いつの間にかホテルに戻った私はいつの間にか眠り、気づいたら翌日を迎えていました。この日(5/4)は松山から宿毛への移動です。この日のハイライトは伊予灘ものがたりでしょう。
伊予灘ものがたりとの触れ合い
伊予灘ものがたりについての基礎知識
乗車記を記す前に、伊予灘ものがたりについての簡単な基礎を復習しましょう。
- 区間:松山ー伊予大洲・八幡浜
- 本数:1日2往復(伊予大洲ー八幡浜は1日1往復)
- 運転日:土曜・休日中心
- 種別:快速
- 座席:全てグリーン車(指定席)
- 所要時間:2時間くらい(松山ー伊予大洲の所要時間)
伊予灘ものがたりは移動を目的とした列車ではなく、「揺られる列車とともに飲食を楽しむことで、移動時間を楽しむ」というものです。運転区間は景色が良い(=スピードの出せない)区間があり、そこを景色を見ながら移動を楽しむという趣旨です。事前予約をすると、食事付きコース(食事は別料金)を選ぶことができます。もちろん、席のみの予約も可能ですし、軽い飲食物は乗車してから注文することも可能です。
普通列車グリーン席ですので、予算はそこまでかかりません。食事が必須ではないことからも、庶民が乗りやすい観光列車といえましょう。
伊予灘ものがたりとの出会い
まずは、私が未乗の予讃線の海線(伊予長浜経由)を乗り潰しすべく、乗車列車を選んでいました。この区間はオールロング車か185系しか走行していない(と認識しています)ので、「外れ」を選択したら最悪です。そのため、安全牌として伊予灘ものがたりを選択したのです。なお、1か月前の夕方に座席指定券を購入したところ、ほとんど空きはありませんでした。これなら、トップシーズンは3両編成でも良いように感じました。
松山での観察
私の御託はともかくとして、当日の写真を晒すことにしましょう。
写真1. 3番乗り場の下り方は伊予市行き
写真2. 3番乗り場の上り方は観音寺行き
松山で電車を観察していましたが、3番乗り場に入線してきた2両編成の電車が分割され、伊予市行き(写真1)と観音寺行き(写真2)に分割されていました。ホームの前後で行先が異なるのです。これを平気で実施するJR四国の柔軟性に感心いたしました。
写真3. 充実した案内の電光掲示板
写真4. 美しい前面
電光掲示板には「伊予灘ものがたり」の詳細な案内が流れていました(写真3)。そして、列車が入線します(写真4)。駅の音楽、列車の音楽が入り混じってすごかったです。よくわからない多重放送…。
車内の紹介
せっかくなので、車内を紹介しましょう。
写真5. 赤絨毯が敷かれたホーム
写真6. ワクワクさせるドア部分
写真7. 素敵なボックス席と「運転席は見せない」という固い意志表示を示した構造
写真8. 実は窓割と座席割が一致していない山側の席
写真9. 和風が美しい車内
写真10. 売店設備
乗車時に赤絨毯が敷かれていて、まるで天の上の人になった気分です(おおげさな、写真5)。この程度で「天の上」の人の気分になれた私は単純なんだと思います。そして、ドアの色も原型から色が変わり、空間演出という意味ではだいぶ良くなっているのではないでしょうか(写真6)?
この列車は海側にボックス席とカウンター席が存在します。そして、山側は2人向き合わせの座席です。山側の座席は見知らぬ人どうしでも気まずくならないように、若干の角度が付いています。見知らぬ人の気まずさ解消のためではなく、海を見られるような気づかいかもしれません。ただし、観光列車であっても「運転席を見せない」という堅い意志は感じられました(写真7)。そして、山側の座席をよく見ますと、座席割と窓割が一致しないことに気づきます(写真8)。これは、「そんな細かいこと気にすんな!」というJR四国の考えなのか、「海側を見てください」という気づかいなのかは追求しないことにしましょう。
ともかく、和風の車内空間を演出しようという意気込みは伝わりました(写真9)。また、売店があり、各種おみやげなどを販売していました。まあ、レストランのように向こうから「乗車券とグリーン券ではペイしないので、軽食をたのみなさい!頼まないとどうなるかわかるな?ご注文いかがですか?」と聞いてくれるので、こっちから売店に行かなくても良いと思います。
伊予灘ものがたりとの道中
列車は松山を出発しました。飲み物を注文せねばならない空気でしたので(そんな空気にして収益性を向上させるのでしょう)、私は日本酒飲み比べセット(1000円)を頼みました。え?食事ですか?ホテルで食べましたよ。ほろ酔いなので、写真の出来がいまいちかもしれません。その点はご了承ください。写真が微妙なのはいつものこと?まあ、それは言わないでください。
写真11. 向井原を過ぎて現在のメインルートと離れる
向井原からはいわゆる海線を走行します(写真11)。景色の良い区間(=線形が悪くスピードが出ない区間)です。現在のメインルートはスピードの出せるいわゆる山線です。山線は1986年に開通しましたが、それまではこちらがメインルートだったのです。
写真12. 海が見え始める
写真13. 美しい伊予灘
写真14. 美しい伊予灘
写真15. 美しい伊予灘
写真16. 美しい伊予灘
このように美しい海を見せつけられた我々は下灘に停車し、(半ば強制的に)降ろされます。
下灘でののんびりした贅沢な時間
下灘での時間つぶしに付き合わされます優雅に流れる贅沢な時間を満喫します。このような時間を贅沢な時間というのでしょう。私の優雅な時間の過ごしかたを晒しましょう。
写真17. 海に近い駅(といっても海と線路の間に道路はあるよ!)
写真18. 無人駅の駅舎
写真19. お金を落とさない輩にもやさしい表記
写真20. 公に認められていない裏ルート(なのかな?)
写真21. 発展する伊予市!(なんたって駅前の一等地ですよ!)
写真22. 伊予灘ものがたりと海の共演
ローカル駅に独特なのんびりとした雰囲気が漂います。最寄駅(山手線の駅)と違う管理のゆるさを感じます。人気なのだから、人気列車がきている時だけでも入湯場料を徴収すればJR四国の小遣い稼ぎになって良いのに、そんなことを考える私は間違いなく小物でしょう(写真19)。列車の最後尾は黄色をベースとした色合いでした。夕方の美しい夕焼けと海をイメージした外観なのです。まあ、このときはまだ午前中でしたが…。
ゆっくりとラストスパート
そんな邪な考えを持つ私を含めて列車は再度動きます。また美しい景色をご堪能いただきましょう。
写真23. 島も見え、美しい海岸線
写真24. 有名(らしい)鉄橋を渡る
写真25. 有名(らしい)鉄橋を渡る
列車は海岸線をたどります。有名な鉄橋があり、そこで徐行していました(写真24、25)。山沿いの席なのにどうして写真撮影できるの?そんな疑問があると思います。私はデッキに立って撮影したのです(マニアそのものですね)。
列車は伊予市から大洲市に入ります(写真26)。ここに米ソの境界線が存在していなかったので、平和な境界ですね。その後、列車は川沿いを走行します(写真27、28)。
写真26. 伊予市と大洲市にまたがる駅
写真27. 美しい橋
写真28. 美しい川
その後、たぬきの里とされている駅を通過します。今日はたぬきが出迎えてくれました(写真25)。二足歩行のたぬきですけど…。
写真29. たぬきのお出迎え(ヤラセ感たっぷりですね)
このようにして、列車は伊予大洲に着いたのです。それと同時に、私は予讃線を全線完乗したのです。
写真30. 伊予大洲にたたずむリゾート列車
さて、この移動の前後はどこに行ったのでしょうか?
伊予灘ものがたりに乗る:列車紹介と美しい車窓:今ココ!
※それぞれ別ウィンドウで開きます。