのようなことをするくらいなら最初から後続の特急に乗るでしょう!

しまかぜが登場するまでの伊勢方面のイメージリーダーは伊勢志摩ライナーでした。サロン席を備えるなど、リゾートを意識した車内が特徴です。ただし、通常の特急に混ざって運転されるので、伊勢に向かわないビジネス向けの乗客や通勤通学客を意識した「スタンダード」な設備もあります。しまかぜの登場後も伊勢志摩ライナーが引退することもなく、元気に活躍しています。

人気なのはしまかぜです。名古屋、大阪、京都から賢島まで1日1往復運転され、豪華な車内が特徴です。人件費はかかりそうですが、1日1往復として人件費の増加を最小限に抑えている印象です。車両が限られているので、名古屋系統は木曜運休、京都系統は水曜運休、大阪系統は火曜運休です。運休日を分散させ、しまかぜへの乗車チャンスを毎日確保する近鉄の気遣い、商売精神を感じます。

復習2. 伊勢志摩ライナーの概要

伊勢志摩ライナーの概要を示します。近鉄は下記の通り表現しています。

大阪・京都・名古屋⇔鳥羽・賢島方面を中心に運行

カラーリングは伊勢志摩の太陽と陽射しを表現した、鮮やかな「赤色」と「黄色」の2種類。 すべての車両の内装は、リゾート感をイメージ。 流れる風のようにリゾートへと向かうスタイリッシュなフォルム。 ゆったりとしたシートで、ワイドな窓から伊勢志摩の景色をお楽しみいただけます。

伊勢志摩ライナー(近鉄公式サイトより引用)

リゾート感のある車両であり、ぜひとも乗りたいと思わせる車両です。大阪、京都、名古屋から運転されていますが、その一覧を示します(表2)。

表2. 伊勢志摩ライナーの充当列車

区間充当列車
大阪難波→伊勢方面(平日)9:14、10:16、15:16
(土曜・休日)9:15、9:26、11:16、15:16、17:16
伊勢方面→大阪難波(平日)12:44、13:44、18:43
(土曜・休日)12:44、14:44、15:42、18:47、19:32
近鉄名古屋→伊勢方面(平日)8:10、11:10、16:10、17:10、22:05
(土曜・休日)9:25、10:10、15:10、16:10、22:05、22:45
伊勢方面→近鉄名古屋(平日)7:29、14:14、15:14、19:14、20:14
(土曜・休日)5:36、7:31、12:14、13:14、18:14、19:14
京都→伊勢方面9:10
伊勢方面→京都15:05(土曜・休日は15:08発)

※大阪難波発は鶴橋発車時刻(9:14発または9:15発は大阪上本町始発)、伊勢方面の発車時刻は宇治山田発。

※名古屋発22:45は松阪行き、名古屋行きの5:36発は松阪始発で表の時刻は松阪駅のもの

本数が少ないのが印象的です。京都発着はもともと本数が少ないこともあり、1日1往復です。大阪方面も平日は3往復しかありません。土曜・休日には1日5往復まで増えます。

伊勢志摩ライナーには3つのグレードがあり、デラックスカー、サロンカー、レギュラーシートです。

写真2. デラックス車両の様子(外観が黄色系の車両もある)

デラックス車両の様子です(写真2)。今回はデラックス車両に乗りませんでしたので、外観から撮影しました。後述のレギュラーシートよりも210円~520円の追加です(距離により異なる)。

写真3. サロンカーの車内

サロンカーの車内です(写真3)。サロンカーは2人席と4人席があり、2人席(近鉄ではツイン席と表記)は2名で利用可能、4人席(近鉄ではサロン席と表記)は3名~4名で利用可能です。後述のレギュラーシートと比較し、追加の料金は発生しませんので、2名以上であればこちらのほうが適していますね!グループ利用という前提があり、周囲の会話も大きく、それをどう思うか(自分も会話しやすいと思うか、騒がしいと思うか)次第でしょう。

近鉄の公式サイトの表記をうのみにすると、4人席に3人で使用する場合、3人ぶんの運賃・特急料金で使用できます。

写真4. レギュラーシートの車内

レギュラーシートの車内です(写真4)。伊勢方面の特急は三重県や(大阪発着は)奈良県への都市間輸送や都市圏輸送も担っており、このような「普通の車両」も必要です。レギュラーシートは通常の特急料金で利用できますから、汎用特急に乗るようなイメージで利用できます。

伊勢志摩ライナーに実際に乗る

御託はこの程度にして、伊勢志摩ライナーに乗ってみましょう!

サロン車の車内

サロン車の様子を紹介します。

写真5. サロンカーの外観

サロンカーの外観です(写真5)。窓が上下方向に広く取られています。網棚のスペースがなさそうですが、大丈夫なのでしょうか?

(再掲)写真6. サロン車の車内

サロン車の車内です(写真5)。4人席と2人席があります。

写真6. サロンカーの車内

別の角度からも撮影しました(写真6)。荷物の網棚がなく、かわりに各ボックスの間に荷物スペースが設けられています。もともとは窓を大きくするための処置と聞いていますが、スーツケースが普及した現代の観光列車には合致していると思います。

写真7. 4人席の様子

4人席の様子です(写真7)。大型テーブルが標準装備されており、行楽客にはぴったりでしょう。

写真8. 4人席の様子

4人席の様子を別の角度から撮影しました(写真8)。

写真9. 照明の配置も独特

照明の配置が独特で、車両の進行方向に蛍光灯が連なっておらず、ボックスごとに配置されています(写真9)。ボックスの間の照度が足らないと予想したのか、補助照明が設置され、良い味を出しています。

写真10. ボックスの間に荷物入れがある

ボックスの間に荷物入れがあります(写真10)。網棚のかわりということです。

写真11. スーツケースも入る

撮影したときにスーツケースが入っていました(写真11)。ちゃんと入り、結果として(網棚に上げなくて良く)現代のニーズに合致しています。私はスーツケースからおさらばしており、荷物が少ないのですが…。

写真12. 2人席の様子

2人席の様子です(写真12)。こちらも雰囲気は変わりません。

写真13. コンセントが備わる

2人がけの席は各自にコンセントが備わります(写真13)。4人席も窓側にコンセントがあり、仲間うちでコンセントをシェアすれば良いでしょう。

写真14. 座席上部の目隠しがプライベート感を高める

座席上部に目隠しがあり、プライベート感を高めてくれます(写真14)。これを下まで貫通させても良さそうに思いますが…。

写真15. 電動カーテンが動く

電動カーテンがあります(写真15)。窓がすっきりと見えるのも、視覚上カーテンがないからかもしれまsん。

近鉄名古屋から伊勢市までの車窓

沿線の風景を堪能しましょう!種を明かせば、名古屋から伊勢市までの区間は「絶景」と呼べるものはありません。

写真16. 伊勢志摩ライナーが入線してきた

伊勢志摩ライナーが入線してきました(写真16)。近鉄名古屋駅の特急ホームは4番のりばと5番のりばがありますが、ここで毎時4本の特急列車をさばいているので、折り返し時間はあまりとれません。たいてい車内清掃は別のところで行い、回送列車として名古屋に入ります。

写真17. 特急ひのとりが到着!

大阪難波からの特急ひのとり9列車が到着しました(写真17)。大阪難波から2時間8分の旅が終了した乗客群です。新幹線だと新大阪から名古屋まで49分なので太刀打ちできないように見えますが、大阪難波直結という武器があり、毎時2本程度の乗客はいるということでしょう。

写真18. 近鉄名古屋を出発し、地上に上がる

近鉄名古屋を出発し、地上に上がります(写真18)。ひのとりが停車中でした。

写真19. アーバンライナーが停車中

アーバンライナーが停車中です(写真19)。あちらも色あせない魅力があります。反対側の車窓はJR東海の車両基地が広がり、最初の絶景ポイントです。しかし、隣の4人組のお姉さまは絶景の広がる車窓には目をくれずに内輪の会話に終始していました。サロン席の役割をまっとうしているともいえますが、大型の窓が遊んでいるとも評価できます。

写真20. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真20)。名古屋駅にほど近く、それなりに便利な立地なのでしょう。近鉄の普通電車は朝は約10分間隔、夕方は15分間隔と通勤には最低限使える本数が確保されています。

写真21. 高架区間を走る

高架区間に入ります。都市鉄道としての機能性を感じる一幕です。

写真22. 関西本線とともに川を渡る

関西本線とともに川を渡ります(写真22)。

写真23. 駅を通過!

駅を通過します(写真23)。近鉄名古屋線は通過線のある駅も多く、有料列車を含む速達列車を運転できるような配線と改めて実感します。

写真24. 車両基地が広がる

車両基地が広がります(写真24)。

写真25. 車両基地が広がる

車両基地が広がります(写真25)。汎用特急車の姿が見えました。「古豪」の汎用特急車が減っているように感じます。ここで2024年現在の車両在籍数をまとめます。

  • 22600系:4両編成2本+2両編成12本
  • 22000系:4両編成15本+2両編成13本
  • 12000系シリーズ:4両編成9本

確か総車両数154両中、12000系シリーズは36両であり、汎用特急車の23%程度です。道理で「古豪」の割合が低く見えるわけです。

写真26. 徐々に風景がのどかに変わってくる

徐々に風景がのどかに変わってきます(写真26)。

写真27. 関西本線が近づく

関西本線が近づきます(写真27)。

写真28. 川を渡る

川を渡ります(写真28)。このあたりは木曽川と揖斐川が近い場所を通っており、関西本線ともども長大な2本の鉄橋で渡ります。

写真29. 関西本線と並走

関西本線と並走します(写真29)。あちらには1時間間隔で伊勢方面に直通する快速みえが走り、近鉄特急のライバルになっています。近鉄特急は車内設備、ネットワーク、本数で対抗し、ライバル関係が鉄道そのものの競争力を強化する1つの事例と思います。

写真30. 桑名に停車!

桑名に停車します(写真30)。三重県最初の停車駅です。名古屋から津までは大阪方面の特急毎時1本と伊勢方面の特急毎時2本の合計3本が運転され、20分間隔が約束されています(上りは最大で28分開く)。

写真31. 水田が広がる

水田が広がります(写真31)。5月下旬に旅行したので、田んぼの水面がよく見えます。

写真32. 関西本線をまたぐ

関西本線をまたぎます(写真32)。あちらも立派な複線電化ですが、本数はこちらのほうが圧倒しています。

写真33. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真33)。

写真34. 関西本線をまたぐ

関西本線をまたぎます(写真34)。

写真35. 三岐鉄道が近づく

三岐鉄道が近づきます(写真35)。昔は富田に乗り入れていたとも聞きますが、現在は旅客列車は近鉄富田から出発します。今でこそ関西本線の利便性は上がっていますが、近鉄名古屋から津まで急行が20分間隔で運転されている近鉄駅に向かうほうが利便性は高いでしょう。

動画1. 快走する様子

快走する様子を動画で撮影しました(動画1)。グループ客でにぎわう、行楽列車らしい雰囲気も合わせてお楽しみください。

写真36. 川を渡る

川を渡ります(写真36)。

写真37. 四日市の市街地を走る

四日市の市街地を走ります(写真37)。

写真38. 湯の山線が見えてきた

湯の山線が見えてきました(写真38)。湯の山温泉も温泉街ですので、多客時だけでも臨時特急を走らせれば良さそうです。

写真39. 近鉄四日市に停車!

近鉄四日市に停車します(写真39)。にぎわいは桑名以上ですが、とまる特急の本数は基本的に同じです。停車駅を統一させ、わかりやすさを重視しているのか、桑名はJR対策(ホームがJRと隣接)で多めにとめているのか、おそらく両方の理由でしょう。急行で34分、特急で27分ですので、相応の乗車時間です。よって、名古屋から特急に乗る理由もありましょう。

写真40. 近鉄四日市を発車!

近鉄四日市を発車します(写真40)。JR駅と異なり、中心部に位置します。

写真41. 関西本線をまたぐ

関西本線をまたぎます(写真41)。

写真42. 塩浜を通過!

塩浜を通過します(写真42)。普通電車の姿が見えますが、毎時1本がここで折り返します。塩浜までは四日市の近くで利用が多いということで本数が確保されているのでしょうか。塩浜以南は日中の普通電車は毎時2本に減ります。

写真44. 水田が広がる

水田が広がります(写真44)。

写真45. 楠を通過!

楠を通過します(写真45)。待避線が備わる駅です。平日の上り普通電車はここで通過待ちをします。

写真46. 平野部を走る

平野部を走ります(写真46)。三重県のこのあたりは平野が多く、工場もそれなりにあり、人口もそれなりです。この産業と人口が三重県下の近鉄特急毎時3本体制を支えているのです。

写真47. 鈴鹿線が分岐!

鈴鹿線が分岐します(写真47)。鈴鹿市の中心部に向かう線路があります。

写真48. 店舗が見える

店舗の姿が見えます(写真48)。そこまで大きくないショッピングセンターです。

写真49. 白子に停車!

白子に停車します(写真49)。「しこ」と読みます。鈴鹿市の中心街の鈴鹿市には近鉄特急が通りませんので、鈴鹿市の特急停車駅はここです。

写真50. 街道沿いを走る

街道沿いを走ります(写真50)。

写真51. 大型家具量販店が見える

大型の家具量販店が見えます(写真51)。東京にない東京インテリアともいわれていましたが、現在は足立区にかろうじて1店舗だけあります。調べるとアウトレット専門店で店舗面積は小さいようですが、東京にない東京インテリアという汚名を返上できました。

写真52. 伊勢鉄道が見える

伊勢鉄道が見えます(写真52)。四日市と津を短絡するための路線ともいえ、人口が少ない場所を走ります。

写真53. 江戸橋を通過!

江戸橋を通過します(写真53)。津には待避線がありませんので、待避線のある江戸橋は運転上は重要な存在でしょう。

写真54. JR線が見える

JR線が見えます(写真54)。先ほどの関西本線と異なり、紀勢本線です。それに加え、伊勢鉄道も合流しています。

写真55. 津の市街地が見える

津の市街地が見えます(写真55)。

写真56. 津に停車!

津に停車します(写真56)。名古屋行きのアーバンライナーとすれ違いました。上りは完全な20分間隔となっておらず(伊勢方面は20分間隔と40分間隔の交互だが大阪方面はその中間に入らず12分間隔と28分間隔となる)、この組み合わせは20分間隔で見られるわけではありません。

写真57. 歴史を感じる都市光景

四日市と比べ、歴史を感じる都市光景であり(写真57)、昔から栄えてきた様子が想像できます。

写真58. 津の市街地を抜ける

津の市街地を抜けます(写真58)。

写真59. 都市郊外の駅を通過

都市郊外の風情の駅を通過します(写真59)。ここは津新町で、名古屋からの普通電車は原則ここで折り返します。津新町から伊勢中川は急行が各駅に停車し、普通電車の運転は基本的にカットされます。もっとも、通過運転していた時代も途中に久居に停車しており、追加で停車したのは2駅だけであり、運転コスト削減が先行したのでしょう。

写真60. ダイエット・整体の看板がある

ダイエット・整体の裕利があります(写真60)。この記事に取り上げられ、宣伝効果は抜群ですね!

写真61. 新興住宅街がある

新興住宅街があります(写真61)。

写真62. 水田が広がる

水田が広がります(写真62)。関東に住んでいる私は、小売店で三重県産の米を見たことはありませんが、西日本地区に流通していたり、企業向けに出荷されているのでしょうか。

写真63. 川を渡る

川を渡ります(写真63)。

写真64. 中川短絡線が分岐する

伊勢志摩ライナーの車窓の白眉、伊勢中川付近の光景です。白眉ポイントその1が名古屋線と大阪線の短絡線です。ご承知の通り、大阪方面と名古屋方面を直通するには伊勢中川でスイッチバックする必要があります。したがって、従来は大阪方面と名古屋方面の直通に進行方向の転換が必要でした。それをこの短絡線が解決したのです。どうせ特急しか通りませんので、久居と伊勢石橋の短絡線を国費で建設しても良いと思いますが…。

写真65. 短絡線が分かれ、大阪線が近づく

短絡線が分かれ、大阪線が近づきます(写真65)。

写真66. 大阪線が近づく

大阪線が近づきます(写真66)。

写真67. 伊勢中川に停車中の特急

伊勢中川に停車します(写真67)。伊勢方面からの特急が停車しています。伊勢方面に向かうこの列車にとっては伊勢方面からの特急とどこですれ違おうと関係なさそうですが、これは重要な意味を持ちます。これが白眉ポイントその2です。

写真68. 大阪難波行き特急が停車中

この特急は大阪難波行きです(写真68)。わが伊勢志摩ライナーは12:09着、大阪難波行きは12:10発と乗りつぐことが可能です。これを活用すると、名古屋11:10→伊勢中川12:09/12:10→大阪難波13:37と移動できます。後続の直通する特急が名古屋11:30→大阪難波13:51ですから、後続の特急よりも先着します。つまり、名古屋発の伊勢方面特急と伊勢方面発大阪行き特急を乗りつぐことにより、名古屋から大阪の乗車チャンスが毎時3回確保されているのです。

写真69. 大阪難波行きが発車

大阪難波行きが発車しました(写真69)。反対方向も大阪難波からの特急が毎時34分に伊勢中川に到着し、毎時37分に名古屋方面に向けて発車します。これにより、大阪難波毎時10分発の特急は名古屋に38分に到着し、後続の直通の特急よりも11分早く着き、やはり乗車チャンスを毎時3回確保しています。

そして、伊勢方面と大阪方面の特急は大阪線内の停車駅が多く、名古屋-大阪直通の特急が停車しない駅と名古屋への乗車チャンスも確保しています。

写真70. 大阪難波行きが去る

その大阪難波行きが去ります。このせいで4分間停車しますが、車内の誰もそのことに言及していませんでした。せっかくの絶景なのにもったいない!

この大阪難波行き特急は大和八木に13:01に着きます。1つ下の階に降りると京都行き特急は13:08に発車します。つまり、名古屋方面、伊勢方面から京都方面へのチャンネルとしても機能します。1時間前だとジャストタイミングでの接続はなく、ちょっと残念です。

このように近鉄は特急を列車群として認識し、トータルとしてのネットワーク性で勝負しています。もちろん拠点間の速達輸送も重要で、対新幹線の競争力が求めれる系統はネットワーク性を放棄し、所要時間に力点を絞っています。

写真71. 伊勢中川を発車!

伊勢中川を発車します(写真71)。

写真72. 麦畑が広がる

麦畑が広がります(写真72)。伊勢中川は運転上の拠点ですが、周囲は発展しているとはいいがたく、のどかな風景が広がります。

写真73. 田園風景が広がる

田園風景が広がります(写真73)。

写真74. JR線が近づく

JR線が近づきます(写真74)。単線非電化で、輸送体系が貧弱なことが読み取れます。

写真75. 松阪に停車!

松阪に停車します(写真75)。

写真76. 多くの乗客が降りる

多くの乗客が降ります(写真76)。この後ろはデラックス席しかありませんので、デラックス席利用者でしょうか。乗車時間70分であれば、特別車両料金320円の加算は妥当でしょう。

写真77. 松阪の市街地は歴史を感じる

ある意味歴史を感じる松阪市街です(写真77)。

写真78. トップワン!

パチンコ店が見えました(写真78)。近畿地方を拠点にするパチンコチェーンのようです。三重県が近畿地方に所属することを思い出させるシーンです。

写真79. 川を渡る

川を渡ります(写真79)。

写真80. 歴史を感じさせる住宅街を走る

歴史を感じさせる住宅街を走ります(写真80)。

写真81. 明星を通過!

明星を通過します(写真81)。このような場所にも待避線がある駅があり、伊勢神宮への高速輸送を指向していたことがわかります。

写真82. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真82)。

写真83. 宮川を渡る

宮川を渡ります(写真83)。

写真84. JR線と合流!

参宮線と合流します(写真84)。

写真85. 伊勢市に到着!

伊勢市に到着しました(写真85)。伊勢神宮の外宮の最寄駅です。平日とあり、それなりの数のビジネスマンが降りてきました。このような客層には「普通」の内装が必要であり、伊勢志摩ライナーに求められる設備が見えました。

写真86. 伊勢市を発車!

伊勢市を発車しました(写真86)。この先賢島まで向かいます。

伊勢志摩ライナーに乗ってみて

写真群6. 観光向けのサロンカー(左)とビジネス向けのレギュラーシート(右)

伊勢志摩ライナーの白眉ともいえるサロンカーに乗ってみました。行楽客向けの設備があり、まさに観光特急といえる車内でした。一方、松阪や伊勢市でビジネス客の下車も見られ、観光向けに特化するのが得策でないこともわかりました。多様な役割を担い、結果として需要を集約し利便性を確保する側面もありましょう。観光向けが毎時1本、ビジネス向けが毎時1本という布陣よりも(観光向け+ビジネス向け)が毎時2本という布陣のほうが便利なことは自明の理です。

観光客向けとビジネス向け、それぞれ相反する要求があるのは事実です。その相反する要求を満たす車両設計は大変です。伊勢志摩ライナーの車内設備はそれらの1つの答えを示しているのでしょう。また、両者の共通点として、広い意味での所要時間短縮があります。これについては最高速度130km/h対応とし、走りに妥協はありませんでした。伊勢中川での接続などによる本数確保も待ち時間減少という効果があり、トータルとしての所要時間減少に役立つでしょう。

乗客のニーズは多様です。しかし、その1つの解はスピードアップです。今でも近鉄特急は充実のサービスと思いますが、高規格道路の伸長が繰り返される現代において、所要時間維持はスピードダウンと同義です。最高速度の向上、曲線通過速度の向上、駅停車時の進行定位など地道なスピードアップを重ね、1分でも短い所要時間を実現してもらいたいものです。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

(←前)ホテルユニゾ名古屋駅前の宿泊記

伊勢志摩ライナーを楽しむ(近鉄名古屋→伊勢市):現在地

伊勢神宮への参拝(アクセスも紹介!)(→次)

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