ドイツの首都、ベルリン。その都市交通は東京に似ています。それもそのはず、東京のお手本となった都市です。そのような意味では、外国の都市交通に最初に親しむ都市として、ベルリンは適切です。そんなベルリンの都市交通について書籍にまとめました。
写真1. ベルリンの都市交通の表紙(PDF版)
ベルリンの都市交通の販売形態
金銭のやり取りが発生するため、外部サイトでの販売です。
電子版 | ペーパーブック | |
---|---|---|
販売サイト | BOOTH | Amazon |
販売形態 | PDFファイル形式 | ペーパーブック形式 |
分量 | 46ページ(本文) | 46ページ(本文) |
価格 | 500円 | 980円(税別) |
ベルリンの鉄道に関する基本的な内容を網羅しつつ、個人販売の長所を生かし、一部の内容を深く取り上げる形態です。また、既存書籍にモノクロページ(あるいは1色カラー)があることに不満を感じ、全ページフルカラーとしています。
ベルリンの鉄道の魅力
写真2. ベルリン大聖堂から眺めるベルリンSバーン(2018年撮影)
ベルリンの鉄道の魅力は以下の通りと思います。
- 都市の中心部を通る高架鉄道
- 東京に似た路線網:ある程度の親しみを感じられる
- 市内東側を中心に発達している路面電車網
これら3点が魅力でしょう。欧州の大都市、例えばパリだと中心部を貫く高架鉄道はなく(地下鉄の一部区間は高架ですが)、高架鉄道から中心部を眺められることは魅力です。そのような魅力を本書ではお伝えしています。
そして、東京に似た路線網は、日本の鉄道趣味者にとってはとっつきやすいと思います。欧州の大都市には環状線のある都市は少ないのですが、ベルリンには環状線があります。また、ベルリンの中心部を通る高架鉄道はレンガ造りで東京のそれに類似しています(東京がベルリン様式を取り入れたので当然ですが)。
また、欧州の大都市らしい路面電車が発達しているさまは、魅力でしょう。ただし、旧西ベルリンから路面電車網はなくなっており、路面電車が発達しているのは旧東ベルリン地区が主体です。
一方、ベルリンに存在しない魅力があります。その最たるものは緩急結合ダイヤを駆使した都市圏電車です。通勤準急が複々線の片方を走りながら各駅停車を追い抜き、途中駅からもう片方に移り、快速急行と同時到着という芸当は見られませんし(小田急の通勤準急の例)、先行列車に追いつきそうになった通勤急行が途中駅に停車し、短い運転間隔と所要時間を両立(西武の通勤急行の例)のような芸術的な運転は見られません。これは、ベルリンの周囲がのどかな場所であり、東京と都市構造が異なるためです。
東京と同一の魅力があるわけではありませんが、それは異なる国の異なる都市である以上、当然です。それでも、東京に類似した面があり、とっつきやすい都市だと思います。幸い、ドイツは治安も比較的良好で、「海外鉄」デビューにも適切です。
電子版 | ペーパーブック | |
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販売サイト | BOOTH | Amazon |
販売形態 | PDFファイル形式 | ペーパーブック形式 |
分量 | 46ページ(本文) | 46ページ(本文) |
価格 | 500円 | 980円(税別) |
ベルリンの都市交通の内容について
写真3. S-41系統に充当される電車
全体像を把握いただくために目次を示します。
巻頭特集 車窓からベルリンを眺める | 3 |
ベルリンの基本情報、歴史 | 10 |
ベルリンの都市交通の概要 | 12 |
ベルリンの駅表情 | 23 |
ベルリンの都市交通の運賃 | 35 |
ベルリンの都市交通の変遷 | 37 |
巻末特集 ベルリンへのアクセス | 42 |
本書を構成するにあたり、興味付けから始まり、「全体から個別へ」の流れを意識しました。
最初に巻頭特集として、ベルリンの都市観光を取り上げています。前半はSバーンからの車窓観光、後半はベルリンの有名な観光名所を訪問しています。有名でないけど好印象のスポットも紹介しています。ここだけでもベルリンの都市鉄道と都市としての魅力が伝わると思います。
次に、「ベルリンってどのようなところ?」という疑問を解消するために、ベルリンについて簡単に解説しました。このような解説は同様の書籍にはないと思います(大学等で語学の勉強をする際に1回目でこのような講義を聞いたことがあるかもしれません)。ただし、本書は鉄道に関する内容が主眼ですので、必要以上には深入りしていません。
このような基本的な内容を紹介したあと、ベルリンの都市鉄道で主要な4つのモードを紹介しています。路線図についても余すところなく紹介しています。
ここから「個別」の内容に入ります。まず、4つの駅を紹介しています。そのうち2つのベルリン中央駅とベルリンフリードリヒ通り駅はドイツ鉄道大全と共通の題材ですが、都市鉄道向けに一部をアレンジしています。
次に、運賃制度を紹介しました。「外国ではきっぷを買わないと高額な罰金を払うことになる」などの恐ろしい知識だけをお持ちの人もいるでしょう。では、どうしたら正しい支払ができるのか、安い組み合わせは何か、という内容を把握できます。鉄道パスは最強に見えますが、都市鉄道という場面では意外と効力はありません。その詳細についても解説しました。
最後に、ベルリンならではの特異な歴史を踏まえ、都市鉄道の歴史を紹介しています。
巻末特集として、ベルリンへのアクセスを紹介しています。本書を読んでベルリンに興味を示していただいたら、即ベルリン旅行の計画を立てるでしょう。その旅行計画のヒントを記載しました。ドイツ鉄道大全をご覧いただいても旅行計画のヒントは満載だとは思いますが…。
このようにベルリンの都市鉄道の概要がよくわかる1冊になっています。珍しい車両の運用情報などの一時的にしか役立たない情報はあえて放棄し、長く使える1冊に仕上げました。
ベルリンの都市交通の構成
写真4. 路面電車も忘れずに収録!
一般的な横書きの形態を採用しています。列車ということで多くの数字を扱います。そのため、横書きのほうが良いと判断しました。個人的所感ですが、一般的な書籍も横書きが主流になってくれればと思います。
- 小見出しは各章のテーマカラーに応じた装飾を採用
- 基本的な内容は左側に記し、補足事項を右側で説明
- 重要な内容は重要度に応じ、赤太字や太字で表示
- 多くの写真を使い、ビジュアル面にも考慮
- 参考サイトはQRコードで示し、別デバイスで参考サイトを開けるように考慮
図1. 本書の構成(13ページから)
簡単に構成を示しました(図1)。どちらかというと小説的なテイスト(主観が主体)ではなく、わかりやすい教科書(客観が主体)を目指しました。本文だけで足らない内容を右側の脚注に示し、必要に応じ知識を補給できる形としました。ただし、日本の教科書にありがちな味気ない記述にはしないように工夫しました。
また、装飾の色彩についても工夫し、装飾が目立ちすぎるような配色は避けました。また、色合いこそ異なるものの、色の濃さをある程度揃えました(専門的にいうと色相をある程度等間隔に配置し、色調を揃えました)。これは、私が色彩検定の勉強をする際に取り入れた知識を生かした格好です。このように、色彩学のセオリーを生かし、美しい書籍にするように心がけた所存です。
ベルリンの都市交通発刊の動機と目的
写真5. フリードリヒ通り駅周辺の様子
大手出版社~個人の出版物を眺めると、鉄道旅行全般を取り上げた書籍や、特定の車両(群)を取り上げた書籍は見かけます。しかし、1つの都市とその都市交通に焦点を当てた書籍は不足しているように感じました。そこで、自分が作ったほうが早いと思い、僭越ながら書き上げたところです。
そして、日本の鉄道ファンがとっつきやすい都市として、ベルリンを選定しました。第二次世界大戦で敗戦した国の首都という共通点もあり、そのような意味でも欧州鉄の入口として適切と感じています。
そして、本書の究極の目的は、「海外旅行で最も訪問しやすい都市はベルリン」となることです。さらに、実際にベルリンに訪問いただくなかで、周辺の都市や周辺の国にも興味が広がれば望外の喜びです。
ぜひともご覧いただきたく存じます。
電子版 | ペーパーブック | |
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販売サイト | BOOTH | Amazon |
販売形態 | PDFファイル形式 | ペーパーブック形式 |
分量 | 46ページ(本文) | 46ページ(本文) |
価格 | 500円 | 980円(税別) |