313系8000番台の車内

記事上部注釈
弊サイトでは実際に利用したサービスなどをアフィリエイトリンク付きで紹介することがあります

JR東海の標準車両ともいえる313系。8000番台はもともとライナー列車と通勤列車の両立を目的に設計された車両で、通勤車としては特異な車内が特徴です。そんな313系8000番台の車内を見てみました。

写真1. 浜松に停車中の普通興津行き

復習:313系8000番台の概要


写真2. 中央線時代の末期も夕方のホームライナーで活躍していた(2022年2月に千種で撮影)
※中央のドアが開いてなく、ライナー運用であることがわかると思います

まず、313系8000番台の概要を紹介します。

313系8000番台の概要

  • 形態:3ドアクロスシート
  • 編成:3両編成
  • 運用:東海道線静岡地区(熱海-豊橋)が中心

313系8000番台はもともと中央線名古屋地区のために登場した車両です。朝は通勤車両として運用し(朝のライナーは383系電車)、昼間や夕方はライナーとして運用することを念頭に置かれ、設計されました。しかし、その活躍も2022年3月に終わります。中央線名古屋地区で8両編成に統一され、その組成に合わない313系8000番台は活躍の場を失ったのです(車両保有数は平日朝で決まるので、ライナー用の車両であれば、平日の朝に活用できず「使えない」車両となる)。

その313系8000番台はオールロング車が基本の静岡地区に転属されました。つまり、静岡に座席配置が異なる車両がやってきたのです。静岡地区はライナー列車が運転されていますが、全て373系による運転です。座席数が少ない3ドア車に変更する意味はありません。こうして、ライナー用とも設計された車両がライナー列車に一切充当されない運用に入ることになったのです。

313系8000番台の車内を眺める

御託はこの程度にして、車内を眺めてみましょう。

写真3. 車内全景

車内の全景です(写真3)。ライナー用として設計されたためか、座席前には吊革はありません。座席前に吊革がないためか、首都圏のL&C車によるライナー列車よりも落ち着いた空間に見えます。

写真4. 別の角度からの車内全景

別の角度から車内全景を眺めました(写真4)。

写真5. 座席周りから車内を眺める

少し異なる角度から車内を眺めました(写真5)。出入口周辺にパーティションがあり、視覚的に室内とデッキに分かれています。

写真6. パーティションを眺める

パーテーションを眺めます(写真6)。313系8000番台はドア寄りの座席も含めて転換が可能で、ドアよりの座席とドア付近が干渉しないように、仕切りがあります。この仕切りを拡大しても良かったのでは?通勤車としての開放感も考えたのでしょうか?

写真7. パーティションの全景

パーティションの全景です(写真7)。このほうがわかりやすいかな?

写真8. 座席からパーテーションを眺める

そのパーテーションを別の角度から眺めました(写真8)。

写真9. 座席の様子

座席の様子です(写真9)。赤紫系の座席が高級感を出しています。よく見ると、373系電車に似せた色相です。


313系8000番台

373系電車

写真10. 313系8000番台と373系の比較

比較のために写真を並べました(写真10)。373系のほうが明度が低く、彩度もやや低いですが、色相は同じように見えます(座席のマンセル値を測定したわけではないので、厳密なものではありませんが)。

写真11. 座席を眺める

座席を別の角度から眺めてみました(写真11)。313系転換クロス車はシートピッチ875mmが基本です。しかし、この車両は(ライナー列車ということを考慮してか)シートピッチ910mmを誇っています。また、遮光設備はブラインドではなくカーテンで、このあたりも一般車と異なる面を見せています。

写真12. 車端部の様子

車端部の様子です(写真12)。車端部はボックスシートです。照明は313系電車標準の蛍光灯カバー付きの直接照明です。

写真13. ボックスシートにはテーブルもある

ボックスシートはグループでのお出かけを想定したのか、ミニテーブルが備わっています(写真13)。でも、今の運用は普通主体で、見ず知らずの4人が利用することが多いでしょう。やや気まずそうです。手前の座席は窓から遠いですが、戸袋窓がないためです。このあたりは311系電車のような窓割でも良さそうです。

写真14. パーテーションは共通

グループ席でもパーテーションは共通です(写真14)。

写真15. ボックス席を別の角度から眺める

別の角度から眺めてみました(写真15)。

写真16. ドア付近の様子

ドア付近の様子です(写真16)。ここに吊革はありますが、立つスペースは少なく、通勤車としては適当ではないことが読み取れます。中央線名古屋地区でのラッシュ時の運用では、211系オールロング車と連結し、混雑する場所を避けていた記憶があります。また、東海道線静岡地区での運用でもオールロング車と連結し、混乱が生じないように工夫しています。

写真17. ドア付近の様子

ドア付近の様子です(写真17)。パーティションには手すりがあり、通勤車としての運用時に配慮した様子がうかがえます。

写真18. ドア上の電光掲示板

ドアの上には電光掲示板もあります(写真18)。各ドア上部にはなく、左右どちらかに配置されています。

写真19. ドアは複層ガラス

ドアは複層ガラスで313系共通の仕様です(写真19)。これは静岡地区のオールロング車であっても変わりません。

写真20. 運転室仕切壁

運転席仕切壁です(写真20)。313系電車は運転席仕切壁に窓が多く、前面展望にはもってこいの車両です。

写真21. 方向幕が表示されない?

方向幕が表示されていないように見えます(写真21)。しかし、これは異常ではありません。ライナー用の表示です。静岡地区では定期運用で使われることはないでしょう。

写真22. 方向幕は別途用意されている

方向幕は別途用意されています(写真22)。種別幕と行先幕が独立しており、網羅性は高いように感じます。このタイプの方向幕は311系からの伝統ですね。

313系8000番台に乗ってみて

写真23. 浜松に到着した普通

313系8000番台はライナー用と通勤用を両立させた車両です。その車内は昨今の首都圏の民鉄のライナー列車より設備が上等に見え、落ち着いた空間です。ただし、この車両の運用はこの車両の特性に合致しているようには見えません。

静岡地区をオールロングシート車で統一するのも極端に見えますので、この車両をオールロングシートに改造するほどでもないでしょう。しかし、個人客が多いと予想される普通列車において、車端部のボックスシートは運用の実態とそぐわないです。短距離客が多く、拠点駅近くが混雑するという特性がありますから、この区画はロングシートに改造しても良いでしょう。

そして、この車両は静岡地区で異色な車両として運用され、(「当たり」と評価するか「外れ」と評価するかはともかく)日々と異なる乗車体験を静岡地区に提供するのでしょう。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 屋敷 より:

    豪華ですね。乗ってみたいです!