北海道最東端の地を訪問:納沙布岬の行きかたも紹介

記事上部注釈
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北海道最東端の地といえば、納沙布岬です。この地はイメージとは裏腹にバスによる訪問も可能です。バスで納沙布岬を訪れるアクセス方法や現地の魅力を紹介しましょう。

納沙布岬

写真1. 最果ての地の納沙布岬

納沙布岬の概要

図1. 納沙布岬の位置(googleマップから引用)

納沙布岬の概要について、wikipedia先生に聞いてみると、以下の答えが返ってきました。

北海道根室市にある岬である。根室半島の先端、東経145°49′、北緯43°22′に位置する。離島を除けば日本の本土最東端にあたる。このため、一般人が訪問可能な日本最東端地点である。なお、読み方が似ている “野寒布岬(のしゃっぷみさき)” は北海道稚内市にある岬である。

引用元:wikipedia先生など

簡単にいうと、普通の日本人が訪問できる国内旅行の地としては、最も東に位置する場所ということです。納沙布岬のさらに東にはいわゆる北方領土がありますが、ここの実質的な運営はロシア連邦によってなされています。そのため、北方領土は一般的な国内旅行で訪問することはできません。北方領土については、現地でたくさん学習できます。

そのような御託はともかくとして、私たちのような旅行者にとって重要なことは、どのように行くかということです。ほとんどの人は自動車で向かいますが、私のような鉄道旅行を行う者にもアクセスが可能です。根室交通のバスで向かいます。詳しいことは根室交通のバス時刻表(納沙布線をクリック)を参照してもらうとして、2019年GW時点では以下の5本が運転されています(土休日は1日4本)。

・根室駅前6:30→納沙布岬7:14/7:24→根室駅前8:08 (滞在時間10分、平日のみ運転)
・根室駅前8:20→納沙布岬9:04/9:55→根室駅前10:39 (滞在時間51分)
・根室駅前11:00→納沙布岬11:44/12:40→根室駅前13:24 (滞在時間56分)
・根室駅前13:35→納沙布岬14:19/15:10→根室駅前15:24 (滞在時間51分)
・根室駅前16:20→納沙布岬17:04/17:40→根室駅前18:24 (滞在時間36分)

片道1070円ですが、根室駅に隣接したバスターミナルでは往復乗車券(往復1930円)が発売されています。私は駅から乗車、納沙布岬を観光、その後市内で下車という行程で辿りましたが、駅から駅の往復乗車券で全く問題ありませんでした。2人の場合は4枚つづりの回数券があり、その回数券で2人の往復利用もできます。

また、市内観光にぴったりの1日乗車券(2040円)もあります。1日目に根室入り、2日目に市内中心部(例えば市役所前バス停)から市内観光をする人は、根室についた日にあらかじめ1日乗車券を買うと良いでしょう。発売箇所が駅前バスターミナルに限定されているためです。

実際にバスに乗って納沙布岬を訪問する

私は根室駅に15:56に着く普通列車に乗ってやってきたので、最後の便しか選択肢がありません。現地滞在時間は36分ですね。ちょっと短いと予想していましたが、意外とちょうど良かったです。

写真2. 根室駅前にあるバスターミナル

根室駅を出て左手にバスターミナルがあります(写真2)。ここには売店やトイレもありますので、待ち時間を有効活用できます。花咲線の時刻も示されていて親切さを感じましたが、自らも釧路までのバス路線を有しています。それなのに、商売敵の時刻を示すとは大胆ですね…。窓口でこの日の宿泊先に近いバス停を案内してもらい、往復乗車券を購入しました。知らない土地で窓口による案内を受けられるのはありがたいことです。

写真3. ガラガラのバス車内

バスがやってきました。夕方から行こうという客は珍しいのか、ほとんどがら空きでした(写真3)。なお、途中から地元の人が乗り込んでいます。生活路線としても最低限の機能を果たしています。

写真4. 根室の市街地を走る

写真5. 根室の市街地を走る

納沙布線といっても、観光客専用というわけではありません。地元のバス路線がそのまま納沙布岬まで延長されたという路線形態です。そのため、市街地を走ります。もしかして、市街地の中に納沙布岬があるのかな、と疑い始めたころ(根室高校前を出たころ)です。

写真6. 原野を走る

原野に出ました(写真6)。やはり根室は最果ての地です。

写真7. 原野に漁船?

原野に住宅がありました。なぜ漁船があるのだろう?(写真7)

写真8. 美しい湖

美しい湖が広がります。オンネ沼でしょうか。

写真9. 白の鳥居が特徴的な双沖神社

写真10. 白の鳥居が特徴的な双沖神社

白の鳥居の神社は珍しいです(写真9-10)。双沖神社です。「ふたおき」と読みます。

写真11. 望郷の塔 オーロラタワーが見える(納沙布岬本体ではない!)

歯舞という集落を過ぎ、車窓左手に塔が見えます。これは、納沙布岬ではなく、オーロラタワーと呼ばれる展望台です(写真11)。私は登っていませんが、北方領土まで見渡すことができます。

写真12. 終点に到着!

このようにして終点に到着しました。

納沙布岬を探索する

滞在時間36分で納沙布岬周辺を探索してみましょう。

写真13. 公衆トイレもある

公衆トイレがバス停と納沙布岬の間にあります(写真13)。

写真14. 北方領土だけでなく千島列島の返還も要求

バス停からまっすぐ海岸線に進むと、碑があります。千島列島の返還も要求しています(写真14)。

写真15. 納沙布岬を示す碑

納沙布岬を示す碑もあります(写真15)。実はここは納沙布岬ではありませんが…。本当の納沙布岬に行く人は少なかったです。

写真16. 北方領土をわかりやすく示す地図

写真17. 北方領土をわかりやすく示す地図

ここから北方領土が見ることができます。そこで、北方領土の地図が示されています(写真16-17)。これなら、どこがどの島かわかります。

写真18. 国後島が見える

写真19. 国後島が見える

このように、国後島が見えます(写真18-19)。ここが現在、ロシアの実効支配です。つまり、私が見えているのはロシアなのです。ただし、そのような概念なくして眺めると、単なる島です。国境がどれほど馬鹿らしいかということがわかります。

写真20. 歯舞群島が見える

こちらは歯舞群島です(写真20)。単なる島ですが、ここに到達したら、ロシアに睨まれてしまいます。私見ですが、北方領土が日本に返還される可能性はかなり低いでしょう。北方領土が日本に返還されたら、カリーニングラード地方(旧ドイツ領)は?西ウクライナ(旧ポーランド領)は?いろいろ掘り起こされると面倒な問題が芋づる式に出てしまいます。北方領土は政治的にさまざまな側面はあるでしょうが、行き来が自由になることが一番良いことです。

写真21. 美しい海

人間が国境をどう考えようと、私の目の前には海が広がっています(写真21)。

写真22. 返せとカエルのコラボレーション

北方領土を返せとカエルのコラボレーションです(写真22)。これはちょっとオヤジギャグかな?

納沙布岬

写真23. 本当の納沙布岬

これが本当の納沙布岬です(写真23)。意外とこちらに来る人がいません。みんな北方領土が見える場所のほうが良いのでしょうか?それとも、本物の納沙布岬が地味だからかな?

写真24. 四島の架け橋

写真25. 四島の架け橋

四島の架け橋です(写真24-25)。ソ連はドサクサに紛れて当時中立条約を結んでいた日本の領土に攻め入って、そのまま居座りました。ソ連の美しい手口です。ソ連はワルシャワでも民衆を蜂起させて、結局見殺しにしたこともあります。そのような経緯が現在まで尾を引いています。

写真26. 望郷の塔 オーロラタワー

オーロラタワーがあります(写真26)。9:00~17:00まで営業しています。17:00になると閉まるのですね。納沙布岬近くの売店も食事は17:00までとなっていました。18:00くらいまでやってくれると、もう少し楽しめますが、GWであってもそう人がいないのが現実です。このように、私の36分間の滞在時間は終わりを迎えました。

夕日を満喫してのバス

このように観光した後、バスに乗りました。

写真27. やってきた根室交通のバス

ここ始発のバスがやってきました(写真27)。がら空きですが、往路よりも混んでいましたが、容易に座席に座れます。

写真28. 太平洋が見える

帰りは太平洋を見える側の席に座りました。その結果、太平洋が見えます(写真28)。

写真29. 夕日が美しい

写真30. 夕日が美しい

反対の窓からは美しい夕日が見えます。写真だと美しさがあまりわかりません(写真29-30)。こうして私は夜の闇の中、市役所前のバス停で降りて、宿泊先に向かいました。宿泊先では夕食が出ませんでしたので、街の飲食店を探しました。なぜかどこも満席で、よく見ると地元の人のコミュニティとして機能しているようです。空いている店に入りましたが、少し食べた後に、ガラの悪いお客さんに絡まれてしまいました。そのような場所では私は放ってほしいので、そそくさと店を出てしまいました。おいしいおにぎりの差し入れをくれたり(=無償でした)した店なので、もう少し滞在したかったのですが…。

写真31. 翌朝見た北方領土返還の要求

翌朝、根室市の市役所(だったかな)に、北方領土返還の要求が掲げられていました(写真31)。日本とロシアの境界なので、中央にはわからない諸問題や交流があるのでしょう。

前後を読みたい!

さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?

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★今回の旅行の全体的な計画~まとめは以下のページに記載しています。
北海道鉄道旅行の計画とまとめ(19年GW)

※それぞれ別ウィンドウで開きます。

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