上野東京ラインについて考える~現状の大きな欠点と上野駅改良

前回の記事では現状ベースで上野東京ラインのダイヤ案を示しました。これでも現状よりは改善されていますが、致命的な欠点があるのです。


朝の下りの常磐線列車の本数の少なさ

しかし、ダイヤを見ると1つの問題点が見えてきました。
それは、朝の下りに常磐線に直通する電車が1本も存在しないことです。時刻表を見てみましょう。品川発の初発は9:33です(ただし、特急を含めると6:44発のひたち号はあります)。この時間帯は上野で乗り換えろ、という意図だとは思いますが、東京断面で高崎線が5:33から、宇都宮線が6:30から運転していることに比べると差が目立ちます。
※2017年10月14日ダイヤ改正で朝時間帯に常磐線の下りが設定されます。しかし、根本は変わりません。

では、この理由は何でしょうか?ご存知の通り、上野駅で常磐線下りと宇都宮・高崎線上りが平面交差しています。朝の常磐線下りを運転するということは、朝の宇都宮・高崎線の上りと平面交差することを意味します。朝の上りは遅れやすいので、ダイヤ乱れを助長させる平面交差を避けたのでしょう。
※朝のラッシュ時は常磐線からの品川行きが運転されていますが、いずれも品川到着後に入庫しているため、朝時間帯に平面交差は発生しないのです。

上野現状(詳細)

図1. 上野駅での平面交差 (赤の部分で常磐線下りと宇都宮・高崎線上りが平面交差しています)

※あくまでも概念図です。実際の配線はもっと複雑ですが、簡略化して表現しました。
他にも様々な要因があると推察されますが、平面交差が問題となっていることは明白です。平面交差が問題となっているのであれば、平面交差をなくしてしまえ、というのが最も根本的な解決法です。

平面交差解消の方法(概論)

では、どのように平面交差を解消すれば良いでしょうか?

配線決定の要因

平面交差解消後の配線を決定する大きな要因は2つあります。
それは

1) a)上野断面で方向別とするのか、 b)線路別とするのか
2) c)御徒町方で立体交差するのか、d)鶯谷方で立体交差するのか

というものです。
これを組み合わせると4通りの配線が考えられます。

現状の土地利用方法を考慮しないで済むならば、最も良い選択肢はa)-d)の組み合わせでしょう。
すなわち、以下のような利用方法です。

5,6番線:宇都宮線・高崎線下り(東京方面から直通)
7,8番線:常磐線下り(東京方面から直通)
9,10番線:上野始発常磐線下り、10番線は朝上りは常磐線上り
11,12番線:宇都宮・高崎・常磐線上り

この配線になる前提は、宇都宮・高崎線はほぼ全て東京直通になることです。
この配線が実現するならば、(朝を除いて)上野から東京方面に行くには11、12番線に行けば良いことです。

また、運転整理しやすい配線は、b)-c)の組み合わせでしょう。
すなわち、以下のような利用方法です。

5,6番線:宇都宮・高崎線下り(始発は6,7番線利用)
7,8番線:宇都宮・高崎線上り
9,10,11番線:常磐線下り(10,11番線は始発用)
11,12番線:常磐線上り

上野駅の現状観察

・上野駅北側の現状観察
上野駅は元々北の玄関口として発展してきました。そのため、上野駅の北側は線路が数多く存在します。上野駅発着の列車が大幅に減少した現状では過大な設備のように思われる、地上ホームへの線路がその1つです。

・上野駅南側の現状観察
建物が多く存在していること、余剰の線路が少ないことから、改良工事のためのスペースが不足することが予想されます。
以上から、上野駅の北側で改良することが適切であると判断できます。つまり、鶯谷方で立体交差するということです。
次に、上野駅本体についても考えてみます。上野駅から南側につながるのは5番線から9番線のみです。10番線以降からは東京方面に抜けられません。

ここまでで以下の制約条件が存在することが確認できます。
1) 立体交差を作るのは鶯谷方
2) 上野から南側に抜けられるのは5番線から9番線

上野駅改良案概要

上記の制約から、現実的に行える工事は以下の通りでしょう。

1) 5,6番線から発車する常磐線が東北線(宇都宮・高崎線)上りをまたいで、(今でいう9-12番線からの)常磐線下りに合流
2) 1)のスペースを捻出するために、地上ホームからの宇都宮・高崎線へのルートを廃止
※これに関しては「上野発着の宇都宮・高崎線列車を原則廃止する」という運用を行えば問題ないです。この運用については後述いたします。
これらを詳細にまとめた図が以下のようになります。
上野現状(詳細)
図1. 現状配線 : 上野駅構内~日暮里駅 上の図1と同じです)
橙色の線は宇都宮・高崎線が主に使用する線路、青色の線は常磐線が主に使用する線路を示します(以下同様)

そこで、以下のように変更します(図2)。図中の赤線部分が新設部分です。なお、宇都宮・高崎線の線路は日暮里付近では、旧地上ホームへの線路を使用します。これは、尾久付近でのポイント制限緩和のためです。

上野配線改良後運用(詳細)

図2. 配線変更案 : 上野駅構内~日暮里駅 (一部は省略しています)

この変更に伴い、以下のように変更になります。

1) 上野地上ホームから宇都宮・高崎線へ行けない(私の認識では、現状ではあまり使われていません)
※四季島?常磐線経由にすれば?
2) 16番線、17番線は廃止(この土地を有効利用しましょう、この案を提案した私に土地を譲渡しても良いですよ)

このことにより、以下のように使い分けできます。

5番線:宇都宮・高崎線下り(たまに常磐線下り)
6番線:常磐線下り(たまに宇都宮・高崎線下り)
7・8番線:宇都宮・高崎線上り
8・9番線:常磐線上り(9番線は朝・夕中心)
10-15番線:常磐線折り返し(13-15番線は予備的な位置づけで普段は使用しません)

配線変更のQ&A

恒例の質疑応答コーナーです。読者の質問に先回りしてそれに答える私は人格者なのです!(やさしー)
Q. 配線変更に費用が伴うが、どうするのか?
A. 文句を言うなら、あなたが負担しなさいよ…。配線変更にはお金が伴います。しかし、この配線改良を行うと、16番線、17番線の土地が捻出できます。その土地代で何とかなるでしょう。

Q. ならば13番線から15番線も撤去すればもっと土地が捻出できるのでは?
A. 現地のことを何も知らないのですね…。13番線から15番線の上には、10番線から12番線が存在します。そのため、これらを撤去しても土地は捻出できないのです。

Q. 上野始発の常磐線が出発する際、東京・品川方面行きの常磐線と平面交差するが。
A. 確かにそうですね。ただし、この問題点は現状でも存在します。つまり、この改良の有無に関わらず存在することですので、新たな問題にはならないことは確実です。後述しますが、常磐線の上野止まりをなくせばこの問題点は存在しません(※問題点がある場合、対処しないというのも1つの解法です)し、上野止まりを大幅に減らせば、この問題点は極小化できます。

Q. そんなに多くの列車を東京直通にしてさばけるのか?
A. 別項で触れます。


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