湘南新宿ラインの歴史と今後:湘南新宿ラインの誕生!

記事上部注釈
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湘南新宿ラインの誕生

大宮に進入する湘南新宿ライン
写真1. 大宮に入線する現代の湘南新宿ライン

2001年12月に湘南新宿ラインの運転が開始されました。これに先立ち、渋谷・恵比寿両駅の15両編成対応工事が実施されました。湘南新宿ラインを設定した意図は以下のものが考えられます。

1) 渋谷-横浜で競合関係となる東急東横線などのライバル鉄道から乗客を奪うため
※去る2001年3月に東横線では特急の運転を開始しています。
2) 埼京線の混雑を緩和すること
※湘南新宿ライン1本(15両編成)は埼京線1.5本ぶんの輸送力に相当するため、埼京線の増発よりもある意味では効果がある
3) 新宿自体が発展してきて、新宿を目的地とする人が増加したこと
※街の成長には時間がかかります。新宿に都庁が移転したのが1991年のことです。都庁移転から10年経過して新宿が発展してきたと考えることもできます。

東海道線や宇都宮・高崎線から新宿に向かうという目的だけを考えれば、両方向から新宿折り返しということも考えられました。しかし、池袋-横浜方面や渋谷-大宮方面という流動に対応したいこと、新宿での折り返しを省略したいことから、原則的に横浜-新宿-大宮と通り抜けることにしたのです。

ダイヤのあらまし

このときのダイヤは以下の要領でした。

・高崎線-新宿-東海道線(新宿-横浜間快速運転) 1時間に1本(高崎線の車両を使用)
・宇都宮線-新宿-横須賀線 1時間に1本(宇都宮線の車両を使用)
・新宿-横須賀線 1時間に1本(横須賀線の車両か215系を使用)

宇都宮・高崎線の視点から考える

宇都宮・高崎線の視点から考えると、各毎時1本存在した池袋発着を新宿・渋谷方面に直通させたというイメージです。本数的に考えますと、宇都宮・高崎線内のダイヤをいじっていないのです。池袋始発で座れた人がそうでなくなること以外、特にデメリットが生じていないのが、このときのあらましです。

東海道・横須賀線の視点から考える

東海道線の視点から考えますと、従来東京発着だった列車を毎時1本だけ新宿にシフトさせました。つまり、以下の要領です。

快速アクティー 毎時1本
東京発着普通 毎時6本から毎時5本に減少(減少ぶんは新宿にシフト)
※東京-横浜(下り)は普通が20分間隔になることもあるが、その間に快速アクティーがはさまって、10分間隔を確保
※新宿発着は一部の駅を通過するため、快速と表記

横須賀線の視点から考えますと、従来東京発着だった列車を毎時1本だけ新宿にシフトさせました。これで、東京発着の普通が毎時5本から毎時4本に減少したのです。

全体的な増減をカウントする

全体的な増減を考えると、以下のような感じになるでしょう。

・東海道線の東京発着を毎時1本発着駅を新宿にシフトさせ、池袋発着の高崎線につなぐ
・横須賀線の東京発着を毎時1本発着駅を新宿にシフトさせ、池袋発着の宇都宮線につなぐ
・以上では新宿-横浜間は毎時2本と看板倒れなので、新宿-大船を毎時1本増発

なお、土曜・休日に限り、新宿行きの快速(国府津始発)が存在しました。この列車は折り返し横須賀行きとなりました。
このときのダイヤでは日中時間帯中心の運転でした。朝ラッシュ時、宇都宮・高崎線から新宿に向かう列車の設定こそ存在したものの、横浜方面から新宿方面に向かう列車はありませんでした。

車両のあらまし

この時点では、宇都宮・高崎線と東海道・横須賀線には車両に大きな違いが存在しました。その違いはグリーン車の有無です。つまり、宇都宮・高崎線にはグリーン車は連結されておらず、東海道・横須賀線にはグリーン車が連結されていました。グリーン車を連結していない路線に、グリーン車付きの車両を運行させると混雑のもととなってしまいます。そのため、新宿をスルーする系統については、宇都宮・高崎線の車両を使用することにしました。新宿で折り返す系統については、横須賀線の車両-グリーン車が連結されている車両-を使用することにしました。

高崎に佇む115系

写真2. 115系も使用されていました(この写真は2016年に高崎で撮影)

ホリデー快速用215系

写真3. 215系も使用されていた(この写真は2018年に新宿で撮影したものです)

新宿をスルーする系統については、E231系や211系が中心に使用されていましたが、一部の列車には115系も使用されていました(写真2、イメージです)。また、新宿折り返しの系統はE217系が多かったですが、215系も使用されていました(写真3、イメージです)。私は完全な趣味的な目的のために215系使用列車に新宿から乗車しましたが、けっこう空いていたように記憶しています。まだ湘南新宿ラインが定着していなかったのでしょう。

グリーン車の有無が統一されていないなど、車両面でも本格的なサービスが開始されていないような印象を抱きました。

運行当初のまとめ

とりあえず運転を開始した湘南新宿ライン。ダイヤ面では本数が少なかったり、肝心のラッシュ時の設定がないという「暫定的」な印象を受けました。また、車両面も南北の関係路線からとりあえず持ってきた感じがします。その最たる例がグリーン車ありとなしが混在していたことです。ダイヤ面、車両面ともに本格的なサービスが開始されていないように見えた湘南新宿ライン。次回以降にその理由を述べることにしましょう。

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