JR京都線の混雑状況(平日日中時間帯、新大阪-大阪、現場調査結果)(26年5月下旬)

記事上部注釈
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京都と大阪を結ぶ役割と、新大阪-大阪の新幹線連絡の役割を併せるJR京都線。その混雑はどうでしょうか。平日日中時間帯の実際の混雑状況を確認しました。全種別の平均だと混雑率45%程度立ちが若干生じるレベルでした。

写真1. 昼下がりの大阪駅7番/8番のりば

JR京都線の平日日中時間帯の混雑状況のまとめ

JR京都線の平日日中時間帯の混雑状況は以下の通りでした。

  • (全般的にならすと)種別に違いによる混雑の違いは大きくなく、混雑率は45%程度だった
  • 種別ごとに解析すると、普通が最も混雑し、快速が最も空いていた
  • 両先頭車が空いており、中間車が混んでいる傾向にあった

詳細は以下に記します。

JR京都線の混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。

表1. 混雑ポイントの基本的な概念と混雑率

120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回は、新大阪-大阪の大阪発着断面で確認しました(時刻も大阪駅基準)。

JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況生データ

写真5. 快速がやってきた

まず、実際の混雑状況の生データを示します(表2)。

表2. JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況

また、各列車の混雑状況を可視化しました(表3)。

表3. JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況(列車ごと可視化)

JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況の解析

写真6. 新快速がやってきた(写真5と比べると快速と通る線路が異なる点に気づくと思います)

生データだけ示してもわかりにくいでしょう。そこで、多くの観点から混雑状況を解析します(やさしー)。

復習:JR京都線のダイヤパターン

混雑状況は、鉄道ダイヤに左右されます(逆に混雑状況を考慮して鉄道ダイヤは決定されます)。そこで、私なりにJR京都線のダイヤパターンを紹介します。

基本的に15分サイクルで運転され、1サイクルの内訳は以下の通りです。

  • 新快速:京都方面-姫路に1本。日中時間帯は全列車12両編成で運転される(夕方ラッシュに8両編成もありますが、日中時間帯に加えて設定するぶんです)。厳密には京都側の発着駅は近江塩津(琵琶湖線経由)1本、敦賀(湖西線経由)1本、野洲2本の60分サイクル
  • 快速:京都方面-神戸方面に1本。厳密には米原-加古川と野洲-網干の交互だが、野洲-加古川は15分間隔
  • 普通:高槻-宝塚(朝夕に近い時間帯は新三田)1本、高槻-須磨(朝夕に近い時間帯は京都-西明石に延長される)1本

大阪断面では、新快速快速という速達列車が15分に1本ずつ運転され、その間に普通が挿入されます。ただし、高槻から京都よりは快速が各駅に停車し、普通がカットされます(朝夕に近い時間帯は普通も15分に2本運転され、京都-高槻も15分に2回の乗車チャンスが確保されます)。

高槻-大阪は新快速の直前に発車する普通以外は先着し、有効列車は15分に3本あります。ただし、京都-高槻で新快速は快速を抜かし(この区間の快速は各駅に停車するので普通と表記されますが)、京都-大阪の有効列車は新快速だけです。

もっとも新快速は外側線、快速普通は内側線を通り、京都-大阪では両者は相互に干渉しません。このほか、外側線には特急や貨物列車が走ります(本記事では省略しますが、30分間隔で設定される北陸方面特急や30分間隔で設定される関空特急はるかが代表的な存在でしょう)。このような事情があり、京都-大阪で普通快速新快速に抜かされても待避時間はありません。京都-大阪の新快速の所要時間が28分であるのに対し、快速は41分です。

種別ごとの混雑状況

最初に種別ごとの混雑状況を確認します(表4)。

表4. JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況(種別ごと)

混雑率を種別ごとにならすと、普通が最も混んでいました。そして快速が空いていて、新快速が最も混んでいました。不思議なのは、大阪14:42着の普通が混んでいて、大阪14:33着の普通が空いていた点です。この点を簡単に解析します。

この時間帯は新大阪発14:29(普通)、14:31(快速)、14:38(普通)、14:39(新快速)の順番です。他方、この日の新大阪到着の下り新幹線の時刻を眺めると、のぞみ379号(14:06着)、のぞみ69号(14:15着)、ひかり641号(14:27着)、のぞみ257号(14:30着)、のぞみ31号(14:39着)となっています。ひかり641号とのぞみ257号の2本の乗客が14:38発普通に集中した可能性を指摘できます。のぞみ号の間隔が15分開き、東京・名古屋方面からの新幹線利用客の受け皿が14:38発(大阪14:42着)普通になったのでしょう。

12両編成の新快速に乗客が集中して混雑するようにも見えますが、実際は15分に14両ぶんの輸送力を受け持つ普通のほうがトータルとしての輸送量は多いのです。

号車ごとの混雑状況

次に、号車ごとの混雑状況を分析します(表5)。

表5. JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況(号車ごと)

図1. JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況(号車ごと、可視化)

直感でわかりやすいように可視化しました(図1)。

全般的に両先頭車が空いており、中間の車両が混んでいることがわかります。とりわけ新快速は12両編成と長いですので、車両ごとの混雑状況に差があります。新快速の全列車12両編成になって久しいですが、それでも浸透していないのか、単に両先頭車は乗車駅(や降車駅)で不便だから避けられているのかは不明です。ただし、(卑近な例ですが)11両編成で統一されている山手線も同様の傾向なので、利便性の理由が大きいのでしょう。

大阪駅や三ノ宮駅は出口が分散していると感じますが、それでも不充分かもしれません。今後の「うめきた」エリアの開発により、大阪駅西側(1号車側)の利用促進に期待したいものです。

JR京都線(新大阪-大阪)の2026年5月下旬(平日日中時間帯)の混雑状況からダイヤを考える

写真6. 普通の混雑は軽視されがち

では、このような混雑状況からダイヤを考えます。

1つ思い浮かぶことは、新快速の両端の車両が空いていることから、新快速の8両編成への減車と10分間隔への増発です。こうすることで、編成全体の混雑は均等化しつつ、中央部の車両の混雑緩和を期待できます(毎時48両は変わらないため、新快速全体の乗客数が変わらなければ新快速そのものの混雑も変わりません)。

このことは全体のダイヤパターンを変更する必要があると意味します。算術としては、快速、普通ともに10分間隔とすると毎時18本と現行より毎時2本増発となります。毎時8本の普通を毎時6本に減便することを意味し、利用の最も多い普通にしわ寄せが生じます。また、京都以東で普通を10分間隔に増発するか、20分間隔に減便するかの判断を迫られ、副作用もそれなりに大きい変更です。もっとも快速停車駅に停車する快速の本数が増え、それだけ普通利用が減ることは予想されましょう。

別の観点で思い浮かぶのは、現行の本数で利便性を向上させるダイヤです。例えば、内側線の最高速度を向上させ、かつ使用車両の起動加速度も向上させることで、大阪や高槻での新快速と普通の緩急結合を強化する方法です。

例えば、高槻-大阪の新快速の所要時間は15分、快速の所要時間は19分です。両者の停車駅の違いは茨木だけです。これは快速が本来より遅く走っていることを意味します。これ以上所要時間を短縮するには、普通の所要時間の24分をさらに短縮するしかありません。また、快速を新大阪-大阪だけ外側線を走らせ、普通と快速の間を詰める方法もあります(同区間は貨物列車や特急はるかは原則通らない)。このようにすれば、快速の所要時間は17分に短縮され、普通の所要時間も23分となりましょう。ただし、ここまでやっても高槻で普通と新快速の緩急結合は難しく、一方の遅れがもう一方の遅れにつながるリスクは大きくなり、得策ではありません。

ダイヤ上、起こりうる新快速への乗客集中に対する回答は、新快速全列車12両編成という物量作戦によって克服されました。現状は新快速より普通のほうがむしろ混雑しているので、混雑に対しては現行ダイヤで問題ないということになるのでしょう。ただし、京都-大阪の有効列車が15分間隔だけである点については、何かしらの改善をお願いしたいところです。

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