近鉄の快速急行に乗る(大阪難波→大和西大寺、車窓も収録!)

記事上部注釈
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近鉄でも最も流動の多い区間の1つが大阪から奈良でしょう。その両都市を結ぶ快速急行に乗ってみました。大阪と奈良の移動方法の概要を述べるとともに、通勤電車にはめったにない絶景も収録しています。

写真1. 大和西大寺に着いた快速急行

復習:大阪と奈良の移動の概要

大阪と奈良の移動はJR大和路線と近鉄奈良線がありますが、ここでは近鉄サイドについて簡単に確認しましょう。

近鉄での大阪と奈良の移動の概要
  • 区間:大阪難波-近鉄奈良
  • 所要時間:約36~43分
  • 運転間隔:約10分間隔
  • 運賃:570円

図1. 近鉄奈良と大阪難波の移動経路(googleマップより引用)

大阪側の拠点は大阪難波、奈良側の拠点は近鉄奈良とされています。大阪難波は「ミナミ」の中心である難波地区にあり、近鉄奈良は奈良市の中心にあります。奈良にも難波にもJRと近鉄双方の駅がありますが、以下のようになっています。

  • 難波:近鉄の駅のほうが中心に近く、JR難波はもはや「難波」というくくりではない
  • 奈良:近鉄の駅のほうが中心や観光地に近く、JRの奈良は街はずれに位置

近鉄は難波と奈良の双方で立地は優位にあり、JRより戦いは有利です。とはいえ、JRは天王寺や大阪駅(梅田地区)を通ったり、近鉄の速達列車の半分は神戸(駅名は神戸三宮)-奈良を直通するなど、それぞれの良さがあります。

JRの速達列車は15分間隔である一方、近鉄の速達列車は約10分間隔と、運転頻度も近鉄のほうが勝っています。約10分間隔というのは文句のない運転頻度だと思います。近鉄の速達列車は急行快速急行です。急行が20分間隔、快速急行が20分間隔で走ります。

近鉄奈良線路線図

図2. 近鉄奈良線の路線図

快速急行急行も停車駅の数はあまり変わりません。布施と石切を通過するか否かです。よって、両者には追い抜きが発生せず、先発が先着します。わかりやすいですね。なお、準急区間準急だと抜かされますし、多くが手前の大和西大寺で折り返すので、奈良方面に向かうには快速急行急行に乗ることになります。

快速急行の多くは大阪難波発着ではなく、阪神電車に乗り入れ、神戸三宮発着です。別のいいかたをすると、奈良と神戸を結びます。余談ですが、阪神電車では快速急行は水色で表記されます。また、以前は大阪難波駅は近鉄難波と称していました。しかし、阪神電車が乗り入れるのに先立ち、近鉄難波から大阪難波に改称されました(「近鉄」の駅に「阪神」が乗り入れるのも都合が悪いと考えたのでしょう)。

急行は基本的に大阪難波発着です。神戸からの直通はなく、ある意味大阪難波と近鉄奈良の移動に特化した形態です。

実際に前面展望を満喫する

大阪難波で見たのは、大阪難波始発の快速急行です。

写真2. 快速急行奈良行きが停車中

私は九条から阪神なんば線に乗ったので、車内から撮影しています(写真2)。快速急行奈良行きです。上で快速急行は主に阪神直通と述べましたが、朝を中心に阪神線に入らない快速急行が設定されています。私が乗った大阪難波8:41発は8両編成ですが、急行だと10両編成が不可(布施が10両非対応)という点もありましょう。

写真3. 車内はロングシート

車内はロングシートです(写真3)。近鉄奈良線の一部の車両はクロスシートモードにも変換できる、L&C車も運用されていますが、それらの多くは阪神直通運用に充当されています。したがって、残りの車両の多くはロングシート車となります。個人的には5200系を充当して欲しいとも思いますが、それは望み過ぎなのでしょうか。

写真4. 運転席後ろにも座席がある

この車両は運転席後ろにも座席があります(写真4)。関西民鉄の多くは運転席後ろに席があり、運転席も見えやすいのでその点は素晴らしいと感じます。

さて、実際に乗ってみましょう。大阪難波から鶴橋の手前までは地下区間です。

写真5. 次は日本橋に停車!

次は日本橋に停車します。この表示でも8両とわかりますね(写真5)。

写真6. 大阪上本町手前でひのとりとすれ違う

上本町の手前でひのとりとすれ違います(写真6)。近鉄は奈良線系統は大阪難波や阪神線に直通、大阪線系統は大阪上本町発着です。ただし、大阪難波発着のほうが便利なのは確かですから、大阪線方面の特急であっても、大阪難波に直通するのです。

写真7. 鶴橋の手前で地上に上がる

鶴橋の手前で地上に上がります(写真7)。

写真8. 鶴橋に停車!

鶴橋に停車します(写真8)。ここは方向別複々線です。したがって、大阪難波方面から大阪線に向かう人がここで乗りかえることができて便利です。

写真9. 鶴橋に停車中

鶴橋に停車中です(写真9)。鶴橋は大阪環状線との乗りかえ駅なので、それなりに利用があります。近鉄沿線から梅田方面に向かうには、大阪難波で地下鉄に乗りかえるよりも便利でしょう。

写真10. 今里を通過!

今里を通過します(写真10)。前に見えているのは、近鉄大阪線の各駅停車です。今里の配線は2面4線でなく、3面4線です。せっかくの方向別複々線なのに、今里から鶴橋方面に行くのには今度の電車が発車するホームを確認せねばならず、不便です。2面4線であればもう少し便利でした。

写真11. まもなく布施を通過!

まもなく布施を通過します。その前に奈良線方面と大阪線方面で線路が上下に分かれます(写真11)。

写真12. 奈良線の各駅停車を抜かす

布施で奈良線の各駅停車を抜かします(写真12)。線路名称としては、上本町から布施までは大阪線、布施から奈良線です。ここも上層が奈良線系統、下層が大阪線系統と、布施からの乗車には不便な構造です。下り線を上層、上り線を下層(逆でも可能)であれば、布施から鶴橋方面の乗車は便利になっていました。このような重厚な設備は利便性をよく検討してから計画しないと、後の世代に不便さを残すという一例に感じます。

写真13. 高架区間を走る

このあたりは高架区間で、地上からの高さも高いです(写真13)。

写真14. 八戸ノ里を通過!

八戸ノ里を通過します(写真14)。「やえのさと」と読みます。ここでも追い越しは可能です。布施から3駅目で待避設備があり、充実した設備を実感します。

写真15. 自動車道をくぐる

自動車道をくぐります(写真15)。郊外的な風景に変わりつつあるようにも見えます。

写真16. 花園を通過!

花園を通過します(写真16)。

写真17. 東花園を通過!

東花園を通過します(写真17)。布施からこのあたりまで直線です。120km/h運転も期待したいところですが、現実はせいぜい100km/h程度です。

写真18. 瓢箪山を通過!

瓢箪山を通過します(写真18)。ここも待避設備があります。もともと大阪と奈良の都市間輸送として設計された路線のためか、待避設備が多い印象があります。ここから生駒山地を越える区間に入ります。

写真19. 生駒山地の脇を走る

先ほどまでの直線区間は終了し、山地の脇をうねうね走るステージに入りました。とはいえ、住宅は多いです(写真19)。

写真20. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真20)。駅の手前に踏切もあり、典型的な郊外です。

写真21. 額田を通過!

額田を通過します(写真21)。だいぶ標高は高くなってきました。

写真22. 大阪平野を眺める

進行方向左手を眺めましょう(写真22)。大阪平野が広がります。

写真23. 大阪平野を眺める

電車が進み、少し角度が変わりました(写真23)。圧巻ですね。

写真24. 山が近づいてきた

山が近づいてきました(写真24)。

写真25. 石切を通過!

大阪府最後の駅、石切を通過します(写真25)。ここは急行停車駅ですが、快速急行は通過します。

写真26. 新生駒トンネルに入る

生駒山地を抜けるためにトンネルに入ります(写真26)。このトンネルのこちら側は大阪府、向こう側は奈良県です。

写真27. けいはんな線と並ぶ

新生駒トンネルを抜け、けいはんな線と並びます(写真27)。

写真28. 生駒に停車!

生駒に停車します(写真28)。大阪市の中心部から奈良県の駅までノンストップで走りました。関東では考えにくい輸送形態です。朝はここまでで10両編成ぶんの乗客が入るのでしょうか。大阪府内の乗客がいないと空いていそうですが、どうなのでしょうか。

写真29. 生駒を発車!

生駒を発車しました(写真29)。生駒から近鉄奈良までは比較的多くの駅に停車します。

写真30. 東生駒を通過!

東生駒を通過します(写真30)。ここにも待避設備があります。

写真31. 勾配を登る

勾配を登ります(写真31)。

写真32. 勾配を下る

と思ったら、勾配を下ります(写真32)。このあたりは丘陵地帯なのでしょう。

写真33. 富雄を通過!

富雄を通過します(写真33)。

写真34. 丘陵地帯を走る

丘陵地帯を走ります(写真34)。

写真35. 学園前に停車!

学園前に停車します(写真35)。ここも快速急行停車駅です。難波行き急行がやってきました。方向幕には大阪難波と表示されていません。

写真36. 丘陵地帯を走る

学園前を出ても平坦ではありません。このように細かな起伏があります(写真36)。

写真37. 菖蒲池付近を走行中

近鉄奈良線最後の快速急行通過駅の菖蒲池です(写真37)。ある程度家が立ち並んでいるとはいえ、10分間隔が約束されているのは、交通機関としてはかなりのレベルでしょう。

写真38. 坂を下る

坂を下ります(写真38)。

写真39. 右に曲がる

右にカーブします(写真39)。このカーブの先は大和西大寺です。

写真40. 大和西大寺の駅構内が見える

大和西大寺の駅構内が見えます(写真40)。難波・京都・奈良・橿原神宮前の4方向へのジャンクションです。

写真41. 列車がとまっている

多くの列車がとまっています(写真41)。

写真42. 大和西大寺に到着!

大和西大寺に着きました(写真42)。ここから近鉄奈良まで各駅にとまります。そして発車していきました。私がこの電車にカメラを向けていて、思いっきり警笛を鳴らされました。デジタルカメラで撮影していてそんなに目立たないのに、と思ったら、ホームの先端(黄色い線の外側)で撮影している人がいました。確かにこの人への警告は必要でしょう(その後、駅員さんが話しかけていました)。

近鉄奈良線の快速急行に乗ってみて

今回、近鉄奈良線に乗ってみました。がら空きなのに8両編成と思いましたが、生駒あたりから乗った人もいて、大阪一辺倒の流動ではないことを実感しました。この日ががら空きなのは正月の午前中だったかもしれません。私のように正月の午前中から動く人はそれほど多くなく、普段よりも乗車率が低かった可能性も指摘できます。

快速急行は速達性もそれなりにあり、急行も合わせて頻度も確保されています。また、過去の遺産か、速達列車を運転しやすい設備になっていることも確認できました。

ただし、120km/h運転がなされていなかったり、転換クロスシート車の運用がないなど、さらなるサービス向上の必要がないとは思えません(全部転換クロスシート車にする必要はないでしょう)。今後は現在のサービス水準を維持しつつ、さらなる快適性や速達性(人件費削減にも貢献)にも目を向けてもらいたいものです。

前後を読みたい!

さて、前後でどこに行ったのでしょうか。

←(前)別府から大阪への船旅

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※それぞれ別ウィンドウで開きます

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