コブレンツとボンの移動(ライン川左岸線のICE)

記事上部注釈
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ドイツ西部のライン川左岸線。このうちコブレンツ以北はそれなりに本数も多く、都市近郊の香りが漂う区間です。そんな区間をコブレンツからボンまで堪能しました。

写真1. ボンに到着したICEのハンブルク行き

復習:コブレンツとボンの移動方法概論

フランクフルト-ケルンのライン川沿いの路線は中間のコブレンツを境に性格がやや異なります。簡単にまとめると、コブレンツ以南は風光明媚な区間、コブレンツ以北はやや退屈な風景が展開する区間です。

一方、コブレンツ以北は平たんに近い地形となり、ルール工業地帯に近いためか、人口も比較的多いです。ライン川左岸線のマインツ-コブレンツ(91km)には有力な都市がない一方、コブレンツ-ケルン(94km)はボンという中都市があります。

図1. ラインラント=プファルツ州の路線図(地域サイトから入手)

中距離列車の路線図を示します(図1)。これだとわかりにくいですか?

図2. ラインラント=プファルツ州の路線図(地域サイトから入手後に加工)

もう少しわかりやすく抽出しました(図2)。REとRBがそれぞれ毎時1本ずつ運転されます。一方でICも毎時1本運転されます。

右岸線も同等の本数が運転されますが、ボンでは中央駅を通りません。コブレンツ中央駅からケルン中央駅までは都合毎時5本、コブレンツ中央駅からボン中央駅までは都合毎時3本運転されます。

表1. 列車種別ごとの概要

所要時間本数運賃
ICE(IC)31分毎時1本18.6ユーロ
RE546分毎時1本18.1ユーロ
RB2661分毎時1本18.1ユーロ

コブレンツからボンまでのICE

コブレンツもボンも高速新線上になく、いわゆる在来線の駅です。一方、ICEは高速列車であり、高速新線を通るのが原則です。これは矛盾と感じますが、違う区間で高速新線を通るなどの理由でICE用の車両が使われたら、それはICEです。

通常はフランクフルト-ケルン間の需要の多くは高速新線経由のICEで運ばれますが、このときは高速新線(おおむね毎時3本)が工事の影響で運休しており、左岸線の列車(フランクフルト方面、マンハイム方面それぞれ2時間間隔、両者の重なるマインツ-ケルンは毎時1本)のみの運転でした。

極端に表現すると、通常毎時3.5本(高速新線経由毎時3本、在来線経由毎時0.5本)運転されているフランクフルト-ケルンが毎時0.5本まで減らされているということです。これはいただけません。臨時列車の運転さえほとんどありませんでした。

フランクフルト-ケルンの所要時間は通常65分のところ、150分近くかかります。そのため、車両や人員を余計に割かれるので、通常通りの本数は確保できないにせよ、せめて毎時1本の臨時列車を運転し、輸送力不足をまかなうべきでした。さらにいうと、工事による運休は7/16 - 8/12でしたが、これも長すぎです。日本であれば新幹線は工事運休は原則としてありませんし、あれこれ言われるJR東日本の都市圏でも2日の運休で済ませています。そのJR東日本も(機能しているかどうか別として)別経路で臨時列車を運転し、輸送力不足への対応策を取っています。

ドイツ鉄道はダイヤが乱れやすいといいますが、このような工事による迂回運転が大いに影響しているのではないのでしょうか。

ともかく、通常は空いているはずの在来線もこのときは混雑していたということです。

写真2. やってくるのはICEのハンブルク行き

やってくるのはICEのハンブルク行きです(写真2)。近年のICの車両はいわゆる「特急型」としては設備がやや劣りますが(RE用と仕様はほぼ同じ)、主要なICはICEに置き換わっている点もあるのでしょう。

写真3. ICE 4がやってきた

ICE 4がやってきました(写真3)。

写真4. 1等車も満席

1等車も満席です(写真4)。こりゃだめだ…。先発のRE(ボンには後着)に乗れば良かったかな?

写真5. 若者もうなだれている

若者もうなだれています(写真5)。私もデッキでうなだれることにしました。コブレンツからボンまで31分なので、昔の格言「立たせても30分(※)」という言葉通り、立たせてもらうことにしました。

※鉄道ジャーナル1987年3月号 "坐れない列車"を考える のp31に掲載されている文言で、スピードアップによって立たせる時間を短くすることの表現です。

写真6. ドイツらしい住宅街を走る

ドイツらしい住宅が広がる地域を走ります(写真6)。

写真7. 貨物列車がいる

貨物列車がいます(写真7)。このルートがドイツ西部の南北軸として重要な役割を担っていることを思い出させてくれる光景です。

写真8. 麦畑?

麦畑でしょうか(写真8)。中学校の国語の授業で習いましたが、「麦秋」は夏の季語です。私が乗ったのは夏のことですから、まさに麦秋という季節です。

写真9. 古い城壁跡が見える

古い城壁跡が見えます(写真9)。特に観光地には見えませんが、残していることは立派と思います。

写真10. ライン川が見える

ライン川が見えます(写真10)。コブレンツ以南よりは迫力は劣るものの、このような風景が展開する区間もあるのです。

写真11. ライン川から少し離れた

ライン川から少し離れました(写真11)。

写真12. 住宅街に入った

住宅街に入りました(写真12)。

写真13. ライン川沿いを走る

ライン川沿いに出ました(写真13)。このあたりが州境でしょうか。

写真14. のどかな住宅街に入る

のどかな住宅街に入ります(写真14)。ボンの近郊という風情です。

写真15. 美しい城が見える

一瞬ですが、山のうえに城が見えました(写真15)。と書きましたが、これは城でなく個人の住宅を州が引き取ったものです。

写真16. ボンの市街地に入っていく

ボンの市街地に入ります(写真16)。西ドイツ時代の首都だけあり、建物は立派です。

写真17. ボンの駅名標

ボンの駅名標です(写真17)。

写真18. ボンに到着!

ボンに到着しました(写真18)。ドイツ、とりわけボンは私の来訪を熱く迎え入れた気がします。32℃という記録的な暑さだったのです。

コブレンツからボンまでのICEに乗って

写真19. コブレンツに停車中のRE

今回、わずか30分でしたが、ICEに乗れました。ただし、着席は不可能であり、食堂車も埋まっていました。したがって、立ちでの堪能です。

このことを考えると、REのほうが快適だったかもしれません。

とはいえ、通常は長距離の流動は高速新線が担い、在来線経由の乗客はそう多くなく、ゆったりとした移動が楽しめます。また、右岸線経由も含めると選択肢も多く、行きかたを選ぶ楽しみもあります。

絶景ではなく、高速新線を通るICEでもなく、あまり脚光を浴びる区間ではありませんが、それなりの風情を感じられました。

重要

本記事で詳細に解説しますが、ドイツの鉄道に関する内容を一通り、そして詳しく解説した書籍を出版いたしました。同人誌の流通ルートで販売していますが、いわゆる萌え絵は一切なく一般的な同人誌に嫌悪感を示す人でも抵抗ない内容・体裁になっています。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

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コブレンツとボンの移動(ライン川左岸線のICE):現在地

アハト シターンホテル ボン(ACHAT Sternhotel Bonn)の宿泊記(→次)

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