JR飯田橋駅を堪能する

東京には多くの駅があります。その中で隠れ交通の要衝ともいえるのが飯田橋です。JRこそ中央線各駅停車しか通りませんが、地下鉄4路線が通っており、10方面へのジャンクションともいえます。そんな飯田橋はホームを移設し、新たな歩みを始めています。その様子を観察しました。

写真1. 新駅舎と到着する各駅停車

復習:飯田橋駅

飯田橋駅の概要について確認しましょう。

飯田橋駅の概要
・場所:東京都千代田区
※事業者によって新宿区や文京区にまたがっています

・路線:JR中央線(各駅停車)、地下鉄東西線、地下鉄有楽町線、地下鉄南北線、都営大江戸線

・規模:各1面2線(番線は事業者ごとに附番)

図1. 飯田橋駅の位置(googleマップより引用)

JR飯田橋駅は千代田区にあるとされていますが、実際の飯田橋駅周辺は千代田区、文京区、新宿区の境界付近にあります。千代田区といえば大手町、新宿区といえば新宿駅周辺というイメージがありますが、その両者は接しているのです。文京区は東京23区で山手線の内側の面積の比率が最も高い区(※)です。その三者の区が接しているといえば、都心の中にあることがお分かりいただけますでしょうか。

※文京区は全域が山手線の内側というイメージもありますが、実際にはほんの一部が山手線の外側にかかっています(図2)。

図2. 山手線の線路の外側にわずかにかかっている場所(googleマップより引用)

そんな飯田橋駅は都内の交通の要衝ともいえる場所です。都心を東西に貫く中央線各駅停車が地上を通り、地下には地下鉄東西線、有楽町線、南北線と都営大江戸線が通っています。個々の乗りかえ客が多くないにしても、これだけ多くの路線が乗り入れていれば、それなりに重要な駅という扱いになりましょう。現に、有楽町線-西武線を直通する着席列車のS-trainの停車駅にも選ばれています。

飯田橋駅を散策する

そんな飯田橋駅は長い間、JR線のホームがカーブ上にあるという安全上の弱点を抱えていました。カーブ上にホームがあると、直線の車体と曲線のホームの間にどうしても隙間ができてしまい、安全上は良くない状態となっていました。

利用客が多いながら、安全上の問題が生じていた状態でしたので、ホームを直線状に移設する抜本的な工事が行われました(JR中央線飯田橋駅ホームにおける抜本的な安全対策の着手について参照)。

世間が渋谷駅の埼京線・湘南新宿ラインホーム移設に湧いた1か月後の2020年7月12日。飯田橋のホームも移設されたのです。

さて、移設から半年以上経過した2021年3月に実際に訪問してみました。

新・西口駅舎を堪能する

上記リンクにもありますが、ホーム移設と同時に西口駅舎も建て替えられました。その西口駅舎から堪能してみましょう!

写真2. 西口駅舎が出迎える

西口駅舎は黒色がベースとなっているシックなものです(写真2)。駒込駅の橋上駅舎に似ている印象を抱きます。

写真3. 西口の場所

西口の場所です(写真3)。線路上に跨線橋があり、その跨線橋に接するように駅舎があることがわかります。飯田橋駅の南東側は線路よりも周囲が高く、そのほかの場所は線路よりも周囲が低くなっています。

写真4. 西口を眺める

駅舎を眺めます(写真4)。ここに店舗があり、小規模ながら「エキナカ」もあることがうかがえます。飯田橋駅周辺は著名な繁華街ではありません。そのため、大規模な「エキナカ」は不要なのでしょう。

写真5. 広くてきれいな駅舎

広くてきれいな駅舎です(写真5)。中も黒系のカラーに統一されています。

写真6. 券売機、みどりの窓口もコンパクト

券売機の台数は意外と少ないです(写真6)。時代はICカードですので、券売機はあまり必要とされていないのです。この左側に改札口があります。みどりの窓口は2台体制ですが、見た感じ常時稼働ではありません(混んできたら2台目を開ける感じです)。

写真7. 改札を入った様子

改札を入った様子です(写真7)。ここからホームに向かうことができます。

写真8. エスカレータやエレベータも完備!

少し角度を変えてみます(写真8)。エスカレータやエレベータが完備されていることもわかります。

東口駅舎を見る

地下鉄有楽町線と地下鉄南北線は(飯田橋では)JRと並行関係ですので、東口・西口どちらも乗りかえの利便性は変わりません(むしろ西口のようが良い?)。しかし、JRと直交関係にある地下鉄東西線と都営大江戸線は東口のほうが乗りかえの利便性は高いです。そのため、東口のほうが利用が多いように見えます(※)。そんな東口はどうなのでしょうか。

※鉄道ジャーナル2008年10月号のp90(日本縦断各駅停車の飯田橋の項目)には「駅員の数は東口28人、西口8人」とあり、東口がメインであることがうかがえます。

写真9. 東口周辺

東口周辺です(写真9)。東口付近は線路のほうが周囲よりも高く、高架駅のように見えます。

写真10. 改札口がある

駅舎に入ります(写真10)。自動改札こそあるものの、みどりの窓口はありません。飯田橋駅のオペレーション的には西口が正面ということなのでしょうか。

写真11. ホームまで徒歩3分!

ホームが西口側に移動したので、東口からホームまで時間がかかるようになってしまいました。東口改札からホームまで200m、徒歩3分ぶんのロスです(写真11)。従来のホームは東口に近かったので、そのような意味では(安全上仕方ないとはいえ)純粋な利便性低下です。

写真12. 閉鎖された階段

東口改札から御茶ノ水よりに向かう階段は閉鎖されています(写真12)。昔のホームは通路として使われていますが、それが部分的なためです。

写真13. 階段を眺める

階段の先には昔のホームがあります(写真13)。ここを開放して撮り鉄スポット(当然有料!)にすると良いようにも思えますが、料金チェックするほうが面倒でしょうし、安全確保という意味でも懸念材料になってしまいます。

写真14. 現役の階段

こちらはホームに通じる向きの階段です(写真14)。理論上、(東口の利用客が変わっていなければ)以前の2倍の利用者が通っているはずです。

写真15. 旧ホームを利用した通路

東口改札から現在のホームまでは昔のホームを進みます(写真15)。昔はここから電車に乗れましたので、(多くの利用がある東口からの)利便性は低下していることは厳然たる事実です。

写真16. ホームにやってきた

ホームに到着です(写真16)。ここにきてようやく1号車に乗りこめます。(例えば)新宿で便利な10号車に乗りこもうとすると、さらに200m歩かねばなりません。

写真17. 西口への階段は狭い

西口への階段は狭いです(写真17)。狭いぶん3か所の昇降通路を確保して多くの利用に備えようという意図を感じます。

写真18. 利用客はそれなりに多い

平日の午前中という条件でしたが、それなりに利用客はいました。ホーム移設から半年以上が経過し、(日常的な利用が多いという性質上)大方の利用客が慣れたものでしょう。

飯田橋駅の移設を見てみて

飯田橋駅の移設から半年以上経過し、「日常」的な姿を見せてくれました。安全上仕方ないとはいえ、メインの改札からホームまでの時間がかかるようになるなど、利便性が悪化した部分は否定できません。一方、西口からホームまでの動線は短くなり、一長一短であることは事実です。

とはいえ、交通機関は安全ファーストです。そのような意味で(きれいになった西口や駅舎を含めて)今回の移設は大英断です。今後も目立たない存在でありながら、都心の中堅駅としてそれなりの役割を果たすのでしょう。

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