日本のJRには多くの路線がありますが、その中で同一市内で完結する路線は少なく、その1つが可部線です。そんな可部線の前面展望を満喫しました。
写真1. あき亀山に停車中の様子
可部線の概要
可部線の概要を紹介します。
・区間:横川-あき亀山
※列車は広島発着です。
・距離:15.6km
※広島-あき亀山は18.6kmです
・所要時間:42分前後
※広島-あき亀山の所要時間です
・運転間隔:日中は20分間隔
もともと可部線は横川(よこかわではなく、よこがわと読みます)から三段峡までの路線でした。しかし、採算性の問題から可部-三段峡は廃止されました。その後、廃止区間のうち可部よりは住民の希望があり、復活しています。
ここまで起点は横川と説明しましたが、実際の列車は広島発着です。広島から横川は山陽本線を走行します。現在は全列車、その途中の新白島にもとまっています。また、広島駅のホームの使用状況や関係路線のダイヤなどを総合的に判断し、山陽本線や呉線に直通する運用もあります。
現在は全列車普通です。かつてはラッシュ時に快速も運転されていましたが、現在は全列車普通です。広島に近いほうと遠いほうで輸送量が異なりますので、中間の緑井で折り返す便もあります(朝に3往復だけ梅林折り返しがあります)。朝と夕ラッシュ時は12分間隔、日中時間帯は20分間隔で運転されていて、緑井以北では40分間隔になることもあります。
なお、可部線は全線単線で、最大4両編成です。朝ラッシュ時は飽和に近いくらいの輸送量となりますので、横川から広島まで乗る際は山陽本線系統の列車利用を奨励する掲示物もありました。
車両は全列車227系電車です。かつては105系というロングシート車が主力(※)でしたが、現在は全列車転換クロスシート車です。都市内電車の可部線はロングシートのほうが良さそうですが、これは長距離利用が多い、他の路線と車両を共用化したためでしょう。
※113系、115系のようなクロスシート車もやってくることがありました。2010年に乗車したことがありますが、このときは115系の2ドア車だった記憶があります。
※227系電車の内装を取り上げました!JR227系(広島地区)の車内をご覧ください!
可部線の前面展望を楽しむ
さて、実際に可部線に乗ってみましょう!
写真2. 横川に到着する可部線
可部線がやってきました(写真2)。昼の郊外方向に向かう列車なのに、満席です。クロスシートから車窓を満喫しようと思いましたが、これでは不可能です。そのため、しょうがなく運転席後ろに立つことにしました。
写真3. 横川を発車!
横川を発車します(写真3)。もう単線です。
写真4. 太田川放水路を渡る
太田川放水路を渡ります(写真4)。
写真5. 三滝に停車!
三滝に停車します(写真5)。放水路の反対側は山があり、あまり駅勢圏は広くなさそうです。
写真6. 三滝に停車中!
その三滝に停車中です(写真6)。
写真7. 三滝を発車した
三滝を発車するとカーブがあります(写真7)。このようなカーブが多いと、あまり速度が出ません。
写真8. 安芸長束に停車!
そうしているうちに、次の安芸長束が見えてきました。「あきながつか」と読みます。ここから乗る人もいるようです。
写真9. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真9)。アストラムライン沿線よりは街が古いように感じます。
写真10. 下祗園に停車!
下祗園に停車します(写真10)。地名は祇園なのに下祗園と命名するのはなぜなのでしょうか。
写真11. 多くが降りる
意外なことに多くの乗客が降ります(写真11)。イオンに向かう人が多いのでしょうか。
図1. 下祗園からイオンモール広島祇園への経路(googleマップより引用)
写真12. 下祗園を発車!
下祗園を発車しました(写真12)。昔からの街というには新しすぎ、新興住宅街といえば古すぎる場所を走ります。
写真13. 減速信号が現示されている
減速信号が現示されています(写真13)。遠くない信号機が停止信号が現示してるためです。
写真14. 注意信号が現示されている
注意信号が現示されています(写真14)。この先の信号機は停止信号です。
写真15. 古市橋に停車!
そうしているうちに、古市橋に停車します(写真15)。
写真16. 広島行きがやってきた
広島行きがやってきました(写真16)。行き違いをするので、出発信号機が停止信号だったのです。とはいえ、だいぶ手前から減速しているのは効率が悪いです。このあたりのオペレーションを変えることで、若干のスピードアップは可能でしょう。
写真17. ポイントが切り替わった
ポイントが切り替わりました。いよいよ古市橋を発車します(写真17)。
写真18. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真18)。一戸建てが多い印象があります。
写真19. 大町に停車
そして、大町に停車します(写真19)。ここでアストラムラインと連絡しますが、ホームは片面のみで行き違いはできません。
写真20. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真20)。
写真21. まもなく緑井に停車!
緑井が近づいてきました(写真21)。
写真22. 緑井に停車!
緑井に停車します(写真22)。駅の東側には小規模ながらもショッピングセンターが直結しており、それなりに拠点性があることもわかります。日中時間帯は3本に1本が緑井折り返しであり、ここから本数が減少します。
写真23. 風景は変わらない
そうはいっても、風景は特段変わることはありません(写真23)。ただし、心なしか線路の勾配がきつくなったような気がします。
写真24. 七軒茶屋に停車!
七軒茶屋に停車します(写真24)。前の緑井から0.7kmしかなく、駅間距離は可部線の中で最も短いです。
写真25. 減速信号が現示されている
減速信号が現示されています(写真25)。次の梅林でまた行き違い待ちをするのです。
写真26. 八木緑井線と並走する
道路の八木緑井線と並走します(写真26)。このような光景は路面電車のように見えます。5両編成以上が走らないことも合わせて、そのような感想を強くします。
写真27. 梅林に停車!
梅林に停車します(写真27)。梅林は「ばいりん」と読みます。
写真28. 広島行きがやってきた
広島行きがやってきました(写真28)。
写真29. 広島行きが停車中
広島行きが停車中です(写真29)。意外と乗っているように見えます。
図4. 梅林と玖村の歩行経路
梅林は芸備線の玖村とそう離れていません(図4)。歩いて移動することもできます。三次方面と可部方面の行き来には選択肢として考慮すると良いかもしれません。
写真30. 梅林を発車!
梅林を発車します(写真30)。この先で八木緑井線を渡ります。
写真31. 八木緑井線を渡る
八木緑井線を行く自動車を待たせてながら、道路の反対側に移ります(写真31)。
写真32. 郊外的な風景を走る
郊外的な風景を走ります(写真32)。ちょっとずつ家が減ってきたように感じます。
写真33. 路地裏を走る
路地裏を走る感じがあります(写真33)。
写真34. 八木緑井線のところに帰ってきた
また八木緑井線と並走します(写真34)。まもなく上八木です。
写真35. 上八木に停車!
上八木に停車します(写真35)。梅林から上八木は駅間距離が1.6kmあり、2021年現在では可部線で最も長い駅間距離です。
写真36. 上八木を発車すると右に曲がる
上八木を発車すると右に曲がります(写真36)。
写真37. 太田川を渡る
太田川を渡ります(写真37)。
写真38. 太田川を渡る
太田川を渡ります(写真38)。これからは太田川の左岸を走るのです。
写真39. まもなく中島
川を渡ると中島です(写真39)。
写真40. 中島のホームが見えてきた
中島のホームが見えてきました(写真40)。
写真41. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真41)。とはいっても、横川付近よりもだいぶ住宅の密度が減っているように思います。
写真42. 可部の街が近づいてきた
可部の街が近づいてきました(写真42)。
写真43. 可部に停車!
可部に停車します(写真43)。
写真44. 可部に停車中
可部に停車中です(写真44)。ここから2017年3月に復活・開業した区間です。
写真45. 広島行きがやってきた
広島行きがやってきました(写真45)。
写真46. 可部を発車!
可部を発車しました(写真46)。住宅街を走ります。可部-河戸は廃線後に電化して復活した区間です。地元の費用負担で復活した区間です。地元が費用負担したということは、それだけ人がいたということです。
写真47. 架線柱が新しい
架線柱は新しく、新規開業を思わせます(写真47)。2003年に可部-三段峡が廃止された際は電化されていなかったので、2017年の復活で初めて電化されたことになります。
写真48. 河戸帆待川に停車!
最後の中間駅の河戸帆待川に停車します(写真48)。「こうどほまちがわ」と読みます。単に河戸でも良かったような気がします。
写真49. 住宅街を走る
住宅街を走ります(写真49)。
写真50. あき亀山が近づいてきた
あき亀山が近づいてきました(写真50)。あき亀山と旧国名がひらがな表記なのは、2003年に廃駅となった安芸亀山と離れており、そこと異なる駅であることを示すためとされています。
図4. あき亀山駅から安芸亀山駅跡までの経路(googleマップより引用)
確かに、あき亀山と安芸亀山は離れていますね(図4)。
写真51. あき亀山に到着!
あき亀山に到着です(写真51)。ここまで乗っていた乗客は少なかったです。
写真52. あき亀山に停車中の様子
あき亀山の駅前には何もなく、昼食時にも関わらず、飲食店がないことがこたえました。近くにある飲食店は施設がやっているカフェで、営業日が週4日とあまりやる気を感じさせません。外部には厳しい場所と思いました。
可部線に乗ってみて
休日の昼間に乗りましたが、そこそこ乗客が乗っており、20分間隔では本数不足のように感じました(復路も同様に感じました)。特に、広島-緑井は大町以外で行き違いが可能、駅間距離も短く、交換駅が多いという条件を考えると、単線であることの不利益は小さいように思います。また、交換駅手前の減速信号をなくし、最高速度を80km/hに向上すれば、15分間隔運転が可能です。
緑井以南が15分間隔となれば、緑井以北は30分間隔運転が可能です。また、朝夕は10分間隔(現在は12分間隔です)に変更して、少しでも便利な鉄道となってもらいたいものです。そして、運転間隔を縮小するために若干スピードアップすれば、あき亀山周辺ももう少し発展するかもしれません。
廃線を復活したのですから、これからも少しでも輸送品質の維持・向上に努めてもらいたいものです。
さて、前後ではどこに行ったのでしょうか?
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