山手線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京)

記事上部注釈
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東京でも有名な鉄道路線、山手線。その山手線は朝ラッシュ時に非常に混雑します。その山手線は東京駅というビジネス街を通ります。ビジネス街の東京に到着する際の混雑はどの程度でしょうか。実際に朝ラッシュ時に確認しました。

神田に到着するE231系山手線

写真1. 神田に到着する山手線

山手線(神田→東京)の平日朝ラッシュ時の混雑状況

以下、長い文章を読みたくない人のために、簡単に結論をまとめます。

・混雑率は145%程度で座席前の吊革が埋まり、ドア部分の圧迫が見られる
・進行方向後ろ寄りの車両(7~11号車)が混雑している

混雑調査の概要

簡単に調査方法を紹介しましょう。一部の個人サイトでは混雑状況を書いているところもありますが、調査方法や混雑指標の言及がないのでう~んと考えてしまうところがあります。そのようなことを踏まえて、弊サイトではきちんと方法を示します(さすがー)。

調査区間の選定

東京で一番のビジネス街といえば、東京駅周辺です。そのことを考えると、東京到着時点での混雑を見るのが妥当でしょう。ただし、私の時間の都合上、神田発車時点での混雑をみることにしました。神田と東京は隣どうしですので、神田発車時点と東京到着時点では混雑は変わりません。

調査方法と調査結果

弊サイトでは混雑ポイントという概念を導入しております。その概要を示します(表1)。

表1. 混雑ポイントの概要

乗車ポイントの概要

せっかくなので、120ポイント~160ポイントの様子をご覧いただきましょう(写真2-4)。いずれも個人情報を守ることを目的に、画質を落としています。

混雑ポイント120ポイント相当

写真2. 混雑ポイント120ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント140ポイント相当

写真3. 混雑ポイント140ポイントの様子(右上に私の指が写っていますね…)

混雑ポイント160ポイント相当

写真4. 混雑ポイント160ポイントの様子(写真3と異なり、ドア部分が圧迫されていることがわかります)

山手線の混雑調査結果とその分析

生データを示してから、その分析を行います。

混雑の生データ

生データを示します(表2)。

表2. 山手線の混雑状況(朝ラッシュ時、生データ、神田→東京)

山手線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、生データ)

各列車の混雑率(混雑ポイントではない!)と各車両の混雑率(これも混雑ポイントではない!)も計算しています。このような生データではわかりにくいでしょうから、次の章で簡単なデータ解析も行います。

混雑状況の解析

では、混雑状況を解析しましょう。最初に気になるのは、最も混雑している時間帯です。ここでは、神田発車時刻で10分ごとに混雑率を集計しています。混雑率だけではわかりにくいでしょうから、混雑ポイントや混雑状況も簡単に記します(表3)。

表3. 時間帯ごとの混雑状況(10分ごとに層別)

山手線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、時間ごと層別)

ピーク時間帯だけ極端に混雑して、それ以外の時間帯はそこまで混んでいないことがわかります。8:32発だけが極端に空いている可能性がありますので、8:32発は除いて考えるのが自然でしょう。この結果から、神田発で見ると、8:10~8:30が混雑のピークであることが読みとれます。

次に、車両ごとの混雑状況を見てみましょう(表4)。

表4. 車両ごとの混雑状況(調査時間帯全ての平均)

山手線の混雑状況(朝ラッシュ時、神田→東京、車両ごと層別)

細かな違いがあれど、7号車から11号車が混んでいることがわかります。6号車から前のほうがやや空いており、先頭の2両はゆとりがあります。特に、1号車は最混雑列車でも160ポイントにはならず、150ポイントです。この混雑はドア部分に圧迫が見られないというものです。ただし、一部の車両ではドア部分に圧迫が見られなくとも、160ポイントと記しています(下の囲みコラム参照)。

人の埋まり具合に見られる郊外路線と都心路線の違い

私が今までに混雑状況を確認したのは、いわゆる郊外路線です。そして、山手線は都心路線です。ここで郊外路線と都心路線は以下のように使い分けています。

・郊外路線:郊外(あるいは別の大都市)から都心にやってくる路線
・都心路線:都心の拠点駅を結び、各駅で人の乗り降りの多い路線

山手線は6つの主要駅(東京・品川・渋谷・新宿・池袋・上野)が目立つ駅ですが、そのほかの駅でも乗り降りは多いです。今回取り上げる区間に近い場所でも、上野、秋葉原、神田、東京、有楽町、新橋は乗り降りが多く、御徒町や浜松町も乗り降りが少ないわけではありません。

このように乗り降りが多い駅を通るとなると、ドア付近に立つと各駅で乗り降りする人のために通路を開けなければなりません。そのため、ドア付近ではなく、車内中ほどのポジションを確保する人が多くなります。その結果、ドア付近はそこまで圧迫感がないけれど、車内中ほどはそこそこ混雑している(人が埋まっている)という現象が発生します。

混雑状況からダイヤを考える

実は山手線の最混雑区間はこの区間ではなく、上野→御徒町です。常磐線、宇都宮線、高崎線からの乗客が上野で山手線に乗りかえて、そのうちの乗客のごく少数が御徒町で降りるためです(極端な話、1人でも降りれば空くため最混雑区間にはなりません)。また、神田で降りる人も多く見かけました(そうはいっても秋葉原や東京より少ないです)。ということは、最混雑区間ではもっと混んでいるということです。

そのため、山手線の混雑をもっと緩和する必要があります。上野東京ラインが開業しましたが、こちらも混んでいます。宇都宮線や高崎線からの東京・品川方面直通を増やして、この両線から東京・新橋・品川に向かう人は山手線に乗せないということが重要でしょう。

また、時刻表を眺めると分単位で3分間隔も多いです。これは、2分30秒より長い間隔でしかないことを示します。以前は2分20秒間隔だったことを考えると、退歩です。ホームドアがあるため各駅の停車時間が長いことは事実ですが、ホームドアのオペレーションが悪いのも事実です。現在の山手線のホームドアは、ホームドアが開いてから車両のドアが開く仕様です。これを同時に開くようにすれば、停車時間の増加は半分に抑えられます。また、ホームドアが閉まるのを待って発車する必要もありません。電車が発車してからすぐにホームドアを閉めれば、停車時間はさらに縮まります。これでは危険?ホームドアがない状態と比べれば何も変わりません。それでもホームから転落する確率は大幅に減ります。最も危険な瞬間は、列車がホームに入る瞬間です。この瞬間にはホームドアが閉まっているので、安全性も犠牲にはしません。ホームドアのオペレーションを上記のものにすれば、2分20秒間隔は無理にしても2分30秒間隔にすることは可能です。そうすれば、もう少し混雑は緩和します。

JR東日本の自腹で建設した上野東京ラインのおかげで山手線の混雑が緩和したことは事実ですし、(不動産開発が目的とはいえ)このような路線を建設したJR東日本の姿勢は賞賛に値します。その努力をもう少し活用して、さらにラッシュ時の混雑を緩和してもらいたいものです。

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