特急ライラックの乗車記(グリーン車、19年GW)

記事上部注釈
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2017年ダイヤ改正から789系だけになり、半数以上の列車にグリーン車が付けられた札幌-旭川の特急列車。グリーン車付きの列車は「ライラック」、グリーン車なしの列車は「カムイ」と区別できます。そのライラックのグリーン車に乗ってみました。単なる乗車記だけでなく、グリーン車の車内や車窓にも触れています。

札幌に停車中の789系ライラック

写真1. 札幌に停車中のライラック

復習:札幌-旭川の特急(ライラックとカムイ)の概要

まずは、札幌と旭川を結ぶ特急の概要を示します。

札幌と旭川を結ぶ特急の概要

・列車名:ライラック、カムイ、オホーツク、宗谷
 ※網走直通(1日2往復)はオホーツク、稚内直通(1日1往復)は宗谷
・本数:1日27往復
 ※日中時間帯は札幌や旭川を毎時00分に発車。乗客の多い時間帯は毎時30分にも発車。
・所要時間:1時間25分が基本(朝夕やオホーツクや宗谷は異なります)
・停車駅:岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川
 ※一部のオホーツクや宗谷は美唄、砂川は通過

札幌から旭川までは基本的に1時間25分で結んでいます。この区間は電化されていますので、特急も電車による運転です。789系が使われます。ただし、非電化区間に直通するオホーツクや宗谷については気動車による運転です。この場合の所要時間は1時間27分~1時間35分になります。とはいっても、稚内系統や網走系統の多くは旭川発着ですので、この区間は789系に乗ることが多いです。旭川で乗りかえて網走方面や稚内方面に接続する列車はライラックによる運転で、札幌から網走、稚内方面までグリーン車サービスを受けることができます。また、網走方面と稚内方面が同じ列車に接続することもありませんので、特定の列車だけ混雑が集中するということもありません。

また、車内販売や自動販売機がありませんが、1時間半程度の乗車時間であれば許容範囲内です。

すずらんの789系(札幌)

写真2. カムイに使われる789系(グリーン車なし、この写真はすずらんですけど…)

函館方面や釧路方面と比較すると、発車時刻が一定で所要時間も一定なので、とても利用しやすいです。せめて乗客の多い函館方面は札幌発車時刻や函館発車時刻を00分に統一して、所要時間も3時間30分に揃えてもらいたいですね。

ライラックグリーン車の車内設備

では、そのグリーン車のある1号車の車内設備を見てみましょう。

半室のグリーン車の車内

789系のグリーン車は1号車にありますが、1両まるまるではなく、半室だけです。そのコンパクトなグリーン車車内を見てみましょう。

789系グリーン車車内

写真3. グリーン車のデッキ部分

グリーン車は1号車の先頭側のドアから乗り込みます。別に、2号車よりのドアから乗り込んでも良いですけど…。そのドアはJR北海道のイメージカラーの黄緑色を採用しています。261系スーパー北斗と同じですね。

789系グリーン車車内

写真4. グリーン車全景(たったの5列!)

グリーン車の全景を撮ってみました(写真4)。半室しかなく、5列広がり、定員はわずか15名です。

789系グリーン車車内

写真5. 2人がけシート(革!)

そのシートのうち、2人がけを見てみましょう(写真5)。革のシートであることがわかります。革だと座面とお尻が滑りそうですが、そのようなことはありません。

789系グリーン車車内

写真6. 独特の意匠の天井

着席してみましょう。すると、独特の意匠の天井が見えます(写真6)。色使いが独特ですね。良いアクセントになると思いますが、これを首都圏に持ってきたら何となくクドい感じがします。冬が厳しい北海道だからこその色使いだと思います。

789系グリーン車車内

写真7. 天井には補助照明がある

やや暗めの室内です。そのため、手元の明るさを確保するために、天井に補助照明があります(写真7)。

789系グリーン車車内

写真8. 座席の背もたれにはテーブルはない

座席の背もたれにはテーブルがありません(写真8)。乗車時間が短いですが、飲食したい場合があるでしょう。その場合はどうするのでしょうか。

789系グリーン車車内

写真9. ひじかけにテーブルがある

ひじかけを見てみましょう。すると、ひじかけを開くと、テーブルがあることに気づきます(写真9)。

789系グリーン車車内

写真10. テーブルを出した様子

テーブルを出すと、それなりの大きさになります(写真10)。でも、もう少し大きくても良さそうですね。

789系グリーン車車内

写真11. 足元には足のせがある

足元を見てみましょう。すると、足のせがあります(写真11)。

789系グリーン車車内

写真12. 足のせを展開

足のせを展開することができます(写真12)。ここに足を載せることで、くつろぐことができます。

789系グリーン車車内

写真13. ひじかけには電源もある

もう一度ひじ掛けを見てみましょう。すると、電源があることがわかります。パソコンなどの作業をするにはちょうど良いですね。電源はパソコン用とあります。別に携帯電話の充電にも使うことができるでしょうが、電力を多く使うドライヤーなどを使うのはいけません。

全体として、よくくつろげる車内でした。そして、私は疲れを含めて何も感じませんでした。何も感じないことが快適性を図る上で最も重要な要素です。つまり、全く疲れない車内が実現されていました。ただし、「このグリーン車に乗りたい♥」と思わせるものはありません。プラスアルファの何かがあればより良いでしょう。

普通車の車内と共用部分の車内の確認

1号車のトイレなどは普通車を通り抜けた先にあります。そのため、グリーン車の乗客も普通車を通り抜ける必要があります。

789系の車内

写真14. 1号車デッキ部分から普通車側を見る

1号車には先頭側と2号車よりの2か所に扉があります。そのうち、2号車よりのドアから1号車を眺めたものです(写真14)。多目的室などがあることがわかります。

789系の車内

写真15. 洗面所とトイレが同居

反対側を見てみます。洗面所とトイレがあります(写真15)。

789系の車内

写真16. トイレの内部

789系の車内

写真17. トイレの内部

789系の車内

写真18. トイレの内部

トイレを見てみましょう(写真16-18)。清潔で機能的ですね。

789系の車内

写真19. 洗面所

洗面所も見てみます(写真19)。清潔ですね。

789系普通車車内

写真20. 普通車車内

普通車車内も収録しました(写真20)。斜め方向の床のパターンが目立ちます。こうすることで、室内を広く見せる効果があるのでしょうか。

実際に札幌から旭川まで乗る

車内も確認したところで、札幌から旭川までの車窓を紹介しましょう。

写真21. 札幌を出発

札幌を出発します(写真21)。さすが北海道第一の都市だけあって、建物が多いです。

写真22. 千歳線と分かれる

白石を過ぎると、千歳線が分岐します。とは言っても、それは路線図だけの話です。千歳線の平和まで並走します。平和を過ぎたら、見た目にも千歳線の線路が分かれます(写真22)。そのような背景があるので、千歳線の新札幌と函館本線の厚別(白石の隣の駅)は近いです。

図1. 新札幌と厚別の間の歩行ルート(googleマップからの引用)

写真23. 森林公園を通過

札幌市内最後の駅、森林公園を通過します(写真23)。ここは野幌森林公園の最寄駅として設置されています。ただし、埼玉県の森林公園と同じく、歩くと遠いですね。

写真24. 野幌付近の高架区間

野幌は江別市の中心部に位置します(江別駅ではありません)。そのためか、高架になっています。

写真25. 江別を通過

札幌からの普通列車の多くは江別で折り返します。このあたりからのどかな景色が広がり始めます(写真25)。

写真26. 江別を過ぎるとのどかな景色が広がる

写真27. 遠くに見える山々

江別を過ぎると、景色がのんびりとしたものになってきます(写真26-27)。遠くには山並みが見えます。

写真28. 国道12号線と並走する

札幌と旭川を結ぶ鉄道は函館本線です。一方、札幌と旭川を結ぶ道路は国道12号線です。この両者は宿敵ともいえる存在です。江別を過ぎると、お互いに確認できる距離まで接近します。国道と反対側は防風林が広がっているところが多いです。

写真29. 室蘭本線が合流する

単線の線路が合流してきました(写真29)。室蘭本線です。沼ノ端より北側の室蘭本線は普通列車ばかりの運転で、「本線」という感じはありません。ただし、複線区間も存在します。

写真30. 岩見沢に停車

岩見沢に停車します(写真30)。この駅は火災が契機で新駅舎が建てられました。旧駅舎の時代は直接1番線(片面ホーム)に入れましたが、新駅舎は2Fにある駅舎に行かないとホームに入れません。駅裏からも利用できるようになったという利便性の向上なしでです。つまり、どの利用パターンでも不便になってしまっています。それなのに、新駅舎はデザイン面で優れていると評価されています。いかにデザインが見てくれを重視しており、機能面(簡単に移動できるか)を無視しているかといことを示すエピソードです。

写真31. のどかな景色が広がってきた

岩見沢までは区間快速なり普通列車なりが約30分間隔で運転されている区間でしたが、ここからは普通列車の本数が激減します。それでも2時間待てばやってくるので、北海道の中では恵まれているほうでしょう。それもそのはず、岩見沢までと比べてものどかになっています(写真31)。

写真32. のどかな景色

写真33. のどかな景色

このようなのどかな景色が広がっています(写真32-33)。

写真34. 滝川駅前のスマイルビル

岩見沢の次の拠点が滝川です。滝川駅前には「スマイルビル」というものがあります。10年以上前に訪問したことがありますが、お客さんがいなくて苦笑いしか出てこなかった記憶があります。それでも、まだ残っているのですね!

写真35. 山が近づいてきた

滝川を出ると、普通列車の本数が激減します。1日10往復もありません。滝川までと景色は変わりませんが、なぜ本数が一気に減るのだろう?景色が変わらないと述べましたが、山は近づいてきました(写真35)。石狩平野の端部が近づいてきたのです。

写真36. 山には雪が残る

その山を見てみると、雪が残っています(写真36)。それにしても、寒々しい光景ですね。

写真37. 川を渡る

石狩川を渡ります(写真37)。川を渡る場所は車窓にアクセントを添えてくれます。

写真38. 深川に停車

深川に停車します。空知地方最後の停車駅です。

写真39. 平地が狭くなってきた

深川を過ぎると、空知地方と上川地方の境界の山越えがあります。石狩平野と上川盆地の境界です。いよいよ石狩平野の端部が近づいてきました(写真39)。この景色だとさらに普通列車の本数が減っていそうですが、深川からは1日1往復だけ増えます。

写真40. 川と線路の間に少しの土地があるだけ

このように、山が迫ってくるのです(写真40)。

写真41. 上川盆地に入った

神居古潭近くのトンネルを抜けると、上川盆地です(写真41)。

写真42. 川を渡る

石狩川を渡ります(写真42)。石狩川と何度かからんできた函館本線ですが、これで最後の絡みです。

写真43. 旭川市内に入る

旭川市内の光景です(写真43)。

写真44. まもなく旭川

川を右に見つつ、旭川に到着します。この川は石狩川ではありません。忠別川といいます。石狩川以外の川が合流することで、盆地が形作られているのです。

終始、グリーン車は5割強の座席が埋まっていました。ほとんど1人利用で、1人がけの席が多く埋まっていました。GWでこの程度の乗車率であれば、グリーン車が半室であること自体は特に問題ないでしょう。また、自由席含めて満席という案内もありませんでした。札幌と旭川を結ぶビジネス特急という性格が強いせいか、GWでも席に座れるのがこの区間の特急の特性です。このように、まったりとした1時間25分の旅が終わりました。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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★今回の旅行の全体的な計画~まとめは以下のページに記載しています。
北海道鉄道旅行の計画とまとめ(19年GW)

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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