EV-801系の車内

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蓄電池車両として男鹿線で活躍するEV-801系。JR東日本車にしては個性的なデザインのように見えますが、その車内を散策してみました。

写真1. 男鹿駅に停車中のEV-801系

このページの概要(目次、タップできます)
  1. EV-801系の概要
  2. EV-801系の車内
  3. EV-801系に乗ってみて

EV-801系の概要

まず、EV-801系の概要を紹介しましょう。

EV-801系の概要

  • 形態:蓄電池車両
  • 編成:2両編成
  • 車内:3ドアロングシート(トイレ付)

EV-801系は交流電化区間に対応した蓄電池車両です。よく見ると百の位が8であり、国鉄から続く区分で交流電車に区分けされていることがわかります。そのような観点で見ると、十の位が0なのは通勤電車であることを読み取れます。

ただし、単なる交流電車ではありません。男鹿線は非電化路線であり、通常の交流電車では男鹿線を走行できません。電化区間の秋田-追分(奥羽本線内)は架線から電気を取り入れ、非電化区間の追分-男鹿(男鹿線内)は電化区間で蓄電池に貯めた電気で走ります。なお、追分-男鹿と男鹿-追分の電気エネルギーを奥羽本線内で取り入れるのは困難なのか、男鹿駅にも充電設備があります。

秋田-男鹿の所要時間は50分少々であり、乗車時間もそこまで長くないという判断なのか、一般的な3ドアロングシート車です。これは秋田地区の電車の701系電車に合わせたのかもしれません。

EV-801系の車内

では、そのEV-801系の車内を見てみましょう。

写真2. 秋田に停車中のEV-801系

先頭部分を撮影してみました(写真2)。他のJR東日本車と異なる先頭に見えます。他のJR東日本の通勤車はステンレス車なのに対し、この車両はアルミ製です。むしろアルミを採用しているJR九州の通勤車に見えます。それもそのはずで、JR九州に交流の蓄電池車両があり、その車両の基本設計をこちらに持ち込んだのです。車体はJR東日本仕様、機器はJR九州仕様としなかったのは価格的な理由なのでしょうか。

いずれにしても、秋田県に九州の香りが漂うことになったのです。

写真3. オールロングシートの車内

3ドアオールロングの車内です(写真3)。ただし、車内は通常のJR東日本車と異なり、茶色系のカラースキームが採用されています。このような色づかいはJR九州の影響でしょうか。ただし、JR九州の自己満足特徴である木が多用されたシートは採用されていません。

写真4. 先頭部分

運転席との仕切壁です(写真4)。ワンマン運転を前提とする割には、開放的とはいいがたいです。それもそのはずで、運転士さんが運賃を収受しないタイプのワンマン運転です。進行方向右側にも窓を設置し、そちら側の窓の下辺を下げると乗客サービスになると思いますが、その点は残念に感じます。

写真5. 車内を別角度から撮影

車内を別の角度から撮影しました(写真5)。仕切板が透明になっているのは最近の車両に見られます。JR東日本車では珍しいでしょう。常磐線各駅停車には、透明の仕切板の車両が多くやってきますが、その車両は東京メトロのものです。

写真6. 仕切板にクローズアップ!

その仕切板をクローズアップしました(写真6)。仕切板の下側は模様を付け、ある程度のプライバシーに配慮したように感じます。

写真7. ドアはボタン式

ドアはボタン式です(写真7)。冬の秋田地区はとても寒いですので、車内保温に重要な設備です。私は夏に乗りましたが、大雨でしたのでそのような意味でも重宝すると思います。

写真8. ロングシートを眺める

ロングシートを向かいのロングシートから眺めました(写真8)。ウォームナチュラルという配色に区分されるのでしょうか。

写真9. 天井のほうを見る

天井のほうを眺めます(写真9)。パイプ式の荷棚は最近のJR東日本車にはないものです。その上を明るいLED照明が照らしています。

写真10. 液晶表示

運転席のすぐ後ろに液晶の表示がありました(写真10)。

写真11. ドア上には案内表示がない

そのかわりドア上には案内表示はありません(写真11)。

写真12. ドアは単板ガラス

残念ながらドアは単板ガラスです(写真12)。この写真だとわかりにくいかもしれません。単板ガラスだと結露しやすく、その意味ではサービス水準が低下します。近年の大手民鉄の通勤車の多くはドア窓に複層ガラスを選択していますので、EV-801系もそうして欲しかったと思います。

写真13. ドア窓は単板ガラス

この角度だとより分かりやすいかもしれません(写真13)。(津波対策でしょう)列車から降りる方法が示されていますが、その車両が701系電車なのは愛嬌でしょうか。

写真14. ドアはステップレス!

ドアはステップがなく、ホームから段差なしで乗ることができます(写真14)。これはつまづくことがなく良いことです。E721系登場のころから、ステップレスが意識されてきたように感じます。

写真15. 車端部の様子

車端部の様子です(写真15)。蓄電池のスペースでしょうか。乗客目線で蓄電池用のスペースはデッドスペースに過ぎません。通常のディーゼル車両で充分と思ってしまいます。

写真16. 車端部を眺める

車端部を眺めます。混雑時にここに押し込められたら圧迫感があり、不快ですね。

写真17. 電池の挙動を示す

電気の流れを示しています(写真17)。ハイブリッド車だとこのような表示がデフォルトなのか、エネルギーの流れが示されます。

EV-801系に乗ってみて

EV-801系は日常利用という意味では乗り心地も悪くなく、地域利用としては悪くない車両と感じました。ただし、特急も走っていない男鹿への外部からのアクセスという観点で考えると、力不足と感じました。全車転換クロスシートというのは一方に振れ過ぎとも思いますが、1両の半数は転換クロスシート、もう半数はロングシートと中央のドアで分けるという方策もあったはずです。

そのような部分があるとはいえ、これからも男鹿地区で親しまれる車両として長い間活躍して欲しいものです。

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