指定席券売機の改良案

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たびたび話題になるみどりの窓口の混雑。その原因の1つが指定席券売機の使い勝手の悪さではないでしょうか。そんな指定席券売機の使い勝手について考えました。

写真1. 駅の一角にある指定席券売機(西船橋で撮影)

指定席券売機の改良案まとめ

本記事の要点は以下の通りです。

  • 多くの人にわかりやすいように乗換案内から購入を前面に押し出すと良い
  • やや複雑な乗車券が購入できるよう高度なモードを取り入れると良い
  • インターネット予約の受取はJR全社を対象にするべきである
  • 1歩進み、インターネット予約の受取が必要ないように工夫して欲しい

詳細は以下に記します。

復習:みどりの窓口の混雑と他交通モードとの比較

写真2. 昔ながらのみどりの窓口(2024年に龍ヶ崎市で撮影)

みどりの窓口の混雑が時たま話題になります。とりわけ、最近はみどりの窓口が閉鎖される駅もあり、その傾向は顕著です。

だから窓口の閉鎖はどうかと思う、という意見も多いでしょう。それは一面では真実です。他方で、労働人口の減少による労働力不足が日本社会における社会問題になっています。これはどの業界でも同様で、社会全体の機械化とセルフサービス化は避けられず、利用者側の認識も重要です。

よって、みどりの窓口の減少は避けることができず、われわれ利用者側もそれに対応せねばなりません。

機械発券というとアレルギー反応が出る人もいると思いますが、そのような人であっても航空機に乗る際はインターネットで予約し、自動チェックイン機や電話機のアプリケーションを使っているわけです。

そのため、窓口廃止ではなく、窓口にかわる手段が適切でないことが推定できます。ほかの交通モード、ひいては民鉄特急でも成立していることを考えると、JRの指定席券売機が不利なことは明白なのです。

図1. JRの指定席券売機の画面(JR東日本公式サイトから引用)

駅の指定席券売機はこの画面です。この画面を見ると、「指定席か自由席かわからない…」「新幹線と在来線かわからない…」と思考停止する人が出てしまいます。

そして、鉄道ファンには機能が少なくて使い勝手が悪い機械であることも事実です。

これらの改善策を考えてみましょう!

指定席券売機の改善案

図2. このような検索も可能

指定席券売機は実は優秀で、「今から行きたい」というニーズにも応えています(図2)。そのため、あらかじめ時刻表などで検索しなくとも指定席を買うことが可能です。さらに、池袋から新宿への乗車券という非常にベーシックな内容も取り扱っています。名前や最初の画面設定で損していている印象です。

このような機能が実装されているというのが、大前提です。

基本原理:乗りたい列車があるのでなく、行きたい場所がある

鉄道を使う人の多くは、鉄道に乗ることが目的でなく、行きたい場所があります。そして、その目的地に行くには制約があります(客先に10時に訪問したいなど)。その制約を満たすために移動手段を考えます。その経路に興味はなく、場合によっては席の位置にも興味ないでしょう。

そこで、そのような利用者の意図を優先する画面にします。つまり、出発駅と到着駅から最適な経路を案内し、それから出力されるシステムです。

図3. 乗換案内から購入のボタンを押しにくい

乗換案内から購入」のボタンを押すことはハードルが高いです(図3)。そのため、この画面を「今から乗車」「明日以降乗車」に変更し、ボタンを大きくすると良いでしょう。

ここからの先の案内はとりあえず現行通りで良いでしょう。

高度な機能も装備!

このほか、途中下車をしながら目的地に向かうタイプの旅程を組む人もいるでしょう。そのような人は、上記以外の機能が重要です。

現在は買うことのできる乗車券の範囲が狭すぎます。特急に乗るまで普通列車を利用するパターンなどのテクニックを駆使すれば、多少範囲が広がりますが、それでもみどりの窓口に比べて発券できる範囲が限られています。

補充券が必要なレベルまでは求めませんが、85mm券(横長ではない乗車券)レベルは指定席券売機での対応をお願いしたいです。

インターネット予約の受取

指定席券売機では、インターネット予約の受取も可能です。私はえきねっと(JR東日本の予約サイト)で予約したきっぷを、JR東日本管内の指定席券売機で受け取っています。

これはそれなりに便利(手元の端末で選べるのは便利です)ですが、JR東日本管内の駅で受け取ることが基本です。JR九州の駅ではえきねっとで手配したきっぷを受け取れません。

私のようなマニアであれば、JR各社の境界はよく知っていますが、それを多くの人に要求するのは酷です。そこで、JR各社のインターネット予約のきっぷはJR各社の指定席券売機で発券できるようにします。例えば、JR北海道の駅でJR九州のサイトで予約したきっぷを発券できるようにするということです。

応用:インターネット予約の拡充

究極は指定席券売機なしでも利用できるようにすることです。すなわち、インターネット予約した場合は、発券の必要がないようにするということです。

えきねっとで予約した場合、下記のメールが届きます。

鉄道ラボ さま
会員番号:N番(Nは自然数)

この度は、えきねっとをご利用いただきましてありがとうございます。
お申込みいただきましたきっぷのご用意ができました。

■予約番号
■申込内容
■お支払い総額
 M円(Mは自然数)
■最大獲得予定ポイント
■指定席券売機用 QRコード
 ※紙のきっぷは乗車前までにQRコードもしくは受取コードを利用してお受取りください。
 ただし、「駅支払い」は、お支払い期限までにお支払いください。
 ※指定席券売機用QRコードではご乗車いただけません

えきねっとからのメール(一部改変)

指定席券売機用QRコードではなく、このQRコードで自動改札機を通過することができれば、もはや指定席券売機は不要です(現実問題、インターネット予約だけでは不親切なので券売機は存続させる必要はあります)。

民鉄の有料特急では、インターネットで予約し、発券することなく予約した列車の座席に座れます。もちろんJRもこの点に対応しており、首都圏ではチケットレス特急券が選択でき、通年で100円引きが適用されます(しかも安いチケットレス特急券のほうがポイント還元が多い)。

さらに、JR各社の割引なしのきっぷはJR各社のサイトで購入するようにできたほうが良いでしょう。JR四国のサイトでJR九州のネットきっぷを買える必要はありませんが、特急列車の指定席券を買えたほうが良いということです。

指定席券売機の機能を見てみて

写真3. 機械が発達しワンマン化が進む(新松戸で撮影)

指定席券売機は全般として高機能で、それなりに便利な機械です。しかし、惜しいところで使い勝手が悪く、結果として窓口の混雑を招いています。これでは誰も得しません。

窓口の混雑は実質的な所要時間増です。最高速度を向上させるなどの血のにじむ努力で、1分単位で所要時間を短縮しています。窓口の混雑によって、その努力をあざ笑うように消してしまいます。

現在の多くの人々はインターネット予約を当たり前のように使いこなしています。指定席券売機だけが使いにくいのであれば、それは鉄道側の問題でしょう。

(最後の砦で人によるサポートが必要とは思いますが)今やDX化、そして電子機器に慣れた人が多い世の中です。自動化の恩恵は数知れずです。駅の指定席券売機もその潮流に合わせ、重要度は高まりましょう。地味ながら重要な機器となるでしょう。それだけに使い勝手を改良いただきたく思います。

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