東北新幹線の速達種別のはやぶさ号。仙台から東京都内への移動にも有用な存在です。そんなはやぶさ号に仙台から上野まで乗ってみました。

写真1. 上野に到着したはやぶさ号
復習:仙台と東京都区内の移動方法
東京と仙台の移動手段は新幹線だけではありません。まず、東京都区内と仙台の移動方法をまとめます(表1)。
表1. 東京都区内-仙台の移動方法の概要
所要時間 | 運賃+料金 | 運行頻度 | |
東北新幹線 | 1時間35分程度 | 11410円 | 毎時1~3本 |
常磐線特急 | 4時間35分程度 | 9280円 | 1日3往復 |
高速バス | 5時間50分程度 | 3700~6700円 | 1日8往復(夜行含む) |
在来線普通 | 7時間前後 | 6050円 | 1日9往復(乗換多数) |
最も高速な手段は東北新幹線です。はやぶさ号だと東京-仙台の所要時間は1時間35分程度です。日本最速の新幹線だけあり、300km以上も離れた場所をこのような所要時間で結びます。この速達性ゆえか、羽田と仙台の間を結ぶ航空便の設定はありません。ただし、成田空港と仙台空港を結ぶ便は設定されています。これは、千葉県であれば新幹線に対し競争力があるという意図もあるでしょうが、国際線連絡という意味合いもありましょう。
その東北新幹線は、はやぶさ号とやまびこ号があり、はやぶさ号が東京-仙台で速達性を発揮、やまびこ号が沿線の輸送を分担(東京-仙台間は2時間程度)しています。速い種別のはやぶさ号が毎時1~3本設定されています。乗客の多い時間帯は毎時3本、少ない時間帯は1本、それなりの時間帯は毎時3本です。そして、毎時1本の時間帯ははやぶさ号から逃げ切るやまびこ号が設定されることもあります。
東京-仙台でははやぶさ号はやまびこ号よりも320円高く設定されています。また、はやぶさ号は全席指定席ですから、自由席特急券では乗ることができません。自由席希望であれば、やまびこ号を選択することになります。
その新幹線はやぶさ号は基本的に割引はありませんが、やまびこ号は割引があります。通常の自由席で10560円のところ、えきねっとトクだ値であれば9790円(指定席)で利用でき、早割的なサービス(13日前までに予約すると7610円)もあります(詳細はえきねっとの公式サイトに記載されています)。
また、はやぶさ号利用であっても上野駅利用だと210円安くなります。これは東京-上野利用の場合は210円特急料金が加算され、上野発着だとこれが免除されるためです。
次に早いのが常磐線の特急です。1日3往復運転されていますが、まれに1日4往復以上設定される時があります。これも割引の設定があり、えきねっとであれば、8350円で利用できます。13日以上前の予約での割引はありません。13日以上前に東京-仙台で利用する場合は、やまびこ号のほうが良いでしょう。
高速バスも設定されています。高速バスは新宿駅近くのバスタ新宿から利用でき、仙台までの所要時間は6時間程度です。時間にゆとりのある場合に選択肢として活用すると良いでしょう。利用日や利用日までの期間によって運賃は異なります。JRバス東北の公式サイトで確認するのが良いでしょう。
上級者コースといえるのが在来線の乗り継ぎです。仙台から東京だと白石、福島、郡山、新白河、黒磯と宇都宮で乗りかえが発生することが多いです(白石などでの乗りかえがない場合もあります)。所要時間が7時間前後かかることもありますが、本数が少なく、乗りかえも多く、単純な移動手段としてはなかなか難しいところがあります。常磐線でも結べますが、本数が少なく所要時間も8時間程度と難易度が上がります。青春18きっぷなどの格安の企画乗車券を活用できる場合以外は、在来線の乗り継ぎを交通手段としては考えないほうが良いでしょう。
実際に東北新幹線「はやぶさ」号に乗る
さて、実際に東北新幹線のはやぶさ号に乗ってみましょう
東北新幹線はやぶさ号の車内
普通車の車内を簡単に紹介します。

写真3. はやぶさ用E5系の車内(2019年に撮影)
普通車の全景です(写真3)。グレー系の座席と電球色の照明が心地よい空間を演出しています。この車両になる前は普通車のシートピッチは980mmでしたが、この車両からは1040mmに拡大されています。航空機よりもずっとゆとりのある空間で移動できます。

写真4. はやぶさの車内(2019年に撮影)
2人掛けの座席です(写真4)。普通車は2+3列配置となっており、ドア付近に設定されている車いす対応座席を除き、例外はありません。もっとも車いす対応座席であっても座席幅は変わりません。

写真4. はやぶさの着座時の視点
着座時の視点です(写真4)。

写真5. 座席背面の様子
座席背面の様子です(写真5)。足のせはなく、座席背面にテーブルと荷物入れがあります。

写真6. 充電中の様子
各列に2つずつ電源があり(写真6)、2人または3人で1つの電源を共有します。

写真7. デッキ部分の様子(2019年に撮影)
デッキ部分も客室と同様の空間が広がっています(写真7)。

写真8. 洗面台の様子(2019年に撮影)
トイレはもちろん、洗面所も完備されています(写真8)。
実際にはやぶさ号に乗る
御託はこの程度として、実際に東北新幹線はやぶさ号に乗ってみましょう!

写真9. 仙台駅の発車案内
仙台駅の発車案内です(写真9)。先発のやまびこ64号は大宮以遠には先着しません。大宮・上野・東京に先着するのは、後のはやぶさ28号です。
写真10. はやぶさ号が入ってきた
はやぶさ号が入ってきました(写真10)。仙台の次は大宮と速達性を誇ります。

写真11. 仙台を発車!
仙台を発車しました(写真11)。

写真12. 仙台の市街地を眺める
仙台の市街地を眺めます(写真12)。
写真13. 住宅街に変化していく
市街地から住宅街に変化していきます(写真13)。

写真14. 田園風景に変わる
そうするうちに田園風景に変わっていきます(写真14)。
写真15. トンネルを出ても田園風景
トンネルを出てもこのような田園風景が広がります(写真15)。

写真16. 山間部の風景
山あいの風景も展開します(写真16)。

写真17. 住宅が広がる
次の新幹線駅、白石蔵王付近は住宅が広がります(写真17)。

写真18. 田園風景が広がる
田園風景が広がります(写真18)。東海道新幹線沿線と比較し、のどかな風景が広がります。

写真19. 山形新幹線が近づいてくる
福島が近づき、山形新幹線の高架橋が近づいてきました(写真19)。

写真20. 福島の住宅街を走る
福島の住宅街を走ります(写真20)。
写真21. 福島を通過!
福島を通過します(写真21)。東北新幹線の主要駅ですが、はやぶさ号は通過します。

写真22. 福島の市街地を走る
福島の市街地を走ります(写真22)。福島県の市街地で人口も最も多いからこのように発達している、そう理解したくなりますが、福島県で最も人口の多い都市は常磐線沿線のいわき市です。

写真23. 東北本線と並走
東北本線と並走する区間がありました(写真23)。

写真24. 田園風景が広がる
田園風景が広がります(写真24)。夏らしい風景です。