夕方ラッシュ時の近鉄名古屋線の混雑状況(近鉄名古屋→米野、現場調査結果)

記事上部注釈
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近鉄名古屋線。名古屋から三重方面に向かう路線で、並行するJR線より利用が根付いている印象があります。そんな近鉄名古屋線の夕方ラッシュ時の混雑状況を実際に確認しました。18:30ごろが混雑し、かつ急行に利用が集中する傾向でした(観察時間帯の平均混雑率は約74%)。

写真1. 急行といえど先頭のほうは比較的空いている

近鉄名古屋線の平日夕方ラッシュ時の混雑状況のまとめ

近鉄名古屋線の平日夕方ラッシュ時の混雑状況は以下の通りでした。

  • 18時前~19時前のなかでは18:30ごろが最も混雑していた
  • 普通や準急は比較的空いているものの、急行はやや混んでいた
  • 全般的な混雑率は74%程度だった

詳細は以下に記します。

近鉄名古屋線の混雑調査の概要

今回の混雑調査の方法を紹介しましょう。この記事では、定点観測を行い、一定時間の全列車を対象にして各車両の混雑を目視で確認しています。これはプロも行っている調査方法です。

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。

表1. 混雑ポイントの基本的な概念と混雑率

120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

今回は近鉄名古屋駅発断面(近鉄名古屋-米野)を確認しました。

近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況生データ

写真5. 準急は近鉄四日市行きが多い

まず、実際の混雑状況の生データを示します(表2)。

表2. 近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況

また、列車別の混雑状況を可視化しました(表3)。

表3. 近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況(列車ごと可視化)

急行が混雑しており、準急と普通が比較的空いていることがわかります。

調査日は3月下旬ということもあり、通常より空いていた可能性は否定できません。

近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況の分析

写真6. 普通利用客もそれなり存在し、完全無視はできない

生データだけ示してもわかりにくいでしょう。そこで、多くの観点から混雑状況を解析します(やさしー)。

復習:近鉄名古屋線のダイヤパターン

混雑状況は、鉄道ダイヤに左右されます(逆に混雑状況を考慮して鉄道ダイヤは決定されます)。そこで、私なりに近鉄名古屋線のダイヤパターンを紹介します。

夕方ラッシュ時は基本的に15分サイクルで運転され、1サイクルの内訳は以下の通りです。

  • 特急:1本が基本。ただし1時間に1回はひのとりの伊勢方面特急が続行(主要駅停車型は伊勢方面が毎時3本、大阪難波方面は毎時1本)
  • 急行:1本運転。伊勢中川までは運転され、伊勢中川から先は行先は固定されない(大阪方面からの速達列車に接続するとも限らない)
  • 準急:近鉄名古屋-近鉄四日市で1本運転。
  • 普通:近鉄名古屋-富吉で1本運転

近鉄名古屋線は特急優先のダイヤです。夕方ラッシュ時は15分間隔で主要的停車タイプが設定され、毎時00分発の最速達列車のひのとりが追加されます。したがって、毎時00分発の主要駅停車タイプは02分発に繰り下げられます。これら特急の直後に急行普通と続行します。そして、普通特急の間に準急が入ります。

急行は伊勢若松まで特急より先行することが多く(白子以遠は特急先着)、準急は弥富まで急行より先着することが多いです。普通は蟹江までの短距離輸送に振り切っている印象です。また、日中時間帯は準急は近鉄名古屋と近鉄四日市間で急行より先着しますが、夕方ラッシュ時は列車の運転間隔が短くなり、先着駅が弥富までに短縮されます。

混雑しない日中時間帯は近鉄四日市までの無料列車有効列車は毎時5本なのに対し、混雑する夕方ラッシュ時は有効列車が毎時4本に減るのは、混雑分散化という意味では得策ではありません(もう1本後の急行より先着しますが)。

種別ごとの混雑状況

最初に種別ごとの混雑状況を確認します(表4、図1)。

表4. 近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況(種別ごと)

図1. 近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況(種別ごと、可視化)

急行に乗客が集中しており、この時間帯の平均混雑率は約74%でした(単純な平均でなく、急行が6両編成であることを加味して加重平均を算出する点に注意)。混雑している種別の急行であっても、座席前のつり革が半分埋まる程度です。

普通はさらに空いており、座席前のつり革の1/4程度が埋まる状況でした。普通は混雑区間が短いと見積もられ、やや離れたエリアではその傾向がさらに顕著になるでしょう。

混雑時間帯の推定

次に時間帯ごとの混雑状況を分析します。先に15分サイクルと述べたので、15分ごとに区切ります(表5、図2)。

表5. 近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況(時間帯ごと)

図2. 近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況(時間帯ごと)(可視化)

18:09~18:38が混んでいる傾向です。いいかえると、18:30ごろが混雑しています。これは退勤時刻を考えれば納得できます。名古屋市内で18時ごろに退勤すると近鉄名古屋駅に着くのが18:30ごろになります。最混雑列車は18:31発急行松阪行きで、全車両ロングシート車なのはこの混雑を考慮しているためでしょうか(もっとも最混雑車両になる近鉄名古屋よりはロングシートです)。

混雑車両の推定

混雑車両を推定します。これは生データをご覧いただくとわかりやすいでしょう。

表2. 近鉄名古屋線(近鉄名古屋-米野)の2026年3月下旬(平日夕方ラッシュ時)の混雑状況

名古屋よりの車両が混んでいます。これは単純な理由で、メインの改札口がホームの端部に位置するためです。

近鉄名古屋線の混雑状況から夕方ラッシュ時ダイヤを考える

写真7. 無料列車の主力は急行

近鉄名古屋線の混雑状況から夕方ラッシュ時のダイヤを考えます。近鉄名古屋線は長距離路線の側面もあり、(速度も重要なことから)いたずらに本数を増やせません。

最初に思い浮かぶのは、普通と準急を20分間隔に減便するかわりに急行を10分間隔に増発するというものです。無料列車の総本数は変わりません。ただし、特急を毎時1本減便しないとサイクルが合わず、無駄な待避が生じる可能性があります。こうすると日中時間帯と同様に特急の20分間隔(毎時1回はひのとりと続行)となり、収益源の特急列車に乗車する乗客が減ってしまいます。これは近鉄としてはやりたくないでしょう。

別の方策は普通や準急をスピードアップ(高加速車両投入や駅停車に当該区間の最高速度から一気に減速)し、急行から「逃げ切る」駅を少しでも先に進み、乗客を分散させることです。準急が弥富待避から益生待避になれば、桑名利用客の一部も準急にシフトするでしょう。このような細かな改善によって利用を分散させるのが現実的な最大解でしょう。

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