ウィーンからブルック・アン・デア・ムーアまでのEC(ユーロシティ)旅(25年夏)

記事上部注釈
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ウィーンから南西方向に向かう幹線軸。ここは大きく2つの行先に分かれます。その両方の長距離列車が通る区間がブルック・アン・デア・ムーアです。その幹線軸をEC(ユーロシティ)で堪能しました。

写真1. 異なる国の客車が連結され、国際列車を感じる

復習:ウィーンから南西部への経路

最初にウィーンから南西方向に向かう経路について簡単に紹介します。

図1. ウィーンからブルック・アン・デア・ムーアまでの経路(googleマップより引用)

図2. オーストリア国鉄網における今回の区間の位置づけ(オーストリア国鉄公式サイトより引用後加工)

ウィーンからブルック・アン・デア・ムーアまでの経路を示しました(図1、図2)。ここから南方向に向かうとグラーツ(オーストリア第2の都市)やスロベニアに続きます。また、ここから西方向に向かうとオーストリア南西部のケルンテン州やイタリアに続きます。

ともかく、ウィーンからスロベニア方面、イタリア方面に向かう重要な区間です。

この区間にはセメリング峠が存在し、アルプスの東端を通り、アルプスの南北を貫くルートでもあります。もっと東側を通っていれば、多少は勾配は緩和したのですが、このあたりはオーストリア=ハンガリー二重帝国で、史実の経路より東側を通るとハンガリーの勢力圏に位置するという問題もあったでしょう。

この区間は所要時間2時間のグラーツ方面が毎時1本、所要時間1時間50分のフィラハ方面が2時間間隔(利用の多い時間帯は毎時1本)運転されます。また、毎時1本のグラーツ方面に接続するレオーベン方面行きも設定され、レオーベンまでは毎時1回以上の乗車チャンスが確保されています。

グラーツ方面は基本的にレイルジェットによる運転ですが、例外的にICによる運転があります。そして、1日1往復だけECと称し、スロベニア経由でイタリアに直通する列車があります。今回の旅程では、1日1往復のECに焦点を合わせました。

補足

IC、RJ、ECの違いは以下の通りに示されます。

  • IC:インターシティ。日本でいう特急列車に相当。近年の高速列車の発展にともない、高速列車に置き換えられる例も多い
  • RJ:レイルジェット。オーストリアの高速列車。ただし、オーストリアの線路規格の関係上、ドイツのICEやフランスのTGVほど速度を出さない(全線在来線経由のRJもある)
  • EC:ユーロシティ(オイロシティ)。他国に直通するIC。ただし、RJが他国に直通する場合はECでなくRJと称する

実際にECに乗る

御託はこの程度にして、実際にECに乗ります。オーストリア国内では任意指定制ですので、座席を必ずしも予約する必要はありません。JR東日本首都圏の特急と似た制度ですが、日本と異なるのは1等車も対象ということです。

ホームでの待ち~乗車の様子

写真2. トリエステ行きは7番線

ウィーン中央駅に来ました。トリエステ行きは7番線です(写真2)。ドイツ語圏の駅は発車番線が決まっているので、比較的利用しやすいです。もっとも、この気持ちは2日半後には裏切られることになります。

写真3. トリエステ行きの表示

7番線の発車案内です(写真3)。オーストリアからスロベニアを通り、イタリアに至る3か国直通列車です。ただし、第一次世界大戦前はトリエステを含め、オーストリア国内でした。

だいたいの乗車位置は示されていますが、足元△1~10のような親切な乗車位置表示はありません。その意味の1つはすぐ後に知ることになります。

写真4. トリエステ行きがやってきた

トリエステ行きがやってきました(写真4)。ただ、気になるのはホームで待っている人が多いことです。座席を予約していないけど座れるかな?せっかく1等のユーレイルグローバルパスを買ったんだけど…。

写真5. ドアが開かない!

古豪のオーストリア車とスロベニア車が連結されています。それよりドアの前に立ちましたが、ドアが開きません(写真5)!結局、別のドアから車内に乗りました。このようなことがあるので、乗車位置を明確に表示する意味はないのかもしれません。

オーストリアは比較的几帳面な国ですが、このようなことは日本と異なります。外国を旅行しているという実感が急速に沸いてきました。

写真6. 予約なしの表示がある

予約なしの表示の座席がありました(写真6)。それにしても、出庫時に各座席の予約状況をきちんと示すのは労力がかかるでしょう。ここの席にしましたが、別の人がやってきました。この席を予約しているようです。ここから、最新の予約状況をかならずしも反映できるわけではないことに気づきました。

でも、その人は別の席に移動しました。そこに別の人が予約していて、その人が立つことになったらどうするのだろう?日本ならそのようなことも考えるのですが、ここは外国です。不要な心配をすることもありません。

食堂車とその様子

写真7. 食堂車に入る

そういえば、朝食をまだ食べていませんでした。食堂車に入ります(写真7)。日本のように発車前に入れない、などのような無粋なこともなく、発車前から営業していました。

写真8. 食堂車の様子

食堂車の様子です(写真8)。中欧というとエキゾチックなイメージですが、そんなイメージ通りの内装です。

写真9. 現金限定の表示

時代はキャッシュレスが主流ですが、ここスロベニア車の食堂車では現金(ユーロ)しか使えません(写真9)。後で調べたら、スロベニアの通貨もユーロです。

写真10. 食堂車のメニュー

食堂車のメニューです(写真9)。イギリス国旗を模した英語表記メニューを眺めると、朝食セットがありました。これにしましょう!

写真11. コーヒーが運ばれてきた

コーヒーが運ばれてきました(写真11)。ヨーロッパはコーヒーの水準が高いように感じます。ヨーロッパに行ったら必ずたしなみたい飲みものです。

写真12. パン、ハムとチーズ

パン、ハムとチーズです(写真12)。意外なことに野菜ものっていました。栄養バランスを考えろ、というスロベニア国鉄からのメッセージでしょうか。

写真13. トンネル区間での食堂車の様子

トンネル区間での食堂車の様子です(写真13)。雰囲気がなかなかあると思います。

写真14. ウィーン中央を発車!

食堂車で席についているうちに、ウィーン中央を発車しました(写真14)。

写真15. 郊外的な風景に変わる

ウィーンマイドリング駅を出ると、徐々に郊外的な風景に変わります(写真15)。オーストリア最大の都市、ウィーンといえど市街地はそこまで大きくありません。

写真16. 街が現れる

街が現れます(写真16)。

写真17. ウィーナーノイシュタットに到着!

ウィーナーノイシュタットに到着しました(写真15)。ここで多くの乗客が降りました。1日1往復のトリエステ行きだから肩の力が入っていましたが、ここで降りるのか!

写真18. のどかな風景を走る

のどかな風景を走ります(写真18)。

写真19. のどかな風景が広がる

のどかな風景が広がります(写真19)。

写真20. 徐々に起伏が出てくる

この先、アルプス越えがあります。そこに近づき、起伏が出てきました(写真20)。

写真21. 山越えの雰囲気が出てきた

山越えの雰囲気が出てきました(写真21)。

写真22. 山間部の駅

山間部の駅です(写真22)。

写真23. 長編成が駆け抜ける

長編成が駆け抜けます(写真23)。オーストリア国鉄標準塗装の車両とナイトジェットの塗装の車両が組み合わさります。

写真24. 山間部の風景

この区間は進行方向左側の風景が良いとされます。しかし、反対側の風景もなかなかのものです(写真24)。

写真25. セメリングに停車!

峠のなかのセメリングに停車します(写真25)。ここで降りる人がいることにおどろきました。

図3. セメリング駅の位置(googleマップより引用)

写真26. 駅周辺の風景

駅周辺の雰囲気です(写真26)。山あいでのんびり過ごすには良さそうな雰囲気です。

写真27. セメリング峠を過ぎるとなだらかになる

セメリング峠を過ぎると下り坂に変わりますが、予想外になだらかで開けた光景です(写真27)。

写真28. Spital am Semmeringを通過!

小駅のSpital am Semmeringを通過します(写真28)。このあたりは各駅にとまる列車は2時間間隔です。特急系は毎時1~2本が確保されていることとは対照的です。このようなダイヤは日本の地方幹線にもあるものです。

写真29. ミュルツツーシュラークに停車!

ミュルツツーシュラークに停車します(写真29)。朝食を食べ終わり、食後のコーヒーも飲んだところで、1等車に戻りました。

1等車の車内と優雅な車窓

写真30. 1等車の車内

1等車の車内は意外とコンパクトでした(写真30)。横3列配列であり、欧州の1等車としては標準レベルです。オーストリアの古い車両の1等車はコンパートメントスタイルが多いと聞いていましたが、開放室でした。

欧州の多くの列車と同様、座席は固定式です。なお、座り心地は悪く感じませんでした。

写真31. 1等車でもシートピッチは狭い

欧州の特徴として、1等車であってもシートピッチは狭いです(写真31)。日本の有料列車の普通車のほうが足元は広いくらいです。

写真32. 座席周辺の様子

座席周辺の様子です(写真32)。黒色の座席が印象に残ります。

写真33. 窓割と座席割は完全一致しない

窓割と座席割は完全に一致しません(写真33)。これも欧州地区らしさを感じます。

さて、1等車の席に戻り、車窓を楽しみましょう。

写真34. のどかな風景が広がる

のどかな風景が広がります(写真34)。ウィーン近郊よりも心なしか木で造られた建物が多い気がします。

写真35. 石造りの建物もある

と思ったら、石造りの建物もありました(写真35)。

写真36. のどかな風景が広がる

のどかな風景が広がります(写真36)。

写真37. 防音壁がある

住宅が増えると防音壁がありました(写真37)。オーストリアの重要幹線であり、高速化対応などの理由による防音壁が設置されているのでしょう。

写真38. カップフェンベルクに停車!

カップフェンベルクに停車します(写真38)。

写真39. のどかな風景が広がる

のどかな風景が広がります(写真39)。

写真40. ブルック・アン・デア・ムーアに停車!

ブルック・アン・デア・ムーアに停車します(写真40)。

写真41. ブルック・アン・デア・ムーアに停車したトリエステ行き

ブルック・アン・デア・ムーアに到着です(写真41)。2時間の愉快な列車旅でした。

写真42. 最後尾のスロベニア車を見せつけるように発車

そしてスロベニア車を見せつけるように発車しました(写真42)。

オーストリアからイタリアに向かうECに乗って

写真43. オーストリア車とスロベニア車が連結され、国際列車を感じる

列車そのものは複数の国の客車が連結され、(コンパートメントスタイルの座席に座っていないものの)古き良き国際列車というスタイルで、速達性もレイルジェットに劣らず、愉快な旅を楽しめました。そして、食堂車も雰囲気が良く、おいしい朝食を食べ、1日のスタートを切るには良いステージでした。

この列車に限らず、周囲の乗客はそれなりに騒がしく、おとなしく列車に乗っている日本とは異なる雰囲気を感じました。日本では無意識に周囲に配慮することを求められ、その程度が小さい環境の列車に乗り、(この列車がこの旅行に乗った最初の長距離列車であることから)海外にいることを大きく実感しました。列車そのものよりも、日本と海外の違いを改めて実感したことのほうが印象に残りました。

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ウィーンからブルック・アン・デア・ムーアまでのEC(ユーロシティ)旅(25年夏):現在地

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※この旅行の全体像は25年夏中欧・イタリア旅行のまとめをご覧ください。

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