スイス南部のティチーノ州。この州の主要都市は2つあり、それらがルガノとロカルノです。その2都市は比較的容易に移動できます。そんな2都市を実際に移動しました。

写真1. ルガノにやってきたロカルノ行き
復習:ルガノとロカルノの位置関係と移動概要
最初に両都市の位置関係や移動方法の概要を紹介します。
- 距離:42km(欧州時刻表参照)
- 所要時間:33分目安
- 運転頻度:30分間隔
- 運賃目安:18.2CHF
図1. ルガノとロカルノの位置関係(googleマップより引用)
ルガノとロカルノの位置関係を示しました(図1)。40km以上の距離がありますが、33分で結びます。表定速度は76.4km/hとなり、それなりの速度です。ただし、運賃は高く18.2CHFもかかります。1CHF=190円と仮定すると、3,458円です。日本のJRでは運賃が770円であり、A特急料金を適用しても1,290円で合計が2,060円です。よって、物価の違いを考慮しても日本でいう特急料金込みという理解でしょう。
30分間隔で直通列車が走り、そのほかに毎時1本の乗りつぎありのパターンもあります。ただし、ルガノを先行列車の3分後に発車することから理論上は有効列車でありつつも、30分のダイヤホールは27分までにしかなりません。

図2. ルガノからロカルノへの移動パターン(スイス国鉄公式サイトより検索後引用)
参考に時刻検索結果を示しました。パターンの概要を理解する一助としてご活用ください。
なお、REの半数はミラノ発着であり、もう半数もミラノ発着のECと接続しており(ミラノ発着のECそのものが2時間のダイヤホールがある場合もある)、ミラノとロカルノの乗車チャンスも理論上は毎時2回(ミラノ発着のECがない場合は毎時1回)確保されています。私が乗ったときはミラノからのECがイタリア国内でゆっくり走った影響で、接続は放棄されましたが…。

(参考)図3. ティチーノ州の路線網(スイス国鉄公式サイトより引用)
参考にティチーノ州の運転系統図(図3)を示しました。REと称しますが、ルガノ以北は各駅に停車します。ルガノ-キアッソで通過駅があるので、REとしているのでしょう。
ルガノからロカルノまで実際にREに乗る
御託はこの程度にして、ルガノからロカルノまで実際にREに乗りましょう!

写真2. ミラノ始発ロカルノ行きがやってきた
ミラノ始発のロカルノ行きがやってきました(写真2)。

写真3. 1等車の車内
1等車の車内です(写真3)。2等車と大きな違いはわかりません。

写真4. 2等車の車内
2等車の車内です(写真4)。1等と何が異なるのでしょうか(配色が異なるのはわかりますが)?ティチーノ地区では1等車でも車内は特に変わらないと考えたほうが良さそうです。
なお、1等用のユーレイルグローバルパスをもっていたので、(この場面以外で1等用が生きたので)この旅行全体では損はしていないです。

写真5. 車内の路線図
車内には路線図が掲示されていました(写真5)。

写真6. ルガノを発車!
ルガノを発車しました(写真6)。ETR524系電車とすれ違います。形式が大きく書かれているのは良いことです。

写真7. トンネルを出る
ルガノ北方には長いトンネルがあります。このトンネルでは速度を出し、トンネルを出ます(写真7)。各駅にとまりながらもそれなりの表定速度を出しているのは、このトンネルのおかげかもしれません。

写真8. ベリンツォナ方面と分岐
ベリンツォナ方面と分岐します(写真8)。

写真9. ベリンツォナ方面が去っていく
ベリンツォナ方面が去っていきます(写真9)。

写真10. ベリンツォナ方面からの線路が近づく
ベリンツォナ方面からの線路が近づきます(写真10)。あちらはスイス北部-ロカルノを結ぶ路線です。ベリンツォナ方面-ルガノの路線からベリンツォナ方面-ロカルノの短絡線を通ったのです。

写真11. まもなく合流!
まもなく合流します(写真11)。ルガノ側は立体交差でしたが、こちら側は平面交差です。立体交差のほうがダイヤを組みやすいですが、費用がかかります。
ルガノ側はイタリア方面の南北軸として機能しているのに対し、こちらは重要度がそこまで高くなく、工事費用を抑えた結果でしょうか。採算性を考慮し、どこに設備投資するかをよく考えている国家だと思います。

写真12. イタリアを思わせる風景を走る
屋根の造りがイタリアを思わせる風景です(写真12)。ルガノからここまでは快走しましたが、ここからは丹念に停車します。

写真13. 途中駅に停車
途中駅に停車します(写真13)。沿線風景と撮影時刻を考えるとカデナッツォ(Cadenazzo)かな?

写真14. 乾いた土地を走る
乾いた土地を走り、スイスでも異色の風景が展開します(写真14)。

写真15. ゴルドラ(Gordola)に停車
ゴルドラに停車します(写真15)。イタリアを思わせる風景が展開しても、駅の表示はスイス国鉄のそれです。

写真16. テネロ(Tenero)に停車
先の駅からそこまで進んでいませんが、次のテネロに停車します(写真16)。

写真17. ルガノ方面行きとすれ違う
ルガノ方面行きとすれ違います(写真17)。

写真18. 立派な駅舎
立派な駅舎です(写真18)。と思ったら、どうやらカフェのようです。

写真19. のどかな風景を走る
のどかな風景を走ります(写真19)。

写真20. 近代的な建物が多い
近代的な建物が多いです(写真20)。このような建物の形はスイスを感じます。

写真21. 湖が見える
反対方向を眺めると湖が見えました。マジョーレ湖です(写真21)。

写真22. 沿線の家は立派
沿線の家は立派です(写真22)。

写真23. 線路が分岐!
線路が分岐しました(写真23)。

写真24. ロカルノに停車!
終点、ロカルノに停車します(写真24)。

写真25. ロカルノに到着!
ロカルノに到着しました(写真25)。

写真26. ロカルノから先に進めない
ロカルノから先には進めません(写真26)。国鉄系の路線でいうと、スイスの終端です。折り返しルガノ行きに変わります。
個人的なことですが、スイスのイタリア語地区で多少滞在するのは人生初です。
ルガノからロカルノに乗ってみて

写真27. ロカルノで降りて目的地に向かう人々
ルガノからロカルノまでローカル列車に乗りました。国の末端までパターンダイヤが浸透しており、接続も考慮されているのはスイスのお家芸と感じました。
しかし、車窓を眺めると全般的に乾燥しており、チューリッヒ(ドイツ語圏)やジュネーブ(フランス語圏)といった、アルプスの北側との違いを感じました。スイスという言葉からイメージされる風景と異なり、やや違和感があったのも事実です。これは私たちのイメージが断片的な知識で形成されていることを示している1つのエピソードと思いました。
車窓を眺めているだけでも学びがあり、これが旅行の1つの醍醐味と感じた30分あまりの経験でした。
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