北陸新幹線はくたか号の乗車記(長野→上野)

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

北陸新幹線の金沢開業以降、便利になった長野と東京の移動。そのような両者の移動を堪能しました。

写真1. 敦賀からやってきたはくたか号が長野に入線!

復習:東京と長野の移動

最初に東京と長野の移動について簡単に紹介します。

表1. 東京と長野の移動概要まとめ

所要時間1時間30分前後
運賃+特急料金(普通車指定席)8,340円(上野発着は8,130円)
本数毎時2~3本

概要を簡単にまとめました(表1)。北陸新幹線には以下の列車群があります。

  • かがやき東京-金沢方面を運転。大宮-長野はノンストップ。全席指定席
  • はくたか:東京-金沢方面を運転。東京-長野は主要駅に停車。
  • あさま:東京-長野を運転、多くが各駅に停車(熊谷、本庄早稲田については上越新幹線との兼ね合いで停車/通過)

北陸新幹線には3種類の列車群があります。

かがやき号は最も停車駅が少なく、大宮-長野をノンストップで運転します(長野-金沢も富山のみ停車)。所要時間は最短で1時間17分、標準で1時間20分~1時間25分程度です。最速達なのか、全席指定席です。速達便を別途設定しても採算が取れる時間帯のみの運転です。なお、北陸方面への最速達便という位置づけですが、長野を通過する便はなく、長野には必ず停車します(乗務員交替のためでしょうか)。

はくたか号は東京-長野では主要駅に停車し、金沢方面まで運転されます。上記のかがやき号が運転されない時間帯は、大宮-長野は高崎のみに停車し、所要時間は1時間25分~1時間30分程度です。かがやき号が運転されている時間帯は軽井沢、佐久平、上田のうち1駅以上停車し、所要時間は1時間30分~1時間40分程度です。東京-長野の停車駅にかかわらず、長野-金沢方面は原則として各駅に停車し、一部が飯山を通過する程度です。

あさま号は東京-長野の運転であり、富山・金沢方面には運転されません(多客期に長野-金沢を延長運転する際はあさま号は運休、同時刻のはくたか号を運転します)。原則として各駅に停車しますが、上越新幹線列車との兼ね合いで朝夕を中心に熊谷と本庄早稲田を通過することもあります。また、安中榛名を通過する便もあります。

日中時間帯ははくたか号とあさま号がそれぞれ毎時1本、利用の多い時間帯はかがやき号、はくたか号、あさま号がそれぞれ毎時1本(一部はかがやき号と停車駅の多いはくたか号がそれぞれ毎時1本のこともある)運転されます。所要時間は長くとも1時間50分です。

簡単にまとめると、東京-長野は速達列車(所要時間:1時間20分~1時間30分)、停車型(所要時間:長くとも1時間50分)がそれぞれ毎時1本以上あり、朝夕は速達列車が毎時2本以上に増える時間帯があるということです。

北陸新幹線の長野-金沢間開業前の日中時間帯40分~60分間隔時代よりも便利になっています。これは北陸新幹線の長野以東が東京-長野の需要と、東京-北陸の需要が重なり、結果として本数が増えたことによるものです。長野どまりの時代よりも便利になっており、これは新線延長による隠れたメリットです。

ここまで東京発着を前提として記述しましたが、上野発着だと所要時間は5~6分短く、特急料金も210円安いです。真の出発地や目的地次第ですが、上野駅を利用することは一定のメリットがあります。私は210円を惜しみ、たいてい上野駅を利用しています。

はくたか号に実際に乗る

昼下がりでしたので、かがやき号は運転されず、はくたか号で移動しました。

はくたか号の普通車指定席

はくたか号の普通車指定席の様子を簡単に紹介します。

写真2. 普通車指定席の様子

普通車指定席の様子です(写真2)。横2列+横3列の横5列のオーソドックスな配置です。

写真3. 普通車指定席の様子

別の角度からも撮影しました(写真3)。赤と黒が多用された座席、白い照明による明るい車内、東北新幹線系統と異なる車内配色です。

写真4. 座席から車内を眺める

座席から車内を眺めます(写真4)。

写真5. 電源も備わる

普通車といえど、電源も備わります(写真5)。

写真6. 荷物置き場もある

荷物置き場もあります(写真6)。私は国内旅行はここまでの荷物は持たないので、荷物置き場を特に必要とは思いませんが、そのような者ばかりでないでしょう。

写真7. 座席背面は特急車の標準的な設備

座席背面は特急車としては標準的な設備です(写真7)。

はくたか号の車窓から

写真8. 新幹線の発車標

新幹線の発車標です(写真8)。北陸新幹線の金沢延伸後、長野は長距離輸送における「どん詰まり」から「日本の幹線軸」上の駅に変貌した感覚があります。長野以西は毎時1本の時間帯がありますが、長野以東は毎時2本は約束され、以前より便利になっています。とりわけ、日本海側とのアクセスが改善した点は大きいでしょう。

長野から東京方面への有効列車は毎時2本ありますが、3分続行なので利便性としては毎時1本と大差はありませんが…。

写真9. 高崎、大宮と停車

高崎、大宮と停車し、準速達型としての役割を全うしています(写真9)。速達列車が毎時1本確保されている点も幹線軸と実感がわきます。

写真10. はくたか号がやってきた

はくたか号がやってきました(写真10)。現在は長野以西は毎時1本の時間帯もありますが、大阪方面に延伸後は「通り抜け」の需要も発生し(最速達で東京-新大阪は4時間程度と予想します)、本数も増えるのでしょうか。

写真11. 車内は比較的空いている

連休明けの火曜とあってか、車内は比較的空いています(写真11)。

写真12. 長野を発車!

長野を発車しました(写真12)。

写真13. 工場の脇を走る

工場の脇を走ります(写真13)。発酵食品の工場でしょうか。世の中には多くの加工品があり、それに応じた工場があります。

写真14. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真14)。

写真15. 遠くに雪山が見える

遠くに雪山が見えます(写真15)。初夏であり、山頂には雪が残っているのです。

写真16. 初夏の中を走る

初夏の風景を走ります(写真16)。

写真17. 市街地を走る

市街地を走ります(写真17)。長野県というと田舎のイメージがありますが、街道沿いは昔から都市が発達したのでしょう。

写真18. 盆地を走る

盆地を走ります(写真18)。長野から軽井沢に向け、徐々に標高は高くなっていきます。

写真19. イオンモールが見える

イオンモールが見えます(写真19)。このあたりに佐久平駅があります。佐久市の昔からの市街地を避けるような立地で駅を設置しましたが、それゆえにロードサイド店や大型ショッピングセンターに近い立地となり、「地方」の鉄道のありかたの1つの教科書的事例かもしれません。

写真20. 谷が見える

谷が見えます(写真20)。

写真21. 高原らしい風景が見える

高原らしい風景に変わってきました(写真21)。避暑地軽井沢です。軽井沢駅の標高は940mであり、単純計算で周囲の平地より5~6℃低いです。周囲が35℃であっても30℃に達するかどうか、という計算をすると、夏に行きたくなる気持ちがわかります。そして、新幹線直結というここまでアクセスの良好な高原も珍しいでしょう。

写真21. 軽井沢を通過!

軽井沢を通過します(写真21)。各駅停車タイプであっても東京駅から80分で行けるのは、便利な避暑地でしょう。

写真22. 安中榛名を通過!

軽井沢を通過後は長いトンネルに入り、周囲が開けると安中榛名です(写真22)。軽井沢駅の標高は940m、高崎駅の標高は93mであり、単純計算で標高差は850mです。そして軽井沢と高崎を素直に結ぶと35km程度でしょう。850m/35km=850m/35000m=24.2‰相当です。これでは勾配が急になるため、北に迂回することで急勾配を回避しています。

なお、その高低差は軽井沢寄りに顕著ですので、高崎駅近傍から均等に勾配を建設するとなると、平地に高さ100mや200mの高架橋を建設する必要も生じ、現実的ではないことも事実です。よって、迂回や急勾配は軽井沢よりで選択されました。

その過程で建設された駅です。そのような背景があるためか、停車する列車も少ないです。

写真23. 関東平野に近づく

徐々に高度を下げ、関東平野に近づいてきました(写真23)。

写真24. 住宅街が見えてきた

住宅街が見えてきました(写真24)。

写真25. 上越新幹線の線路が近づく

上越新幹線の線路が近づきます(写真25)。下り線は高崎駅と分岐点までは共用ですが、上り線は分離されています。これは建設費削減と、上り側のダイヤ乱れの対応と聞いています(どちらかの新幹線列車が遅れても高崎駅までは運転できる)。

上越新幹線の高崎駅停車列車と、北陸新幹線列車の高崎駅通過列車を効率良く運転するとしたら、下り線も分離したほうが良かったでしょう。もっとも、両者の本数がそこまで多くないので大きな問題にもなりません。

写真26. 下り列車とすれ違う

下り列車とすれ違います(写真26)。これはあさま号であり、高崎でこの列車からの接続は要求されません。よって、高崎駅手前ですれ違うことには問題ありません。

写真27. 高崎に停車!

高崎に停車しました(写真27)。この列車は北陸新幹線列車ですが、この先は上越新幹線を走行します。駅での案内はそれを区別することはわずらわしいのか、JR東日本の新幹線駅では単に「新幹線上り」と称することも多いです。

高崎から乗る人も見えます。

写真28. 関東平野を走行

関東平野を走行します(写真28)。トンネルの多い新幹線において、上越新幹線の高崎以南にはトンネルはありません。上野付近にはトンネルはありますが、この区間は東北新幹線であり、上越新幹線のトンネルの数にはカウントされません。

写真29. 遠くに丘陵が見える

遠くに丘陵が見えます(写真29)。反対方向の列車に乗っていたら、このあたりで関東平野の北限に近いことを感じたかもしれません。

写真30. 平らな関東平野を走る

平らな関東平野を走ります(写真30)。関東平野のなかでも埼玉県は平らです。

写真31. 住宅が増えてきた

住宅が増えてきました(写真31)。防音壁がかさ上げされていますが、上越新幹線のスピードアップによるものでしょうか。

写真32. 住宅が多い

住宅が多いです(写真32)。新幹線沿いは地域交通はそこまで便利ではないのが常ですが(線路はあるが駅はない)、大宮よりの区間では新交通システムが建設され、曲がりなりにも軌道系交通機関が整備された点もありましょう。

写真33. 東北新幹線と合流!

東北新幹線と合流しました(写真33)。東京-大宮で線路を共有するので、大宮駅北方で線路を分ける意味は薄いのですが、これは現状が暫定的に開業しているためです。

上越新幹線は本来は新宿起点で計画されており(その計画が実現する可能性は限りなく低いが)、上越新幹線が新宿に延伸されたあかつきには、新宿発着の上越新幹線列車と東京発着の東北新幹線列車が同時に走行することもじゅうぶんに考えられます。

写真34. 東北新幹線列車とすれ違う

東北新幹線列車とすれ違います(写真34)。

写真35. 大宮に停車!

大宮に停車します(写真35)。多くの乗客が降ります。埼玉県へのアクセスはもちろん、新宿地区への玄関口にもなっています。東北新幹線や上越新幹線の線路容量が不足している場面はありますが、繁忙期の臨時列車を大宮発着とする策がありますので、根本的な問題になっていないのかもしれません(上越新幹線で常用するには配線変更が必要だが)。

写真36. 大宮を発車!

大宮を発車しました(写真36)。この先は用地買収の問題もあり、曲線のカーブが厳しいです。したがって、最高速度は130km/hと低いです。この根拠は曲線半径800mのカーブがあるためとされていますが(これより曲線半径が小さい箇所は減速する)、在来線よりも通過速度は高いです。

そのような事情は承知していても、この速度の遅さにはもったいなさを感じます。全区間130km/h制限ではなく、ところにより160km/hとすれば、大宮以南の「遅く感じる」ことは軽減されましょう。

写真37. 武蔵野線をまたぐ

武蔵野線の貨物支線をまたぎます(写真37)。

写真38. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真38)。

写真39. マンションが増えてきた

東京都心に近づくにつれて、戸建て住宅よりマンションが目立ってきました(写真39)。

写真40. 王子付近を通過!

王子付近を通過します(写真40)。

写真41. 西日暮里付近でトンネルに入る

西日暮里付近でトンネルに入ります(写真41)。トンネル内の65km/h制限も遅さを感じます。もう少し精査してから速度を向上しても良いでしょう!

大宮以南の遅さを感じますが、このような細かな改善で1分程度スピードアップするでしょう。

写真42. 上野に到着!

上野に到着しました(写真42)。

写真43. はくたか562号の表示

改めてはくたか562号東京行きの表示を撮影しました(写真43)。

写真44. 残り1駅を走る

残り1駅を走ります(写真44)。この1駅はそこまで速度は高くありませんが、東京の都心部に駅を設置できたという意義は大きいでしょう。

写真45. 上野駅の連絡改札を通る

上野駅の連絡改札を通ります(写真45)。上野駅でJRの改札外に出るにしろ、在来線各線に乗りかえるにしろ、この連絡改札は必ず通ります。

今回の旅行はここで終了ということにしましょう!

北陸新幹線のはくたか号に乗ってみて

写真46. 2024年からは長野と敦賀が直結されるようになった

今回、旅程を組み立て、北陸新幹線に乗る時間帯を精査した結果、北陸新幹線でははくたか号を選択しました。長野以北はともかく、長野以南では速達列車か準速達列車が毎時1本確保され、最低限の利便性を感じました(日中時間帯でもかがやき号が2時間間隔で運転されればいうことはありませんが)。

車内もそれなりに快適であり、所要時間の短さもあり、関東と北陸の移動は大幅に便利になっています。個人的には、この区間も含めて日本列島の東西軸を形成することになり、長野を訪問しやすくなったと感じます。

特定の区間が「どん詰まり」ではなく、「重要な通過軸」になることは区間利用も便利になり、路線網としての強みも増す一例と感じます。交通機関は単独で機能するものではなく、網目状に発達することで機能は発揮されます。北陸新幹線が網目状の交通機関の主軸として、これからも機能し続けることを期待します。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

(←前)特急しなの号のパノラマグリーンで前面展望を楽しむ(名古屋→長野)

北陸新幹線はくたか号の乗車記(長野→上野):現在地

25年GW瀬戸内旅行のまとめ(→次)

★今回の旅行の全体像は25年GW瀬戸内旅行のまとめに記載しています。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする