GWに実施した瀬戸内地方を中心とした旅行。その全体像を示すとともに、費用などをまとめます。




写真1. 今回のハイライト一覧
25年GW瀬戸内旅行の総括
今回の総括をまとめると以下の通りです。
- 5泊6日の旅程で瀬戸内を主眼に置きつつ、往復の移動も楽しむ旅程を設計した
- 目的として「美しい瀬戸内」と触れ合うことはできた、ただしこれは天候が影響する
- GWは気温が適切であり、この時期の旅行というだけで加点要素が大きい
詳細を以下に記します。
旅程一覧
今回の旅程一覧を示します。
1日目:東京→岡山

写真2. 佐用で昼食を兼ねた途中下車
初日は東京から岡山までの移動です。単なる移動ではおもしろくないので、700系レールスターへの乗車、中国地方のローカル線乗車という課題を自らに課しました。
- 東海道新幹線の繁忙期の「のぞみ」に乗る(東京→新大阪)
- 山陽新幹線のこだま号に乗る(新大阪→姫路)
- 姫路駅を歩く(2025年)
- 姫新線の旅(姫路→津山)
- 津山線の普通に乗る(津山→岡山)
- 三井ガーデンホテル岡山の宿泊記
- 岡山駅を楽しむ(構内図も収録)
主な移動手段の時刻をまとめます。
のぞみ291号 | 東京6:51→新大阪9:18 |
こだま845号 | 新大阪9:32→姫路10:12 |
姫新線普通 | 姫路11:25→佐用12:30 |
姫新線普通 | 佐用13:22→津山14:21 |
津山線普通 | 津山14:35→岡山16:02 |
2日目:岡山→高松

写真3. 高松でのうどん店さがしに中心街を歩いた
この日はあまり移動せず、高松付近で楽しむことに力点を置きました。突発的に小豆島に向かいましたが、風景の良さに感動しました。
主な移動手段の時刻をまとめます。
快速マリンライナー21号 | 岡山10:23→高松11:18 |
フェリー | 高松港13:40→土庄港14:40 |
姫新線普通 | 土庄港17:30→高松港18:30 |
3日目:高松→福山

写真4. 惜しくも見ごろを逃したが福山のバラ公園に立ち寄った(単独の記事は執筆していません)
この日は午前中は高松滞在、午後は風景を楽しみながら本州に渡りました。
主な移動手段の時刻をまとめます。
特急いしづち9号 | 高松11:50→宇多津12:08 |
特急しおかぜ9号 | 宇多津12:14→今治13:39 |
路線バス | 今治駅前14:10→福山駅前15:40 |
4日目:福山→広島

写真5. 広島駅に隣接の駅ビルで夕食を堪能(個別の記事には収録していません)
この日は午前は乗り鉄と福山城観光、午後は観光列車による移動でした。
主な移動手段の時刻をまとめます。
福塩線普通 | 福山9:09→神辺9:24 |
井原鉄道普通 | 神辺9:26→清音10:24 |
伯備線普通 | 清音10:30→倉敷10:36 |
山陽本線普通 | 倉敷11:20→福山12:01 |
観光列車etSETOra | 福山14:17→広島17:22 |
5日目:広島→名古屋

写真6. 名古屋の名鉄百貨店で珍しいエスカレータを堪能(個別記事には収録していません)
この日は鉄道車両や特急列車を楽しむことを前面に出し、移動欲を満たす1日でした。
主な移動手段の時刻をまとめます。
こだま842号 | 広島8:40→岡山9:55 |
さくら542号 | 岡山10:14→新大阪10:59 |
近鉄特急 | 大阪難波13:10→伊勢中川14:34 |
山陽本線普通 | 伊勢中川14:37→近鉄名古屋15:37 |
6日目:名古屋→東京

写真7. 特急しなの号に乗る前に平日朝の混雑状況を確認
この日は名古屋から東京まで長野経由で帰宅しました。
主な移動手段の時刻をまとめます。
しなの5号 | 名古屋9:00→長野11:59 |
はくたか562号 | 長野13:23→上野14:46 |

図1. 今回の旅程(OpenRailwayMapより引用後加工、色分けされたものは別日の行動を示す)
旅程の設計

写真8. 小豆島観光という形で瀬戸内の絶景と触れ合った
今回は2024年GWで実施した旅行での積み残しを含め、以下の内容を主目的に設計しました。
- 瀬戸内海の風景を楽しむこと
- 山陽新幹線の500系や700系レールスターに乗ること(引退直前に乗らないようにするため)
これを主軸に旅程を設計し、東京→岡山→高松→今治→福山と決定しました。これに加え、福山→広島の経路を変える(往路:呉線経由の観光列車、復路:新幹線こだま号)ことで上記2点の要求事項を満たすことにしました。
ところで、帰宅経路については2通り考えていました。
- 大阪→(近鉄特急)→名古屋→(しなのの最前列)→長野→東京
- 大阪→(北陸新幹線経由)→東京
この2つの魅力的な選択肢のどちらかを選ぶことは大変難しいです。ならば、どちらかを選ぶことを放棄することにし、両方を選ぶことにしました。しかし、1回の旅行で両方を選ぶことも非現実的です。
他方、別途大阪旅行(万国博覧会がメイン)を企画していました。この帰宅についてもまっすぐ帰るつもりはありませんでした。そして、帰宅経路については、今回の旅行と次の旅行で独立しています。
すなわち、以下の2つの組み合わせが考えられます。
表1. 組み合わせ1
前半 | 後半 | |
GW旅行 | 瀬戸内をめぐる旅行 | 名古屋経由 |
初夏旅行 | 大阪万国博覧会旅行 | 北陸地区経由 |
表2. 組み合わせ2
前半 | 後半 | |
GW旅行 | 瀬戸内をめぐる旅行 | 北陸地区経由 |
初夏旅行 | 大阪万国博覧会旅行 | 名古屋経由 |
これらのいずれの組み合わせでも良いのです。そこに制約条件はありません。手配の難しさを考慮し、今回の旅行の後半に名古屋経由(特急しなの号の最前列)を組み入れる挑戦をし、それが難しそうであれば次の旅行に挑戦するという2段構えです。そして、今回の旅行で無事に手配できましたので、組み合わせ1(表1)としました。
昨年に学んだ旅行群という考えを初めて実践した瞬間でした。
このような背景から、後半は「瀬戸内旅行」とは関係ない移動となったのです。いずれにしても、新幹線と在来線を別に考え、同じ駅を通過するだけでは経路が重ならないという条件を適用すると、同じ区間を往復したのは新大阪-姫路と高松-宇多津だけというかなり美しい経路にもなりました。
旅費の確認

写真9. 観光列車に乗るとグリーン料金がかかり費用面ではマイナス
旅費についてまとめます。
旅費の定義と集計結果
本記事では、東京駅で新幹線に乗ってから、上野駅で新幹線を降りるまでを旅費と定義します。もう少し厳密に定義すると、東京駅で新幹線乗りかえ改札を通過後から、上野駅に戻ってきたときの新幹線乗りかえ改札通過時までを今回の旅費としました(図1、図2)。

図1. 東京駅での対象外のイメージ(往路、JR東日本公式サイトより引用後加工)

図2. 上野駅での対象外のイメージ(往路、JR東日本公式サイトより引用後加工)
なお、自宅は東京都区内にあり(最寄もJR駅)、東京都区内からの乗車券を使用しました。そのため、事実上旅費は自宅からスタートと同義ですが、厳密さを重視し、東京駅からのスタートとしました。ゴールについても同様です(上野発着のほうが特急料金が安いためゴールを上野駅としました)。

写真10. 今回の旅費の終了の定義である新幹線乗換改札(対象内エリアから対象外エリアを撮影)
まず、私が負担した項目別の金額一覧を示します(表3)。
表3. 私が負担した金額一覧
項目 | 価格 [円] | 割合 [%] | 累計 [%] |
移動(中距離以上) | 69,380 | 47.4 | 47.4 |
ホテル | 42,849 | 29.3 | 76.8 |
食事 | 19,291 | 13.2 | 89.9 |
移動(地域) | 5,900 | 4.0 | 94.0 |
物品 | 3,803 | 2.6 | 96.6 |
休憩 | 2,235 | 1.5 | 98.1 |
食料 | 1,857 | 1.3 | 99.4 |
観光 | 910 | 0.6 | 100.0 |
合計 | 146,224 | 100.0 | 100.0 |
各項目の定義は以下の通りです。
- 移動(中距離以上):旅行中に地域間の移動に費やした費用のこと。地域での移動代との識別については、そこまで厳密でない
- ホテル:宿泊費用のこと。食事つきの場合、厳密には食費と宿泊に分割する必要があるが、簡単のため全額を「ホテル」に算入した(本旅行では食事付きプランなし)。ここでは宿泊施設の種類は問わず、不動産のベッドや布団類で過ごすための費用を合計した。
- 食事:宿泊施設類の食事付きプラン以外のレストランで消費した費用。
- 移動(地域):旅行中に地域内で完結する移動に費やした費用のこと。
- 物品:消耗品類の費用の合計。慣例的にコインランドリーにかかる費用はここに計上。
- 休憩:街歩きなどの合間に喫茶店等で休憩した際に生じた費用。
- 食料:小売店で購入した食料。飲み物と特に区別していない。
- 観光:いわゆる入場料。この項目には不動産等への入場料を算入し、動産への入場料を算入していない。すなわち、観光列車の類は「移動」としており、本項目には算入していない。
また、支出の絶対額(図3)、支出の相対割合(図4)をそれぞれ視覚化しました。

図3. 旅費の視覚化(棒グラフ)

図4. 旅費の視覚化(円グラフ)
瀬戸内地方を周遊する旅行かつ瀬戸内地区からの帰宅に趣向を凝らした(=1泊余計にかけた)5泊6日で146,224円でした。
これには現地の食費も含まれており、旅行によって追加で発生した費用ではありません(※)。日常生活でも食費がかかるので、旅行によって追加で発生した費用はこれより少なくなります。これを考慮すると、旅行で追加で発生した費用は13万円程度と考えるのが妥当でしょう。
※旅行によって生じた費用を算出するには、平均的な休日の生活費を算出し、その差異を求める必要があります。6日間の生活費で16,224円(光熱費も含めるが基本料金は含めない)はそれなりに妥当と考えました。
考察1. 世間平均との比較
では、この13万円という金額は世間一般と比べるとどうでしょうか。政府の統計データによると、世間平均では2025年1月-3月の3か月平均で国内旅行1人1回当たりの費用68,807円(2.21泊)が平均値です。豪勢な旅行から近場でコストミニマムな旅行までの平均であり、1人1人の実態と必ずしも合っているとは限りません。しかし、目安ということで平均値を取り上げました(図5)。

図5. 今回の旅費と世間平均の比較
では、平均2.21泊を今回の5泊に換算するとどうでしょうか。求める金額をx [円]とすると、
2.21泊:68,807円 = 5.00泊:x [円]
これを解くと(中学の比の計算の基本式で外側の積と内側の積は一致します)、155,672円となり、今回の旅行の総合計金額は146,224円とほぼ一致します。別のいいかたをすると、世間平均の5泊の旅費と比較して9,448円安かったということです。ともかく、(旅程や目的はともかく金額だけ見ると)世間並みの国内旅行をしたということです。
考察2. 支出項目別にみて
世間平均並みの旅費だった点を考慮しながら、項目別の費用について簡単に考えます。分析のセオリーである上位項目(金額ベースで89.9%)のみの考察とします。
-
移動(中距離以上)(69,380円)
-
全体の47.9%かかっており、最も支出金額が大きい項目でした。普通列車の普通車、特急列車のグリーン車を適宜利用し、「質素すぎず」「贅沢すぎず」のバランスを取れたと自負しています。また、まとめられる乗車券をまとめることにより、乗車券料金を最低限にとどめたこともポイントです。
費用項目 金額 [円] 割合 [%] 累計 [%] 乗車券(東京都区内→高松) 11,870 17.1 17.1 特急券・グリーン券(高松→今治) 8,250 11.9 29.0 乗車券(名古屋市内→東京都区内) 7,700 11.1 40.1 新幹線の指定席特急券(東京→姫路) 6,640 9.6 49.7 特急券・グリーン券(名古屋→長野) 6,410 9.2 58.9 乗車券(広島市内→大阪市内) 5,720 8.2 67.2 新幹線の指定席特急券(広島→新大阪) 4,500 6.5 73.6 新幹線の指定席特急券(長野→上野) 3,860 5.6 79.2 乗車券(交通系ICカード利用)(大阪難波→近鉄名古屋) 2,860 4.1 83.3 路線バス(今治駅前→福山駅前) 2,800 4.0 87.4 乗車券(清音→広島) 2,640 3.8 91.2 特急券(大阪難波→近鉄名古屋) 2,140 3.1 94.2 普通列車用グリーン券(福山→広島) 1,700 2.5 96.7 普通列車用グリーン券(岡山→高松) 1,260 1.8 98.5 井原鉄道乗車券 1,030 1.5 100.0 ※割合はこの項目全体(旅費全体ではない)に対する各券面の比率
ここで惜しいと個人的に反省しているのは以下の点です。
- 東京都内→高松の距離は875.6km(津山経由)であり、栗林までの乗車券でも同価格でした。それならば、高松市内移動の備えとして買えば、地域内移動の費用節約のチャンスもありました。
- 高松→今治の距離は144.9kmであり、讃岐牟礼からでも同価格でした。上と同様に地域内移動の費用節約に貢献したことでしょう。
- 宇多津から今治まではグリーン車を選択しました。座席のグレードが高かったことは事実ですが、前面展望を期待していただけにやや落胆しました。2,270円の価値があったかは判断が分かれることでしょう。
全般的にあと2000円程度の節約が可能であり、この点の判断に甘さが残る結果となりました。それでも、この程度であれば及第点でしょう。
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ホテル(42,849円)
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全般として妥当な支出でした。(ホテルとしての問題はなかったのですが)ただし、岡山のホテルは格式のあるホテルで価格が高かった点は検討の余地がありました。個人的には格式の高いシティホテルによる満足度は(値段に対しては)低い印象でした。一般的なビジネスホテルでじゅうぶんであり、場合によっては訪日外国人向けのホテルのほうが私の好みに合っており、その点を実感する旅行となりました。そう!格式よりもコインランドリーや大浴場…。
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食事(19,921円)
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地方都市に向かったこともあり、食費は全体的にコストパフォーマンスが高かったです(でも福山でイタリアンはどうなの?)。さらに、食事の対象がいわゆるB級グルメに向いており、その点が旅費低減に貢献したかたちです。
栄養バランスは部屋でのトマトスープ摂取などにより補いました。
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全般として
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世間比較より安価におさまりました。また、帰宅時にはかねてより気になっていた近鉄特急(2階建て、伊勢志摩ライナーのデラックス席)や特急しなの号の最前列乗車もでき、心残りのない旅程となりました。
数少ない初夏の旅行チャンスをふんだんに活用した旅程でした。また、旅行の後半は世間の「大型連休」から外したこともあり、特急券(閑散期に当たった日もある)や宿泊代という意味でもプラスでした。これは年次有給休暇取得の都合もありますので、常に実践できる性質ではありませんが、留意したいポイントでもあります。
荷物の工夫

写真11. 西友で買った安いバッグが大いに役立った
今回も荷物を工夫しました。主な工夫は以下の通りです。
- 寒い場所を避け、着替えの量を削減する(GWの旅行が西方向なのはそのためです)
- 洋服についても古い洋服を厳選し、旅行の中盤以降は宿泊施設に寄付
- その洋服も途中で洗濯することを意識し、2日ぶんしか持たない
- ガイドブックは持たず、重たい書籍を持たない
- みやげは旅程の最後のほうに入手し、運ぶ負担を軽減
大前提として、スーツケースを排除することでした。
このようなことを考える場合、最も効果があるのは、重量や体積を多く占めるものを削減することです。
一番の荷物は着替えです。私は旅行先で自撮りもしませんから、立派な洋服を着る必要もありません。そこで、着替えは洗濯サイクルを考慮し、最小限の2セットぶんとし、旅行の終盤は布を寄付することにしました。その空いたスペースにみやげを格納しました(一応会社員なので、人間関係を考えてみやげを購入しました)。
重いものは書籍です。そのため、ガイドブックを含めて書籍を所持品から排除し、重量軽減としました。
この荷物削減プランは大ヒットでした。旅程計画時点ではあまり気になりませんが、旅行中の地味な課題が大荷物の置き場確保です。大荷物をかかえるデメリットは以下の通りでしょう。
- 周遊旅行の場合、大荷物に付き合いながら移動する必要がある
- 散策の前にコインロッカーなどを探す手間がかかり、コインロッカー利用も費用がかかる
- 大荷物を運ぶと自分のみならず周囲の邪魔になり、社会的コストが上昇する
荷物を軽量化したおかげでこれらの手間から解放されました。自分の旅行の手間が省けるのもメリットでしたが、大荷物を運ぶことによる迷惑をかけない点が最も重要と思いました。手ぶらがベストシナリオですが、着替えをもつ以上はそうはいきません。それでも荷物を減らすことは正義であり、これからも心がけようと実感しました。
特定の荷物を持たないことによる軽量化は1g、削減できる容量は1mlかもしれません。この1gや1mlの積み重ねがスマートな旅行につながるのです。
なお、現地移動は近所の西友で購入した小さなかばんを活用(2024年夏の海外旅行用に購入)し、観光地めぐりの荷物軽減を意識したのでした。そのような意味で、駅に近いホテルというのは肝要でした。
これからも国内旅行、海外旅行問わずにスーツケースを排除し、理想は通勤時の荷物で旅行に出かける所存です。
旅行では写真を多く撮影します。今回は通常のデジタルカメラ(IXY650)のほかに最新のスマートフォン(Google Pixel 8a)を携行しました。後者については2025年4月より運用を開始し、日常生活の「慣らし運転」で操作に慣れることにしました。これにより、写真の質がやや向上したと認識しています。荷物の軽減を目指し、もともと一眼レフカメラのような高級(=重い)カメラは所持していません。
旅行の評価(目的を達成できたか)

写真12. ここで休憩中に小豆島というキーワードが耳に入ってきた
実際の旅程、費用、工夫を述べましたが、実際に目的は達成できたのでしょうか。
美しい瀬戸内の発見
ここまでの記述をまとめます。
- 目的は瀬戸内海の美しい風景を堪能すること
- 引退が見えている山陽新幹線の車両を中心に多くの列車に乗ること
- その費用は総合計金額は146,224円で、同程度の旅程の世間平均並みと見積もられる
- 荷物を削減し、身軽でスマートな旅行を実現できた
では、美しい風景を堪能できたのでしょうか。
結論からいうと、美しい風景に出会うことができました。これは、瀬戸内海に触れるときの天候に恵まれたという側面があります。また、雨のときは瀬戸大橋の記念館訪問というBプランを考えつつ、高松の展望台でとなりの会話を聞き、弾力的に小豆島観光をねじ込んだ点も見逃せません。
他方、etSETOraではあいにくの雨で、風景を堪能できなかった場面もありました。これは、天候という運要素です。ただし、何日か連続で雨に降られることは少なく、どこかで晴れていれば旅程全体の満足度を一定程度確保できるように旅程を設計し、ダメージを最小限にとどめることが可能でした。
このように天候次第で旅行の満足度は変わりますが、旅程全体での天候のリカバリーを考えることにより、旅行の最低限の品質を確保することの重要性を再認識しました。
多くの人が情景について独自の価値観を保有していることは承知ですが、私の価値観では「明るい日差しに照らされた風景」こそ美しく感じます。改めてその価値観を実感する旅となりました。冬の陰影ある風景を風情あるものとするのが大人の価値観という風潮がある気がしますが、こればかりは個人の価値観なので仕方ありません。これは2024年のGWの旅行で学んだ教訓を生かしたかたちです。
鉄道の魅力の再発見
動画1. ブンブン走る383系特急しなの号
今回は多くの種類の交通手段を活用しました。新幹線、在来線特急、民鉄特急、快速、ローカル線、路線バスというラインナップです。
個人的趣向ですが、ローカル線よりもブンブン走る列車群のほうが好みであることを改めて実感しました。ローカル線の様相に情景を感じる人が大人の感性という価値観が多いと思いますが、こればかりは個人の価値観なので仕方ありません。私の趣味で行く旅行です。私の価値観を重視いたします。
旅行の評価まとめ
旅行の評価を簡単にまとめます。全般的に天候にも恵まれ、楽しい旅行でした。また、瀬戸内の風景を味わい、移動などで新緑あふれる風景も堪能できました。明るく温暖な良好な環境下で楽しめた旅行です。
多くの人が旅行の評価として、「観光地に行けたか、その観光地がどうだったか」という指標で評価するでしょう。観光地に乗った列車を代入することで、私も旅行を評価することが可能です。
別の側面として、旅行というのは屋外で勝負する性質のものです。旅行先に特別な目的(ウィンタースポーツ、サマースポーツ、特定のアイドルのライブなど)がない限り、快適な気候のほうが楽しめます。そのような基本原理を再認識しました。このほかに、旅行で飽きがこないように、滞在先を変えつつ、多様な種類のものを堪能することも大事なのでしょう。
このような環境下で旅行できた、その事実だけで今回の旅行は成功といえましょう。