新函館北斗の乗りかえ状況を観察する(19年GW)




北海道新幹線の部分開業で一気に脚光を浴びた新函館北斗駅(旧称:渡島大野駅)。この駅のポイントは新幹線と在来線の乗りかえです。ただし、手放しで便利と賞賛するわけにはいきません。実際に現地に降り立って立派な設備とちょっとした運用上の問題点を探ってみました。

733系はこだてライナー

写真1. 函館と新幹線の連絡列車、はこだてライナー


復習:新函館北斗の基礎情報

新函館北斗は(2019年現在)北海道新幹線の終着駅です。本州からの路線がここで終わり、在来線が札幌方面や函館方面に伸びています。北海道新幹線は札幌まで伸びる計画です。そのため、函館の中心地ではなく、函館市に隣接する北斗市に駅を設置しました。もともとは渡島大野という小さな駅でした。つまり、(今後の再開発はともかくとして)開業時点では乗りかえ駅としての役割が大きいといえます。また、函館駅の代替としての役割もあり、この駅から函館方面へのアクセスが重要なことがわかるでしょう。

図1. 新函館北斗の位置

地図を見ると、函館駅や函館の市街地から離れていることがわかります(図1)。

新函館北斗駅構内を探検する

まずは、新函館北斗の駅構内を観察しましょう。

写真2. 新幹線ホーム(12番線)から階段に登る

新幹線の到着ホームは12番線です。ここに到着した乗客は階段なりエスカレーターなりを昇る必要があります(写真2)。

写真3. 新幹線のコンコースから改札口を眺める

その階段なりエスカレーターを登るとコンコースに出ます。コンコースから改札口を眺めた様子です(写真4)。新函館北斗を利用して乗りかえる人はたいてい途中下車可能な乗車券ですので、どちらから乗りかえても構いません。在来線に乗りかえる人は、基本は札幌や函館と書いてあるほうに向かいましょう。そうすると、改札を1回だけ通り抜けば良いようになっています。

写真4. 写真3の反対側を眺める

改札の反対側を眺めます(写真4)。

写真5. よく見るとコンコースとホームへの階段に扉がある

ホームへの階段をよく見てみましょう(写真5)。階段入口に扉があります。冬の北海道は寒いです。その寒さを屋内に持ち込まないようにするための設備です。

写真6. 改札外コンコース

改札外に出てみましょう。コンコースです(写真6)。みどりの窓口があり、その先(西側)には北斗市の観光案内所があります。

写真7. 東側は人がいない

一方の東側です(写真7)。人がいません。これは、東側は駅前から田畑が広がるという立地条件上、仕方ありません。

写真8. 西側は建物が少しだけある

西側には駅構内に観光案内所があることから、北斗市はこちらを表玄関にしようと構想していることがわかります。

写真9. 西口付近

西口付近にはトイレやコインロッカーがあり、こちらにさまざまな機能があることがわかります。この他に、駅弁の販売やイートインスペースもあります。

写真10. 駅前にはホテルはある

駅前にはビジネスホテルがあります(写真10)。最低限の機能は備わっていることが確認できます。ただし、観光地だったり繁華街だったりという目的地としての機能はありませんので、「ここに行きたい!」と思わせる何かは無いように見えてしまいます。

写真11. 11番線と直結した改札口

新幹線は11番線もあります(写真11)。11番線は発車ホームです。11番線に直結した改札口があり、改札の手前側が2番線です。(この写真でいう)2番線の左側には1番線もあり、新幹線の11番線と在来線の1番線や2番線の行き来は階段を使う必要はありません

課題1:到着する新幹線は12番線!

新幹線と在来線は階段を使わずに乗りかえられる、と思ってはいけません。なぜか到着は12番線、発車が11番線と分けられています。新幹線で本州方面からやってきた人は階段を登り、コンコースに出なければなりません。この対処は簡単です。原則的に11番線発着にすれば良いのです。私が利用したのはGWですが、2線ともに埋まることはありませんでした。運用の都合上、一部の列車が12番線発着になるのは仕方ありません。11番線の乗りかえ改札に人が来て危ないというのであれば、詰まった人に限定してコンコースに誘導するなどの対策をすれば良いでしょう。今は12番線の階段・エスカレーターに集中していますが、これが緩和されるのです。

課題2:普通列車が接続列車

733系はこだてライナー

写真12. 函館方面へのリレーははこだてライナー

新幹線と函館の中心部が離れていることにJR北海道は問題意識を持っているはずです。そうでなければ、専用の車両を用意して、自分の資金で電化することはありません。北海道新幹線の札幌延伸とともに、函館本線の函館-新函館北斗も第三セクターに転換されることでしょう。しかし、JR北海道は新幹線と函館のアクセスは自分の責任でやると明言しています。これは大変素晴らしいことで、賞賛以外の何物でもありません。車両も(オールロングシートというのが賛否ありますが)新製の専用車両を用意しています。このような取り組みは素晴らしいの一言です。

では、北海道新幹線とはこだてライナーはきちんと接続しているのでしょうか。残念ながらそれが実現していない現場をかいま見てしまいました。10:53に定期列車のはやぶさ1号が到着します。本来ならば11:10にはこだてライナーが発車しますが、この日は発車がなく、普通列車への接続になっていました。

写真13. 普通列車に新幹線接続の乗客が集まる

駅員は後の列車の利用を呼びかけていましたが、そうはいきません。多くの人が1両編成の普通列車に群がっていました。突発的な車両不足なのかもしれませんが、GWにはこだてライナーを運休するような暴挙は止めるべきです。車両が足らない?GWのような繁忙期は通勤用車両は余っているはずです。札幌地区から何かしらの通勤電車を持ってくることは可能なはずです。そうすれば、車両不足による運休は避けられました。車両が不足していなければ、一部のはこだてライナーを増結することもできます。このようにして、せっかくGWの旅行に水を差すような行為はやめてもらいたいです。

本来であれば、11番線からの新幹線発車7分前にはこだてライナーが1番線に到着、同時に特急函館行きが2番線から発車。11番線に新幹線到着7分後にはこだてライナーが1番線から発車、同時に特急札幌行きが2番線に到着となれば、利用しやすいことでしょう。

新函館北斗の観察のまとめ

新函館北斗はジャンクションとしての役割が重要です。そして、ハード面ではじゅうぶんな対応がなされていることも確認できました(北斗市の開発状況はまた別問題です)。しかし、運用面が不じゅうぶんなせいで、ポテンシャルを発揮出来ていない場面もありました。これからも運用上、つまりソフト面を改善して、より使いやすい乗りかえ駅になってもらいたいものです。これがひいては北海道新幹線の競争力向上につながるのですから。

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※それぞれ別ウィンドウで開きます。



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