九州の二大都市、北九州市と福岡市。両者の中心駅の小倉から博多までは新幹線でも移動できますが、特急でも移動できます。そんな両者を特急で移動しました。

写真1. 特急ソニックの前面(博多で撮影)
復習:小倉と博多の移動
北九州市の代表駅は小倉、福岡市の代表駅は博多です。その両者の移動方法をまとめます。
表1. 鉄道での小倉と博多の移動方法
| 手段 | 所要時間 | 運転頻度 | 費用(普通車自由席) |
| 新幹線 | 15分~17分 | 毎時4本~9本 | 2160円 |
| 在来線特急 | 40分~55分 | 毎時2本(一部3本) | 1550円~2110円 |
| 在来線普通(快速含む) | 65分~80分 | 毎時2本 | 1510円 |
簡単にまとめました。主流は新幹線でしょう。所要時間は20分足らずであり、在来線特急はとてもかないません。自由席だと(新幹線では隣駅なので)特定特急料金が適用され、特急料金は990円と割安です。自由席特急料金こそ在来線より高いですが、運賃は在来線より安い(在来線がJR九州、新幹線がJR西日本)ので、在来線特急より50円高い2160円です。ただし、繁忙期ののぞみは全席指定席ですので、座れる新幹線列車は毎時3本に限定されます。一方、立っても17分です(総額で4180円支払って普通車指定席にすることは可能です。)。
次に思い浮かぶ選択肢は在来線特急です。所要時間は44分以上と小倉と博多の間だけであれば新幹線と勝負になりません。これは小倉と博多の間の移動というよりも、日豊本線の特急が博多まで直通する結果です。この利用客のために小倉と博多の間を特急が走っているとも表現できます。特急料金は600円と安いですが、運賃が新幹線より高いために乗車券と自由席特急券の合計額は2110円と新幹線の50円割安とコストパフォーマンスはそこまで良くありません。
ただし、JR九州では乗車券と特急券がセットになった九州ネットきっぷが存在します。これを利用すると小倉から博多まで1550円とかなり安く移動できます。新幹線だと2160円ですから、実に610円も安くなります。所要時間差が30分程度で610円の節約であれば、利用する価値はあるでしょう。九州ネットきっぷの良さは指定席も同額であり、当日であっても空席があれば列車変更が可能なことです(私が利用した日は満席で普通車指定席での列車変更は不可能でしたが、やろうと思えば普通車自由席への変更は可能でした)。
特急ソニックは毎時2本運転されており、日中時間帯は速達タイプと停車型タイプに分かれます。前者の小倉-博多の所要時間は44分(大分行きは40分)で黒崎と折尾に停車、後者の小倉-博多の所要時間は48分(大分行きは47分)で戸畑、赤間と香椎に追加で停車します。
最も安い方法は普通列車(本記事では快速も含む)で移動する方法です。ただし、所要時間は70分程度とかかります。これは、日中時間帯は快速の設定はなく、区間快速のみの設定のためです。日中時間帯の小倉発毎時07分発は後の特急に抜かれずに先着します(逆方向は必ず抜かれます)。特急と料金差が最安で40円ですので、定期利用客以外だと積極的に利用する価値はないように感じます。
情報九州ネットきっぷではQRコードによるチケットレスでも乗車可能です。具体的には予約の際にQRコードを取得すると、メールにQRコードへのリンクがあるメールが届きます。当該のメールを開き、添付のURLをクリックし、QRコードを表示させます。その状態で改札機にかざします。
小倉から博多まで実際に特急に乗る
御託はこの程度にして、実際に特急に乗りましょう!
特急ソニックの車内
最初に車内を紹介します。今回は青いソニック(883系)でした。

写真2. デッキの様子
デッキの様子です(写真2)。銀色と白色が目立ちます。個人的には白色より黒色のほうが未来的に感じますし、汚れも目立ちにくいとは思いますが、これは1つのデザインでしょう。

写真3. 客室からデッキを眺める
客室からデッキを眺めます(写真3)。仕切壁がガラスなのは開放感を演出しているのでしょうか。

写真4. 普通車の車内
普通車の客室です(写真4)。フローリング調の床と白い壁が目立ちます。そして特徴的なのは座席の形状です。「見てくれ」を重視しているように見えますが、上部のくぼんだ箇所に頭を載せることができ、意外と実用的です。

写真5. 座席の様子
座席の様子です(写真5)。登場時は攻めた配色でしたが、現在は落ち着いた配色に変わっています。

写真6. 座席を別の角度から眺める
座席を別の角度から眺めます(写真6)。

写真7. 着座時の視点から
着座時の視点で撮影しました(写真7)。座席背面の飾りの凹凸が印象に残ります。

写真8. 着座時の視点
もう少し異なった視点で撮影しました(写真8)。

写真9. 天井にフォーカス
天井に視線を移しました(写真9)。スリットされた天井が印象に残ります。そして間接照明なことも印象に残ります。

写真10. テーブルを展開!
テーブルを展開します(写真10)。電源も備わり、それなりに快適な道中を過ごせました。号車によって座席の色が異なります。
特急ソニックのグリーン車の車内についてはこちらの記事で紹介しています。
特急ソニックは速達性が売りですので、振り子式車両の883系電車と885系電車が使われています。


写真群1. 白いソニックの885系とその車内(白いみどりで撮影)


写真群2. 青いソニックの883系電車の外観と車内(大分で撮影)
実際の乗車~特急ソニックの車窓から
次に実際に乗る様子を紹介します。

写真11. QRコードの起動(一部加工)
あらかじめ購入していた手持ちの九州ネットきっぷのQRコードを起動させます(写真11)。

写真12. 改札機のQRコードリーダーにかざす
その電子チケットを改札機のQRコードリーダーにかざします(写真12)。こうすることで、混雑する指定席券売機に行く必要がなくなります。これこそが指定席券売機混雑への対応でしょう。利用する本人(この場合は私です)も負担が減りますし、それ以外の利用者も指定席券売機の混雑解消というメリットがあります。

写真13. 特急ソニック44号博多行きは4番のりば
17:40発特急ソニック44号博多行きは4番のりばです(写真13)。ここから鹿児島本線の下り列車というのに、44号と偶数の号数表示です。大分行きが下り相当の奇数表示、博多行きが上り相当の偶数表示のためです。あくまでも日豊本線特急が博多まで延長運転していると理解したほうが良いでしょう。

写真14. 大分方面から小倉にやってきた
大分方面からの特急がやってきました(写真14)。大分方面も博多方面も小倉駅の西側から出入りします。したがって、小倉で進行方向が変わります。理想をいえば、小倉-下曽根付近に特急用の専用線を建設し、方向転換の解消と若干のスピードアップを望みたいところですが…。
車内は満席です(乗る4時間前に前の列車への変更を試みましたが、指定席は満席でした)。GW2日目だから行き来が多いのでしょうか。

写真15. 小倉を発車!
小倉を発車しました(写真15)。

写真16. 線路が多い
線路の多い場所を走ります(写真16)。八幡製鉄所や筑豊地区の炭鉱など、日本の近代化を推し進めた地域であり、その時代の輸送の主力は鉄道でした。その名残が残っているのです。

写真17. 戸畑に停車!
戸畑に停車します(写真17)。

写真18. 戸畑を出ても速度は出す
戸畑を出ても速度を出します(写真18)。このあたりは110km/hくらいの速度が出ていたと記憶しています。

写真19. 黒崎に停車!
黒崎に停車します(写真19)。こちら側はそこまで発展しているように見えませんが、駅の反対側はそれなりに発展しています。北九州市は核がいくつかあり、黒崎もその1つです。

写真20. 折尾付近は住宅が多い
その次の停車駅は折尾です。その折尾に近づき、建物が増えてきました(写真20)。

写真21. 折尾で区間快速に連絡
折尾で区間快速に連絡します(写真21)。せっかくの高架駅ですが、鹿児島本線そのものは2面3線であり、ホーム対面の緩急結合はできません。高架化をきっかけに民鉄型の配線にすれば、柔軟なダイヤを組めたのでしょうが、その点はやや残念に感じます。先ほどの黒崎とここ折尾はソニックの全列車が停車します。

写真22. 折尾を発車!
折尾を発車しました(写真22)。

写真23. 120km/h以上で走行!
120km/h以上で走行します(写真23)。福岡市と大分市を直線で結べない以上、少しでも速度を上げて所要時間を短縮するのがソニックの基本思想です。
動画1. ソニック走行中の様子
ソニック走行中の様子を動画に収録しました(動画1)。

写真24. のどかな風景を走る
北九州市を抜け、のどかな風景を走ります(写真24)。特急ソニックだと50分程度で結びますが、小倉と博多は67.2kmあり、このような風景を見ると両都市の遠さを実感します。

写真25. 赤間に停車!
赤間に停車します(写真25)。小倉と博多のちょうど中間付近に位置します。日中時間帯でも毎時1本の特急が停車します。

写真26. のどかな風景を走る
赤間を出てものどかな風景です(写真26)。
動画2. 7分間といえどブンブン飛ばす
赤間と福間の間の7分間といえどブンブン飛ばします(動画2)。

写真27. 住宅が増えてきた
住宅が増えてきました(写真27)。

写真28. 福間に停車!
福間に停車します(写真28)。日中時間帯はここまでは1時間当たり区間快速2本(1本は福間-二日市間快速)、普通1本でしたが、ここからは区間快速2本、普通3本と本数が増えます。わが特急ソニック44号は18:14に発車しますが、その3分後に福間始発の普通荒木行きが設定されています。

写真29. 福間を発車!
福間を発車します(写真29)。
動画3. 赤間発車後の様子
赤間発車後の様子です(動画3)。

写真30. 香椎に停車!
住宅の密度がだんだんと増えていき、香椎に停車します(写真30)。

写真31. 高架区間を走る
千早付近の高架区間を走ります(写真31)。

写真32. 西鉄貝塚線と川を渡る
西鉄貝塚線と川を渡ります(写真32)。

写真33. 博多に到着!
博多に到着しました(写真33)。小倉では数分遅れていましたが、博多到着はほぼ定刻でした。博多行きの所要時間が少し長いのはこのような遅れに対応するための余裕なのでしょう。

写真34. 最後尾の様子
最後尾の様子です(写真34)。

写真35. 最前部の様子
最前部の様子です(写真35)。表定速度は79.1km/hでしたが、実際には82km/h程度(遅れを回復したため)でしたでしょう。
特急ソニックで小倉から博多に移動して

写真36. 博多に到着した特急ソニック44号
今回、小倉から博多までの移動で「速度感」を堪能したく、あえて在来線特急に乗車しました。さすが国内でも速いほうに位置する特急だけあり、在来線特急では一流の速度でした。やはり特急は速度を出してこそです。
しかし、GW2日目といえど指定席が満席となっていた現実も明らかとなりました。いくらGW2日目であっても(実質上)上り列車で満席というのは良くありません。
以前は特急ソニックの間隔が開く箇所に特急きらめきが小倉から博多に毎時1本運転され、途中駅の乗車チャンス増加と混雑緩和に寄与していました。競合する交通機関に新幹線がある以上、満席続きというのは印象が良くありません。繁忙期だけでも良いので、小倉-博多の区間運転の特急きらめきを復活させるべきでしょう。博多駅のオペレーションが厳しいのであれば、長崎本線特急を小倉に延長するという発想もありえましょう(休日は門司港観光のために門司港発着も手です)。
ただし、特急きらめきを復活させるだけでは地域輸送に貢献できない側面もありましょう。本当であれば、日中時間帯の快速を復活させれば(それも都市間輸送に合う設備も兼ね備えて)、ベストシナリオでしょう。すなわち、日中時間帯の小倉-博多の快速系を区間快速毎時2本と快速毎時1本とするのです。そのうえで、特急きらめきを毎時1本復活させるということです。それこそ4両編成や5両編成でも良いでしょう。
座れれば快適な特急でしたが、そもそも「待ち時間が発生」し「座れない」事態が発生しては元も子もありません。特急きらめきの復活など高頻度サービスに回帰いただきたいものです。
果たして前後はどこに行ったのでしょうか?
(←前)小倉駅を歩く
小倉から博多の特急ソニック(安い方法も紹介!):現在地
the b 博多の宿泊記(→次)
※本旅行の全体像(旅程、費用など)については26年GW九州旅行のまとめをご覧ください。
コメント
5/3で記事にある特急列車の4時間前の指定席変更が敵わなかったのは当然ですよ。
当日と翌日は 博多どんたく港祭り 開催日でどんたく観覧で周辺地区から観客が来て地元ローカルのテレビ番組はもとより、正午前後から15時頃の昼のワイドショーでお天気コーナーでの背景に映っている程ですよ。
寅さま、コメントありがとうございます。
5/3と5/4はどんたく祭りで通常と異なる流動である点、ご指摘ありがとうございます。
そのため、指定席変更がかなわなかったわけですか。理由があっての混雑なら納得です。
ただし、もう1歩進めるとどんたく祭りは急に開催が決定/告知されたイベントでない点も確かでしょう。
利用者としては、このような混雑が見込まれる日こそ臨時列車を運転するなどの機転を期待したいところです。