特急あずさ号のグリーン車に乗る(松本→新宿、25年)

記事上部注釈
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中央線の特急あずさ号。首都圏から西に向かう重要な交通路であり、特急列車です。その特急あずさ号のグリーン車に乗りました。

写真1. 松本で発車を待つ特急新宿行き

復習:新宿と松本の移動方法の概要

最初に新宿と松本の移動方法を簡単に紹介します。

図1. 新宿と松本の位置関係(googleマップより引用)

位置関係を示しました(図1)。約220km離れています。

所要時間2時間40分程度
運転本数毎時1本~毎時2本
運賃+料金(普通車指定席)6,620円
運賃+料金(グリーン車)10,280円

※特急料金については、えきねっとで購入するとチケットレス割引が適用され100円安い

約220kmを2時間40分程度で結びます。所要時間は時間帯や停車駅で異なり、臨時列車のなかには所要時間が3時間以上かかるものも多いです。これは、輸送力を確保すること優先しているためです。

普通車指定席だと6,620円(チケットレスだと6,520円、座席数限定で5,720円)で利用でき、グリーン車は10,280円(チケットレスだと10,180円)です。グリーン車には座席数限定の特別な割引はありません。グリーン車を使う人はもともとお金に余裕があり、わざわざ割り引く必要がないということでしょうか。

あずさ号のグリーン車車内

改めてグリーン車の車内を紹介します。

写真2. グリーン車は9号車に連結される

グリーン車は9号車に連結されます(写真2)。12両編成でも9両編成でも白馬よりから4両目の位置です(中央線特急の9両編成は1~3号車は連結されず、4号車から12号車で運転されます)。扉から客席まで多くのスペースがあります。この一部を客室に転用すれば、横3列配列でも定員を確保できると思いますが…。

写真3. 客室は横4列配列

特急あずさ号とかいじ号のグリーン車は横4列配列です(写真3)。ただし、座席には重厚感があり、それなりに高級さを感じます。

写真5. 別の角度から車内を眺める

別の角度から車内を眺めます(写真5)。外装は青紫系の色相を採用していますが、グリーン車は赤紫~赤系の色相を採用しており、新鮮な印象です。また、白と黒を効果的に採用し、モダンな印象を演出している様子もわかります。

写真6. 座席の様子

座席の様子です(写真6)。可動式まくらがあります。

写真7. 座席を横から眺める

座席を横から眺めます(写真7)。座席の間にひじかけだけでなく、座席の頭部に相当する位置にも目隠しがあり、隣の人と目が合いにくいように工夫されています。もっとも横3列にすれば…。

写真8. 着座時の視点から

着座時の視点です(写真8)。私の携帯電話を充電している様子がわかります。

写真9. 座席下部の様子

座席背面下部の様子です(写真9)。重厚でないながら足のせもあります。

写真10. 座席背面の上側

座席背面の上側です(写真10)。大型テーブルがあります。

写真11. テーブルを引き出す

テーブルを引き出します(写真11)。グリーン車のシートピッチは1160mmですが、そうするとテーブルと座席が遠く、やや不便です。どうしましょうか?

写真12. テーブルを引き出す

テーブルを引き出します(写真12)。これはなかなか巧みな構造と舌を巻きました。

写真13. デッキの様子

デッキの様子です(写真13)。白と黒を効果的に活用し、モダンな配色を実現しています。

写真14. 入口付近にトイレがある

入口付近にトイレがあります(写真14)。

写真15. 洗面所もある

洗面所もあります(写真15)。

写真16. 通路の様子

通路の様子です(写真16)。このスペースが広すぎで、客室本体の面積を犠牲にしていると感じてしまいます。これを狭くすれば、横3列配列でも定員は確保できるのですが…。

写真17. 荷物置き場がある

荷物置き場があります(写真17)。スーツケース置き場として機能しています。私は私的な国内旅行ではもはやスーツケースから卒業しているのですが…。

写真18. グリーン車車内に入る

グリーン車の車内に入ります(写真18)。見た目は重厚です。

松本から新宿まで実際に乗る

御託はこの程度にして、実際に乗ってみましょう!

写真19. 松本に停車中の特急あずさ30号新宿行き

松本に停車中の様子です(写真19)。そういえば、長距離列車で「新宿」行きは珍しいですね。東北線系統や東海道線系統、そして総武線系統だと上野行きや東京行きが主流でした。

写真20. 特急あずさ30号のグリーン車

改めてグリーン車の側面を眺めます(写真20)。ドア付近のスポット照明が雰囲気を出していますね!

写真21. 松本を発車!

松本を発車しました(写真21)。

写真22. 貨物駅の脇を通過!

貨物駅の脇を通過します(写真22)。鉄道が旅客輸送だけでなく、物資の輸送にも一定の役割を担っていることを実感する1つの場面です。

写真23. 塩尻に停車!

塩尻に停車します(写真23)。ここから名古屋方面と新宿方面に分かれます。

写真24. 初夏の長野県の風景

初夏の長野県の風景です(写真24)。

写真25. 水田の横を走る

水田の横を走ります(写真25)。

写真26. 岡谷手前の高架区間

立派なトンネルを抜けると岡谷手前で高架区間に入ります(写真26)。

写真27. 岡谷に停車!

意外なことに岡谷そのものは地上駅です。その岡谷に停車します(写真27)。事実上の飯田線の分岐駅です。もっともあずさ30号に連絡する飯田線からの電車はありませんが。特急あずさ号の一部を飯田線直通の3両編成をつなげて飯田線へのサービス向上とするのも良さそうです。

写真28. 岡谷を発車!

岡谷を発車しました(写真28)。駅を発車してすぐに高架区間を走ります。

写真29. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真29)。このあたりは温泉のほかに製造業もあり、観光業以外の産業も発達している地域です。その産業で人が動き、中央線特急の需要を支えているのでしょう。

写真30. 上諏訪に停車!

上諏訪に停車します(写真30)。ここでも多くの人が乗りこみます。

写真31. 諏訪湖と反対側の車窓を眺める

このあたりは諏訪湖に近い場所を通りますが、進行方向左側はあいにく湖と反対方向です。そのため、湖は見えません(写真31)。

写真32. 建物も多い

このあたりは小都市が連なり、建物も多いです(写真32)。

写真33. 茅野に停車!

茅野に停車します(写真33)。以前は最速達型の特急あずさ号は甲府-松本に茅野だけに停車していた便もありました。上諏訪を差し置いて、ここ茅野が絶対停車駅だったことに驚きます。

写真34. 初夏の長野県を走る

初夏の長野県を走ります(写真34)。

写真35. 立場川橋梁付近

立場側橋梁付近です(写真35)。このあたりで長野県から山梨県に入ります。内陸県から内陸県への移動です。もっとも、日本の内陸県は奈良県以外はつながっています(三重県と京都府が接しているので、滋賀県と奈良県は接していない)。

写真36. 八ヶ岳が見える

八ヶ岳が見えます(写真36)。

写真37. 小海線が近づいてきた

小海線が近づいてきました(写真37)。

写真38. 小淵沢に停車!

小淵沢に停車します(写真38)。松本行きがあっちのホームから発車するんだ!私は民鉄型配線を好むので、小淵沢を2面4線にして、上下方向に引上線を整備、かつ中央線特急と小海線を同一ホームで乗りかえというのが理想に感じますが…。

写真39. 水田の横を走る

水田の横を走ります(写真39)。

写真40. 高原の風景を走る

高原の風景を走ります(写真40)。

写真41. 初夏の風景

初夏を感じさせる風景を走ります(写真41)。

写真42. 高原の風景を走る

高原の風景を走ります(写真42)。このような光景を見ると、中央線特急が観光特急の一面も持っていることも納得できます。

写真43. 下り勾配を走る

次第に下り勾配に変わり、甲府盆地を見下ろしながら走ります(写真43)。

写真44. 住宅街が見える

住宅街が見えます(写真44)。

動画1. 甲府直前の様子

駅停車直前まで全速力で走ります(動画1)。これこそ特急列車のあるべき姿です。個人的には速達列車は駅出発直後から全速力で走り、到着駅直前まで全速力で走り切るべきと感じています。その姿勢で突っ走っていると感じました。

写真45. 甲府に停車!

甲府に停車します(写真45)。甲府から八王子までは満席との案内でした。だったら、9両編成でなく12両編成で運転するべきでは?

写真46. 甲府を発車!

甲府を発車しました(写真46)。ここから八王子までノンストップであり、あずさ号の速達性を見せつける場面です。もっとも、このほかの駅はかいじ号に任せ、遠近分離という側面もありましょう。

写真47. 甲府盆地を走る

甲府盆地を走ります(写真47)。

写真48. 果樹園の脇を走る

果樹園(と思う)の横を走ります(写真48)。関東地方ではなかなか見られない風景に感じます。

写真49. 川を渡る

川を渡ります(写真49)。

写真50. 徐々に山あいに迫る

徐々に山あいに迫ります(写真50)。甲府盆地と関東平野の間の山地に差し掛かってきたのです。

写真51. 山あいを走る

山あいを走ります(写真51)。

写真52. 山あいを走る

山あいを走ります(写真52)。

写真53. 大月を通過!

大月を通過します(写真53)。

写真54. 笹川付近を走る

笹川付近を走ります(写真54)。

写真54. 徐々に開けてきた

山間部を走る列車内でくつろいでいると、いつの間にか周囲が開けてきました(写真54)。とはいえ、関東平野まではもう少しあります。

写真55. 相模湖付近を走行中

相模湖付近を走行中です(写真55)。あずさ号の経路上で唯一の政令指定都市、相模原市の光景です(東京23区は政令指定都市ではありません)。

写真56. 高尾付近を走行中!

周囲が本格的に開けてくると、いよいよ関東平野です(写真56)。有名な内容ですが、中央線の列車運転系統は高尾でおおむね分離されており、高尾を境に風景が全く異なります。

写真57. 八王子の市街地に入る

八王子の市街地に入ります(写真57)。松本や甲府よりはるかに人口の多い都市らしさを感じます。八王子は多摩地区の有力な都市であるとともに、横浜線や八高線という環状軸との交差点でもあります。そのためか、昔から八王子は全列車停車とされてきました。

写真58. 八王子に停車!

八王子に停車します(写真58)。多くの人が電車を待っていますが、わが特急あずさ号に乗る人は多くありません。

写真59. 八高線が分岐!

八王子を発車し、八高線が分岐します(写真59)。

写真60. 浅川を渡る

浅川を渡ります(写真60)。

写真61. 住宅街を走る

東京近郊の住宅街を走ります(写真61)。

写真62. 多摩川を渡る

多摩川を渡ります(写真62)。

写真63. 青梅線と合流!

青梅線と合流します(写真63)。まもなく立川です。多摩地方の主要駅ですが、かつては立川通過便もありました。全列車停車となったのは2022年と比較的最近のことです。

写真64. 立川に停車!

その立川に停車します(写真64)。ここも多摩地区の主要駅です。

写真65. 高架区間を走る

立川を過ぎると高架区間に入ります。一部の駅周辺を除き、ここから東京までは基本的に高架区間です(写真65)。

写真66. 国分寺手前の風景

国分寺手前の風景です(写真66)。

写真67. 国分寺を通過!

国分寺を通過します(写真67)。待避駅はそれなりに整備されていますが、需要とそれに対応するための一般列車(無料列車)が多く、有料列車といえど全速力で走れません。あずさ30号は八王子から新宿の37.1kmを30分かけていますが、これをコンスタントに90km/hで走れれば、25分と5分の短縮です。この点が中央線特急の弱点の1つです。これを克服するには複々線が必須ですが、なかなかそれも難しいです。

写真68. 武蔵小金井付近を走行中!

武蔵小金井付近を走行中です(写真68)。

写真69. 高架区間を走る

複々線のような抜本的な改善は難しいにしても、連続立体化工事によって設備はグレープアップされています(写真69)。ダイヤ編成という点では、待避駅が増えたことも改良点でしょう(それだけダイヤ作成の自由度が向上したということ)。一部区間でも複々線になれば、いうことはありません。

写真70. 三鷹付近を走行中!

三鷹付近を走行しています(写真70)。昔は特急の一部は停車していましたが、今や停車しません。新宿に近すぎるということでしょう。

写真71. 高架区間を走る

都区内の高架区間を走ります(写真71)。住宅が多く、大都市に入っていることを実感します。

写真72. 高い建物が増えてきた

高い建物が増えてきました(写真72)。

写真73. 山手線が見える

山手線電車が見えてきました(写真73)。いよいよ新宿です。

写真74. 線路が増えた

東京でも有数のターミナルの新宿です。それだけに線路の数も多いです(写真74)。

写真75. 新宿に停車!

最後の停車駅の新宿に停車します(写真75)。中央線特急の東京発着も増えてきましたが、今も主力は新宿発着です。

写真76. 新宿に到着!

そして新宿に到着しました(写真76)。多くの人が降りました。

写真77. 南改札方面の階段を昇る

南改札方面の階段を昇ります(写真77)。南改札といえば、台風中継などでよく映し出される、ある意味新宿駅を象徴する場所です。そんな場所に向かう階段にさしかかるこの地点で今回の旅行は終了ということにしましょう!

特急あずさ号のグリーン車に乗ってみて

写真78. 横4列配列はグリーン車としてはどうだろう?(欧州では横4列配列の1等車もあるが)

特急あずさ号のグリーン車。需要が大きい特急列車とあって、4列配列という定員重視の車内です。しかし、いち乗客としてみたときには、デッドスペースも見られ、これを縮小すれば横3列配列も可能に見えました。他方、カラースキームは洗練されており、配色から受ける空間の印象は良いものでした。

また、中央線特急は沿線の風景、八王子以西の速度感、そして比較的多い本数ということもあり、在来線特急の王者の風格が漂いました。とりわけ沿線風景は良好であり、それだけに中央線沿線が行楽地として指向される理由もわかります。

ただし、速度感は特急しなの号に劣るように感じられ、さらなるアグレッシブさを所望するところです。また、八王子以東の速度の遅さも気になります。新宿-八王子の全区間のスピードアップは無理にしても、列車本数が相対的に少ないこともあり、過密ダイヤの度合いが少し減ります。その区間を若干でもスピードアップすれば、多少なりとも他の交通機関との競争力が高まります。また、「車窓を楽しむ」特急があれば良いと感じました。

次世代の特急車には前面展望などの別の付加価値を付けた車両も望みたいところです。

いずれにしても、需要が大きい路線です。その中央線特急の強みを今後も継続いただきたいと感じました。

望むならば、特急しなの号との接続を改善すれば、長野-甲府間の相互利用が便利になり、道路交通に対する競争力がさらに向上することでしょう。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

(←前)長野から松本への移動(篠ノ井線特急利用)

特急あずさ号のグリーン車に乗る:現在地

25年初夏大阪・福井旅行のまとめ(→次)

※この旅行の全体像は25年初夏大阪・福井旅行のまとめをご覧ください。

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