オランダの首都、アムステルダム中央駅。その正面側の駅舎が東京駅に似ていることは有名と思います。しかし、その実態は意外と知られていないように思われます。そんなアムステルダム中央駅を実際に訪問しました。
写真1. 赤レンガの駅舎は有名だがその中身は知られているのか?
復習:アムステルダムとその中央駅の位置
まず、オランダ国鉄におけるアムステルダム中央駅の地位について簡単に記します。
図1. オランダ周辺の鉄道路線網(OpenRailwayMapより引用後加工、色分けは電化方式の違いを示す)
オランダ周辺の鉄道路線網を示しました(図1)。アムステルダムはオランダ南部とオランダ北部の中間に位置しています。また、アムステルダムから南方向にはドイツ(西部)方面やベルギーやフランス方面の高速列車も運転されます。このほかに、ドイツ(ベルリン)方面の国際列車も存在します。
では、そのアムステルダムのターミナル駅はどのような姿なのでしょうか。
図2. アムステルダム中央駅の位置(googleマップより引用)
アムステルダムの代表駅はアムステルダム中央駅です(図2)。ヨーロッパというと分散型のターミナル(方面別にターミナル駅を構える、パリが一例)のイメージがあります。しかし、アムステルダムは集中型のターミナル駅があります。それがアムステルダム中央駅です。
集中型のターミナル駅は「とりあえずその駅に行けばどこにも行ける」という長所があり、中継地点としても有用という長所もあります。一方、列車本数が多く、大きな規模が必要という点もあります。
さて、実際のアムステルダム中央駅の構造はどうなのでしょうか。
図3. アムステルダム中央駅の構内図(オランダ国鉄の公式サイトより引用)
アムステルダム中央駅は意外とコンパクトで15番線までしかありません。首都の中央駅で15番線までというのは意外と少なく感じます。北側が海沿いにあり、南側が旧市街の玄関口です。有名なレンガ造りの駅舎は南側にあり、北側の駅舎は全く異なります。
写真2. 詳細な案内図(アムステルダム中央駅に掲示)
このような立派な案内図があるのだから、Webサイトにも公開したらよいのに…。
アムステルダム中央駅を楽しむ
御託はこの程度にして、実際にアムステルダム中央駅を楽しみましょう!
駅舎とその周辺
まず、駅舎とその周辺を紹介します。
写真3. 東京駅に似た駅舎
東京駅に似た外観の駅舎です(写真3)。手前が地下鉄に通じるエスカレータ、奥が国鉄駅です。
写真4. アムステルダム中央駅と書かれている
正面にはAmsterdam Centraalと書かれています(写真4)。centraalでありcentralでないのは間違いに見えますが、ここはオランダ語圏であり、英語表記ではありません。
写真5. 改札口が見える
改札口が見えます(写真5)。
写真6. 駅舎内の空間
駅舎内に空間があります(写真6)。
写真7. 駅舎内の空間
駅舎内の空間です(写真7)。なかなか優雅な空間です。
写真8. 各方面の行先が表示される
各方面の行先が表示されます(写真8)。日本だったら「ロッテルダム、ベルギー方面」「アーネム、ベルリン方面」などのように発車案内が分けられますが、欧州では一括表示が当たり前です。
写真9. 駅舎内を歩く
駅舎内を歩きます(写真9)。
写真10. 駅舎を歩く
駅舎を歩きます(写真10)。
写真11. Grand Café Restaurant 1e klasがある
ここにお手ごろのレストランがありました(写真11)。
写真12. 店内はクラシカルな雰囲気
店内はクラシカルな雰囲気です(写真12)。
写真13. クラシカルな雰囲気
店内の雰囲気です(写真13)。
写真14. ハンバーガーが出てくる
ハンバーガーが出てくる店でした(写真14、他にも選択肢があります)。
写真15. 駅の北側
さて、駅の北側に回りましょう(写真15)!南側と打って変わって現代的です。
写真16. 北側の風景
北側の風景です(写真16)。海に向かって座っています。
写真17. 駅の北側は再開発地区
駅の北側は再開発地区です(写真17)。駅の南北で風景ががらりと変わる点は興味深いです。
写真18. 駅の北側にも駅名が書かれる
同じ駅の証拠に、こちら側の出口にも駅名が書かれています(写真18)。
写真19. 現代的な駅前
もう少し駅舎に近い角度で撮影しました(写真19)。
写真20. 駅舎に入ったアングル
駅舎に入ったアングルで撮影しました(写真20)。
写真21. 駅舎内の様子
駅舎内の様子です(写真21)。ガラスと鏡が多く、現代的な印象です。
写真22. 駅舎内の様子
駅舎内の様子です(写真22)。旧市街地区と反対側に位置しますが、人が多いことに驚きます。
写真23. 改札口がある
改札口があります(写真23)。
写真24. 改札内から改札を眺める
改札内から改札を眺めました(写真24)。このときは改札から出場するのにユーロスターの乗車券をかざしましたが、ついに改札口は開きませんでした。結局、係員さんにユーロスターの乗車券を見せ、手動で開けてくれました。
写真25. 北側から南側に抜ける
北側から南側に抜ける通路もあります(写真25)。
写真26. 現代的な配色の通路を歩く
現代的な配色の通路を歩きます(写真26)。
写真27. 店が多い
首都の中央駅らしく店は多いです(写真27)。
写真28. 駅の南側にやってきた
駅の南側にやってきました(写真28)。
写真29. 駅の通路
改札内の通路です(写真29)。
写真30. 改札内の様子
改札内の様子です(写真30)。ホームがa番線とb番線に分かれています。
駅にやってくる列車
次に、駅にやってくる列車を紹介します。
写真31. ユーロスターが停車中
ユーロスターが停車中です(写真31)。フランス方面からやってくる高速列車です。オランダの列車は基本的に全席自由席ですが、ユーロスターは全席指定席です。そして指定席が売り切れることも多く、気軽に乗るとはいきません。これはフランス流のシステムが導入されているためです。
写真32. ユーロスターの反対側
ユーロスターの反対側を向きました(写真32)。ホームの中ほどにポイントがあります。しょっちゅうホーム中ほどのポイントを渡っていました。これはすごい!
写真33. ユーロスターを補完するIC
ユーロスターを補完する性質のICです。ブリュッセル南駅からアムステルダム中央駅まで直通します(写真33)。客車こそオランダ車ですが、機関車がベルギー車なので、そのように判断しました。昔はオーストリア車が使われていたこともあるようですが。
写真34. ICEも停車中
ICEも停車中です(写真34)。
写真35. ICEが停車中
ICEが停車中です(写真35)。ICEということはドイツ方面に向かいます。アムステルダムからベルリンへの直通もありますが、その系統ではありません。そのまま南に向かう系統です(ベルリンはドイツ北東部です)。
写真36. フランクフルト中央行き
フランクフルト中央行きでした(写真36)。ケルンまで2時間40分程度、フランクフルトまで4時間弱で結び、2時間間隔で運転されます。
写真37. 人がごった返す白い列車
人がごった返す白い列車が停車中です(写真37)。
写真38. 人が群がる
人が群がっています(写真38)。ベルリン中央行きのIC、ではありません。ベルリン東行きです。ベルリン中央駅の高架部分は発着線が意外と少なく、東駅で折り返すのです。ベルリンまでの所要時間は6時間近くです。2時間間隔で運転されていますが、1時間間隔に増発すれば良いのに…。
写真39. ドイツの客車とオランダの機関車のコラボレーション
ドイツの客車とオランダの機関車のコラボレーションです(写真39)。欧州のダイナミックさが伝わる場面でしょう。
写真40. 機関車の様子
機関車にクローズアップして撮影しました(写真40)。
動画1. ベルリン行きICが発車する様子
その様子を動画に収録しました(動画1)。
ここまで国際列車を紹介しましたが、国内列車のほうが多いです。
写真41. スプリンターのデンハーグ行き
オランダではスプリンターという種別があります(写真41)。各駅にとまる列車です。デンハーグはオランダの実質的な首都です。
写真42. アルメール行きのIC
アルメール行きのICが発車しました(写真42)。
写真43. 東側に去っていく
東側に去っていきました(写真43)。それにしても日本の国鉄特急型に似た外観です。ICMと呼ばれる形式です。
写真44. 今度は新しい車両がやってきた
今度は新しい車両がやってきてきました(写真44)。
写真45. 2階建て車両の列車が発車する
2階建て車両の列車が発車します(写真45)。
写真46. 2階建ての側面
先ほどの2階建て列車の側面です(写真46)。
写真47. 多くの列車が行きかう
このように多くの列車が行きかいます(写真47)。オランダが隠れた鉄道大国だということを一気に実感してきました。
アムステルダム中央駅に触れてみて
写真48. 多くの人が利用している
今回、旅程の都合でアムステルダム中央駅にやってきました。オランダというと485系電車に似た電車があるというイメージしかありませんでした。
現実にアムステルダム中央駅に降り立つと、多くの人がホームに待っている光景と忙しく発着している様子のほうが印象に残りました。オランダは合理性を重んじる国柄と聞きます。狭めの空間を有効活用し、高頻度運転で利用者を呼び込む姿勢はまさにその国柄が発揮していると感じました。
フランスやドイツほど目立つわけではありませんが、道具として鉄道が使われているように感じました。今後もこの特性を最大限発揮いただきたいものです。
重要アムステルダムのホテルは決まっていますか?比較的静かでありながら中心部とそこまで離れていない立地のこのホテルはいかがですか。詳細は以下の記事に書いています。
Hotel Espresso City Center(アムステルダムのホテル)の宿泊記
果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
アムステルダム中央駅を楽しむ:現在地
★本旅行記については、24年夏旅行のまとめで全体像(予算、日程、感想、そして次回への改善点)をまとめています。