本州と四国を結ぶ第3の経路、しまなみ海道。ここは鉄道こそ通っていませんが、公共交通機関は通っています。バスの利用方法なども記しています。

写真1. 今治駅前にやってきた福山駅前行きのバス
しまなみ海道の移動のまとめ
しまなみ海道を行く公共交通機関の概要は以下の通りです。
- 主力は今治駅前と福山駅前を結ぶバス路線で、所要時間1時間35分、約1時間間隔で結ぶ
- 私が乗ったとき(大型連休3日目)は今治駅前からだとある程度好きな席を選べるが、途中で乗ると補助座席に座る可能性あり(見た感じでは乗車お断りはなかった)
- 渋滞による遅れにより33分程度遅れた
詳細は以下に記します。
復習:しまなみ海道と公共交通機関
最初にしまなみ海道と公共交通機関について簡単に紹介します。

図1. しまなみ海道の概念図(本四高速の公式サイトより引用)
しまなみ海道(しまなみ街道ではない)の位置関係を示しました(図1)。本州側は尾道市、四国側は今治市を結ぶ自動車専用道路(大多数の区間は歩道はあります)のことです。
しまなみ海道はもともと鉄道併設とする予定はなく、道路専用の連絡ルートとする予定でした。現にしまなみ海道を通る鉄道路線はありません。
そのため、しまなみ海道を通り抜けるには、自動車を運転するのが基本です。また、自動車を運転しない人はしまなみライナーを使うことも可能です。そのしまなみライナーは今治-福山の路線と今治-広島の路線があります。広島への路線は1日3往復しかありませんが、福山へは毎時1本程度の本数が確保されています(表1)。
表1. 今治と福山の移動概要
所要時間 | 1時間35分程度 |
運転間隔 | 毎時1本程度 |
発着 | 今治駅前、福山駅前 |
価格 | 片道2,800円 |
参考までにせとうちバスの公式サイトに掲載されていた時刻表を紹介します。
表群1. 今治-福山の時刻表

表群2. 今治-広島の時刻表

福山より広島のほうが大都市であり、需要は多そうに見えますが、実際は本数は少ないです。これは松山と広島の間にはフェリーがあり、こちらのほうが直線的に結んでいて、迂回する経路となるバスの需要が少ないという理由がありましょう。
いずれの便も事前予約でなく、当日に先着順で乗る形態です。そのため、座席を選べないことはもちろんのこと、場合によっては先発便に乗れない可能性もあります。これはちょっとどうかと思います。私が乗ったときは補助いすを動員し、積み残しは発生しませんでしたが。
しまなみライナーに実際に乗る
御託はこの程度にして、しまなみライナーに実際に乗りましょう!

写真2. 今治駅前のバス停はやや歩く
今治駅前のバス停まではやや歩きます(写真2)。

写真3. 今治駅前には窓口がある
今治駅前のバス停には窓口があります(写真3)。愛想はあまり良くなかったような…。

写真4. 人が多く並ぶ
人が多く並びます(写真4)。列があって身構えますが、この程度の行列であれば、今治駅前から乗った人たちは他の人と相席にあることはありませんでした。

写真5. せとうちバスがやってきた
せとうちバスがやってきました(写真5)。

写真6. 1人ずつ区分がされている
1人ずつ区分されています(写真6)。大きな荷物は係員さんが収納してくれました。座席周りに荷物を極力置いてほしくないという意図もありましょう。

写真7. 座席からの様子
座席に座った目線で撮影しました(写真7)。

写真8. シートピッチは広くない
シートピッチはそこまで広くありません(写真8)。快速マリンライナーのグリーン車と比べるとちょっと…。

(参考)写真9. 快速マリンライナーのグリーン車(岡山→高松で2,920円)
参考までに快速マリンライナーのグリーン車の様子も示しました(写真9)。こちらは2,800円、快速マリンライナーのグリーン車は2,920円です。120円の価格差とは思えません。

写真10. 今治駅前を発車!
今治駅前を発車しました(写真10)。

写真11. 予讃線と並走
予讃線と並走します(写真11)。こちらから分岐する鉄道路線があれば、とも妄想します。

写真12. 橋に入った
自動車道に入りました。徐々に高度を上げます(写真12)。

写真13. 海を渡る
瀬戸内海を渡ります(写真13)。

写真14. 途中の停留所で乗客が乗る
この路線バスは今治駅前と福山駅前の間をノンストップで運転するわけではありません。途中の島にも停車します。折り畳み自転車を持参していた若い男性2人が乗りました(写真14)。しまなみ海道がサイクリングに適する道路であることを印象付ける一幕です。

写真15. 瀬戸内海らしい風景を走る
瀬戸内海らしい風景を走ります(写真15)。

写真16. 島ではのどかな風景を走る
島ではのどかな風景を走ります(写真16)。しまなみ海道ではいくつかの島を通ります。そのため、橋をかけるための費用が節約でき、結果として本州/四国ルートを3つ設定できた面もありましょう。

写真17. 瀬戸内海を走る
瀬戸内海を走ります(写真17)。

写真18. 大三島バスストップでの乗車
大三島バスストップでの乗車が目立ちました(写真18)。私の記憶では大三島バス停から補助いすも大方埋まりました。

写真19. 多々羅大橋に差し掛かる
多々羅大橋に差し掛かります(写真19)。ここは愛媛県と広島県の県境を通る橋ということもあり、詳細に案内された記憶があります。

写真20. 尾道市に入る
ここで広島県尾道市に入りました(写真20)。ここまでそれなりに順調に走っていましたが、ここから渋滞に入り、速度が上がりません。

写真21. 瀬戸内海らしい風景を行く
瀬戸内海らしい風景を行きます(写真21)。このような風景は路線バスの1つの目玉と思います。

写真22. まもなく本州に入る
まもなく本州に入ります(写真22)。本州に入っても尾道駅を素通りし、福山駅に直行します。

写真23. 福山のバイパス道路を走る
福山のバイパス道路を走ります(写真23)。高速道路のように見えますが、国道2号線の表示もあり、道路事情に明るくない者にとってはわけがわからなくなります。

写真24. 福山駅前に到着
福山駅前に到着しました(写真24)。到着してすぐに撮影したのが16:13、定刻が15:40でしたので、約33分遅れでした。高速バス特有の渋滞による遅れを計算してなかったので、渋滞に巻き込まれた際は戸惑いました(この日は福山宿泊でしたので問題なかったのですが)。
今治から福山までの高速バスに乗ってみて
今回、今治から福山までの高速バスに乗りました。実質的に2時間10分の移動でした。
事前予約でなく当日予約で先着順ということもあり、乗れるかどうか不安でした。しかし、今治駅前からであれば他の人と相席になることもなく、ある程度席を選ぶことができました(それでもやや早めに並んだほうが安心ですが)。
他方、途中のバス停からは補助座席も使うなどの苦しさもありました。同じ料金を払っていて補助いすというのはどうかと思います。可能であれば、事前予約を受け付け、予約状況次第で続行便を出すほうが良いと感じました。
また、渋滞による定時制喪失も気になりました。渋滞のない鉄道による定時制確保も理想と感じました。ただし、多客期でも毎時1台のバスが満席になるかどうかの輸送量であり、そのために軌道系交通機関を整備するのも対費用効果で考えると得策でありません。
そのようなとりとめのないことを考えた移動でした。そして、天候と席に恵まれ、風光明媚な道中を楽しめました。
果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
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しまなみ海道のバスでの移動(今治→福山):現在地
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