みやこ路快速に乗る(奈良→京都、車窓も収録)

記事上部注釈
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京都と奈良を結ぶ1つの手段の奈良線の快速、みやこ路快速。古都を結ぶ役割もあり、観光にも適している列車でもあります。JRでの移動方法もまとめています。

写真1. 京都に到着したみやこ路快速(奈良行きの表示に切り替えている)

復習:JR奈良線での移動

まず、京都と奈良の移動方法について述べたあとに、みやこ路快速の概要を紹介します。

ステップ1. 京都と奈良の移動方法概要

みやこ路快速の概要を紹介する前に京都と奈良の移動の概要について述べましょう。

図1. 奈良と京都の移動経路(googleマップより引用)

京都と奈良の移動経路を示しました(図1)。京都と奈良を結ぶ路線はJR奈良線です(厳密には木津-奈良は関西本線ですが、ここではそれを無視します)。では、奈良線で京都から奈良まで移動すると、時間や運賃はどのくらいでしょうか。

※近鉄にも奈良線という路線があり、全く別の方向に行ってしまいます(奈良と大阪を結ぶ路線です)。

京都と奈良の移動の概要
  • 所要時間:45分(みやこ路快速)~70分(普通)
  • 運賃:770円
  • 運転間隔:だいたい30分間隔

所要時間は45分(みやこ路快速で奈良に向かうとき、京都に向かうときは49分)が最速ですが、この所要時間は日中時間帯に運転されるみやこ路快速の場合です。みやこ路快速は9:30~17:00の間しか運転されません

それ以外の時間帯は快速や区間快速しか運転されず、所要時間が多くかかります。例えば、朝の京都行きや夕方の奈良行きで運転される快速は所要時間が55分程度かかりますし、朝の奈良行きや夜間に設定される区間快速だと所要時間は60分程度かかります。それらの快速系が設定されていない時間帯は普通に乗り通すことになり、所要時間は70分程度もかかります。

京都と奈良の移動にかかる時間は、昼間は50分足らず、それ以外の時間帯は60分程度(最悪70分程度)と考えれば、大きく間違うことはありません。

なお、運賃は770円です。近鉄京都線よりも若干高い設定です。

運転系統の詳細は後述しますが、おおむね30分間隔です。

コラム.近鉄京都線との比較

京都と奈良の移動では、近鉄京都線を使うことも手です。では、どちらが良いのでしょうか。まず、近鉄京都線の要点をまとめます。

  • 所要時間:35分(特急)~50分程度(急行)
  • 運転間隔:15~30分程度(大和西大寺乗りかえ含む)

近鉄京都線では終日特急が走っており、35分~40分程度で走っています。特急料金を含めて1160円です。また、これとは別に急行がある程度頻繁に運転されています。急行を使うと運賃は640円です。急行の本数は日中こそ60分間隔ですが、竹田や大和西大寺乗りかえも含めるとだいたい15分間隔で運転されます。

駅の立地は京都は同じ駅、奈良は近鉄のほうが便利です。

※奈良駅に関しては2つの奈良駅に親しむをご覧ください。

全般的にJR奈良線よりも便利ですが、大和西大寺での乗りかえを含め、ある程度の知識が必要な面もあります。

快速系の停車駅

ここまでみやこ路快速だの、区間快速だのといった種別が出てきました。これらが出てきても混乱するでしょう。そこで、公式サイトの路線図(図2)を示しながら、簡単に紹介します。

図2. JR奈良線停車駅案内(おでかけネットから抜粋)

みやこ路快速の停車駅さえ覚えれば、そう難しいことではありません。

  • みやこ路快速:京都、東福寺、六地蔵、宇治、城陽、玉水、木津
  • 快速:みやこ路快速から宇治-城陽間の2駅を追加
  • 区間快速:みやこ路快速から宇治-奈良の各駅を追加

みやこ路快速が最も停車駅が少なく、それに宇治-城陽の2駅(JR小倉と新田、JR「ぐら」と「しんでん」と読みます)を追加したタイプが快速、宇治-奈良の各駅を追加したタイプを区間快速と呼んでいます。確かに京都と奈良の移動に対応することも重要ですが、地域輸送も重要なので、地域の人が使う朝夕は停車駅を増やした列車が運行されているのです。なお、みやこ路快速の「みやこ」とは平城京の奈良と平安京の京都を指したものです。

みやこ路快速は京都発で9:33~17:03で30分間隔で発車します。また、奈良発で9:27、9:53~16:53(休日は8:29、8:56、9:23もあり、9:27はなし)で30分間隔で発車します。このほかの時間帯では区間快速や快速がおおむね30分間隔で運転されます(ただし60分間隔の時間帯あり、その間に発車する普通が先着)。

みやこ路快速が運転される時間帯は京都-奈良を直通する普通も運転されていますが、途中の宇治で待ち合わせするダイヤのため、普通に乗ると「早く発車したのに遅く着く」という現象に出くわします。これは快速運転時間帯も同じです。

さて、そのみやこ路快速はどのような車両で運転されているのでしょうか。答えは、221系電車です。

写真2. 221系電車の外観

柔和な白い電車と考えれば、大きく間違えることはないでしょう(写真2)。

写真3. 221系電車の内装

このような内装で、席に座れれば旅行気分を味わうことができます。実際には近鉄京都線の特急のほうが設備が良く、旅行気分が味わえるのですが…。

実際にみやこ路快速に乗る

さて、実際にみやこ路快速に乗ってみましょう!

写真4. みやこ路快速が入線!

奈良駅にみやこ路快速が入線してきました(写真4)。221系電車です。みやこ路快速は4両編成か6両編成という知識でしたが、土曜・休日は6両編成に統一されています。これは座るチャンスが多くて良いことです。

写真5. 奈良を発車!

奈良を発車しました(写真5)。窓が汚れていますね…。

写真6. 奈良の高架を走る

奈良の高架を走ります(写真6)。

写真7. 住宅街を走る

高架区間が終わり、地上に降りました。まず、このような住宅街を走ります(写真7)。

写真8. 車両基地の近くを走る

車両基地の近くを走ります(写真8)。103系電車がありますが、もうじきこの221系電車で置き換えられる予定です。具体的には、別の路線に225系を投入、余った221系を奈良地区に転属させ、103系と201系を置き換える算段です。

写真9. 平城山を通過!

平城山を通過します(写真9)。これで「ならやま」と読みます。ここは大和路線の電車もやってきますが、日中時間帯は1時間間隔です。奈良線の普通電車が30分間隔で運転され、これらを利用することで、かろうじて30分間隔が確保されています(大阪方面-平城山も30分間隔の乗車チャンスが確保されています)。

写真10. 木津が近づいてきた

そうしているうちに木津に近づいてきました(写真10)。

写真11. 木津に停車!

木津に停車します(写真11)。奈良から1駅(普通でも2駅)しか走っていませんが、もう京都府に入っています。

写真12. 大和路線と分かれる

大和路線(関西本線)と分かれます。正式には、奈良から木津までは大和路線(関西本線)です。つまり、真の奈良線はここ木津から京都までです。木津から京都まではずっと京都府を通りますから、正確にいうと奈良を通らない奈良線ということになります。

写真13. 木津川を渡る

木津川を渡ります(写真13)。

写真14. 田舎の風景を走る

田舎の風景の中を走ります(写真14)。

写真15. 住宅街もある

住宅街もあります(写真15)。何となく関東の住宅街と色合いが違うようにも感じます。

写真16. 棚倉に停車!

棚倉に停車しました(写真16)。ここで奈良行きのみやこ路快速とすれ違います。棚倉に3分くらい停車するのであれば、奈良出発を1分遅らせれば良いのにと考えてしまいます(ダイヤを乱れにくくするための余裕でしょう)。なお、奈良線は多くの区間で単線ですので、ダイヤ作成時には行き違いも考慮せねばなりません。このロスタイムがあるので、京都行きは奈良行きよりも4分余計にかかっているのです。

写真17. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真17)。京都府の後援もあったのでしょうが、この区間に快速系30分間隔、普通30分間隔はだいぶ充実しているように感じます。

写真18. 玉水に停車!

玉水に停車します(写真18)。ここで普通電車とすれ違いました。

写真19. 複線化工事中

奈良線では一部区間を複線化しています。完成後は京都よりの京都-城陽が完全に複線化されます。このほかに、山城多賀-玉水も複線化されます(写真19)。京都-城陽は本数が多い区間の複線化ということで自然に理解できます。城陽-木津は単線区間のまま残りますが、この中間地点の山城多賀-玉水を複線化することで、みやこ路快速の行き違いをスムーズにするのでしょう。

写真20. 山城多賀を通過!

その山城多賀を通過します(写真20)。

写真21. 田園風景と住宅街が入り混じる

田園風景と住宅街が入り混じる光景を走ります(写真21)。

写真22. 長池を通過!

長池を通過します(写真22)。

写真23. 住宅街に入る

住宅街に入ります(写真23)。奈良線の「都市区間」とも呼べるのは京都-城陽ですが、その「都市区間」に近づいた感じですね。

写真24. 城陽に停車!

城陽に停車します(写真24)。ここまでは快速が30分間隔、普通が30分間隔でした。城陽から普通が30分に2本と倍増します。

写真25. 城陽を発車!

城陽を発車しました(写真25)。城陽から次の新田までは複線化工事中です。

写真26. 住宅街を走る

城陽から周囲の光景が住宅街に変わっています(写真26)。

写真27. 新田を通過!

新田を通過します(写真27)。日中時間帯のみやこ路快速は通過しますが、他の時間帯の快速は停車します。なぜなのでしょうか。

図3. 大久保と新田の位置関係(googleマップより引用)

路線図をいくら見てもわからない場合は、地図を見てみましょう(図3)。新田の近くには、近鉄の大久保があり、大久保から京都まで近鉄で向かうことができます。ここに快速をとめれば、近鉄の乗客を奪うことができます。

写真28. 複線区間を走る

複線区間を走ります(写真28)。新田から宇治までは複線区間です。

写真29. JR小倉を通過!

JR小倉を通過します(写真29)。ここは「こくら」ではなく、「ぐら」と読みます。近鉄の小倉と区別するためにJRと付けています。

写真30. まもなく宇治

まもなく宇治です(写真30)。奈良線の途中駅で最も主要な駅ですね!

写真31. 宇治に停車!

宇治に停車します(写真31)。ここは2面4線の配線で、快速が普通を追い抜くことができます。逆にいうと、ここ以外で追い抜きができません。

写真32. 宇治川を渡る

宇治川を渡ります(写真32)。この視線の先に平等院鳳凰堂があります。10円玉に描かれている平等院鳳凰堂の扉はしまったり、とじたりします。

写真33. 複線化工事区間を走る

ここから単線区間になりますが、複線化工事中です(写真33)。

写真34. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真34)。

写真35. 高架区間に入る

高架区間に入ります(写真35)。

写真36. 六地蔵に停車!

六地蔵というと、のどかな風景をイメージします。しかし、実際には都市の風景です(写真36)。ここ六地蔵にはJR奈良線のほかに、京阪宇治線と京都市営地下鉄東西線が乗り入れる、ちょっとしたジャンクションです。そういう意味合いがあるのか、みやこ路快速も停車します。

写真37. 山あいを走る

六地蔵からJR藤森までは山あいを走ります。そのため、山側はややのどかな風景が広がります(写真37)。

写真38. 桃山を通過!

桃山を通過します(写真38)。この近くには桃山南口や桃山御陵前という駅があります。いずれも伏見桃山陵(図4)に由来する駅名です。

図4. 伏見桃山陵の位置(googleマップより引用)

写真39. 複線区間を走る

複線化工事区間はJR藤森(ふじのもり)で終了し、JR藤森からは複線化されています。その複線区間を走ります(写真39)。

写真40. 稲荷に停車!

乗ったのが正月であり、伏見稲荷大社の最寄駅ですので、稲荷にも停車します(写真40)。といっても、車内はそこまで混んでいません。私が乗ったのが最後尾車両という点がそうだったのかもしれません(最後尾車両は東福寺や京都での乗りかえが不便)。

写真41. 京阪電車をくぐる

京阪電車をくぐります(写真41)。稲荷から東福寺までは京阪電車と100m程度しか離れていません。

写真42. 東福寺に停車!

東福寺に停車します(写真42)。ここで京阪電車と乗りかえることができます。特に京都駅から京阪沿線の観光地(八坂神社、平安神宮など)へのアクセスには重要な結節点です。

写真43. 鴨川を渡る

鴨川を渡ります(写真43)。

写真44. 新幹線が見える

新幹線が見えます(写真44)。

写真45. 新快速と並走

新快速と並走します(写真45)。理論上は新快速の1分前に京都に着くはずですが、稲荷停車の影響で1分ほど遅れているのでしょうか。新快速は京都で2分停車しますが、乗りかえは難しそうです。

写真46. まもなく京都!

まもなく京都です(写真46)。

写真47. 京都に到着!

京都に到着しました(写真47)。京都で便利な車両は先頭よりですので、私の乗った最後尾は空いていました。

写真48. 京都駅の発車標

京都の発車標です(写真48)。みやこ路快速は8番線とメインの駅舎に近い場所に停車しています。これはある程度の配慮なのでしょうか。

みやこ路快速に乗ってみて

みやこ路快速に乗って奈良から京都に移動しました。車両は快適な221系電車で、6両編成ということもあり(2001年のみやこ路快速は4両編成だけ)、そこまで混雑していませんでした。とはいえ、京都の駅構造からすると、6両編成の奈良より2両はあまり混んでおらず、6両編成への増結は他の車両の混雑緩和に寄与していないことも事実です。

理想は4両編成で20分間隔に増発することです。しかし、朝夕は結局6両編成が必要であれば、別途4両編成を用意することはナンセンスです。また、単線区間が混じることによるダイヤ作成上のネックもありましょう。

JR奈良線複線化工事

図5. JR奈良線複線化工事プロジェクト(JR西日本公式サイトより引用)

ところで、JR西日本では奈良線の複線化工事の最中です(図5)。これが完成すると、奈良線の増発とスピードアップが可能です。現実には、行き違い待ちの減少にともなうスピードアップにとどまるでしょう。そうはいっても、日中時間帯のみやこ路快速の行き違い停車が解消され、みやこ路快速の所要時間が45分にそろう意義は大きいです。

このほかにも、朝夕の京都-城陽の行き違い待ちがなくなり、朝夕を中心に5分程度のスピードアップもなされるでしょう。可能であれば、これで捻出した車両と乗務員で多少増発してもらいたいものです。

また、窓の清掃も忘れずに!

前後を読みたい!

さて、前後でどこに行ったのでしょうか。

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