上野東京ラインについて考える~2017年10月ダイヤ改正:常磐線ダイヤ解析

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東京付近を快走する常磐線E231系

写真. 中電の大幅増強の影で本数が大幅に減少する快速電車

何はともあれ、常磐線の東京直通が大幅に増強される2017年10月ダイヤ改正。快速電車や休日の時刻も含めて発表されました。果たしてどのようなダイヤなのでしょうか?ここでまとめるとともに、簡単に考察したいと思います。

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常磐線内のダイヤは変化はなかったのでしょうか?上野(下り)、柏(上り)、土浦(上り)の時刻表を分析しました。

2017年10月14日ダイヤ改正~常磐線ダイヤ解析

このページの概要(目次、タップできます)
  1. 下りのダイヤ考察
  2. 上りのダイヤ考察

下りのダイヤ考察

下りのダイヤを平日と休日の双方とも示します。常磐線列車の起点の品川だけではなく、東京の時刻表も示しています(やさしー、表1と表2)。いずれも赤字は特別快速、青字は中電、緑字は快速を示します。

表1. 品川下りダイヤ

ダイヤ改正後品川下り(休日掲載)

表2. 東京下りダイヤ

ダイヤ改正後東京下り(休日掲載)

ここでは利用客の多い東京断面でダイヤを解析しましょう。

まず目につく点は、朝の下りの本数が少ないことです。すなわち、7:32~9:41の間には1本も設定されず、2時間9分ものダイヤホールが存在するのです。この時間帯は宇都宮・高崎線系統の上りの本数が多いため、上野で平面交差している以上、宇都宮・高崎線の上りと干渉してしまう常磐線下りを運転できないのです。それでも早朝に設定したり、休日は9:06から運転したりという努力が見られます。根本対策は平面交差を解消することですね。

つぎに気になる点は、夕方ラッシュ時の運転間隔が不均一である点です。快速の発車時刻を17分と47分に近づければ、中電と合わせた運転間隔が均一に近づきます。現実には平日は47分ごろではなく41分ごろに発車していますし、休日は17分、47分ごろではなく11分、41分ごろとなっています。これでは東京や品川から常磐線を利用する際に利用しにくいです。この理由をみていきましょう。

これは常磐線のダイヤを少し観察すれば、その理由はわかります。東京断面で47分に相当する列車は中電です。また、休日の東京断面で17分、47分に相当する列車は同じように中電です。ダイヤ改正前は、上野始発となる中電は毎時4本でした。ダイヤ改正前の中電が全て上野始発だったことは、さまざまな理由があると思います。ただし、中電の上野始発を完全になくすことは上野駅利用者に大きな抵抗があるでしょうから、快速中電を半数ずつ運転することにしたのでしょう。中電の上野始発は毎時1本あれば良いでしょうから、41分ごろ発の快速を47分ごろ発の中電に振り替えても良いでしょう。

上りのダイヤ考察

上りのダイヤを平日と休日の双方とも示します。特急停車駅の柏だけではなく、松戸の時刻表も示しています(やさしー、表3と表4)。いずれも赤字は特別快速、青字は中電、緑字は快速を示します。

表3. 柏上りダイヤ

ダイヤ改正後柏上り(休日掲載)

表4. 松戸上りダイヤ

ダイヤ改正後松戸上り(休日掲載)

考察そのものは主に柏断面で行います。

柏にせよ、松戸にせよ、目立つのは平日朝ラッシュ時の本数が多いことです。柏断面で7:08~8:07、松戸断面で7:17~8:16の1時間で9本も運転されています。宇都宮・高崎線が合流する上野以南の過密ぶりを考えたら、上出来といえましょう。本当は東京で折り返しが可能な構造に変えて、上野-東京に列車を最大限詰め込めると良いのですが、現段階でそれを望むのは度が過ぎましょう。

これを見ると、ラッシュの前後で列車間隔が空いていることが気になります。ラッシュ直前は6:49と7:09の20分間隔ですし、ラッシュ直後は8:06と8:34の28分間隔になってしまっています。ラッシュ直前に直通させると、せっかくの車両を遊ばせるか宇都宮・高崎線の上りと平面交差するかの問題点が生じます。しかし、ラッシュ直後の直通であれば可能です。例えば、柏発8:19(成田発上野行き、上野8:49着)を品川まで延長するという手段はあるでしょう。これで東京直通のダイヤが8:06、8:19、8:34となり、朝ラッシュ直後に30分近いダイヤホールが生じることもなくなります。ただし、これには宇都宮線(上野8:49着)と高崎線(上野8:53着)の調整が必要となります。具体的には、前者を1分前倒し、後者を1分後倒しにして常磐線を挿入する必要があります。

夕方ラッシュ時上りは運転間隔の不均一ぶりが気になります。5分間隔(19:28と19:33)で運転されるときもありますし、30分程度のダイヤホールが生じる(17:23と17:55、18:30と18:56、20:24と20:54、21:21と21:59)こともあります。下りの送り込み運用という理由があるにせよ、20分程度の間隔にしてもらいたいものです。この原因はいずれも上野の平面交差に起因するでしょう。

以上は平日ダイヤですが、休日ダイヤは朝ラッシュ時の本数が平日ほどではないことがわかります。夕方以降の本数は平日と同等です。ただし、平日ダイヤと具体的な時刻は異なります。

この表には記していませんが、品川発着の特急は大幅に増加しています。具体的には上野発7:30、17:30~22:30の毎時30分発、上野着7:57(改正前は8:04)、9:13(改正前は9:10)、17:06~23:05の毎時06分ごろ着が該当します。

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