2019年のGWに東北新幹線と北海道新幹線に乗って、新函館北斗まで向かいました。GW中の混雑状況や臨時列車ならではの落とし穴にも触れています。
写真1. 新函館北斗に停車した新幹線「はやぶさ」
上野駅の光景
私は上野駅から乗りました。私が東京駅より上野駅に近いという事情もありますが、特急料金が安く済むことも上野から乗車した理由です。
写真2. 上野の電光掲示板
上野には新幹線専用の改札はありません。必ず在来線の改札から入って、新幹線乗りかえ改札を通る必要があります(写真2)。この改札を通る前に駅弁売り場やコンビニがありますが、GWのような繁忙期は人がすごく並んでいます。発車が迫っている中で食べ物も飲み物も買えないという事態に陥ってしまいます。私はあらかじめ自宅の最寄駅(山手線の駅です)近くのコンビニで朝食の飲み物を買っていたので、この点はうまくやったと自画自賛しています。ターミナル駅以外であらかじめ買い物を済ませましょう、ということです。
写真3. 早朝でも軒並み満席!
早朝から満席が続きます(写真3)。この日は10連休の初日です。混むわけです。ただし、わがはやぶさは17両編成で運転していますが、10両編成で運転する新幹線列車も多く、限界まで輸送力を確保するという努力は見られません。繁忙期や朝ラッシュ時に使うためにE5系の付属6両編成を新たに新製し、このような日に1つでも多くの座席を提供しようという姿勢を出すべきでしょう。
写真4. GALAの情報は欠かせない
4月下旬と雪解けはだいぶ進んだ季節にも関わらず、直営のスキー場の情報は欠かせません(写真4)。時刻表を眺めますと、5/6までGALA直通の電車があるのですね!
写真5. 東北新幹線が続行でやってくる
東北新幹線も多くの本数が確保されています。定期列車のやまびこ号だけでなく、臨時のはやぶさ45号も運転されています。余談ですが、はやぶさ45号は東京を6:00に出ます。つまり、6時~24時まで運転している新幹線の中で、最も早い時刻に始発駅を出る設定の新幹線です。ここまで混んでいるのであれば、大宮6:00発の新幹線を運転するなどの姿勢も見せて欲しいですね。
写真6. E6系こまちが入線!
わがはやぶさ45号はこまち45号との連結です。先頭部分はこまち45号です(写真6)。盛岡で切り離します。東京から秋田まで4時間9分で結びます。定期列車が4時間足らずで結ぶ(直後のこまち1号は3時間52分です)ことを考えると、鈍足というレッテルを貼らざるを得ません。
写真7. E5系はやぶさとE6系こまちの連結
はやぶさ45号とこまち45号の連結部分です(写真7)。わがはやぶさ45号は東京から新函館北斗まで4時間22分で結びます。最速達のはやぶさが3時間58分、標準的なはやぶさが4時間10分前後で結んでいることを考えると、やや鈍足といわざるを得ません。それでも、GWのような最ピーク時の座席確保列車と割り切ることにします。このような鈍足列車にはやぶさ料金を支払うのはやや納得できません。それでも、航空機のような極端な運賃体系となっていないので、多客期の加算料金と自らを納得させることにします。
E5系普通車の車内
何だかんだいっても、E5系の車内は普通車でも快適です。シートピッチ1040mmとワイドな座席(ヨーロッパの高速列車の1等よりも広い!)、電球色の照明、照明と色が合う座席カラーなど。その車内を簡単に紹介します。実ははやぶさの全てがE5系で運転されるわけではありません。一部はH5系(JR北海道所属車両)による運転です。ただし、両者は基本的に同じですので、全てがこの車内と認識してもそう問題ありません。
写真8. 美しいデッキ部分
E5系のデッキ部分です(写真8)。デッキは真っ先にお客の目に触れるところですので、最近はデッキの意匠にも凝っています。電球色が美しいですね。
写真9. 2列+3列の座席が並ぶ
客室全体です(写真9)。2列と3列が並ぶ標準的な車内です。山陽新幹線まで行くと普通車指定席でも2列+2列を実現していますが、需要の多い首都圏を発着する東北新幹線でそれを実現することは難しそうです。
写真10. 3列シートを眺める
3列シートを眺めます(写真10)。写真で見るとわかりにくいですが、E2系よりも足元が広いことに気づく人もいるでしょう。60mmといえども、シートピッチが広がっているのです。
写真11. 2列シートを眺める
2列シートも同様です(写真11)。よく「ヨーロッパの高速列車は、2等車(日本の普通車に相当)でも横4列だ、一方の新幹線は横5列で詰め込みだ!けしからん!!」とドヤ顔でいう人がいますが、そんな人は無視しましょう。そのような人はヨーロッパの高速列車の車体幅が新幹線よりも狭く、日本の在来線レベルであることを認識していないのです(私はどちらも好きですよ♥)。
写真12. 着席時から眺めた室内
室内を眺めます。うっとりする車内であることがわかります(写真12)。E7系はもっと鮮やかな車内になっていますが、どちらが好評なのでしょうか?私はこのほうが好きですね。
写真13. 枕が上下に動く
枕は上下に動かすことができます(写真13)。各自の体型に応じて枕の高さを調整して休むことができるのです。
写真14. テーブルも備わる
大型のテーブルも備わっています。ただし、電源は窓側に1つしかありませんので、全員がパソコンを使った作業ができるわけではありません。私は機密保持を建前に、所属会社の事業所以外で会社のパソコンを使わないので、問題ありませんがね!
写真15. 洗面所も美しい
洗面所も美しいです(写真15)。私の姿が入らないようにするために、角度を工夫しました。この車両と比較すると1980年代の車両は見劣りしていまいます。このような事実を知ってしまうと、車齢は30年程度と納得してしまうのです。
はやぶさの道中
はやぶさの道中を紹介します。運が悪いことに窓側の座席を確保できませんので、途中までは車窓の紹介はありません。ご了承ください。
混雑していた東北新幹線
上野発車時点では空席もありましたが、大宮で埋まります。東京都の北部や埼玉県に住む人は大宮のほうが便利なため、必ずしも東京や上野で乗るわけではありません。
写真16. 日暮里付近で地下から抜ける
窓側の席は埋まっていましたが、大宮から乗るようです。そこで、大宮までの車窓を収録しました。新幹線の上野駅は地下にありますが、日暮里付近で地上に上がります(写真16)。
写真17. 東京北区の高架を行く
西日暮里を過ぎると、荒川区から北区に入ります。北区の東北新幹線の線路は高い高架を貫きます。その高架からは東京の街並が見えます(写真17)。
写真18. さいたまスーパーアリーナの脇を通る
さいたまスーパーアリーナを通過すると、まもなく大宮です(写真18)。ここで多くの人が乗ってきました。大宮発車時点では、デッキに何人か立っていて、トイレや洗面所に行くのに気まずさを感じるレベルです。ただし、客席通路には人は立たず、客席に座っている限り、秩序は保たれているように感じましたこのような混雑だと車内販売は来られないでしょう。そのようなことを考えていました。すると、車掌さんから「この列車は臨時列車のため、車内販売はありません」と放送がありました。車内販売の大幅縮小は議論を巻き起こしていますが、車内に入ってからでは遅いのです。駅で行列を見て車内で買おうと考えていたら、と思うとゾッとします。このはやぶさ45号は臨時列車ですが、。大宮から仙台までの66分かかっています。その所要時間は最速列車よりも1分早い(秒単位だと同等でしょう)ので、速達性には満足です。
その仙台を出ると、デッキで立っている人は半分に減りました。だいぶ空いてきた印象です。ところで、はやぶさ45号に限らず、はやぶさ号やはやて号は全席座席指定で自由席がありません。なのに、どうして立ちがいるのでしょうか?答えは枚数限定で立席特急券を発売しているのです。立席特急券は各車両のデッキ部分で枚数限定で発売しています。立っても早く移動したいというニーズに応えている格好です。余談ですが立席の正式名称は「りっせき」ですが、車掌さんは「たちせき」と案内していました。「りっせき」では意味がわかりにくいので、わかりやすい「たちせき」と案内しているのでしょう。仙台から盛岡まで39分です。この所要時間は最速達のはやぶさと同じです。JR東日本の側から考えると、320km/h運転する大宮(実際には宇都宮)-盛岡で最速達列車と同じ所要時間なので、はやぶさ料金は正当ということなのでしょう。
盛岡での切り離しを見る
はやぶさ45号とこまち45号は盛岡まで連結運転、盛岡から単独運転です。その盛岡では切り離しのために4分停車します。その様子を簡単に収録しました。こまち号が先に発車、後のはやぶさ号の発車まで4分停車は上出来ではないでしょうか。
写真19. 盛岡に到着したE5系はやぶさとE6系こまち
動画1. こまち号の発車
切り離しの瞬間を動画に撮影しました。連結器カバーがすぐに閉じることがわかります。この動画を撮影してすぐに列車に乗り込みました。早くしないと乗り遅れるからね!
盛岡からはほとんど立ちがいませんでした。立席特急券は指定席に先客がいなければ、着席することができます。先ほどまで立席特急券でデッキに立っていた人も空席に身を沈めたのかもしれません。立席特急券はモヤモヤする制度なので、各座席ごとに乗車区間をはっきりと示した上で、座席未指定券を販売するほうがスッキリしますね。
北海道新幹線の景色を堪能する
新青森でさらに空き、60%程度の乗車率になります。そのため、私は空席に移動しました。新函館北斗までの間に木古内に停車しますが、ここから座席指定する人もいないだろう、という読みです。
写真20. 新青森を発車
新青森を発車しました(写真20)。新青森も新函館北斗も既存市街地から離れています。そのため、のどかな景色が広がります。
写真21. 青森近郊を行く
青森近郊を走ります(写真21)。
写真22. 在来線が合流する
北海道新幹線で特徴的なことは、約80kmを在来線と共用することです。青函トンネルを新幹線と在来線の両方で使うためです。その合流点です(写真22)。この80kmを在来線と共用することで減速運転を余儀なくされています。開業当初は140km/h運転から現在の160km/h運転に進歩していますが、それでも整備新幹線の260km/h運転よりはだいぶ遅いです。この区間を短縮することも必要でしょう。
写真23. 大自然の中を行く
そんな私の考えは関係なく、大自然の中を走ります(写真23)。
写真24. 在来線の待避線がある
在来線の待避線が見えてきました(写真24)。奥津軽いまべつ付近で在来線を走る貨物列車が新幹線列車を先に通すことができるのです。
写真25. 奥津軽いまべつを通過
現地を通るまで知りませんでしたが、奥津軽いまべつは在来線と新幹線の共用区間の中にある駅なのですね。この隣に津軽線の線路がありますので、津軽線を貨物列車が通れるように改良すれば、ボトルネックの区間は74.8kmに縮小します。
写真26. 本州側の地上風景も残りわずか
奥津軽いまべつを通過すると、青函トンネルまでは近いです。最後の本州の光景を見ておきましょう(写真26)。
写真27. 青函トンネルに入った
青函トンネルに入りました(写真27)。多くの人は青函トンネルを世界一長いトンネルと覚えているでしょうが、それは2016年5月31日までのことです。2016年6月1日からはスイスのゴッタルトベーストンネルが世界一の長さのトンネルとなっています。
写真28. 北海道に入った
世界一の座から転落しても、青函トンネルの重要性は変わりません。その青函トンネルを抜けると、北海道です(写真28)。
写真29. 貨物列車とすれ違う
貨物列車とすれ違いました(写真29)。この写真こそが新幹線と在来線(貨物列車)が同居していることを示すものです。
写真30. 知内の駅跡を通過
知内の駅跡も貨物列車の待避スペースになっています(写真30)。奥津軽いまべつと知内という待避スペースがあることから、新幹線と貨物列車が高頻度で運転できるように工夫されていることがわかります。
写真31. 荒涼とした大地を行く
写真32. 海岸も見える
北海道の景色が広がります(写真31-32)。この付近の大きな都市は函館市ですが、北海道新幹線はその函館市をかすめるように通過してしまいます。
写真33. 七飯方面が見える
ここに広がる市街地は函館市のそれではなく、七飯町のものです(写真33)。函館から七飯までは複線区間ですので、函館へのアクセスを考えるのであれば、七飯に駅があったほうが良かったでしょう。線形的にも無理がなさそうだし…。
写真34. 新函館北斗の車両基地が見える
新函館北斗の車両基地が見えました。まもなく新函館北斗です。
写真35. 新函館北斗に到着
このようにして、新函館北斗に到着しました(写真35)。
写真36. 札幌方面延伸計画にも対応!
新函館北斗から札幌まで延伸する計画があります。この対応準備はなされているようですね(写真36)。
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?
←(前)ありません(これがスタートです)
はやぶさでの東北新幹線、北海道新幹線の旅(19年GW)←今ココ!
★今回の旅行の全体的な計画~まとめは以下のページに記載しています。
北海道鉄道旅行の計画とまとめ(19年GW)
※それぞれ別ウィンドウで開きます。