スペーシアXの乗車記(プレミアムシート)(鬼怒川温泉→北千住)(25年夏)

記事上部注釈
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2023年秋に登場したスペーシアX。現代的な客室と多様な設備が人気です。そんなスペーシアXのなかでやや高級なプレミアムシートに乗りました。

写真1. 北千住でも白い車体は存在感は大きい

復習:日光方面特急とスペーシアXの概要

最初に日光方面の特急とスペーシアXの概要を紹介します。

日光方面の特急の概要

図1. スペーシアXの停車駅(東武鉄道公式サイトより引用)

図2. 東武特急の停車駅(東武鉄道公式サイトより引用)

現在、日光方面への看板列車となっているスペーシアXとそのほかの特急の停車駅を示しました(図1、図2)。ここで重要なことは、日光と鬼怒川温泉方面は同じ路線にはなく下今市で分岐することです。

その特急の大多数は浅草発着です。これはひとえに東武線の起点が浅草であるためです(※)。これはインバウンドには適切かもしれません。すなわち、インバウンドに人気の高い浅草を起点とし、国際的な観光地日光、そしてメジャーな温泉地の鬼怒川温泉に向かうということです。この弱点を補うべく、JR線の新宿発着の特急も設定されています。しかし、この系統は1日2往復(臨時列車を含めれば最大1日5往復運転される日もある)と本数は少ないです。

※東武東上線系列は池袋が起点ですが、歴史的経緯から日光方面とは自社線の線路でつながっていません。

なお、浅草発着は北千住にも停車し、地下鉄千代田線や地下鉄日比谷線という地下鉄沿線からのアクセスも可能です。THライナーを地下鉄直通可能な特急車両に変更し、土曜・休日は一部の特急列車を日比谷線直通にすれば…。

日光方面の特急車両

その日光・鬼怒川方面の特急列車は以下の車両によって運転されます。

表1. 日光・鬼怒川方面の特急車両の一覧

価格コメント
スペーシアX最大290円高い看板列車
スペーシア標準個室付きのやや豪華な標準車両
リバティ標準分割可能な標準車両

看板車両は2023年7月に登場したスペーシアXです。看板車両として投入されたためか、上位座席が多く、定員がやや少ないです(6両編成で212名)。そのためか、特急料金はやや高く、浅草-東武日光で1940円と他の列車より290円高いです(通常期のもの、閑散期は200円引き、繁忙期は200円増し)。

機動力に優れているとされているのがリバティです。6両編成で運転し、途中の下今市で東武日光方面と鬼怒川温泉方面に分割ができます。したがって、1本の列車で東武日光/鬼怒川温泉双方の需要をまかなうことができます。さらに、3両編成と短いため、鬼怒川温泉以北の需要の少ない区間への直通もまかなえます。

そして、やや古いもののそれなりに豪華な車両がスペーシアです。スペーシアは個室もついており、そのような意味では観光特急にふさわしいように見えます。JR線直通はスペーシアに限定されます。

写真2. 東武特急の看板列車、スペーシアX

写真3. 機動力に優れるリバティ(鬼怒川温泉でリバティ会津を撮影)

写真4. 昔からの看板列車、スペーシア(2022年に春日部で撮影)

日光方面の特急について書きましたが、このほか、群馬県方面に向かう特急りょうもうも存在します。

写真5. 特急りょうもう(2022年に撮影)

日光方面の特急料金

これらの特急列車は特急料金が必要です。浅草/北千住-東武日光/鬼怒川温泉の特急料金は以下の通りです(表2)。

表2. 浅草/北千住-東武日光/鬼怒川温泉の特急料金

特急料金(プレミアムシート)特急料金(スペーシアX)特急料金
閑散期2,3201,7401,450
通常期2,5201,9401,650
繁忙期2,7202,1401,850
(参考)JR直通2,100

※JR線直通の特急料金は新宿/池袋/浦和/大宮からのもの

※詳細は特急料金については東武鉄道公式サイトをご覧ください。

特急料金の基本は121キロ以上の1,940円です。これに乗車日による割増(+200円)や割引(-200円)が加わり、場合によってはスペーシアXの加算料金(290円)やスペーシアXのプレミアムシート加算料金(580円)を別途加算します。

写真6. スペーシアXのスタンダードシート

写真7. スペーシアXのプレミアムシート

写真8. スペーシアXのコクピットラウンジ

スペーシアXのスタンダードシート(写真6)、プレミアムシート(写真7)とコクピットラウンジ(写真8)を示しました。コクピットラウンジについては、1人用は500円、2人用は1000円(を人数割)、4人用は2000円加算されます。日光や鬼怒川温泉までの乗車ではプレミアムシートよりかえって安いです。

スペーシアXにはこのほかボックスシート(2人用のセミコンパートメント)、コンパートメント(4人用の座席)、コックピットスイート(7人用の座席)があります。1人で利用することの多いビジネス向けよりも小集団で利用することの多い観光向けを志向した座席が多いのがスペーシアXの特徴とも表現できます。

実際にスペーシアXに乗る

御託はこの程度にして、実際にスペーシアXに乗ってみましょう!

プレミアムシートの様子

最初にプレミアムシートの様子を紹介します。

写真9. プレミアムシートの全景

プレミアムシートの全景です(写真9)。黒色の床とオレンジ色の座席が現代的な雰囲気を演出しています(モダンな配色と分類されるのでしょう)。

写真10. プレミアムシートの全景

プレミアムシートの全景を別の角度から撮影しました(写真10)。横3列配列の重厚な座席です。

写真11. 天井も間接照明がおしゃれ

天井を眺めると間接照明でおしゃれです(写真11)。そして、座席の色と合っているオレンジ色の照明も印象に残ります。

写真12. 座席を横から眺める

座席を横から眺めます(写真12)。

写真13. 1人がけを前から眺める

1人がけを前から眺めます(写真13)。

写真14. テーブルを引き出す

ひじかけからテーブルを引き出しました(写真14)。グループ利用を前提としているため、背面テーブルでないのかな?

写真15. ひじかけの操作盤

ひじかけには操作盤がありました(写真15)。補助照明とリクライニングと意外とシンプルです。

写真16. ひじかけには電源も備わる

ひじかけには電源も備わります(写真16)。携帯電話の充電には便利です。

写真17. ひじかけにはドリンクホルダもある

ひじかけにはドリンクホルダもあります(写真17)。ドリンクの提供はありませんが、スタンダードシートとの差額を考慮すれば、納得できます。JR特急列車のグリーン料金は実質2270円なことを考えると、スペーシアXのリーズナブルさがより強調されるでしょう。

鬼怒川温泉での乗車待ち

鬼怒川温泉に列車が停車中です。少しばかり外観を眺めます。

写真18. スペーシアXの1号車

スペーシアXの1号車です(写真18)。

写真19. スペーシアXの先頭部

スペーシアXの先頭部です(写真19)。前面展望を楽しめるのは東武特急では珍しいと思います。まあ、川越特急や東上線の特急はともかく…。

写真20. スペーシアXの側面

スペーシアXの側面です(写真20)。1列に1つの窓ということで、窓割の面からみて当たりはずれはありません。これは座席争奪戦といえる列車にとっては、余計なことを考えなくて良く、その意味でストレスは減るのではないでしょうか。

写真21. 車内清掃中の表示

車内清掃中の表示です(写真21)。

写真22. 行先表示も凝っている

行先表示も凝っています(写真22)。

写真23. SL列車との会合

SL列車とも顔を合わせます(写真23)。SLをえさに鬼怒川温泉まで乗客を誘導する目的もありましょう。

鬼怒川温泉から北千住までの車窓

では、鬼怒川温泉から北千住までの車窓を楽しみましょう。

写真24. 鬼怒川温泉を発車!

鬼怒川温泉を発車します(写真24)。

写真25. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真25)。

写真26. 東武ワールドスクウェアに停車!

東武ワールドスクウェアに停車します(写真26)。東武鉄道の観光施設があり、特急も停車します。

写真27. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真27)。

写真28. 水田が青々としている

水田が青々としています(写真28)。7月末らしい風景です。

写真28. 鬼怒川を渡る

道路とともに鬼怒川を渡ります(写真28)。

写真29. 鬼怒川を渡る

鬼怒川を渡ります(写真29)。

写真30. 水田を走る

水田を走ります(写真30)。

写真31. 大谷向を通過!

大谷向を通過します(写真31)。

写真32. 大谷川を渡る

大谷川を渡ります(写真32)。

写真33. カーブを曲がり下今市に近づく

カーブを曲がり下今市に近づきます(写真33)。

写真34. 下今市に停車!

下今市に停車します(写真34)。ここでは直接の連絡列車はありません。スペーシア日光4号から乗りかえることは可能ですが、近鉄と異なり特急料金の通算制度はありません。あれば便利になるでしょう。

写真35. 下今市を発車!

下今市を発車しました(写真35)。

写真36. 郊外然とした風景

郊外然とした風景が広がります(写真36)。

写真37. JR線をまたぐ

JR線をまたぎます(写真37)。大昔は東京と日光の輸送の覇権争いをしていましたが、現在はあちらは宇都宮方面への地域輸送に力点を置いています。日光と鬼怒川が一体となった観光地であるため、日光への覇権を争うよりも東武と協調したほうが良いという判断もありましょう。比較的空いているなすの号と連絡するようにダイヤを組み、半室でも指定席を連結しても良いとは思いますが。

写真38. 田舎の風景を走る

田舎の風景を走ります(写真38)。東京と日光の直結に力点を置き、比較的流動の少ない区間を通っているのかもしれません。

写真39. 田舎の風景を走る

田舎の風景を走ります(写真39)。

写真40. やや開けてきた

やや開けてきました(写真40)。

写真41. 建物が増えてきた

建物が増えてきました(写真41)。

写真42. 新鹿沼に停車!

新鹿沼に停車します(写真42)。

動画1. 小気味よく走る

小気味よく走ります(動画1)。観光特急といえど、速度を出せる区間は出すという姿勢を感じます。

写真43. 周囲が開けている

周囲が開けています(写真43)。

写真44. 思川を渡る

思川を渡ります(写真44)。

写真45. 広がりを感じるなかを走る

広がりを感じるなかを走ります(写真45)。

写真46. 線路が多い

線路が多い箇所もありました(写真46)。これは車両基地です。

写真47. 宇都宮方面からの線路が合流

宇都宮方面からの線路が合流します(写真47)。東武宇都宮駅は宇都宮の商店街に近く、東京直結の特急を運転するとそれなりに利用される気がします。ただし、浅草から東武宇都宮まで100分程度かかると、見積もられ、JR普通より10分程度早いだけです。個人的には新宿-日光方面と浅草-宇都宮方面を続行で走らせ、栃木で相互連絡というのが望ましいとは妄想しますが…。

写真48. 新栃木を通過!

新栃木を通過します(写真48)。

写真49. 高架区間に入る

高架区間に入ります(写真49)。

写真50. 栃木に停車!

栃木に停車します(写真50)。日曜の夕方ゆえか、乗る人は少ないです。

写真51. 郊外然とした風景を走る

郊外然とした風景を走ります(写真51)。新栃木までは普通の運転本数は毎時1本が基本でしたが、ここからは毎時2本が基本です。

写真52. 渡良瀬川を渡る

渡良瀬川を渡ります(写真52)。このあたりは群馬・栃木・茨城・埼玉の各県境が複雑に絡み合っています。東武日光線は群馬県を通り、JR線は茨城県を通って栃木県と埼玉県を結びます。栃木県と埼玉県の県境は渡良瀬遊水地が多くを占め、線路を敷設するには不利です。そのため、他の県を通るのでしょう。

図3. 渡良瀬遊水地付近の地図(googleマップより引用)

参考までにこのあたりの地図を示しました(図3)。

写真53. 板倉東洋大前を通過!

板倉東洋大前を通過します(写真53)。東武日光線で唯一の群馬県に位置する駅です。新しい駅で周囲は宅地開発もされています。

写真54. 渡良瀬川の堤防を見ながら走る

渡良瀬川の堤防を見ながら走ります(写真54)。このあたりは茨城県から1kmも離れていませんが、茨城県には入りません。

写真55. 利根川を渡る

利根川を渡ります(写真55)。

写真56. JR線が見えてきた

JR線が見えてきました(写真56)。

写真57. JR線への渡り線がある

JR線への渡り線があります(写真57)。1日3往復とはいえ、新宿と日光地区を結ぶ特急列車が設定可能になるための重要な線路です。都内方面のネットワークに優れるJR線と日光地区のネットワークに優れる東武鉄道の役割分担です。ただし、これは象徴的な列車に限られ、東武特急は浅草発着が主体です。

個人的には(新宿断面で)6両編成の成田エクスプレスをそのまま東武方面に直通させれば、日光や鬼怒川が国際空港に直結して良いと感じます。現状でも訪日外国人観光客に人気の浅草に直結しているから良いのかな?

写真58. JR線の駅が見える

JR栗橋駅が見えます(写真58)。

写真59. 住宅が増えてきた

住宅が増えてきました(写真59)。

写真60. 電車がとまっている

電車がとまっています(写真60)。北春日部の車両基地です。

写真61. リバティもとまっている

リバティもとまっています(写真61)。

写真62. 高架化工事の進む春日部周辺

高架化の進む春日部周辺です(写真62)。

写真63. 春日部に停車!

春日部に停車しました(写真63)。大宮と船橋を結ぶ環状軸との交点です。

写真64. 高架区間に入る

春日部からしばらくは地上区間を走りますが、急に視界が開けます(写真64)。高架区間に入りました。一部異なる区間はあるものの、北千住までの長い高架区間です。

写真65. 都市圏の風景

すっかり周囲は都市圏の風景に変わりました(写真65)。

写真66. 新越谷付近を走行中

新越谷付近を走行中です(写真66)。武蔵野線との乗りかえの動線はあまり洗練されていませんが、ここも環状軸との交点です。

写真67. 東京外環自動車道も見える

東京外環自動車道も見えます(写真67)。

写真68. 都区内に入った

都区内に入りました(写真68)。もっとも東武鉄道は東京都内=都区内です。

写真69. JR線と地下鉄線を渡る

JR線と地下鉄線を渡ります(写真69)。このあたりは北千住-綾瀬であり、JR線の複々線区間ではありません。そのため、このような表記としました。

写真70. まもなく北千住

まもなく北千住です(写真70)。

写真71. 北千住に到着!

北千住に到着しました(写真71)。東武鉄道で利用客が2番目に多いだけあって、下車する人も多いです。余談ですが、1位は池袋です。つまり、東武伊勢崎線系統では最も利用の多い駅です。地下鉄2路線と連絡するだけあります。

写真72. 浅草に向けて発車!

浅草に向けて発車準備です(写真72)

動画2. 浅草に向けて発車!

浅草に向けて発車しました(動画2)。

スペーシアXに乗ってみて

写真73. 帰りの北千住到着直前は楽しむというより休んでいる人が多い

今回、日光地区から都区内までスペーシアXで移動してみました。地方の観光列車にありがちな「楽しみ」を極端に演出する感じもなく、ごくノーマルな上質な移動空間という印象でした。さらに走りも(東武特急としては)そん色なく、特急らしい走りと感じました。

話題性のみならず実用性にも力点を置いている印象があり、個人的には良い印象も持った乗車体験でした。ただし、シーズン中の輸送力不足は問題とされているとも聞きます。そのような意味では、着席に力点を置く、輸送力特化の特急列車があっても良いとも感じました(日光までスムーズに運んだところで日光でキャパシティオーバーとなるので、日光側の輸送力増強も必要ですが)。

スペーシアXは列車単体としてみれば、なかなかの出来です。しかし、それだけでは輸送は成立しません。そのことを考えると、列車群として考えることも重要と感じたのでした。

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