ホテル選びの新基準:ランドリーの有無で探す

記事上部注釈
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旅行でホテルを選ぶ際の判断基準は何でしょうか?アメニティグッズ?部屋の配色?築年数?ある意味それよりも重要な判断基準があります。その基準は斬新と思いますので、本記事で深堀りします。

写真1. 意匠面で凝ったホテルだが

復習:旅行の荷物の選定

旅行は手ぶらでは行けません。最低限、財布と携帯電話は必須でしょう。そのほかには何があるでしょうか?

表1. 荷物リストの一例

持ち物コメント
身分証明書海外の場合パスポートは必須です
財布旅行先でお金を使う以上必須です
携帯電話情報確認、不測の事態での連絡、支払い手段…
洗面道具歯ブラシとひげ剃りはあったほうが良い
観光ガイドブックネット社会といえど一覧性や網羅性に優れる
下着宿泊をともなう場合、着替えないと不潔
着替え宿泊をともなう場合、着替えないと不潔
カメラ旅の記録に。充電器も忘れずに!(海外では変換プラグも!)

私の思う限りで荷物を列挙しました(表1)。このほか、必要なものは海外旅行の持ち物チェックリスト(一般的な旅行の持ち物)(日本旅行)に書いています。必要に応じてリンク先のリストをご活用ください。

旅行の荷物は多ければ多いほど不測の事態への備えになります。極論をいうと、旅行そのものは身分証明書、財布、携帯電話だけでも可能です。しかし、その場合、旅行中で多くの不便を甘受することになります。着替えがないから洋服が汚れたらどうしようもない、などです。

他方、旅行の荷物は多ければ多いほど移動が大変になります。極論をいうと、家の家財道具すべてを持ち運べば、旅行中も自宅にいる生活と同様に過ごせます。しかし、現実問題としてそのような荷物を持つことは不可能です(それを可能にするのが「引っ越し」ですが、業者選定から始まる面倒さがあることはご存じと思います)。

ということで、旅行中の便利さと持ち運びの便利さを天びんにかけて荷物を選定することになります。

さて、荷物を削減するとしたらどうしましょうか?このようなことをやる場合、効果が大きなものから手を付けることが王道です。つまり、財布の中の1000円札の枚数を一生懸命削減することはあまり効果はなく(1枚削減しても1gしか軽くならない)、もっと大きなものを削減することが肝要です。

旅行の荷物で重くてかさばるもののといえば、洋服でしょう。つまり、持っていく洋服を減らすことができれば、旅行の荷物は大幅に削減できるのです。

洋服を減らすには?

写真2. ホテル前を大荷物を転がす様子(2024年5月にホテル京阪 京都駅南近くで撮影)

では、どうしたら洋服を減らすことができるでしょうか?以下の方策が考えられます。

  • 旅行の行先から寒い場所を避け、防寒着を運ばないようにする
  • 旅行の道中で洋服を洗濯する

方策1. 寒い場所を旅行先から避ける

言葉遊びですが、洋服を持っていくから洋服がかさむわけです。寒い場所では洋服を着こみ、暑い場所では洋服をあまり着ません。この原則を考慮すると、寒い場所に行くと洋服がかさばることになります。

ただし、この点はある程度克服が可能です。肌着と上着の間に着込む洋服は汚れにくいと割り切り、そこに該当する洋服は予備を持たないという選択が可能です。また、出発地と目的地の気温差が小さい場合、ずっと上着を着込むことになりますから、持ち運ぶ荷物にはカウントされません。

旅行の目的によっては寒冷地を避けることが不可能であり(ウインタースポーツをしたい人は寒い場所がそもそも目的地)、これにより目的地を選ぶことは本末転倒です。

寒冷地に行く場合は、出発地と気温差が小さい季節を選ぶなどのテクニックを使うくらいでしょう。私は寒い場所が苦手なので、この方策は満たしますが、非現実的な場合もあるでしょう。

方策2. 途中で洗濯する

こちらは比較的普遍的な解決策です。4泊する旅行を考えます。1泊ごとに着替えますから、この場合、4セットの着替えが必要です(実際は5セットの着替えが必要ですが、1セットは着用しているので荷物には含まれません)。8/1~8/5に旅行するとすると、下記の組み合わせです(表2)。

表2. 洋服セットの組み合わせ例(各日の朝の行動開始時を想定)

8/18/28/38/48/5
セットA着用洗濯待ち洗濯待ち洗濯待ち洗濯待ち
セットB未着用着用洗濯待ち洗濯待ち洗濯待ち
セットC未着用未着用着用洗濯待ち洗濯待ち
セットD未着用未着用未着用着用洗濯待ち
セットE未着用未着用未着用未着用着用

※セットA~セットEについては上~下までのものを含む(上着、下着、…)

例えば、8/4についてはセットA~セットCの洗濯待ちの洋服とセットEの未着用の洋服を持ち運び、セットDを着用するということです。

ここで、旅程の中間の8/3に洋服を洗濯するとどうでしょうか(表3)。

表3. 途中洗濯時の洋服セットの組み合わせ例

8/18/28/38/48/5
セットA着用洗濯待ち洗濯着用洗濯待ち
セットB未着用着用洗濯未着用着用
セットC未着用未着用着用洗濯待ち洗濯待ち

旅行の中間の日に洗濯することで、セットAとセットBを使いまわすことができ、運搬する洋服が半減しました。(人によって異なるでしょうが)荷物の大半が洋服である以上、その洋服の運搬量が半減したことは、荷物を半分近く削減できたことにつながります。

このように旅程全体を考慮し、旅行の中間に洗濯するだけで洋服、ひいては荷物全体が半減するのです。

補足

旅行後半については、不要な洋服をホテルに捨てることによって、そもそも持ち歩かないようにするというテクニックも存在します。ある程度長期間の旅行を行う場合、職場などにみやげを購入するというイベントが発生します。多くの場合、みやげの格納場所に困るのですが、洋服を捨てたことによる空きスペースにみやげを格納することでこの問題を解決できます。

洗濯の面倒さとランドリーの重要性

写真3. いまや高級ホテルの定義にもなったランドリー設備

旅行中の洗濯は手洗いでじゅうぶんかもしれません。しかし、この場合、洋服を乾燥させる時間がかかり、洋服を手洗いする面倒さもあります。

そこで登場するのが、コインランドリーです。コインランドリーは金銭と引き換えに洗濯と乾燥をやってくれます。だいたい、日常生活において手洗いをしていないので、旅行中だけ洋服の手洗いというのもある意味不自然なことです。ランドリーを使うことで500円~1000円(物価などで異なる)の支出になりますが、ランドリー代で旅行中の身軽さを買えると思うと安いのではないでしょうか。LCC利用の場合、ある程度以上の手荷物を持ち込む場合、運賃が余計にかかります。この場合、(相対的に小さな)ランドリー代を犠牲にすることで、(相対的に大きな)手荷物持ち込み料金の節約につながります。

場合によっては、手荷物を預けることなく手軽に観光できます。このときのコインロッカー代を節約できるメリットが大きいです。

だからといって、ホテルを出てランドリーを探すのも手間です(やむを得ない場合はそれも最終手段ではあります)。ならば、コインランドリー付きのホテルを探すことが肝要です。

このようにして、ホテルを選定する重要な判断基準として、ホテルにコインランドリーがあるかどうかを確認することになるのです。

毎日コインランドリーを使っても洗濯に追われる一方、荷物削減効果は小さくなります(毎日洗濯だと運搬する洋服は1セットぶん、2日ごとだと2セットぶんを運搬なので、洗濯回数が2倍になっても削減できるのは1セットぶんしかない)。2~3日に1回程度を目安に考え、それに合致する日程でホテルを選ぶ程度の心づもりでじゅうぶんと思います。

コインランドリー付きのホテルを選ぶと

写真4. せっかくのフルースペースが荷物に占領された悲しい事例(2024年5月にゆふいんの森で撮影)

コインランドリー付きのホテルを選ぶと、旅行の荷物を削減できます。皆がこれをやれば、移動空間や観光地の荷物が減り、皆が快適に過ごすことができます(全員がキャリーバッグを引きずっている場面と全員が手ぶらな場面を想像してください)。これは交通手段の乗客の重量が軽量化されるので、温室効果ガスの排出量も削減できましょう。SDGsが叫ばれる現代において、重要な観点でしょう。

各自の事情があり、必ずしもこの通りにはなるとは思いませんが、「荷物を削減したい」という気持ちがあるだけで、各自の制約条件下において荷物を削減できます。本記事がその動機と工夫の一助となれば望外の喜びです。

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