山手線撮り鉄スポット紹介の裏話

今回、新しいカタログ型コンテンツとして、「山手線撮り鉄スポット」を開設いたしました。各撮影スポットの詳細については各記事をご覧いただきたいのですが、その裏話を公開いたします。

写真1. ここは有名な撮影スポットかな?

山手線撮り鉄スポットを公開した理由

私は鉄道ファンの端くれです。その鉄道ファンの多くは「撮り鉄」さんと聞きます。ところが、その撮り鉄さんは珍しい車両を撮影するのに、特定の駅や場所に集って(ごくわずかとは強く確信していますが)トラブルを起こしていると聞きます。私は撮り鉄には足を踏み入れていませんが、このような事態は同じ鉄道ファンとして無視できないと判断しました。

では、どうしてこのようなトラブルが発生するのでしょうか。その理由を私なりに考えてみました。

  • なかなかその車両がその路線で運転されないから
  • 特定の撮影スポットに多くの人が集まるから
  • 目の前の車両に熱中するあまり、モラルを忘れてしまうから

このうち、最初の理由については、珍しい列車を頻繁に運転する、引退前の車両を一気に引退させる(最後に1編成が残っているから問題にあるのであって、最後まで3編成程度あれば問題になりにくい)、などの策が考えられます。とはいえ、これは鉄道会社の運用上の都合という部分が強く、鉄道ファンが言ってどうにかなり問題ではありません。

また、最後の理由については、各自のモラル向上が必須です。とはいえ、(いくら人格者であっても)私が他人のマインドを変えることは困難です。また、昔から言われている一方で是正されていないことから、なかなか難しい問題です。

一方、中間の理由については、改善が見込まれます。例えば、100人が同じ撮影地に集中するから問題になるのであって、この100人が100か所の撮影地に分散することで、「陣取りによるトラブル」の発生が激減することは容易に理解できます。これについては、系統立てた撮影スポット紹介サイトがないことから、私の手で改善できると見込みました。

駅撮影でのモラル低下も確認していますので、今回はあえて「駅撮り」を視野に入れませんでした。

撮影スポットの探索方法と山手線に絞った理由

撮影スポットの調査方法は多くあります。例えば、多くの人が鉄道コムさんに記事を投稿しています。その投稿をさかのぼって推定することも可能でしょう。また、googleマップから当たりをつけることも可能です。

しかし、私はそのような「賢い方法」を選択せずに、一番原始的で効率が悪いながら確実な方法-足で稼ぐ-を選択しました。特定の駅から特定の駅まで線路沿いに歩き、個人的にピンときた撮影地で写真を撮影し、その情報を読者さんにご判断いただく形としました。

これは容易にできることではありません。山手線1周だけでも34.5kmです。これを歩くのです。本当は線路の右側と左側の双方の69.0kmを歩くべきでしょうが、そこまでの体力はなく断念しました(実際には何日かに分けて歩いています)。その結果、65か所(現在架け替え工事中の西巣鴨橋を含めると66か所)の撮影スポットを見つけることができました。

東京23区のJR線だけでもこれをはるかに上回る地上区間があります。中央線の神田-西荻窪、京浜東北線の田端-赤羽、品川-蒲田、東北線の(日暮里付近)-(王子付近)、常磐線の日暮里-金町、横須賀線の品川-西大井、総武線の御茶ノ水-小岩、京葉線の潮見-葛西臨海公園、埼京線の池袋-浮間舟渡を歩くだけでも相当の苦労は想定できます。まあ、山手線内に絞って、中央線の神田-代々木だけであれば、何とかなるかもしれませんが。

これに民鉄や地下鉄を加えたら、とんでもない歩行量になってしまいます。このようなことは個人レベルでできることではありません。また、私のサイト作成でデータベースを揃える際の哲学として、「100あるうちの60をまとめるよりも50あるうちの50をまとめるほうが尊い」というものがあります。言いかたを変えると、「中途半端に手を広げるよりも、特定のテーマに集中するべき」ということです。

このような背景から、特定の路線に絞ることにしました。では、どの路線に絞るのか、現在の私が最も使っていて、身近な路線、山手線にすることにしました。幸いなことに山手線には西側に貨物線、東側に東北線や東海道線が並走していて、首都圏の南北軸も多少は網羅できます。

実際に歩いてみて

今回、山手線の沿線を歩いてみました。今回は「山手線の撮り鉄スポットを探す」という目的がありましたので、どうしてもその視点で歩いてしまいますが、駅間で全く異なる表情が見られた印象があります。

写真2. 品川-大崎の住宅街

品川から大崎まで住宅街を歩いて見つけた一角です(写真2)。このような高級住宅街がある場所もありますし、新大久保周辺のようにハングル文字が目立つエリアもありました。また、池袋-上野は「山手線」というイメージとは異なる閑静な住宅街が広がっていました。

このように、同じ山手線といえども、34.5kmの間には多様な表情が見られました。このようなことは知識では知っていても、知ることと実感することでは大きな違いでした。

この記事をお読みの人も駅間を歩いてみて、ご自身に響く撮影スポットを見つけ、そして東京を再発見してみてはいかがでしょうか。

さらなる余談

写真3. カタログ型コンテンツが体現されている書籍(世界の鉄道)

ここまでは「鉄道ファン」としての側面から記しました。一方、「サイト作成」側の視点からはどうでしょうか。

最近のサイトの多くは「ブログ」が多いように思います。書きたい内容を書きつつ、(人によっては)アクセスされるような書きかた(結論を先など)を取り入れる、という形態です。これはこれで良いでしょう。しかし、私はもやもやとした不満を感じていました。その不満の1つの要因が「コンテンツに網羅性がない」ということです。

これに対しては、諸先生方のアドバイスで「カタログ型コンテンツを作ると良い」と知りました(※)。

※諸先生方と書いていますが、インターネット上で見つけた記述です。お会いしたこともありません。

カタログ型コンテンツとは、(私の解釈では)「あるテーマの事象について均一的な視点で網羅的にまとめたもの」というものです。以前から私はカタログ型コンテンツを作成してきました。23区の鉄道ダイヤをまとめたものや、23区の混雑基本データをまとめたものです。これはこれで評価されていると確信していますが、いかんせん鉄道趣味の中ではマイナーですから、もう少しメジャーな題材を考えていました。

鉄道趣味でメジャーなものとは何でしょうか。その動向を知る1つの材料が「鉄道コム」さんにあります。「鉄道コム」さんの「よく見られているブログ記事」を見てみると、電車の混雑や鉄道ダイヤに関する記事は少なく、「車両動向」や「撮り鉄」に関する記事が多いです。きっと、これらが鉄道趣味の主流なのでしょう。

しかし、「車両動向」を扱うとしたら、毎日多くの路線にアンテナを張り、毎日記事を更新する必要があります(そして鮮度の低い情報はすぐに価値がなくなります)。これはずぼらな私には不可能です。また、撮り鉄さんの記事の多くは、珍しい車両を取り扱う傾向にあります。そうすると、やはり毎日多くの(以下同文です)。

では、撮り鉄の主題を車両から場所に変更すると?そんな発想の転換がありました。場所に焦点を変えれば、毎日情報に追われることもありません。そこで、テーマを撮り鉄スポットに照準を絞ることにしました。

カタログ型コンテンツの本質は「均質な情報を高く網羅する」ことです。そこで、「山手線」という特定の路線のスポットを65か所網羅し、競合サイト(ないと思うが)との競合に打ち勝つことにしました。

これが今回の「山手線撮り鉄スポット」というコンテンツを立ち上げたもう1つの側面なのです。

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