筑肥線非電化区間の乗車記(伊万里→唐津)

記事上部注釈
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福岡市営地下鉄と直通している筑肥線。歴史的経緯もあり、伊万里側は都市鉄道としての筑肥線と分断されており、毛色の全く異なるローカル線です。そのローカル区間を感じました。

写真1. 小さな車体の1両編成で事足りるのが実態

復習:伊万里と唐津の移動

伊万里と唐津の移動に筑肥線を使います(正確には唐津-山本は唐津線です)。その概要をまとめます。

伊万里と唐津の移動の概要

  • 所要時間:50分程度
  • 運転本数:1日9往復
  • 運賃:660円

図1. 伊万里と唐津の位置関係(googleマップより引用)

位置関係も示しました(図1)。伊万里は佐賀県第4の都市、唐津は佐賀県第2の都市ですが、本数は多いとはいえず、1日9往復しかありません。しかし、いったん乗ってしまえば所要時間は1時間足らずとそこまで長くありません。並行する昭和バスも平日こそ1日10往復運転されていますが、土曜・休日ダイヤだと1日6往復とかなり少ないです。

同じ佐賀県といえど、行き来は少ないのでしょうか。

唐津付近で分断された理由

ここで、唐津付近で筑肥線が分断されている理由を簡単に記します。離れた区間が同じ路線名というのはちょっと変です。普通は別の路線名のはずです。このような場合、もともとは同じ路線で何かのきっかけで分断されたというのが通常の例です。筑肥線もそれに漏れず、長い歴史のなかで路線が分断されました。

非常に簡単に述べると、以下の概要です。

  1. 唐津の筑肥線の発着駅は市街地から川を渡った東唐津駅にあり、ここでスイッチバックする形態で博多と唐津を結んでいた
  2. 筑肥線の唐津付近までの電化と地下鉄直通化を見据え、旧線と異なる経路で虹ノ松原-唐津を建設
  3. 役割を終えた旧線の東唐津-山本は廃止され、同区間の役割は唐津線に移行
  4. 東唐津-山本の廃線にともない、筑肥線は東西に分断

簡単にいうと、もともと唐津付近-山本が唐津線と筑肥線の双方が通っていました。唐津の中心駅を唐津駅に集約する際に、唐津付近-山本の線路を唐津線に集約したということです。具体的な経路については「そらみち見聞録」さんの記事をご覧ください。このあたりの唐津線や筑肥線の本数もそう多くなく、集約したところで線路容量が不足するという懸念もなかったのでしょう。

実際に筑肥線に乗る

御託はこの程度にし、実際に乗ってみましょう!

写真2. 松浦鉄道の駅舎と筑肥線の駅舎は離れている

松浦鉄道の駅舎と筑肥線の駅舎は離れています(写真2)。

写真3. 県道を渡る

県道を渡ります。ここに集約した高架駅があれば、松浦鉄道とJRの乗りかえが便利だと思います!

写真4. JRの駅舎に入る

JRの駅舎に入ります(写真4)。自動券売機は小さいのが1つだけで、前の小学生さんがゆっくり使っていました。当該の小学生さんのスキルアップは必須でしょう。そして駅員さんがきっぷを手売りしました。それは待ち時間短縮にありがたいことですが、後ろの人からやるのはどうかと思いますよ!前に並んでいる人から処理するのが鉄則だと思います!

自衛のために次回からはえきねっとで乗車券を手配し、JR東日本管内の指定席券売機で引き取ろうと思いました。

写真5. 小さな列車が停車中

小さな列車が停車中です(写真5)。ここまで恨みつらみを書いているのは、意外とこの列車が混んでいて(券売機で前のほうに並んでいたのに後ろに並んでいる人のほうが改札に入り)進行方向向きの席を確保できなかったためです。

写真6. 車内は意外と乗っている

車内は意外と乗っています(写真6)。私が座った前に撮影していますが、私が座ったあとも人が乗ったので、実際はさらに混んでいます。さすがに立っている人まではいませんでしたが。

写真7. 伊万里を発車!

伊万里を発車しました(写真7)。

写真8. のどかな風景に変わる

のどかな風景に変わります(写真8)。

写真9. 上伊万里に停車

上伊万里に停車します(写真9)。伊万里の市街地に位置する駅です。市街地で集客することは大切です。

写真10. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真10)。松浦鉄道の有田-伊万里よりも民家の数が少ないように見えます。

写真11. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真11)。

写真12. 道路と並走する

道路と並走します(写真12)。

写真13. 見晴らしが少し良くなる

見晴らしが少し良くなります(写真13)。ちょっとした山越えの雰囲気です。

写真14. 金石原に停車

金石原に停車します(写真14)。線路の反対側に集落がありますが、乗客が少なさそうな風景です。

写真15. 麦畑が広がる

麦畑が広がります(写真15)。

写真16. 麦畑が広がる

麦畑が広がります(写真16)。

写真17. 小さな集落がある

小さな集落があります(写真17)。大川野付近です。筑肥線非電化区間ではそれなりに利用のある駅です。

写真18. 大川野を発車したところ

大川野を発車したところです(写真18)。

写真19. 松浦川を渡る

山越えの雰囲気が出てきました。松浦川を渡るところです。

写真20. やや開けてきた

やや開けてきました(写真20)。山越えと記しましたが、分水嶺を越えたわけではありません。

写真21. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真21)。

写真22. 唐津線の線路が並走する

唐津線の線路が並走します(写真22)。

写真23. 唐津線の線路に近づく

唐津線の線路が近づきます(写真23)。筑肥線は幹線扱い、唐津線は地方交通線扱いですが、この区間に限ると唐津線のほうが本数が2倍確保されており、2時間まで間隔が開くことはありません。

写真24. 山本に停車

山本に停車します(写真24)。筑肥線はここでいったん終了ですが、筑肥線列車はすべて唐津まで直通します。私も唐津まで向かいます。

写真25. 都市郊外の風景が広がる

都市の郊外の風景が広がります(写真25)。

写真26. 鬼塚に停車!

鬼塚に停車します(写真26)。この駅名、1990年代前半であれば、ウケたのでしょうか。ここは非電化ですので、残念ながらGTOサイリスタを搭載した電車はこの駅にやってきません。

写真27. 高架線に上がる

高架線に上がります(写真27)。

写真28. ロードサイドらしい光景が広がる

唐津の市街地に入り、ロードサイドらしい光景が広がります(写真28)。唐津線にも駅があれば利用されると思いますが、この付近には筑肥線の和多田駅があります。駅を設置するのであれば、福岡市中心部に直結し、本数の多い筑肥線のほうが良いでしょう。

写真29. 唐津の街並が見える

唐津の街並が見えます(写真29)。こちらは唐津の旧市街と反対側です。

写真30. 唐津に到着!

唐津に到着しました(写真30)。1両編成の列車は乗り通しの割合が高いように見えました。今さらですが、ラッピング車両だったのですか…。唐津線が2両編成なのに対し、こちらは1両編成です。

筑肥線(伊万里→唐津)に乗ってみて

写真31. ラッピング車両は乗客増に貢献しているのか?(唐津で撮影、これは唐津線かな?)

福岡市営地下鉄と直通するほうの筑肥線と比較すると、格差は否めません。1日9往復で1両編成も散見されるのが実態です。ただし、(GWだからかもしれませんが)座席はかなり埋まっており、多少の必要性はあることも確認できました。また、日中時間帯の平均運転間隔が3時間というのは利便性以前の問題です。

見たところ、大方が乗り通し客です。それであれば、(唐津側の市街地に近い山本や鬼塚、あるいは中間で利用の多い大川野はともかく)快速を運転し、利用の少ない中間駅に停車する加減速によるエネルギーを抑えつつ、その余力で1往復程度増発することは可能に見えます。すなわち、日中時間帯の平均3時間間隔を平均2時間間隔に短縮するかわりに、半数程度は快速運転とするのです。

筑肥線の唐津以東と接続した速達列車を運転することも興味深いですが、福岡側の需要に応じた6両編成を伊万里まで運行するのは無駄のひとことですし、地下鉄直通ということもあり、都市間輸送に最適化した車両を導入するのもそぐわないです。それに快速運転であっても博多-唐津を65分程度かかり、伊万里まで延伸すると2時間くらいに達します。そうであれば、本数も多い松浦鉄道経由のほうが合理的です。

地方の都市間交通の厳しさを実感する乗車となったのです。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

(←前)松浦鉄道の乗車記(有田→伊万里)

筑肥線非電化区間の乗車記(伊万里→唐津):現在地

唐津城と唐津の街歩き観光(→次)

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