特典航空券。特別な人にしか使えない特別なサービスというイメージがあります。しかし、そのようなことはありません。そのような特典航空券を使い、東京(羽田)から大阪(伊丹)に旅しました。

写真1. ANAの航空機がとまっている
復習:特典航空券とマイレージサービス
最初に特典航空券とマイレージサービスの概要について簡単に紹介します。
マイレージサービスとは、航空会社の会員制のポイントサービスのようなものです。ご自宅の近所のスーパーマーケットで100円で1ポイントのようなポイント還元サービスがあるかもしれません。これは顧客を囲い込むための施策ですが、その航空会社版です。つまり、多く航空機に乗った人に対し、後日の還元サービスを受けられるということです。
そして、航空機のポイント還元サービスは慣例的に「マイル」と称されます。これは、航空機がある地点と別の地点を結ぶサービスの1つであり、その距離の単位を採用しているためです。今やSI単位系の世の中ですから、マイルではなくメートルと表記されるべきと思いますが、これは航空会社の慣例なのでしょう。
マイルの貯めかたは、大まかに以下の3つに分けられます。
- 当該の航空会社または同じアライアンスの航空会社の航空便を利用すること
- 当該の航空会社の発行するクレジットカードで決済すること
- 別のポイント還元サービスを「マイル」に変換すること
1は最も基本的な方法です。例えば、私は2024年夏の海外旅行にシンガポール航空便を利用しました(日本と欧州の行き来が最も安かった)。日本と欧州の行き来にシンガポールを経由することは距離的にはロスに当たります。その反面、飛行距離も大きく、基本マイルは高くなります(会員のグレードなどにより、基本マイル×率で付与されるマイルが決まります)。そのため、この旅行で12,000マイルを取得しました。シンガポール航空はスターアライアンスに加盟しており、同じスターアライアンスの全日空(ANA)のマイルに変換できます。
2と3はいわゆるポイ活と呼ばれる人たちが日夜研究されている方法です。例えば、JALカードで日常の買い物を決済すると、200円で1マイルが付与されます。例えば、年間100万円の買い物により5000マイルになります。JALカードの年会費は2,200円ですから、それを支払う価値があると判断すれば、入会したら良いでしょう。
個人的所感ですが、マイレージサービスに必死になる必要もないと思います。JAL、ANA双方の会員に登録し(会員登録は無料)、搭乗に応じたマイルを取得する程度の考えだとストレスは低いでしょう。
ともかく、私は過去にこのような長距離の航空便を利用していたため、たまたまマイルがありました。それを使ったということです。そのマイルを使っての航空券を特典航空券と称します。2025年7月現在、JAL、ANAともに国内線、国際線ともに片道から特典航空券の利用が可能です。この特典航空券の見た目の価値が高く、上級会員になると空港ラウンジを使用できることから、必死にマイルを貯める人たちがいるのです。
実際は特典航空券はなかなか入手できなく(国際線の上級座席はその傾向は特に強い)、現金を支払う顧客のほうが選択肢の幅が広い事実は強く認識したほうが良いと思います。仮に2025年7/1に東京-フランクフルトの航空便(2025年お盆、2026年GW)を検索したら、特典航空券は空席待ちでした。
このようなことを考えると、国際線に乗る機会があるならばマイレージサービスに入会し、国内線で特典航空券に変換するのがストレスの少ない方法と思います。
ここで注意が必要なのは、特典航空券そのものは無料ですが、空港使用料などは支払う必要があることです。このときは790円を支払いました。
マイレージサービスとの付き合いかたを個人的に考察しています。



羽田から伊丹まで実際に航空機に乗る
御託はこの程度にして、実際に航空機に乗りましょう!

写真2. 羽田空港のモノレール駅の案内
羽田空港のモノレール駅の案内です(写真2)。わがNH23便は63番搭乗口と表示されています。

写真3. LH4918便の表示
LH4918便の表示もあります(写真3)。ドイツの航空会社が日本国内の国内線を運航しませんから、コードシェア便ということです。確かに全日空とルフトハンザはスターアライアンス系列です。

写真4. 羽田空港の様子
羽田空港の様子です(写真4)。開放的で明るい造りです。

写真5. 自動チェックイン機がある
自動チェックイン機があります(写真5)。カードを入れてもうまく作動しませんでした…。しょうがないのでWebでチェックインしました。

写真6. 待合室で待った後に並ぶ
待合室で待った後に並びます(写真6)。ここまでラウンジの様子がありませんが、決して撮影忘れではありません。そう!私は上級会員でもなければ、上級座席を予約したわけでもなく、ラウンジ利用権はないのです。
上級会員さまの優越感をくすぐるためには、私のような下級会員が必要でしょう!

写真7. 列がぐんぐん進む
列がぐんぐん進みます(写真7)。会員によらず、列を手早くさばくことは、定時運転確保のためには重要です。

写真8. 航空機がとまっている
航空機がとまっています(写真8)。

写真9. 機内の様子
機内の様子です(写真9)。それなりに混んでいます。私の隣にも人がやってきました。なお、この機体には個別の座席モニタはありませんでした。確かに65分の飛行時間(うち最初の数分間は安全ビデオを眺めるので客側が自由にモニタを操作できない)であれば、モニタがあっても仕方ありません。

写真10. ボーイング767-300が充当される
ボーイング767-300が充当されました(写真10)。横8列と国際線より横幅が小さく感じます。

写真11. 羽田空港の様子
視線を外に向けました(写真11)。

写真12. 羽田空港を走る
羽田空港を走ります(写真12)。

写真13. 海上にも構造物がある
会場にも構造物があります(写真13)。羽田空港が海の近くにあることを実感する瞬間です。
動画1. 離陸前後の様子
離陸前後の様子を動画で撮影しました(動画1)。ジェット機の加速などが伝わると思います。

写真14. アクアラインが見える
アクアラインが見えます(写真14)。この向きにアクアラインが見えるということは、北側に向かっているということ?

写真15. 羽田空港が見える
こちら側に羽田空港が見えてきました(写真15)。ということは、進路を西向きに変えたということでしょうか。

写真16. 横浜付近が見える
横浜付近が見えます(写真16)。

写真17. 箱根が見える
関東平野を出て、箱根地区までやってきました(写真17)。

写真18. 富士山が少しだけ見える
富士山が少しだけ見えました(写真18)。航空機、富士山ともに目線が高く、双方が雲の上に位置しているからこそ展開する風景です。

写真19. 中京地区にさしかかる
飲み物が出され(ANAは飲みものが無料で出される!)、それを飲みながら少しだけくつろいでいたら、いつの間にか中京地区にさしかかりました(写真19)。

写真20. セントレアが見える
セントレアが見えます(写真20)。もう中部地方はおしまいです。

写真21. 伊勢湾をこえる
伊勢湾をこえ、三重県上空にさしかかります(写真21)。

写真22. 山間部を飛行!
山間部を飛行します(写真22)。

写真23. 大和八木付近を眺める
奈良盆地に入り、民家が増えてきました。東西方向の線路と南北方向の線路が交差しており、連絡線があることから、簡単にわかります(もっともこのような目線で外を眺めていた者がNH23便にどれだけいたかはわかりません)。

写真24. 生駒山地付近
生駒山地付近です(写真24)。

写真25. 淀川が見える
淀川が見えます(写真25)。

写真26. 淀川を渡る
淀川を渡ります(写真26)。

写真27. 淡路駅が見える
淡路駅が見えます(写真27)。

写真28. 商売敵の新幹線の駅が見える
商売敵の新幹線の駅が見えます(写真28)。この時点で航空機の高度もだいぶ下がっており、都心部に近い空港であることを実感します。
動画2. 着陸の様子
着陸の様子を動画で撮影しました(動画2)。

写真29. 伊丹に到着!
伊丹空港に到着しました(写真29)。13:12には座席を立つことができました。時刻表上の到着時刻が13:05でしたから、そこから7分後にはだいたいの人が座席を立ったことになります(私はゆっくり座席を立ちました)。

写真30. ファーストクラスの座席
ファーストクラスの座席です(写真30)。65分間の飛行時間ならエコノミークラス(旧称:普通席)でじゅうぶんにも思います。

写真31. 伊丹空港のデッキを歩く
伊丹空港のデッキを歩きます(写真31)。

写真32. 手荷物が返却される
手荷物が返却されます(写真32)。最近は国内旅行でも大きな荷物を抱える人も多いですが、通勤カバンで国内旅行する者には無縁の案内です。

写真33. 制限エリアから出た
いわゆる制限エリアから出ました(写真33)。13:17のことです。時刻表上の「定刻」から遅れること12分です。つまり、時刻表上の定刻から12分後には自由に動けるということです。予想より早く動けましたが、これは機体が比較的小さいためかもしれません。
特典航空券で移動してみて

写真34. エコノミークラスに搭乗した
今回、人生初の特典航空券での移動に挑戦してみました。上級会員でないので、座席はエコノミークラス、ラウンジも使用せずと、ありふれた乗客の1人として行動しました。また、航空機内のサービスはありふれた乗客の1人に対するものであると感じ、会員であることによる優遇や安価に乗っていることによる冷遇は感じませんでした。そのような意味で、通常の現金での利用と変わりませんでした。
特典航空券に夢を持っている人もいるでしょう。しかし、そのようなことはなく、条件が合えば安く航空機に乗るチャンスがめぐってくる、というだけのことでした。
目に見える「おトク」と引き換えに、自由度がなくなるのが「おトク」な制度です。特典航空券はまさにその一面を強く感じました。