井原鉄道に乗る

記事上部注釈
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中国地方でもかなり新しい路線の井原鉄道。広島県と岡山県にまたがるローカル線でもあります。そのような井原鉄道に乗りました。

写真1. 神辺に停車中の井原鉄道の列車

復習:井原鉄道の概要

最初に井原鉄道の概要を示します。

井原鉄道線の概要

  • 区間:清音-神辺
  • 距離:38.3km(このほか総社-清音3.4kmあり)
  • 所要時間:約60分
  • 運転間隔:約60分間隔

図1. 清音と神辺の位置関係(googleマップより引用)

清音と神辺の位置関係を示しました(図1)。列車は総社を起点とするものもありますが(JR線の線路を井原鉄道の列車として運転)、多くの列車は清音と神辺を結びます。

沿線は井原市などがあり、人口希薄な田舎というわけではありません。とはいえ、海に近いほうの山陽本線沿線と比べると人口は少なく、それだけ路線建設が遅れた原因ともなりましょう。また、まっすぐ岡山市や福山市に抜けることも難しく、それだけ利用が振るわない一面もあります。

全般的に旧山陽道を結ぶ路線として建設されました。開業が1999年と新しく、それだけ列車の速度は高いです。運転間隔毎時1本というのは、ローカル線としては便利なほうでしょう。朝夕は30分間隔に増やされており、通常のローカル線と一線を画す存在です。

なお、乗客の利便性を確保するために、1日3往復だけ福山直通を設定しています。福塩線の利便性向上も含め、2時間間隔程度の直通があっても良い気もしますが。

井原鉄道に実際に乗る

御託はこの程度にして、井原鉄道に実際に乗りましょう。土曜・休日はスーパーホリデーパス2025が設定されていますが、乗り通すことを念頭に置いているので、今回は通常の乗車券としました。

写真2. 神辺駅の駅舎

神辺駅の駅舎です(写真2)。福山からの利用者も多いと思いますが、わざわざ専用の駅舎を設置しています。福山からの利用者にとっては不便です。

写真3. 神辺駅の構内

神辺駅の構内です(写真3)。福塩線のホーム側にわざわざ柵がありますが、この柵を撤去すれば福塩線との対面乗りかえが可能になります。そうすれば、福山に行く際は階段を使う必要がなくなります。ただし、井原鉄道を擁護すると、私が乗った際は乗りつぎを考慮した時刻に列車が設定されていました。

写真4. 神辺を発車!

神辺を発車しました(写真4)。

写真5. 高架線に上がる

1999年開業とあって、基本的には高架線です。福塩線と分岐し、さっそく高架線に上がりました(写真5)。ハローズは中国地区(日本)を中心に展開するスーパーマーケットです。関東に住む私は、このような見たことのないチェーン店を見ると、旅行している気分になります。

写真6. 道路と並走する

道路と並走します(写真6)。比較的新しい路線とあってか、このような道路と並走します。現代の市街地はこのような道路沿いに発達していますから、かえって流動に合っているとも評価できます。

写真7. 湯野に停車!

湯野に停車します(写真7)。

写真8. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真8)。大都市圏とも表現できそうな風景にも見えます。井原鉄道線が朝夕30分間隔で設定されており、多くのローカル線とは異なる点がこのような風景に現れています。

写真9. 御領に停車!

2つ目の駅、御領に停車します。

写真10. 住宅がだんだん減ってきた

福山から離れるにつて、住宅がだんだんと減ってきます(写真10)。

写真11. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真11)。

写真12. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真12)。ただし、完全な田舎というわけでもなく、都市圏の香りもあります。

写真13. 建物も多い

建物も多いです(写真13)。

写真14. 井原に停車!

井原に停車しました(写真14)。沿線の主要駅であり、ここから乗客が乗ってきました。ここまでは福山から遠ざかる下り列車で休日の朝の利用が少なく、ここからは岡山に近づく上り列車としての役割があるためでしょうか。

写真15. 井原を発車!

井原を発車しました(写真15)。

写真16. トンネルを通り抜ける

このあたりは山越えはありませんが、平地が北にせり出しているためか、線形を重視しトンネルを通り抜けます(写真16)。

写真17. 早雲の里荏原に停車

早雲の里荏原に停車します(写真17)。井原の隣駅であり、運転上の拠点です。そのため、ここで少々停車していました。駅前にシーピー化成の本社があります。このような従業員数の多い会社の事業所があると、通勤客もそれなりと想像します。通勤客の目的地となる場所があることが、その路線の存在理由を1つ増やします。

休日の朝とあって、そのような通勤客を見かけませんでしたが…。逆に通勤客がいない土曜・休日にスーパーホリデーパスのようなきっぷを発売するのでしょう。

写真18. 早雲の里荏原を発車!

早雲の里荏原を発車すると、左手に車庫が見えます(写真18)。

写真19. 風景が急にのどかになる

風景が急にのどかになりました(写真19)。

写真20. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真20)。県境はここより西にあるのに、こちらのほうが県境の雰囲気です。

動画1. 井原鉄道の走り

井原鉄道の走りは「ローカル線」としては良好です。その様子を動画で撮影しました(動画1)。

写真21. 矢掛付近の風景

矢掛町の風景です(写真21)。観光ガイドブックには矢掛町の古い街並が掲載されていましたが、車窓からは見えません…。それもそのはず、そのような街並は進行方向右手に展開します。

写真22. 農村らしい風景が展開する

農村らしい風景が展開します(写真22)。

写真23. 三谷に停車

三谷に停車します(写真23)。

写真24. 建物がやや増えてきた

写真25. 建物が増えてきた

建物が増えてきました(写真25)。

動画2. 吉備真備の出発時の様子

吉備真備の出発時の様子を動画で撮影しました(動画2)。それなりの加速性能の車両であることが伝わると思います。

写真25. 川辺宿に停車

最後の停車駅の川辺宿に停車します(写真25)。

写真26. 高梁川を渡る

高梁川を渡ります(写真26)。ここまで東向きに進んできましたが、ここから北向きに変えます。せっかくの新線ですが、乗客の多くが向かうであろう倉敷や岡山にそっぽを向くのは…。

写真27. 伯備線に割り込む

伯備線の上下線の間に割り込みます(写真27)。

写真28. 伯備線と並走

伯備線と並走します(写真28)。

写真29. 清音に到着!

清音に到着しました(写真29)。

写真30. 伯備線には同じホームで乗りかえ可能

改札口を通る必要はありますが、伯備線と同じホームで乗りかえが可能です(写真30)。改札口があるのは仕方ありませんが、親切な構造です。

井原鉄道に乗ってみて

写真31. 宝くじ号が投入されているが

今回、異質なローカル線ともいえる井原鉄道に乗ってみました。倉敷や岡山に向かう乗客でそれなりににぎわっていましたが、若者の利用が目立ち、社会人の利用がほぼ皆無だった点が気になりました。清音から乗った伯備線は多くの年齢層の乗客が乗っていたことと対照的です。

この点は多くの理由があるでしょう。その1つが若者の自動車保有率が低く、その層だけが井原鉄道を利用していた可能性があります。平日の通勤時だけ井原鉄道を使い(平日の通勤先は決まっているのでその利用パターンだけ便利であれば良い)、休日には自家用車を利用するということです。

この点については井原鉄道だけの問題でありません。しかし、井原鉄道の起点が清音でなく倉敷だったらどうだったでしょうか。そして、全列車が神辺から福山に直通していたらどうでしょうか。現在でも1日3往復の福山直通があり、相応の努力が見られます。

地方鉄道はどうしても自社だけでの対処を考えてしまいます。しかし、近隣に都市がある場合、そこに直結することは自家用車にはない大きな強みになります。沿線には住宅、商業施設、工場(=通勤客の目的地)が多く見られ、決して使われないローカル線ということはありませんでした。乗車していてこのようなことを考えたのでした。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

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井原鉄道に乗る:現在地

井原鉄道(IRT355-201)の車内(→次)

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