1駅だけ営業している阪和線羽衣支線。実態が語られる場面は多くありませんが、その実態を探りました。

写真1. ワンマン運転の羽衣線電車
復習:阪和線羽衣線の概要
最初に阪和線の鳳-東羽衣(通称:羽衣線)の概要を紹介します。
- 区間:鳳-東羽衣
- 距離:1.7km
- 所要時間:3分
- 運転間隔:15分間隔(朝と夜間は異なる)
図1. 鳳駅と東羽衣駅の位置関係(googleマップより引用)
羽衣線の概要を示しました。堺市の鳳駅と高石市の東羽衣駅を結ぶ路線です。短い路線ですが、2つの地方自治体にまたがっています。
以前は103系3両編成でしたが、新型置き換えに際し、225系4両編成に変更されました。225系は(前任の車両の223系も含め)4両編成か6両編成が基本であり、ここだけに3両編成を投入するのは不合理だったんでしょうか。
1編成がひたすら往復する運転のため、運転間隔はどうしても6分以内にはできず(運転間隔は往復の所要時間+両駅の折り返し時間)、終日15分間隔です。ただし、朝と夜は完全な15分間隔ではありません。
終端の駅が羽衣駅でなく、東羽衣駅になっているのは、南海電鉄と駅を区別するためでしょう。一時期は阪和線と南海電鉄が同じ会社での運営だったので、同じ駅名でも良さそうですが…。
もともとは浜寺海岸への行楽客を目指して建設された区間ですが、現在はその面影はなく、住宅街を走る路線に変わっています。
実際に羽衣線に乗る
御託はこの程度にして、実際に羽衣線に乗りましょう!今回は高師浜線に乗った後に乗るので、東羽衣からの乗車です。

写真2. 南海電鉄羽衣駅からの連絡通路
南海電鉄羽衣駅からの連絡通路です(写真2)。地上を歩かずに済みます。

写真3. JR東羽衣駅
JR東羽衣駅です(写真3)。JRなのに1駅の支線は珍しいと感じるかもしれません。阪和線はもともと阪和電鉄という民鉄でした。そう考えると、1駅の支線が建設されたこともわかります。

写真4. わざわざ注意書きがある
改札口周辺にわざわざ注意書きがあります(写真4)。「難波方面・泉佐野方面ご利用のお客様は南海電鉄が便利です」と書かれています。いくら羽衣から難波まで急行で約17分、羽衣線利用の場合は鳳乗りかえといっても、敵に塩を送るとは…。

写真5. 車内は意外と席が埋まる
発車近くに乗ったこともあり、車内は意外と席が埋まっていました(写真5)。それにしても、皆さん前を向いていて、座席の転換に慣れている感じがあります。

写真6. 住宅が多い
東羽衣を発車しました。住宅が多いです(写真6)。

写真7. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真7)。さすが、政令指定都市の堺市とその周辺だけあります。

写真8. 住宅街が続く
住宅街が続きます(写真8)。

写真9. 国道26号を越す
国道26号線を越します(写真9)。幹線道路沿いということもあり、ロードサイド的な光景が広がっています。

写真10. 地上に下りる
東羽衣から高架区間を走ってきましたが、地上区間に入ってきました(写真10)。

写真11. カーブを走る
カーブを走ります(写真11)。ここまで東に向かって進んできましたが、南北方向の阪和線に合流するため、北方向に向きを変えます。

写真12. 鳳に到着!
鳳に到着しました(写真12)。私に教養がないだけかもしれませんが、鳳という漢字、鳳という地名でしか目にしたことがありません。

写真13. 人々が降りる
わずか3分でしたが、誰も名残惜しくなさそうに降ります。それもそのはず、わが鳳行きは13:08に到着、関空快速は13:10に発車と、乗りかえ時間は2分だけです。いつも使う人にとっては、スムーズに乗りかえできることが重要です。
以前は向かいの6番のりばも使われていたと聞きますが、今や5番のりばだけでの運用です。
羽衣線に乗ってみて

写真14. 空いている日中の電車
今回、羽衣線に乗って感じたのは、住宅街の路線であり、地味ながら地域に使われているということです。車両もワンマン対応の汎用車であり、低コストで運用されていることがわかります(羽衣線用を考えるのなら、ロングシート車が適切ですが、共通化を意識しクロスシート車としている)。
南海本線と阪和線。大阪から南方向に向かう2つの放射軸を結ぶ、環状軸の路線として、地味ながら存在し続けるのでしょう。
果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
(←前)南海2000系電車の車内
羽衣線に乗る:現在地
THE BASEMENT HOTEL OsakaHonmachiの宿泊記(→次)
※この旅行の全体像は25年初夏大阪・福井旅行のまとめをご覧ください。