羽田から能登までの航空便(飛行機搭乗記、23年夏)

記事上部注釈
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能登半島。金沢から距離もあり、陸路でのアクセスは意外と時間がかかる場所です。そのような場所は空路でのアクセスも選択肢の1つとなり得ます。では、本当に選択肢の1つになるのでしょうか。実際に乗って確認しました。

羽田から能登までの航空便の要点

羽田から能登までの航空便に乗ってみて感じたのは以下の通りです。

  • 飛行時間は55分(反対向きは65分)と、若干遅れても速達性には素晴らしいものがある
  • ただし、羽田からの便は1日2往復、他の空港への便もなく、その速達性を享受できる場面は限られる
  • 能登空港そのものは山中にあり、能登半島各地へのアクセスに時間を要する

詳細は以下の章で記します。

空路での能登半島へのアクセス

まず、能登空港とその航空便について簡単に紹介します。

図1. 能登空港の位置(googleマップより引用)

能登空港の位置を示しました(図1)。能登半島の中央よりやや奥にあり、金沢から2時間半以上かかる立地です。金沢まで陸路で移動し、そこからさらに移動となると4~5時間かかることは容易に想像できると思います。そのため、能登半島の先端に向かう場合は空路(航空機)が最適な手段です。

では、どの程度の本数でしょうか。能登空港(のと里山空港)の公式サイトに記載しています。それを引用すると以下の通りです。

表1. 羽田から能登への便

表2. 能登から羽田への便

羽田からの所要時間は1時間程度と短く、北陸新幹線で東京駅から金沢駅に向かう(最短2時間25分程度)よりも短いです。ただし、本数は1日2本とかなり少ないです。また、羽田便以外の設定がなく、東京地区以外からの行き来であれば、金沢駅や小松空港から陸路を使うことになる点も難点です。

また、能登空港そのものの立地も能登半島の既存の拠点から遠く、(穴水・輪島・能登町への等距離を意識したのでしょうが)能登半島のどこに向かうにもやや不便な点を見逃せません。

このように、羽田から能登空港までの所要時間は短いものの、そのほかの場面では不便なことが能登への空路アクセスの実態でしょう。

コラム.マイルの消化

実は、このときに航空便を選択した理由に、2019年に搭乗した際のマイルを消化するという目的がありました。ANA、JALともにマイルは3年で消滅し、(ANAの場合)ANAコインとしてもう1年間有効です。還元率のことを考えると、マイルを特典航空券に交換したほうが還元率は高くなります。しかし、特典航空券の期限切れであることと、ANAコインであれば自由度が高いことから、ANAコイン(1マイル=1円の価値)として使用しました。

たまに航空機を使う人の場合、むやみやたらと特典航空券として制約ある使いかたをするのではなく、ANAコインなどの航空券の支払いとして活用するのがストレスなく活用できると感じました。これでも現金で買うよりも安く手に入り、そのぶん手元の現金はキープできます。

このような用途であれば、他ポイントを航空会社のマイルに変換する必要はありません。他のポイントからマイルに変換すると価値は下がります(例えば楽天ポイント2ポイント=1マイル)。それならば、ポイントの価値が目減りしない楽天ポイントのまま使うのが得策です。目的はマイルで航空券を買うことではなく、手元の現金を目減りさせないことですから。

羽田から能登空港への航空機に実際に搭乗する

御託はこの程度にして、実際に乗ってみましょう!

羽田での搭乗手続き

ANAの国内線の場合、搭乗手続きは以下の通りでした。前の章でのコラムの通り、私はANAのメンバーとなっており、カードを所有しています。そのカードを持っていることが前提の記述であることをご了承ください。手荷物を持っている場合、インターネットで購入した際に送られてくるメールをカウンターで見せれば何とかなるでしょう。

  1. 自動券売機にカードを差し込み、搭乗手続き(搭乗券も出てきます)
  2. 姿勢よく保安検査を通過(モデル歩き!)
  3. 搭乗時に例のカードのQRコードをタッチ

私はインターネットで購入しましたが、このときに氏名・会員番号を登録しており、その会員番号と搭乗便が紐づけられているはずです。したがって、会員番号がわかれば自動的に搭乗便もわかるという算段、なのでしょう。

写真2. 自動チェックイン機

自動チェックイン機が羽田空港に設置されています(写真2)。ここで搭乗手続きを選択すると、手続きが可能です。

写真3. 磁気カードを選択

磁気カードを選択します(写真3)。確認番号を入力することでも可能です。

写真4. 確認後に搭乗券が発券される

確認後に搭乗券が発券されます(写真4)。人手を使うことなく使える機械ですが、今後はモバイルチェックインに切り替えられ、この機械はなくなります。ANAはアプリケーション導入を目指しているよう(※)ですが、年1回も利用しない人はそのようなアプリケーションなど入れません。カウンターに人が並ぶことが予想されます。これは悪手だと思います。

※実際は、Web予約した人の場合、そこに登録したアドレスにオンラインチェックインのメールが届き、そこからWebページ上でオンラインチェックインが可能なので、必ずしもアプリケーションを入れる必要はありません。

写真5. 第2ターミナルを歩く

第2ターミナルを歩きます(写真5)。

写真6. 保安検査場がある

保安検査場があります(写真6)。ここではモデル歩きで金属探知機を通過するのがミソだと個人的には思っています。

写真7. 搭乗口に向かって歩く

搭乗口に向かって歩きます(写真7)。このとき、能登便はバス連絡でした。そのため、そちらの搭乗口に移動します。

写真8. バスラウンジに向かう

バスラウンジに向かいます(写真8)。バス「ラウンジ」と言いますが、実態はバス「待合所」では?

写真9. バスラウンジは選ばれた乗客のみ使える!

バスラウンジは選ばれた乗客のみ使え(バス連絡でない人がここで待っても良いと思うが)、その選抜された乗客はそう多くありません(写真9)。少数のババを引いた乗客という表現も可能ですが…。

写真10. バスラウンジの様子

バスラウンジの様子です(写真10)。充電が可能で、冷暖房が効いている、それだけでじゅうぶんです。ハイクラスの乗客になると、別室で飲みものとか出てくるみたいですけど…。

写真11. いよいよ搭乗!

いよいよ搭乗です。ここで気づいたのですが、普通席であっても搭乗順が指定され、窓側がGroup3、中央がGroup4、通路側がGroup5と分かれていることです。これは窓側の人がえらいわけではなく、窓側の乗客を先に案内したほうがスムーズなためです。

写真12. 美しい車体がお出迎え!

美しい車体がお出迎えしてくれました(写真56)。片側にドアが3か所あり、乗降速度を最優先にしたバスです。このバスは当然無料で、運賃を支払う必要はありません(あえていえば航空運賃に含まれる)。そのため、一般のバスのように出入口を限定する必要もないのです。

写真13. バスの側面

別の便のバスの側面を撮影できました(写真13)。手荷物も少なく(多い人もチェックイン時に預けているはずです)、収容力と乗降性を重視した仕様とわかります。

写真14. 空港内を走る

空港内を走ります(写真14)。

写真15. 滑走路を走る

滑走路を走ります(写真15)。乗客を歩いて移動させると安全を確保できないので(乗客はどこに行くかわからない)、バスで乗客の行動を制限しているのでしょう。

写真16. 通路を進む

通路を進みます(写真16)。

写真17. 通路を進む

通路を進みます(写真17)。タラップに直接乗り付けると思っていましたが、そうではなく簡易的な施設を通るのですか。

写真18. いよいよ機内へ!

いよいよ機内へ進みます(写真18)。

能登便の機内の様子

では、能登便の機内の様子を紹介します。

写真19. 左右に3人掛けの座席が並ぶ

左右に3人掛けの座席が並びます(写真19)。

写真20. 座席からの様子

座席からの様子です(写真20)。現代的な内装に見えます。どうやらエアバスのA321という機種のようです。

写真21. 座席の様子

座席の様子です(写真21)。充電はUSBタイプでの充電です。ちょっと不便ですね…。全席にモニタがあり、そのような意味では快適です。映画のラインナップも見られました。でも、今回は飛行時間が55分だから、映画を見ていたら途中で終わってしまいます。まあ、機内エンタメサービスは短距離便・長距離便で同じなのでしょうがないですね!

写真22. 座席のモニタ

座席にモニタが付いています(写真22)。映り込みが多いので、低光沢の画面だと良いかもしれません。

写真23. 手元の操作盤

手元の操作盤です(写真23)。一番右はキャビンアテンダント呼び出しボタン、その左は呼び出しキャンセルボタンです。

写真24. プレミアムクラス

プレミアムクラスの様子です(写真24)。夏の連休の様子ですが、空席もある様子でした。その証拠に、搭乗手続きの際に「アップグレード」の表示もありました(空席がなければアップグレード表示はないでしょう)。

能登便の機内からの風景

窓側に座ったので、風景をある程度堪能できました。ある程度?そう、15番席は翼の上でしたので、視界が遮られてしまったのです。15番~23番は翼があり、風景堪能には向いていません。私は鉄道ファンですので、車窓を楽しむかどうかについて翼を意識したことはありません。いつも愛用している交通手段と異なる交通手段に乗ったことを実感する瞬間です。

写真25. 羽田を出発!

羽田を出発しました(写真25)。定刻より15分遅れです。

写真26. 羽田を走行中

羽田を走行中です(写真26)。

写真27. 前面展望が流れる

客席のモニターから前面展望が流れます(写真27)。ちょうど滑走路に出たところです。

写真28. 離陸!

離陸しました(写真28)。ちょうど向こう側からも離陸していました。向こうは国際線でしょうか。

写真29. 東京湾を旋回

東京湾を旋回します(写真29)。能登は西側に位置していますが、多くの事情で東側に進まねばならないのでしょう。そのため、このあたりで東向きから西向きに切り替えます。

写真30. 本州を横断!

本州を横断しています(写真30)。松本付近でしょうか。

写真31. 新潟県から富山湾方面を進む

新潟県上空から富山湾方面を進みます(写真31)。このあたりで着陸態勢に入りつつあります。

写真32. 海と陸地が見えてきた

海と陸地が見えてきました(写真32)。能登半島が見えますが、ほとんどが緑に覆われ、人の少なさがよくわかります。

写真33. 複雑な海岸線が見える

複雑な海岸線が見えてきます(写真33)。

写真34. 陸地の上空にうつった

陸地の上空にうつりました(写真34)。もう高度を下げて着陸態勢です。

写真35. 着陸!

着陸しました(写真35)。能登空港でこの風景が見られるのは1日2回だけです。

写真36. 能登空港に到着!

能登空港に到着しました(写真36)。この通路も1日4回しか使われないでしょうか。

写真37. 機体を眺める

機体を眺めます(写真37)。

羽田から能登まで航空機に乗ってみて

今回、羽田から能登まで航空機に乗りました。20分程度の遅れでしたが、それを加味しても羽田から能登まで75分で到着し、速達性の高さを見せつける結果となりました。この速達性こそ航空機の長所です。

搭乗手続きのために40分前に空港に到着するとしても、実質上の所要時間は115分で2時間を切ります。新幹線の東京から金沢の所要時間は2時間半程度ですから、遅れや搭乗手続き~搭乗までの待ち時間を考慮しても新幹線より速達性に優れていることになります。

ただし、航空機はその特性上、途中に寄ることが事実上不可能です。北陸新幹線は途中駅の乗客も拾えるため、日中時間帯でも毎時1本運転されています。一方、航空機は東京と能登の直行客しか相手にしていないため、1日2本しかありません。速達性の劣る新幹線(あるいは小松発着)で運転本数を確保するほうが良いのか、「早いけど待つ」今回の便が良いのか、その判断は多くの基準があり、容易ではありません。

コラム.東京から輪島までの所要時間は?

今回の搭乗でそのようなことを考えてしまいました。

今回、東京地区から輪島まで航空機と路線バスで移動しました。

  • NH747 羽田08:55→能登空港(のと里山空港)09:50/10:41→輪島駅前11:13

では、金沢駅から特急バスを活用した場合の所要時間はどうでしたでしょうか。北陸新幹線利用の場合で考えます。

  • かがやき503号 東京7:20→金沢9:48/10:20→輪島駅前12:34

東京駅を1時間半早く出ても、輪島駅前には1時間以上遅く到着する結果となりました。

具体的には航空機利用が2時間28分、鉄道利用が5時間14分です。航空機利用の場合、40分前に空港に到着、都心部から空港まで30分かかることを加算しても航空機の所要時間は3時間40分程度と、1時間半の差を付けています。

航空機は中心部から遠い空港から出発し、搭乗手続きの都合上空港に早く着く必要がありますが、そのようなハンディキャップをもってしても航空機利用のほうが所要時間が短いことがわかります。

前後を読みたい!

果たして前後はどこに行ったのでしょうか?

(←前)ありません(この航空機がこの旅行記の最初です)

羽田から能登までの航空便(飛行機搭乗記、23年夏):現在地

能登空港から輪島までの路線バス(→次)

★この旅行のまとめ:23年夏能登・金沢旅行のまとめと振り返り

(参考)この日の旅程は以下の通りです。

出発地発時刻手段到着地着時刻
羽田空港8:55ANA747能登空港9:50
能登空港10:41北鉄バス輪島駅前11:41
能登の街歩き観光
輪島塗会館14:15北鉄バス穴水此の木14:55
穴水此の木15:57北鉄バス穴水駅前16:03
穴水16:18のと鉄道和倉温泉17:02
和倉温泉で宿泊
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