川崎駅ホーム切替工事

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2018年11月3日。文化の日と重なってしまった残念な土曜日という印象しかありませんが、東海道線川崎でホーム拡張工事が行われていました。そのため、10時から終電まで品川-横浜で運転をしてませんでした。ここでは工事の様子と周辺への影響をレポートします。多くのサイトさんが断片的な記録を綴っているのに対し、本ページでは全体像がわかるようになっています。

東京での折り返し

宇都宮・高崎線から東海道線に直通する系統は、東京で折り返ししていました。上野折り返しではなく、東京まで走らせることは評価に値すると思います。

2018.11.3東京電光掲示板

写真1. 東京始発が並ぶ

電光掲示板を確認しますと、東京始発が並びます。大宮方面の列車は10分間隔ですが、20分のダイヤホールがあるように見えます。しかし、心配する必要はありません。9番線と10番線からも列車が発車して、東京以北は見た目通常ダイヤで運転しています。

2018.11.3 東京に入線するE531系

写真2. 新橋方面から入線するE531系

では、この日は全ての列車が東京始発だったのでしょうか。現実は異なります。常磐線は品川発着の通常通りの姿で運転していました。このように、新橋方面から入線しています(写真2)。

2018.11.3 東京電光掲示板

写真3. 常磐線は通常運転との表示

電光掲示板でも明記されていましたが、常磐線は全く通常通りの運転です(写真3)。北方向の影響についてまとめますと、以下の通りですね。

・宇都宮線・高崎線は東京で折り返し運転、東京以北は見た目通常通り(車両運用などが異なるのは理解してます)
・常磐線は通常通り運転

2018.11.3 踊り子運転時刻の変更

写真4. 踊り子の運転時刻変更

東京に踊り子などの時刻変更が明記されていました(写真4)。東京-横浜を通る特急列車は品川-横浜を横須賀線経由で運転して、川崎のかわりに武蔵小杉に停車するようになっていました。特急については何とか東京まで運転するようにしていることがわかります。通常よりも大回りすることになりますから、所要時間は普段よりもかかっています。

品川での観察

東京駅での掲示で知ったのですが、特急は、品川-横浜では横須賀線を通ります。となれば、品川で転線することは明らかです。それを見ないわけにはいきません。

2018.11.3品川電光掲示板

写真5. 品川での電光掲示板

私は東京から品川まで京浜東北線で向かいました。京浜東北線の向かいのホームは宇都宮・高崎線の乗り場です。やはり、列車がこない旨の表示がなされていました(写真5)。

185系(2018.11.3品川)

写真6. 品川に到着した踊り子

駅員の監視をかいくぐって(駅員さんは親切ですから、「間違えて」東海道線のホームに行こうとする客に対して案内してくれます※)、東海道線のホームに着きました。すると、すぐに特急踊り子が来ました(写真6)。隣りに横須賀線の車両がありますから、12番線であることがわかると思います。

※東海道線のホームじたいは踊り子が来るため、立ち入ることはできます。

185系(2018.11.3品川)

写真7. 品川を発車する踊り子

通常通り品川で乗客を乗せた踊り子は発車します(写真7)。

185系(2018.11.3品川で転線中)

写真8. 転線中の踊り子

ここで横須賀線(品鶴線)に転線しています(写真8)。

185系(2018.11.3品川で転線終了)

写真9. 転線が終了した踊り子

このように転線が終わり、武蔵小杉経由で横浜に向かいます(写真9)。

横須賀線の臨時増発

品川-横浜という大動脈で列車が運休し、他社への振替もなし、という状況です。そのため、迂回路の京浜東北線と横須賀線は混雑が予想されます。このような事態にフォローの1つもないのでしょうか。そう思った私は横須賀線ホームに向かいます。

2018.11.3 品川電光掲示板(横須賀線)

写真10. 品川駅の電光掲示板(横須賀線)

電光掲示板を見ると、11:33の逗子行きの直後に11:36の大船行きが表示されています(写真10)。私のバイブルである東京時刻表を眺めると、そのような列車はありません。そう、臨時に増発されています。

E217系:横須賀線臨時

写真11. 臨時列車の顔(9723Mと表示されています)

この路線は列車番号の末尾がSです。それなのに、末尾がM表示、そして9000番台の列車番号、これはれっきとした臨時列車です。直前の定期列車は混雑してましたが、この臨時列車はガラ空きでした。臨時は東京発着であること、各種乗りかえ検索には表示されない幻の列車であること、定期列車の3分続行であることが重なったのがその要因でしょう。このような臨時列車は混雑する定期列車の直前に設定するのが定石だと思いますが…。それでも臨時列車を運行してフォローするという努力は感じられました。

なお、この臨時列車は通常の横須賀線の「電車」扱いと異なり、「列車」扱いでした。そのため、電光掲示板にも「列車がまいります」と表示されていました。

武蔵小杉での観察

そんな私は増発列車で武蔵小杉に移動しました。ホーム先端にジャーナリスト魂あふれる人が集結していました。

2018.11.3 武蔵小杉ホーム

写真12. ジャーナリズム魂が集結!

何かスクープとなるできごとがあるのでしょうか(写真12)。もしかして大物女優と大物俳優のお忍びデート?

2018.11.3 武蔵小杉に進入する185系

写真13. 武蔵小杉に進入する185系

やはり、そのようなことはありませんでした。武蔵小杉に進入する185系を撮影していました。また、駅放送を録音している人も多く見られました。このような環境であれば私の奇行行動も目立たないというものです。そう、木は森に隠すのです。

2018.11.3 武蔵小杉に停車中の185系

写真14. 武蔵小杉に停車中の185系

武蔵小杉に停車中の185系も撮影しました(写真14)。本来の特急の利用客の数よりも、駅放送を録音しているジャーナリストの数が多いことも判明しました。

2018.11.3 武蔵小杉に表示される臨時

写真15. 武蔵小杉に表示される臨時の品川行き

今度の列車は臨時の品川行きです(写真15)。きちんとフォローしようという努力はあるのです。

2018.11.3 武蔵小杉に進入するE217系

写真16. 武蔵小杉に進入する臨時の品川行き

その品川行きです(写真16)。こんどは9722Mという列車番号がわかりますね。

写真17. 武蔵小杉に掲示された時刻表

これが当日の時刻表です(写真17)。毎時1本程度の臨時増発が認められますね。

川崎ホームの工事を眺める

その川崎の様子も眺めてみましょう。品川、武蔵小杉、横浜とファンが集結していましたが、ここ川崎には意外といませんでした。

写真18. 1番線、2番線へのバリゲート

写真19. 駅員が持っていた立て看板

1番線と2番線のホーム拡張工事中です。そのため、ホームには立ち入れません(写真18-19)。本当は立ち入って工事の様子を近くで眺めたいんですけどね。駅ナカの店舗に用があるふりをして、背後から撮影しました。

写真20. 工事が行われている

1番線側で工事が行われています。ホーム拡張工事中のはずですが、拡張されている気配がありません。どうしたのだろう、と記事を書いていて気づきましたが、この時点ではまだ正午すぎでした。工事が始まってたかだか2時間です。まずは工事前に設置していたものを取り外す段階なのでしょう。

写真21. 作業員が集結!

作業員が集結しています(写真21)。この直後に人手が必要な作業でもあるのでしょうか。

写真22. 横浜寄りでもなにやら工事中

ホームの横浜寄りを眺めると、「はたらく自動車」が集結しています(写真22)。何なのでしょうか?京浜東北線の先頭部に立って観察してみましょう。

写真23. 架線の切替工事?

写真24. 架線の切替工事?

作業は架線に向けて行われています(写真23-24)。線路の切替も必要でしょうが、架線の切替も必要ですよね。きっとその切替(工事直前まで付いていた部品などを取り外す作業)でしょう。

横浜での折り返し

東海道線は東京-横浜で運休と告知されていました。ということは、東海道線の列車は横浜折り返しになっています。この光景も撮影しましょう。

2018.11.3 横浜停車中の下り列車

写真25. 横浜7番線に停車中の下り列車

横浜に着くと、7番線に下り列車が停車していました(写真25)。現地取材で判明しましたが、横浜では上り到着と下り発車の両方が行えるのは、7番線しかありませんね。そのため、横浜では1線で折り返し列車をさばく必要があります。その関係か、普通車の車内整備は行われていませんでした。

2018.11.3 横浜発車

写真26. 横浜を発車

その下り列車が横浜を発車しました(写真26)。

写真27. 下り線に消えていった

このように下り線に消えていきました(写真27)。

ちょっと見ると変!

私は7番線で東海道線は折り返すと記しました。では、6番線には立ち入れないのでしょうか。

E233系:横浜折り返し

写真28. 6番線にも姿を現すジャーナリストたち

6番線にもフリージャーナリストの姿が見られます。東海道線の下りは7番線から発車しますから、6番線のホームは閉鎖されているはずです。それでも、フリーのジャーナリストが数多く確認できます(横浜折り返しを撮影する人が多かったです、みんな7番線よりも良い写真が撮影できることを知っているのですね、私は知りませんでした)。

では、なぜホームを閉鎖しないのでしょうか。その答えは、「列車が来ない」という仮定が誤っていることに起因します。そう、踊り子はこのホームにやってきます。踊り子は横須賀線の線路を走りますが、ここ横浜では東海道線ホームから発車することが読み取れます。このように、横浜利用客には普段と同じホーム発車させて、特急利用客を混乱させないようにしているのです。

この日のまとめ

この日は川崎駅ホーム拡張工事という輸送改善のために当該の路線を運休させていました。本来はこのような工事は夜間に実施(土曜21時~日曜7時など)すべきですが、それができない事情もあったのかもしれません。それでも、朝10時までは通常の運転を行ったり、運休区間を最小限に留めようという努力(ただし、宇都宮・高崎線も大部分が品川始発にできたはずです)や、周辺線区の増発によるフォロー(ただし、その量やダイヤ設定に課題は残ります)という努力も感じられました。

このような運転整理は普段から実施するともっと良いでしょう。例えば、東海道線の川崎で人身事故が生じた場合にも同じような対応はできるでしょうし、やるべきです。この日の経験を活かしてより良い輸送体系に変化させてもらいたいものです。そして、このように地味ながらも首都圏の鉄道は進化を続けているのです。

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