スーパー北斗に乗る(19年GW、意外なトラップは?)




函館と札幌を結ぶ特急スーパー北斗。2019年のGWに新函館北斗から札幌まで乗りました。北海道でも主力の特急ですが、車内販売がないなどのトラップもあります。実際に乗った様子を普通車車内や車窓も含めて収録しました。

261系気動車(新函館北斗)

写真1. 261系スーパー北斗が新函館北斗に入線


復習:特急スーパー北斗の概要

まずは、特急スーパー北斗の概要を復習しましょう。やや不正確ですが、概要を箇条書きで示します。

特急スーパー北斗の概要
・運転区間:函館-札幌
 ※乗客の増える東室蘭-札幌はすずらんが加わります
・本数:1日12往復
・所要時間:3時間29分(最速便、スーパー北斗2号)
・停車駅:五稜郭、新函館北斗、大沼公園、森、八雲、長万部、洞爺、伊達紋別、東室蘭、登別、苫小牧、南千歳、新札幌
 ※大沼公園は日中時間帯のみ停車、その他一部原則から異なるものあり

スーパー北斗は函館と札幌の間、318.7kmを結ぶ特急列車です。上記の枠で示した停車駅で運転されますが、スーパー北斗2号は登別と洞爺を通過、スーパー北斗23号は南千歳を通過するかわりに千歳に停車という例外があります。

所要時間は3時間29分(スーパー北斗2号)から3時間56分(スーパー北斗17号)と幅があります。おおむね3時間45分前後と考えれば問題ありません。これほど所要時間に開きがあるのは、各所に存在する単線区間で行き違いのために停車することや、車両の違いがあります。振り子式の281系気動車を使う便は、その他の261系気動車を使う便よりも5分ほど所要時間は短いです。

かつては北斗で3時間30分前後、スーパー北斗で3時間15分前後で結んでいましたが、安全確保のために減速運転(最高速度を130km/hから120km/hなど)をしており、所要時間が30分程度増加しているのは事実です。所要時間増加の要因の1つに新函館北斗停車もあることでしょう。ただし、261系気動車でも車体傾斜装置を使い、全ての列車で130km/h運転を再開すれば、かつての所要時間は無理にしても、3時間20分~3時間40分程度なら可能でしょう。極度の後退策は鉄道の競争力を下げるだけです。

また、車内販売はなく、飲み物の自動販売機もありません。弁当類の販売がないことは仕方ないにしても、飲み物も手に入らないのはやりすぎです。せめて、後述するデッドスペースに飲み物の自動販売機を設置するべきでしょう。

261系気動車の普通車車内を見る

私は新幹線の時間の都合上、スーパー北斗9号に乗ることにしました。函館から札幌の所要時間が3時間53分と時間がかかる、外れ便ですね。多くのスーパー北斗と同様に、261系気動車が使われます。まずは、その車内を紹介します。

261系気動車の車内

写真2. 鮮やかな出入口

JR北海道の車両はポイントとなる箇所に鮮やかな色を使うことが特徴です。この車両は客室天井とデッキの扉にポイント色を使っています。デッキの扉が黄緑色であることがわかります(写真2)。後に当たったH5系も同様でした。

261系気動車の車内

写真3. スーツケースも収納できる荷物棚

2010年代なかばから「インバウンド」需要が増しており、スーツケースを持ち運ぶ人も増えています。その対応がなされていて、スーツケース置き場も設置されています(写真3)。

261系気動車の車内

写真4. 車端部にあるデッドスペース

一方、車端部にデッドスペースもあります(写真4)。ここを飲み物の自動販売機なり荷物置き場にすれば良いのに、と思います。ただし、利用者はそのようなスペースを見つけると、勝手に利用するものです。

261系気動車の車内

写真5. 客室全体

では、客室を見てみましょう(写真5)。床にある格子状の模様や天井の濃青色のアクセントが、普段乗っているJR東日本の車両と異なります。何となく日本のデザインではないように思えます。それもそのはず、JR北海道はデンマーク国鉄と提携しているので、北欧の影響があるのです(注.私は北欧に行ったことはありません)。

261系気動車の車内

写真6. 快適な椅子

261系気動車の車内

写真7. 快適な椅子

現代的な快適な椅子です(写真6-7)。枕の位置を調整でき、各自の体型に応じて調整することでゆっくり休むことができます。

261系気動車の車内

写真8. 大型の背面テーブルが備わる

座席をもう少し詳しく見てみましょう。座席背面には大型のテーブルが備わっています(写真8)。ただし、ひじ掛けにはテーブルがなく、向かい合わせにした際はテーブルを使えません。座席の上にはチケットホルダーがあります。ここにチケットを入れておけば、車掌さんが

261系気動車の車内

写真9. ペットボトルも格納できる

飲み物入れもあります(写真9)。全国大手コンビニエンスストアチェーンで買ったペットボトルのお茶も格納できます。

261系気動車の車内

写真10. 清潔なお手洗い

261系気動車の車内

写真11. 清潔なお手洗い

お手洗いにも行ってみます。お手洗いも清潔です。必要十分な設備ではないでしょうか。

実際の車窓を楽しむ

この日(GW初日)は9両編成だったため、指定席が満席という案内はありませんでした。ただし、周囲には空席が見られませんでした。本当に数席だけ残っているという状況なのでしょう。私は網走経由の根室までの乗車券を持っていましたので、車掌さんに確認を受けました。確かに沼ノ端から先の経路は書いていませんでしたからね。

では、実際に車窓を楽しみましょう。私はA席を取ったので、山側の景色を堪能しています。海側が良ければ、D席が良いということです。

写真12. 小沼が見える

新函館北斗と大沼公園の間(具体的にいうと仁山-大沼)では、車窓左側に小沼が見えます。多くの人は「あれは大沼だ!」と誤解しますが、大沼は進行方向右側(線路の東側)に現れます。

図1. 大沼駅周辺

このように地図を出せばわかりやすいと思います(図1)。線路の左側が小沼、線路の右側が大沼です。でも、よく見ると、大沼と小沼はつながっていますね…。

写真13. 大沼公園と森の間の原野

大沼公園を出ると、原野が広がります(写真13)。また、速度も上がりません。この区間は勾配と曲線が多いのです。

写真14. 森に停車

森を抜けて、海が近づくと森です(写真14)。ここは北海道の自治体で唯一「まち」と呼ぶ場所です。手前の七飯町や次に通る八雲町は「ちょう」と呼びますが、ここは森「まち」です。森町を除いて、「ちょう」と呼ぶのです。これは覚えておいて損はないでしょう(そして得もないでしょう)。

写真15. 森と八雲の間で川を渡る

森と八雲は隣町ですが、中心駅の間隔は30km以上もあります。これは、八雲と長万部の間も同じです。その30kmの間は前半は崖を行き、後半は原野を行きます。その原野に川が流れていました(写真15)。

写真16. 八雲に停車!

その八雲に停車します。八雲はこの地域では大きな町です。その証拠に、以前は森と長万部を通過して、八雲に停車する特急がありました。そして、新幹線の駅も設置されます。

写真17. 八雲と長万部はのどかな景色が広がる

八雲と長万部の間は原野や牧草地が広がります。絵になる光景がありましたので、撮影してみました(写真17)。

写真18. 長万部に停車!

函館本線と室蘭本線の分岐点の長万部に停車します(写真18)。ジャンクションだけあって、この辺りの駅では大規模な2面4線の駅です(森や八雲は2面3線です)。ただし、町の規模はそこまで大きくありません。

写真19. 長万部と洞爺の間も人里離れる

その長万部は渡島地方最北の地です。次の停車駅の洞爺は胆振地方の駅です。つまり、その中間で地域越え、大げさにいえば国境越えがあります。そのため、地形も険しく、人の手が入ってなさそうな場所を行きます(写真19)。

写真20. ジオパークにようこそ!ウス!

洞爺は洞爺湖最寄りの特急停車駅です。もともとは洞爺町と虻田町が分かれていて、虻田町に洞爺駅があり、矛盾が生じていました(その昔は虻田駅でした)。しかし、今では洞爺湖町になっているので、このような矛盾は生じません。洞爺湖有珠山ジオパークに指定されているようです。ウス

写真21. やはり自然が多い

洞爺からは少し人口が増えますが、やはり自然は多いです(写真21)。晴れていれば有珠山をはっきり見ることができますが、この日は天候が悪く、はっきりとは見えませんでした。

写真22. 室蘭の市街地が近づいてきた

胆振(いぶりと読みます)地方の中心である室蘭が近づいてきました。室蘭は製鉄の町ですので、製鉄所が目立ちます。独特の光景です。製鉄という産業があるためか、人口も多いです。家も多いです(写真22)。

写真23. 東室蘭に停車!

室蘭ではなく、東室蘭に停車します(写真23)。室蘭はもう少し海に近いところにあり、長万部からの線路は通らないのです。昔は室蘭は重要だったのでしょう。室蘭から沼ノ端(苫小牧ではない!)までは電化されています。この先の人口密度が高いこともあるでしょうが、札幌から室蘭は電化する必要があったということです。

写真24. 登別駅前の怪しげな洋館

その東室蘭を出ると、やや人口が多いように見えます。そうはいっても、のどかな景色も広がります。東室蘭の次の停車駅は登別ですが、駅前に洋館があります。

図2. 洋館の正体

洋館の正体は水族館でした。googleマップによると、「海の生き物に会える水族館。水底トンネル、ペンギンのパレード、イルカのショーも見られる。」そうです。

写真25. 川を渡る

写真26. 牧場も広がる

登別から苫小牧まではのどかでありつつ、原野というわけではありません(写真25-26)。ただし、北海道第4の都市である苫小牧が近づくと、異なる光景が広がります。

写真27. 苫小牧周辺の住宅街

そう、住宅が広がります(写真27)。北海道の住宅はどことなく関東のそれと異なります。何が違うのだろうと考えていましたが、瓦がないのです。また、関東の住宅よりもさまざまな色を使っているように見えます。

写真28. 苫小牧に停車!

北海道第4の都市に停車です(写真28)。その割にはのどかに見えますが…。

写真29. 沼ノ端を通過すると原野が広がる

室蘭本線で苫小牧の次の駅は沼ノ端です。ここからわがスーパー北斗は千歳線に入ります。室蘭本線と千歳線の分岐点は沼ノ端であり、苫小牧でないことに注意しましょう。その沼ノ端は特急すずらんの停車駅です。分岐点だからというのがその理由に思えましたが、現地を通過すると、住宅が多いことがわかります。地域住民が使うのでしょう。その沼ノ端を通過して千歳線に入ると、原野が広がります(写真29)。胆振地方と石狩地方の境界でもあります。

写真30. 千歳の市街地を通過

列車は南千歳を出て、高架に上がります(写真30)。南千歳は文字通り千歳の南にあります。千歳市の中心に千歳駅がありますが、多くのスーパー北斗は通過します。ただし、すずらんは停車します。

写真31. 上野幌手前の原野

千歳は札幌の通勤圏ですが、ずっと住宅地というわけではありません。上野幌(新札幌の1つ手前の駅)手前でも原野が広がります(写真31)。この辺りから速度を落とす場面がありました。

写真32. 札幌貨物ターミナルの横を通過

札幌貨物ターミナルの横を通過します(写真32)。列車に乗っている限り用のない駅ですが、ロジスティクス的には重要な拠点です。

写真33. 複々線区間に入る

白石で千歳線の旅は終わり、2駅だけ函館本線を走ります(旅客案内は千歳線という表現も多いです)。この区間は千歳線列車をさばく必要があるため、北海道唯一の複々線区間となっています(写真33)。

写真34. 豊平川を渡る

札幌市の中心を流れる川である豊平川を渡ります(写真34)。

写真35. まもなく札幌!

ビル群が見えたら、札幌です。ここで白石からの210円を精算し、途中下車印を押してもらいました。

写真36. 途中下車印

札幌では途中下車していません(あくまでも白石途中下車+白石→札幌)ので、どのような途中下車印が押されるのか気になりました。私のような乗客が多いことを見越して、白石途中下車印が札幌にもあります。ただし、どこで途中下車したのかわかるように、札幌の文字も入っていますね。

前後を読みたい!
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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★今回の旅行の全体的な計画~まとめは以下のページに記載しています。
北海道鉄道旅行の計画とまとめ(19年GW)

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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