京阪プレミアムカーに乗る(車内、車窓も収録!)

記事上部注釈
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京阪電鉄といえば、独特の魅力をもつ特急。2017年からこのラインナップの1つにプレミアムカーが加わりました。2019年の変哲のない日に実際に乗って、魅力と利用実態を確かめてみました。

京阪8000系(淀屋橋)

写真1. この車両にプレミアムカーが連結されている

復習:京阪プレミアムカーの概要

まず、京阪プレミアムカーの概要について確認しましょう。

京阪プレミアムカーの概要

・運転区間:淀屋橋-出町柳
 ※ライナーは例外的に樟葉発着もあります
・車両・号車:8000系(2ドア車)の6号車
・料金:500円(ただし、枚方市、樟葉を発着駅に含む場合は400円)
・種別:特急、快速特急の一部、ライナーの全列車に連結
・発売箇所:特急停車駅の窓口

プレミアムカーは8000系(2ドア車)の6号車に連結されています。8000系は原則として、特急、快速特急とライナーにしか使われませんので、プレミアムカーも必然的にこれらの種別にしか連結されていません。京阪の時刻表を見ましたが、プレミアムカーが連結されている急行はありませんでした。なお、特急や快速特急だからといって必ずプレミアムカーが連結されているというわけではありません。他の車両を使う列車もありますから、その車両を使う場合はプレミアムカーを連結していません。ただし、ライナーは必ずプレミアムカーが連結されます。ライナーは2ドア車の8000系が必ず使われるためです。ライナーに乗る際はライナー券が必要ですが、プレミアムカーに乗る場合に限ってはライナー券は不要です。ちょうど、首都圏のライナーのグリーン車にライナー券不要で乗車できることと同じです。

料金は500円です。ただし、乗車距離が短い枚方市と樟葉発着の場合は400円で済みます。別のいいかたをすると、距離の長い場合(京都市内-大阪市内)に乗る場合は、500円かかります。中書島や丹波橋も京都市内であることにご留意ください。

写真2. 駅事務室でプレミアムカーの券を売っている

プレミアムカーは2017年に始まったサービスです。2017年は多くの人がスマートフォンを持っている時代です。そのため、ネット予約が前提の購入方法です。ただし、この方法だと会員登録が必要ですので、一見さんは使いにくいです。その弱点を補うために、駅の窓口で発売しています(写真2)。後で述べますが、座席割と窓割は一致していませんが、駅窓口で発券してもらう際に窓割を確認できるようになっています。私のような人にとっては自動券売機が望ましいですが、多くの人がインターネット予約をする以上、なるべく口座を減らして、システム構築コストを削減しようという意図を感じます。主流はネット予約なのです。なお、ネット予約は京阪の公式サイトから可能です。

写真3. レシートのような座席指定券

なお、プレミアムカーの座席指定券は、レシートのようなものです(写真3)。ファンとしてはがっかりですが、実用上は問題ありません。また、車内にはアテンダントさんがいます。JR東日本のグリーンアテンダントは女性ばかりでしたので、女性のアテンダントさんが来ることを想定していましたが、男性のアテンダントさんでした。車内誌の配布など、きちんと業務をこなす方でした。

京阪プレミアムカーの車内

さて、京阪プレミアムカーの概要を確認したところで、実際の車内を見てみましょう。デッキ部分と客席部分に仕切りがあり(ただし、扉はない)、横3列の座席配列であることが大きな特徴です。

京阪プレミアムカー車内

写真4. デッキ仕切りがない出入口

京阪プレミアムカーには出入口と客席を仕切る壁こそありますが、その壁に仕切扉はありません。駅停車時の騒音がモロに客席に伝わってしまうのです。

京阪プレミアムカー車内

写真5. 客室全体

客室全体です(写真5)。横2列+横1列の合計3列の座席が続いていることがわかります。2017年登場の車両でデザイン面も工夫が凝らされていて、現代的な風合いながらも落ち着いた雰囲気になっています。

京阪プレミアムカー車内

写真6. 間接照明も美しい

間接照明も美しいです(写真6)。電球色であることも良いですね。2000年代以降、電球色が普及してきたようにも思えます。

京阪プレミアムカー車内

写真7. ゆったりとした座席

ゆったりとした座席です(写真7)。京阪はJRほど横幅は広くありませんが、横3列とすることで、座席のゆとりを実現しています。

京阪プレミアムカー車内

写真8. ブラインド用の枠も確保

京阪プレミアムカーは既存車両の改造です。そのため、窓割と座席割が一致しません。私のように気にする人は駅の窓口で確認すれば良いですが、窓割を気にしない人も巻き込む大きな問題は、カーテンやブラインドを自由に扱えないことです。京阪プレミアムカーは窓割とは別に座席ごとにブラインドを新設しています。そのため、自分の席の日よけを使うかどうかを自由に決められることになります。これで、座席割と窓割が一致していないことによる不具合の半分は解消していることになります。

京阪プレミアムカー車内

写真9. 座席背面にテーブルがある

座席背面にはテーブルがあります(写真9)。これで、飲食をしたり、パソコンで作業したり、と思い思いの時間を過ごすことができます。

京阪プレミアムカー車内

写真10. 床にも間接照明!

床を見てみると、塩ビシートではなく、ロールカーペットであることがわかります(写真10)。その床に対して、間接照明(※)が照らされています。

※本来の間接照明の定義は、床を直接照らさない照明というものです。その定義をそのまま信じると、この照明は床を直接照らしているので、この照明は間接照明ではなく、直接照明になります。しかし、乗客の目には光源が入らないことから、ここでは間接照明として記載させていただきました。

京阪特急の車窓から

車内を紹介したところで、実際に車窓を堪能しましょう。京阪は天満橋ー七条で地上区間を走ります(ただし、天満橋と七条じたいはいずれも地下駅)ので、その区間を中心に記録します。

写真11. 地上に上がった

天満橋を出ると、地上に上がります(写真11)。水の都大阪にふさわしく、川を渡ります。淀屋橋からの線路は南側に位置していますので、これを方向別複々線の配置にします。中之島線建設のときに、中之島線-急行線を直線にするように設計した(=将来は中之島をターミナルにするつもりだった?)ので、ポイントを渡ります。結局、この配線はミステイクでしたね。京橋に着くと、わがプレミアムカーには何人か入ってきます。普通の座席だと着席が困難でしょうから、プレミアムカーの本領発揮ですね。

写真12. 複々線区間を行く

京橋からは本格的な複々線区間です。急行線は内側を走ります。急行線が外側にあると、速達列車が一直線で走れなくなります。ただし、折り返しはやりにくくなります。京阪の場合、複々線内で折り返す系統がないので、大きなデメリットにはなっていません。

写真13. おおさか東線と交差する

野江手前でおおさか東線と交差します。野江で乗りかえられますね。

写真14. 複々線を行く

複々線区間を快調に飛ばします(写真14)。京阪特急は京橋と枚方市の間はノンストップなので、複々線区間は快調に飛ばせるのです(写真14)。

写真15. 萱島の車両基地を見る

萱島で複々線は終了です。その萱島には車両基地があります(写真15)。

写真16. 団地が広がる

(駅名ではない)寝屋川市は人口20万人都市ですので、団地も目立ちます(写真16)。このような場所に育った人であれば、旧社会主義国の団地に親しみを覚えるかもしれません(例えば、プラハ市郊外とか)。

写真17. まもなく枚方市

枚方市に停車します(写真17)。人口40万人を数え、実は大きな都市です。そのため、ここに特急が停車することも納得できます。そのような背景があるのか、樟葉よりも前に特急停車駅になっています。

写真18. 枚方市に停車

枚方市ではそれなりに乗り込みます(写真18)。プレミアムカーにも何人か乗ってきました。この区間だと特急は少し空いているイメージがありますが、それでもプレミアムカーに乗るのですね。

写真19. 樟葉の団地が見えてきた

枚方市からは特急といえども、細かく停車します。この区間には特急以外の速達列車がないことも多いためです。それでも、八幡市や清水五条など、急行停車駅といえども通過する駅はあります。樟葉に近づくと、団地が見えます(写真19)。この反対側は淀川ですので、線路の両側の景色のコントラストが激しいですね。

写真20. 樟葉に停車!

樟葉に停車します(写真20)。くずはモールがあるなど、京阪の中で戦略的に重視したい駅なのか、特急も停車します。

写真21. のどかな景色が広がる

のどかな景色が広がります(写真21)。大阪府と京都府の境界付近はのどかなところもあるのです。

写真22. 川を渡る

写真23. 川を渡る

八幡市を出ると、川を渡ります(写真22-23)。写真が2枚ありますが、1枚は失敗作、1枚は成功作という意味で掲載したわけではありません。2本の川を渡ったのです。最初は木津川、次が宇治川です。

写真24. 淀付近の高架区間を行く

淀は高架になりました(写真24)。八幡市から中書島までは駅間距離が長く、この間に淀しかないにも関わらず、距離は7.9kmです。平均駅間距離は3.95kmにもなります。

写真25. のどかな景色を行く

この区間は宇治川沿いなので、なかなか開発できなかった事情もあるでしょう。そのためか、のどかな景色が広がります。そうして中書島に停車します。

写真26. 中書島で宇治線と分かれる

中書島を発車すると、宇治線と分かれます。宇治線はプレミアムカー連結のダイヤ改正の前日に訪問しています。中書島からは京都市の住宅街に入り、一気に雰囲気が変わったように感じます。

写真27. 丹波橋に停車

中書島から1駅通過して、丹波橋に停車します。ここも特急停車駅です。中書島は宇治方面への乗りかえ駅として、丹波橋は(近鉄経由で)京都駅連絡という役割があります。宇治線が中書島ではなく、伏見桃山に乗り入れていたら、特急停車駅は1駅で済んでいたかもしれません。

写真28. 奈良線を越える

JR奈良線を超えます。JRとの接続駅は東福寺です。東福寺には特急は停車しません。そして、地下区間に入ります。

写真29. 出町柳に到着

出町柳に着きました(写真29)。このようにして、プレミアムカーとの触れ合いは幕を閉じたのです。

京阪プレミアムカーの今後を占う

平日の午前中の京都方面行きに乗りましたが、ガラガラということもなく、それなりに乗っていることが分かりました。逆に、当日でも空席がありました。これは、着席サービスとしてはちょうど良い(空席がある=飛び乗ることが可能)ことを示します。このようなことを考えると、着席サービスとしてのプレミアムカーは良いサービスと考えることができます。2017年ダイヤ改正前の特急は7両編成で、現在のプレミアムカー抜きの定員と同じです。2017年に輸送できていたことを考えると、プレミアムカー以外が混雑してどうしようもないこともないでしょう。

今後は3000系にもプレミアムカーを設置して、連結列車は増えるとも聞いています。上記のことを考えると、これはこれでアリな選択です。ただし、一般車の混雑緩和と着席率向上が王道です。特急の増結は無理にしても、混雑する場合は樟葉まで救済する意味で区間運転の急行を運転したりと、きめ細かい対応をお願いしたいところです。

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