2019年3月ダイヤ改正における夕方の南武線の変化

2019年3月ダイヤ改正で夕方に4往復の快速が設定された南武線。プレスリリースにはそれ以外の言及(トータルで増発なのか、本数維持なのか)はありませんでした。そこで、時刻表から本数の増減をカウントしました。

武蔵小杉に進入する南武線快速E233系

写真1. 武蔵小杉に進入する南武線快速(2018年に撮影)


復習:2019年ダイヤ改正における南武線の変化

まず、ダイヤ改正でどのような点が変わったのかを復習しましょう。

平日夕通勤時間帯に快速列車を運転します。
下り列車は、17~19時台に「川崎発・稲城長沼行」を4本、
上り列車は、18~19時台に「登戸発・川崎行」を4本設定し、速達性を向上します。JR東日本ダイヤ改正パンフレット

簡単にいうと、川崎よりに快速を設定するというものです。八王子支社のプレスリリースを眺めると、下り列車は稲城長沼で各駅停車に連絡し、上り列車は立川発の各駅停車の接続を受けて発車するというものです。これによって、川崎と立川の移動が便利になる(という触れ込み)ということです。

実際のダイヤの確認

実際のダイヤを確認します。今回は下りは川崎の発車時刻を、上りは登戸の発車時刻をまとめました。

下りの発車時刻の確認

まずは下りの発車時刻を確認します(表1)。ここでは、17時台~19時台について考えます。

表1. 川崎発車時刻(17:00~19:59)

19.3ダイヤ改正前後夕方川崎発車時刻

快速は赤字で、稲城長沼行きは長表記、登戸行きは登表記で記しました。また、当該時間帯の増発や減便については下線で示しています。

見た目は以下の変化があります。

・川崎発17:59の各駅停車登戸行きが減便
・川崎発19:13の快速稲城長沼行きが増発

全体として、川崎発17時台の本数が1本減便となり、19時台が増発されています。結果として、川崎発17時台、18時台は毎時12本運転、19時台は毎時11本運転となっています。南武線沿線は工業地帯だったのが住宅街に変化していると聞きます。その結果、17時台の需要が減り(工場系は17時台に終業時間の事業所が多いです)、住宅街に帰る都心勤務の人(=19時台に利用すると想定できる)が増えたのかもしれません。

では、行き先ごとの本数はどうなのでしょうか。簡単にまとめます(表2)。

表2. 南武線下りの行先別本数

19.3ダイヤ改正前後南武線下り本数

運転間隔の組み換えの結果、行先別の本数は変わっていません。言いかたを変えるならば、川崎から稲城長沼までの快速通過駅に関しては、快速の本数だけ単純に本数が減っただけです。稲城長沼から先は毎時6本ベースですので、快速運転を行うと各駅停車の間隔が開いてしまいます。そのため、稲城長沼以北の快速通過駅の減便を避けるために快速は稲城長沼までの運転としたのでしょう。

上りの発車時刻の確認

次に上りの発車時刻を確認します(表3)。ここでは、登戸断面で17時台~19時台について考えます。

表3. 登戸発車時刻(17:00~19:59)

19.3ダイヤ改正前後夕方登戸発車時刻

快速は赤字で、稲城長沼始発は長表記、登戸始発は△表記で記しました。また、当該時間帯の増発や減便については下線で示しています。

見た目は以下の変化があります。

・登戸始発17:59の各駅停車川崎行きが減便
・登戸始発18:34の快速川崎行きが増発
・立川始発で登戸発18:45、19:23発の各駅停車川崎行き、稲城長沼始発の登戸発19:59の各駅停車川崎行きが増発
※この表に記載していない武蔵中原始発の各駅停車(登戸発17:17相当と登戸発17:47相当)はなくなっています

都合、快速4本増発、トータルで3本増発(=各駅停車1本減便)となっています。武蔵中原始発の2本が減便となっていることから、上りはトータルで1本増発されています

では、区間ごとの増減はどうなのでしょうか。簡単にまとめます(表4)。

表4. 南武線上りの始発別本数(登戸17時台~19時台基準)

19.3ダイヤ改正前後南武線上り本数

さりげなく立川から稲城長沼まで減便になっています。そこからはトータルで増発となっていそうですが、これではわかりにくいでしょう。そこで、区間ごとに増減をまとめました。増減をまとめる際に快速停車駅と快速通過駅で場合分けするとわかりやすいでしょう。そのため、快速と各駅停車の本数をまとめます(表5)。

表5. 南武線上り本数(区間ごと)

19.3ダイヤ改正前後南武線上り本数(区間ごと)

ここまでまとめているサイトはないことでしょう(あったら申し訳ございません)。以下の特徴が読み取れます。

・立川-稲城長沼は1本減少している(毎時7本あった時間帯も毎時6本になっています)
・稲城長沼-登戸は増減なし(この区間は快速の設定はありません)
・登戸以南は増発になっているが、快速通過駅は減便になっている

ダイヤ改善の芽を考える

まず思いつくのは、稲城長沼以北の本数の少なさです。日中時間帯でさえ毎時8本あるにも関わらず、夕方ラッシュ時間帯には毎時6本しかありません。稲城長沼行きの快速を立川始発にすると便利でしょう。「過密ダイヤだから無理!」というのは理由になりません。首都圏で毎時6本というのは過密ダイヤではないからです。南武線は6両編成と首都圏のJR線の中では編成が短いほうです。そのため、混雑が激しいと聞きます。このような混雑を緩和するには、快速を純増で設定するべきでした。毎時12本から毎時14本にするということです。混雑する区間は武蔵小杉-武蔵中原ですから、最悪川崎-武蔵中原の増発でも構わないでしょう。

また、快速が30分間隔というのも少なすぎです。20分間隔であればだいぶ利用しやすいでしょう。快速の需要がない?南武線は貴重な首都圏の郊外どうしを結ぶ路線です。南武線を活用することで都心部の混雑緩和にもつながります(例えば立川と蒲田を行き来する流動を都心に流さないということです)。現状はそこまで達していない段階でしょうが、将来的には都心部を迂回するメジャーな路線として脱皮してもらいたいものです。

以上で不満を述べてしまいましたが、利用実態を反映(していますよね?)して、限られた資源の中で混雑を均等にしようという努力が見えるダイヤ改正です。このダイヤ改正で満足せずに、さらに便利な路線になってもらいたいものです。可能であれば、武蔵野線の府中本町-武蔵小杉の営業運転をすれば…。


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