山陽新幹線「こだま」の旅(新下関→新岩国、22年GW)

記事上部注釈
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山陽新幹線。この新幹線は東海道新幹線直通の「のぞみ」、九州新幹線直通の「みずほ」「さくら」、そして数少ない「ひかり」といった多様な速達タイプが華やかな路線です。一方、各駅にとまる「こだま」の影は薄いです。そんな「こだま」に乗ってみました。

写真1. 新下関に入線するこだま号

復習:こだまの位置づけ

こだま…東海道新幹線や山陽新幹線の各駅に停車する新幹線列車。

これでおしまいです。しかし、これでは味気ないですので、山陽新幹線のこだま号についてもう少し掘り下げましょう。

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図1. 山陽新幹線の地図(wikipediaより引用)

山陽新幹線の地図を示します(図1)。この各駅にとまるのがこだま号です。他の速達種別は東海道新幹線や九州新幹線への直通が多く設定されていますが、こだま号は新大阪-博多を超えて運転されることはありません(東海道新幹線内の各駅にとまる列車も「こだま」とされていますが、2022年現在直通運転はありません)。

基本的に1時間に1本の運転です。ただし、朝夕は地域の特性に合わせて1時間に2~3本に増発されます。また、日中時間帯は岡山発着です。これは東京-新大阪の「ひかり」が岡山まで延長運転されており、新大阪-岡山の各駅は毎時1本停車列車が確保されているためです。このパターンになる場合、岡山で3分の接続時間で接続します。もたもたしていると乗り遅れそうです。

新大阪-博多で4時間40分程度かかりますから、急ぐ人は速達列車に乗ることでしょう。新大阪-博多では「のぞみ」が毎時3本(広島以東は毎時4本、繁忙期はもっと多い)、九州新幹線直通が毎時1~2本運転され、わざわざ「こだま」に乗る意味もないでしょう。そのため、「こだま」に乗る人は、速達列車が停車しない駅(=需要が少ない駅)の移動ということであり、そのこだま号は空いていることが予想できます。

のぞみ等の絶対停車駅は新大阪、新神戸、岡山、広島、小倉、博多です。ただし、この絶対停車駅だけ停車の列車は少なく、姫路、福山、徳山、新山口のうち1~2駅に追加停車することがほとんどです。そうはいっても、これらの1駅に満たない駅間を移動する場合はこだま号を通して乗るパターンも多いでしょう。例えば、新倉敷-東広島や新岩国-新下関の移動にです。今回はまさにそのパターンです。

こだま号の車内を探る

こだま号の車内を見てみましょう。山陽新幹線のこだま号は基本的に8両編成で4~6号車が指定席です(16両編成のこだま号は小倉-博多に1往復設定されているのみです)。8両編成は以下の3種類に分類できます。

  • N700系8両編成:自由席の7、8号車は横4列配列
  • 700系8両編成(いわゆるレールスター):自由席の7、8号車は横4列配列
  • 500系8両編成:自由席は横5列配列

指定席は横4列配列ですが、自由席は横5列配列が基本です。ただし、一部の7号車と8号車は横4列配列です。可能であれば、500系以外の7号車、8号車を引き当てたいですね。1時間に1本なので、車両よりも時刻で選ぶことになるとは思いますが…。

以下の内装は700系8両編成の7号車です。

写真2. 横4列の車内

横4列の車内です(写真2)。一般的な新幹線が横5列なことを考えるとゆとりがありますね。

写真3. 座席を横から眺める

座席を横から眺めます(写真3)。電球色の照明が雰囲気ありますね。日本の新幹線普通車で電球色の照明が採用されたのは、この車両形式が最初と記憶しています。

写真4. 座席を眺める

座席を眺めます(写真4)。座席の色が青系で壁が赤黄系ですが、いずれも彩度が低く、そこまでアンバランスな感じはありません。

写真5. 座席背面を眺める

座席背面を眺めます(写真5)。こうして見ると、座席がどっしりしているのがわかります。

写真6. ドリンクホルダーがある

ドリンクホルダーが付いています(写真6)。

写真7. ドリンクホルダーを展開した

そのドリンクホルダーを展開しました(写真7)。700系と500系は古く、座席にコンセントは付いていません(N700系にはあります)。

写真8. デッキの様子

デッキの様子です(写真8)。ここも電球色の照明で雰囲気があります。

写真9. ドアの様子

ドアです(写真9)。今やその心配は不要ですが、満員の場合、窓の位置がやや低く、閉塞感が増してしまいます。

(参考)写真10. N700系の場合

参考までにごく一部に充当されるN700系8両編成の7、8号車の仕様です(写真10)。スペックこそ同じですが、より高級感があります。日中時間帯は九州新幹線直通の看板列車の「さくら」「みずほ」に使われ、こだま号に回ってきませんが…。

新下関から新岩国まで楽しむ

さて、実際にこだま号の旅を楽しみましょう!

写真11. 新下関の発車案内

新下関の発車案内です(写真11)。ごく一部の速達列車が停車しますが、基本は毎時1本のこだま号です。

写真12. 700系8両編成がやってきた

700系8両編成がやってきました(写真12)。この車両が登場した当初は「ひかりレールスター」ともてはやされました。しかし、2011年の九州新幹線博多開業以降、このような地位に甘んじています。

写真13. 先頭部分をしっかり撮影

先頭部分をしっかり撮影しました(写真13)。個人的な感覚ではこの車両は新しい部類に入りますが、もう古い車両という扱いなのかもしれません。

写真14. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真14)。

写真15. 住宅が増えてきた?

住宅が増えてきた、気がします(写真15)。

写真16. 厚狭に停車!

厚狭に停車します(写真16)。今回の旅程では朝のうちに厚狭を通ることになっています。山陽新幹線で最も新しい駅です。

写真17. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真17)。

写真18. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真18)。山口県は西側が福岡都市圏、東側が広島都市圏にかかりますが、中央部はのどかな場所です。

写真19. 新山口に停車

新山口に停車します(写真19)。山陽新幹線の山口県内では最ものぞみ号の停車が多い駅です。これは山口市への玄関口、山口県の中央付近に位置することなどの要因があるでしょう。

写真20. 車両が多くとまっている

もともと小郡は鉄道の町であり、運転上の拠点でした。その名残で現在も多くの車両がとまっています(写真20)。小郡は新山口の旧駅名です。

写真21. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真21)。5月上旬ということもあり、緑が美しく感じます。

写真22. 田園風景を走る

やはり緑が美しいです(写真22)。

写真23. 市街地が見えてきた

市街地が見えてきました(写真23)。まもなく徳山です。周南市の代表駅で、一部の速達列車も停車します。

写真24. 徳山に停車!

その徳山に停車します(写真24)。

写真25. 徳山の市街地を走る

徳山はそこそこ大きい都市の中心駅で(新下関は都市の中心駅ではありません)、市街地が広がります(写真25)。

写真26. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真26)。

写真27. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真27)。

写真28. 新岩国に到着

新岩国に着きました(写真28)。60分少々のこだま号との付き合いは終わったのです。

山陽新幹線のこだま号に乗ってみて

山陽新幹線のこだま号は予想通り空いていました。1両に数人程度の利用でした(沿線人口の多い広島以東だともう少し混んでいるのかもしれません)。これであれば、毎時1本で十分でしょう。利用実態を考慮すると、2時間に1本でも良さそうですが、それでは本数が少なすぎて対高速バス、自家用車の競争力が不足することも事実でしょう。

大型連休という繁忙期でも席を自由に選べて座れるという現実、さらにちょっとの知恵でのぞみ号よりも広い席に座れるという事実、時間を犠牲にすれば抜群の快適性が得られる、ということを改めて知った次第です。時間を犠牲にすると述べましたが、高速バスよりも大差を付けて早いです。

そして、JR山陽本線は混雑している区間もあります。混雑し遅い在来線と、早くてガラガラの新幹線。アンバランスな感じがあります。これらの混雑を均衡することは難しいですが、価格政策などで需要を釣り合わせることも考えてもらいたいものです。

前後を読みたい!

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