宇都宮・高崎線(ダイヤパターン紹介)

東京から北に向かい、埼玉県と北関東への大動脈となっている宇都宮線(東北線)。対になっている高崎線や直通先の「上野東京ライン」を含めてダイヤパターンをまとめました。

E231系(大宮)

写真1. 宇都宮線と高崎線の分岐点、大宮に停車中の電車

復習:ダイヤパターンとは

具体的なダイヤパターンを紹介する前に、ダイヤパターンの基本概念について紹介しましょう。

多くの路線では鉄道ダイヤを作成する際に、基本的なパターンを形成しています。例えば、20分間隔で快速1本、各駅停車が2本が運転されている場合は、20分サイクルのパターンダイヤと呼びます。サイクルとは、列車の運転順序が1回りする時間を示します。例で示した路線の場合は、20分サイクルと呼びます。本記事ではこのような路線の場合、「20分サイクルで快速が1本、各駅停車が2本」というように呼ぶことにします。

多くの路線では、1サイクルを60の約数(何サイクルかすれば60分になる)としています。そうすると、毎時の発車時間が一定になります。

多くの路線では1サイクルに何本かの速達列車と各駅停車を混ぜています。(快速が各駅に停車する場合も含めて)各駅停車は平均10分に1本以上運転するようにしている路線が多いです。これは、どの駅でも10分程度待てば次の電車がやってくることを実現させるためです。

また、1サイクルの間に細かな繰り返しがあるパターンがあります。例えば、20分サイクルで快速2本、各駅停車2本が運転されていて、都心側は快速、各駅停車双方が10分間隔で運転されていて、郊外側で枝分かれするパターンです。この場合は厳密には20分サイクルですが、都心側のダイヤを論じる場合は10分サイクルと考えても差し支えはありません。このような、1サイクルの中で小さな繰り返しがある場合は疑似サイクルと呼ぶことにします。今回の例では、「疑似10分サイクルの中で快速1本、各駅停車1本が運転されている」と呼ぶという具合です。

ダイヤの実態は路線によって異なりますので、疑似サイクルの表記の方法については、適宜対応することにします。

宇都宮線・高崎線の運転系統

宇都宮線と高崎線の運転系統は難しいものがあります。このことを理解するために、私なりに解説します。

宇都宮・高崎線運転系統

図1. 宇都宮・高崎線に関連する路線の運転系統(wikipediaより引用)

以下の要領で理解するのがわかりやすいと思います。

1) 宇都宮線は東京から大宮を経由して、宇都宮方面に伸びている。

2) 途中の大宮で高崎線が分岐していて、高崎方面に伸びている。宇都宮方面と高崎方面は対等の関係。

3) 新宿方面のニーズがあるので、大宮から南側で新宿方面の運転系統が分岐していて、それを「湘南新宿ライン」と呼ぶ

4) 東京から先は東海道線に直通していて、これを「上野東京ライン」と呼ぶ

簡単にまとめると、東京・新宿を都心側のターミナルとしており、大宮から先の郊外よりは宇都宮方面と高崎方面に分岐するというものです。ただし、東京-上野は常磐線の列車も行きかいますから、全ての列車を東京発着にはできません。そのため、一部の列車は上野発着です。また、東京や新宿で折り返すことも設備上不可能です。したがって、東京や新宿の南側にも直通しています。

この直通には別の効果があります。例えば、神奈川県で働いていて、埼玉県に住宅がある人にとっては非常に便利です。上野東京ライン開業直後に「東京からの東海道線に座れない」という声がありましたが、これを別の側面からとらえると、「東京駅を乗りとおす需要がそれだけ大きい」ということです。

直通先の発着駅について

2015年3月14日以降、宇都宮・高崎線は「上野東京ライン」開業に伴い、東海道線と直通運転を始めました。また、湘南新宿ラインは原則として東海道線や横須賀線と直通しています。

しかし、宇都宮・高崎線の利用者の大多数は東京より南の発着駅がどこかは関心ないことでしょう。そこで、本記事では南側の終着駅を記さないことにします。

宇都宮線・高崎線の停車駅

宇都宮線と高崎線は東京-大宮では停車駅が絞られています。では、この間の輸送はどのように担うのでしょうか。答えは京浜東北線が担うというものです。

その停車駅一覧をご覧いただきましょう(図2)。

京浜東北線停車駅

図2. 京浜東北線と宇都宮・高崎線の関係(wikipediaより)

東京-大宮で京浜東北線が並行し、京浜東北線の主要駅に宇都宮・高崎線が停車していることがわかります。その中で微妙に経由地が異なる日暮里-赤羽でも、宇都宮・高崎線は尾久にしかとまりませんから、この区間でも宇都宮・高崎線は速達性に優れています。

その宇都宮・高崎線でも快速が運転されています。おもに、大宮-小山、大宮-熊谷で通過駅があり(尾久とさいたま新都心も通過)、遠方の速達性を確保しています。

宇都宮・高崎線の朝ラッシュ時のダイヤパターン

上野のホーム

写真2. 通勤客で混雑する上野駅のホーム

大宮-東京が3分間隔でしか運転できないことと、上野-東京が常磐線列車も運転されることから、以下の通り運転されます。

宇都宮線-東京が12分間隔
高崎線-東京が12分間隔
宇都宮線-上野が12分間隔
高崎線-上野が12分間隔

ここで興味深いのは、宇都宮線からの列車を6分間隔、高崎線からの列車を6分間隔として運転するのではなく、上野東京ラインを6分間隔、上野行きを6分間隔で運転している点です。

具体的には、以下の順序で運転しています。

高崎線からの上野行き → 高崎線からの東京方面行き → 宇都宮線からの上野行き → 宇都宮線からの東京方面行き

興味深いのは、上野行きが「上野東京ライン」の直前に設定されていることです。直前に設定すると、上野行きに多くの乗客が集中し、「上野東京ライン」の混雑が和らぎ、結果として乗車率が一定になるのでしょう。そのため、宇都宮線や高崎線内では、9分、3分間隔の交互で、9分開いたところに上野行きが、その直後に東京方面行きがやってくることになります。

この9分開いたところに、湘南新宿ラインが入り、大宮以北の運転本数はある程度確保されます。湘南新宿ラインは新宿断面で7:51~8:50に8本運転されます。宇都宮線・高崎線それぞれに4本ずつ運転されます。5本はないので、大宮以北で9分開く箇所もあります。

なお、朝ラッシュには快速通勤快速の運転はありません。

朝ラッシュ時のパターン変更案

湘南新宿ラインは池袋以南で埼京線と線路を共有するので、湘南新宿ラインの増発は困難でしょう。それでも、むさしの号やしもうさ号を各1本ずつ設定し、朝ラッシュ時上りだけでも蓮田や上尾始発で運転し、最混雑区間の土呂→大宮(宇都宮線)、宮原→大宮(高崎線)の混雑を少しでも緩和するべきでしょう。

また、上野→東京で2分間隔運転を実現(これには東京駅南側に引上線設置が必要)し、上野行きを東京まで延長することも必要です。この東京行きの直後に(比較的空いている)常磐線からの品川行きを運転すれば、宇都宮・高崎線から東京・新橋・品川への乗車チャンスが12分に1本から12分に2本に倍増し、便利になります。

また、朝ラッシュ直前や直後には本数が減ります。それで列車は混んでいます。そうではなく、ラッシュ前とラッシュ後に快速を運転し、「ラッシュ時からずらせば職場まで短い時間で向かえる」という意識を付けることも重要です。

日中時間帯のダイヤパターン

E233系ラビット

写真3. レアな種別、快速ラビット(東京)

日中時間帯は宇都宮線、高崎線ともに、毎時6本の運転です。快速列車の種別名こそ異なりますが、基本的なパターンは同じです。

普通(上野東京ライン):毎時3本

普通(上野発着):毎時1本

普通(湘南新宿ライン):毎時1本
 ※高崎線の場合は新宿-大船間快速運転なので、快速と呼ぶこともあります

快速(湘南新宿ライン):毎時1本
 ※高崎線の場合は特別快速と呼んでいます

東京基準でみると、10分間隔で普通が運転されています。そのうち半数は宇都宮線に、もう半数は高崎線に向かいます。ただし、20分間隔ではなく、10分、20分、30分間隔が混じります。

東京発でいうと以下の通りです。

・高崎線は毎時09分、39分と59分に発車
・宇都宮線は毎時19分、29分と59分に発車

これでは、宇都宮線、高崎線ともに30分のダイヤホールが生じます。そのため、30分間隔が開くところに、上野始発を挿入しています。基本的に前の列車の13~15分後に設定しています。こうすると、宇都宮線と高崎線については以下の通りの乗車チャンスがあることになります。

・高崎線:毎時09分、19分(尾久乗りかえ)、39分と59分に発車
・宇都宮線:毎時09分(尾久乗りかえ)、19分、29分、49分に発車

また、速達列車は湘南新宿ラインに設定されていることが興味深いです。昔は上野発着の快速ラビット(宇都宮線)と快速アーバン(高崎線)が設定されていましたが、これが新宿にシフトした形です。

湘南新宿ラインは毎時2本ずつ運転されています。宇都宮線に2本、高崎線に2本です。大宮まではそれぞれ30分間隔で運転されています。そして、新宿発の横浜方面行きを15分間隔で運転させるために、大宮発の新宿方面行きもほぼ15分間隔で運転されています。ただし、新宿発の大宮方面行きは15分間隔ではなく、10分間隔と20分間隔の交互です。20分開いた後に宇都宮線系統が入ります。

新宿発の大宮方面行きが15分間隔ではないのは、横浜発で15分間隔に近づけること、宇都宮線系統は湘南新宿ライン内普通で所要時間がかかるためです。

残念ながら、大宮での上野・東京発着と湘南新宿ラインの連絡は取れていません。これは、大宮で同じホームで乗りかえられないという事情があります。

この改良案を考えてみました!

上野東京ラインについて考える~大宮駅改良による乗換利便性向上

宇都宮線、高崎線の利便性向上を握る大宮駅での相互乗りかえ。これに対し、現場を調査して、改良案をまとめてみました。

快速は久喜(上りは古河)で普通を追い抜きます。特別快速は鴻巣(上りは桶川)で普通を追い抜きます。こうして、快速通過駅からの速達性も確保しています。

日中時間帯のパターン変更案

現在のところ、本数を増やす必要はなさそうに見えます。しかし、上野発着が空いていて、東海道線内は毎時6本では不足することもわかっています。

そうであれば、上野発着の1本(高崎線と宇都宮線の合計で2本)を東海道線に直通させることが自然です。となると、10分間隔ではなく、7.5分間隔が妥当です。とはいえ、常磐線が入ったりするので単純に7.5分間隔にはできないでしょう。また、大宮を相互乗りかえ可能な配線に変更します。つまり、大宮で「湘南新宿ライン-高崎線」と「上野東京ライン-宇都宮線」の相互乗りかえを可能にするということです。

湘南新宿ラインは毎時4本運転されていますから、15分等間隔で運転できます。一方、上野東京ラインも15分に2本の運転です。上野東京ラインの2本に1本は大宮で湘南新宿ラインに接続できます。

たとえば、上野東京ラインを6分間隔-9分間隔の交互運転とし、宇都宮線と高崎線は9分続行(それぞれの線区では9-21分間隔の交互)とします。東京発着の時刻は(例えば)以下の通りです。

00分(高崎線、大宮で宇都宮線連絡)、09分(高崎線)、15分(宇都宮線、大宮で高崎線連絡)、24分(宇都宮線)

時刻はイメージしやすいように勝手に想定しました。高崎線利用者であれば、毎時00分、09分、30分、39分に発車します。これでは21分も間隔が開いてしまいますが、毎時15分、45分の宇都宮線も大宮で高崎線に連絡しますから、実際の最大待ち時間は15分です。15分足せば、宇都宮線も同様です。

夕方ラッシュ時下りのダイヤパターン

E233系(赤羽)

写真4. 赤羽から乗る人も多い

夕方ラッシュ時は日中時間帯よりもやや本数は増えます。宇都宮線、高崎線ともに以下のパターンが基本ですが、完全なパターンではありませんので、実際にはずれます。

普通(上野東京ライン):毎時4本

普通(上野発着):毎時1本

通勤快速(上野発着):毎時1本

・普通(湘南新宿ライン):毎時2本

上野発着の通勤快速が運転されることが日中との違いを感じます。また、上野東京ラインも毎時4本に増えています。

このほかに高崎線では30分間隔で特急スワローあかぎが運転されます。高崎線の快適通勤のニーズに応えています。とはいえ、上野発着なのでそこまでニーズをつかみ切れていないようにも感じます。東京か品川発着のほうが良いでしょう。

夕方時間帯のパターン変更案

2017年に上野東京ラインの各駅で混雑状況を確認したところ、供給不足という感じを受けました。宇都宮線、高崎線ともに毎時6本の運転が必要でしょう。また、この他に30分間隔で東京始発の通勤快速を運転すれば、途中駅始発のニーズにも応えられます(上野始発よりも東京始発が効果が高いでしょう)。上野から各駅までの着席ニーズには応えられませんが、全体として混雑が緩和する方向に向かうので許容範囲内でしょう。また、18時台だけ東京発の普通を宇都宮線、高崎線ともに毎時1本設定することもアリでしょう。

宇都宮・高崎線のダイヤパターンまとめ

宇都宮線、高崎線はJR化後、新宿・東京へのアクセスが向上した路線です。あらゆる場所に直通し、枝分かれの運転系統となりました。これはダイヤ作成上の難易度が高いです。このことに対し、多くの列車を普通として運転することで特定駅で本数が少ないということを避けることにしています。普通といえども、駅数が少なく速達性を確保できるからという背景があります。

とはいえ、大宮での連絡など現在の本数でもさらに便利にできます。朝ラッシュ時前後の速達列車の増発なども含めて、今後はこのような施策も考えてもらいたいものです。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする