井原鉄道(IRT355-201)の車内

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

岡山県と広島県を結ぶ井原鉄道。ここの車両の多くは外観デザインは似ていますが、1両だけ異質のデザインの車両があります。そんな異端車の車内を観察しました。

写真1. 清音に停車中のIRT355-201

復習:井原鉄道の車両

写真2. 井原鉄道線の車両が集結する車両基地

最初に井原鉄道の車両について簡単に紹介します。井原鉄道の車両はIRT355形に統一されており、機器面では統一されています。この多くの車両は基本的な内装も統一されていますが、一部に例外が存在します。

基本仕様セミクロスシート(ボックスシート)
100番台転換クロスシート
200番台特別仕様(セミクロスシート)

基本的にはボックスシート主体のセミクロスシートですが、2両だけは転換クロスシートです。また、2005年増備の200番台は観光需要を狙ったのか、レトロな内装です。

(参考)写真3. JR西日本120形気動車(津山で撮影)

車両仕様の基本は全車両が120形気動車に準じています。井原鉄道の直通先がJR西日本の線区であり、直通先の仕様にそろえたほうが何かと都合が良いのでしょう。

ただし、最高速度は110km/hに向上(2011年に運転最高速度が95km/hに引き下げられた)され、全長も16.3mから18.0mと大型になり、120形気動車より高級な車両です。井原鉄道線はこの車両で統一されています。他社からの直通列車も自社車両で運転されるため、他社車両による運用もありません。

IRT355-201の車内を堪能する

御託はこの程度にして、IRT355-201の車内を堪能しましょう。

写真4. IRT355-201の側面

側面の様子です(写真4)。夢やすらぎが前面に押し出されています。

写真5. 車内の全体

車内の全体です(写真5)。トイレは清音よりに付いており、反対側の神辺よりは空間を広く取ったロングシートです。「木」を前面に押し出した、水戸岡先生の作品らしい内装です。

写真群1. ゆふいんの森の内装(左が初期、右が後期増備車)

水戸岡先生の作品例を示しました(写真群1)。今回の車両と似た様子が伝わります。

写真6. 車内の様子

もう少し中ほどに入りました(写真6)。

写真7. ロングシート部の様子

神辺よりのロングシートの様子です(写真7)。端部にしっかりとした仕切りとミニテーブルが備わっています。学生さんの勉強に向いているかもしれません。

写真8. ロングシート部の様子

神辺側のロングシート部の様子を別の角度から撮影しました(写真8)。窓のない空間が長いのはちょっと感心しません。こちらにトイレを設置すれば窓のない弱点は緩和されるのですが、現実は逆側にトイレがあります。

写真9. ロングシート部の様子

先ほどの写真の左隣の様子です(写真9)。

写真10. 清音よりのロングシート部の様子

清音よりのロングシート部の様子です(写真10)。こちらのほうがクロスシートとドアの距離が短いです。左右(前後)対象にはしなかったのでしょうか。窓と窓の間の照明はおしゃれに見えます。

写真11. クロスシート部の様子

車両の中央にはクロスシートが配置されています(写真11)。4人向かい合わせのボックスシートが左右に展開しています。

写真12. ボックスシートの様子

ボックスシートの様子です(写真12)。テーブルがあり、居住性に配慮されています。2005年の車両ですが、このころの水戸岡先生は窓をつぶすという愚行はしていない時代でした。

写真13. ボックスシートの座席

ボックスシートの座席です(写真13)。すだれのようなものがあり、意匠性を感じます。

写真14. トンネル内では雰囲気がある

トンネル内では雰囲気があります(写真14)。良いでしょ?

写真15. 運転席との仕切

運転席との仕切です(写真15)。ワンマン運転が前提のため、前面展望は良好です。ただし、この区画は必ず出口になるので、ここで前面展望を満喫し続けることは運転士さんにとっては好ましく思わないかもしれません。

写真16. トイレの様子

トイレの様子です(写真16)。清潔感ある洋式トイレです。絵が飾られていますが、私でも描けそうに見えてしまいます。これが現代美術のこわいところです(美術関連に造詣のある人に言わせると均一に線を描くことが難しいとのことです)。

写真17. トイレの様子

トイレの様子です(写真17)。

井原鉄道のIRT355-201の車内を観察してみて

写真18. 意匠にこだわった座席と照明

レトロ感のある車内のIRT355-201。意匠面での工夫が凝らされ、機能を損なわない「見てくれ倒し」ではない車両でした。また、新造時からの仕様であり、改造車両にありがちなデザイン上の破綻も感じませんでした。

ただし、利用の様子を見ると4人がけゆえに座席の着席率が悪かったり、トイレの配置が窓が設置できるであろう場所にあったりと疑問に感じる部分がありました。

単純な転換クロスシート(出入口付近はロングシート)の意匠にこだわっていない車両のほうが、車両としての機能が高まるのではないか、とも考えてしまいました。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

(←前)井原鉄道に乗る

井原鉄道(IRT355-201)の車内:現在地

山陽本線(岡山地区)の旅(倉敷→福山)(→次)

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする