東海道線新快速での豊橋から名古屋の移動

記事上部注釈
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名古屋地区東海道線。ここは多くの快速が運転され、102.7kmの長距離区間で15分間隔で快速系が運転されています。その西側の豊橋から名古屋まで乗ってみました。

写真1. 名古屋に到着した新快速

復習:東海道線名古屋地区の運行形態

東海道線名古屋地区停車駅一覧

図1. 東海道線名古屋地区の運行形態(wikipediaより引用、地図と異なり右が西側)

東海道線名古屋地区には多くの快速が運転されています。普通の多くが岐阜で折り返しますから、どのような快速であっても岐阜以西は各駅にとまります(個人的には新快速と特別快速は岐阜-大垣ノンストップでも良いと思っていますが)。そのため、快速に通過駅があるのは豊橋-岐阜だけです。快速の停車駅は以下のように覚えれば、特に問題ありません。

  • 通過駅があるのは豊橋-岐阜間のみで、ここを外れると各駅にとまる
  • 新快速の停車駅は、豊橋・蒲郡・岡崎・安城・刈谷・大府・金山・名古屋・尾張一宮・岐阜
  • 快速は新快速に共和を追加
  • 区間快速は快速に豊橋-岡崎の各駅を追加
  • 特別快速は大府を通過する新快速
  • このほかにイレギュラーにとまる列車がある

とても簡単な6原則です。新快速の停車駅さえ覚えれば、それなりに応用が利きます。また、快速・新快速・特別快速は追い抜きはなく、来た快速が先着します。区間快速は早朝と深夜が多く、朝ラッシュ・夕方ラッシュなどに運転される区間快速は武豊線直通ですので、豊橋や岡崎と名古屋を移動するには関係ありません。

所要時間は以下の通りです(表1)。

表1. 日中時間帯の所要時間(新快速のもの、快速は+2~+4分程度)

名古屋豊橋
豊橋52分
岡崎30分22分
岐阜19分74分
大垣32分87分

豊橋-名古屋は営業キロが72.4kmで所要時間が52分ということは、表定速度は83.5km/hです。一般に表定速度が80km/hを超える列車は「速い」列車とされます。その尺度に当てはめると「速い」列車です。反対側の名古屋-大垣も表定速度は82.5km/hであり、同様の評価が可能です。

日中時間帯は快速が30分間隔、新快速が30分間隔で運転されており、両者合わせて15分間隔です(豊橋に近づくにつれて停車駅の差による所要時間差が発生し、均等な15分間隔からずれる)。

ただし、乗客の多い時間帯は新快速や快速がなくなり、特別快速が運転されます。大府を通過して乗客を分散させるという意図です。では、特別快速を通過する大府と共和はどうするのか?武豊線直通区間快速を運転し、大府と共和から名古屋への流動は確保されます。特別快速と武豊線直通区間快速はセットで設定され、全体として輸送力と停車頻度を確保しているのです。

では、車両はどうでしょうか?


313系5000番台

313系5000番台(車端部)

313系0番台

313系0番台(車端部)

313系1000番台

313系1000番台(車端部)

写真群1. 東海道線名古屋地区の快速に充当される車両の内装

代表的な車両の内装を示しました(写真群1)。主力は313系5000番台で、最上段の2枚に示しました。全席が転換し、全席が前向きに設定できます。

ただし、車両運用の関係で313系0番台や313系1000番台が充当されることもあります。いずれもドア寄りの座席は固定されており、ドア間5列のうち1列は進行方向と逆向きです。両者の内装は似ていますが、313系0番台は車端部はボックスシート、313系1000番台の車端部はロングシートです。

私のようなマニアならともかく、多くの人にとっては、「基本的に前向きに座ることができる車両」に乗れることには変わりません。

実際に新快速に乗る

さて、実際に新快速に乗ってみましょう!

写真2. 豊橋に停車中の新快速

豊橋に停車中の新快速です(写真2)。詳しい人であれば編成番号からわかりますが、313系1600番台です。東海道線名古屋地区は偶数両数が基本で、3両編成の313系1600番台はそぐわないように見えます。しかし、3両+3両の6両編成で運用すれば、全く問題ありません。詳しい人のサイトによると、313系1600番台6両編成の固定ではなく、313系5000番台6両編成だったりするようです。

写真3. 豊橋停車中は空いている

豊橋停車中は空いています。日中の快速は6両編成が基本で、一部8両編成もありますが、こんなに空いていて大丈夫なのだろうか?

写真4. 豊橋を発車!

豊橋を発車しました(写真4)。あちらには名鉄電車がとまっています。

写真5. 飯田線とすれ違う

飯田線とすれ違います(写真5)。

写真6. 豊川を渡る

豊川を渡ります(写真6)。

写真7. 飯田線や名鉄と分岐する

飯田線と名鉄と分岐します(写真7)。この区間の飯田線と名鉄は線路を共用しています。

写真8. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真8)。東海道線名古屋地区に入ったとはいえ、豊橋と名古屋は70km以上も離れています。そのため、駅間はのどかな風景が広がります。

写真9. のどかな風景が広がる

のどかな風景が広がります(写真9)。

写真10. 新幹線が見える

新幹線が見えます(写真10)。あちらは満席でしょうか。こちらは空席もあるくらいです。

写真11. 車内の様子

車内の様子です(写真11)。2人掛けのうち窓側が埋まり、4人ボックス席は空席が目立ちます。このような光景を見ると、全席前向きの313系5000番台の設計思想は良いと感じます。

写真12. 高架区間に入った

住宅が増え、高架区間に入ります(写真12)。蒲郡が近づいてきました。

写真13. 蒲郡に停車!

蒲郡に停車します(写真13)。立派な高架駅ですが、待っている人は意外と少ないように見えます(見えているのが豊橋方面でここから乗る人が少ないからかもしれませんが)。

写真14. 蒲郡の市街地を走る

蒲郡の市街地を走ります(写真14)。名古屋には近いのですが、どこか地方都市のようにも見えます。

写真15. 三河塩津を通過!

三河塩津を通過します(写真15)。

写真16. のどかな風景が広がる

蒲郡を出てしばらくすると、のどかな風景が広がります(写真16)。

写真17. 古い民家が並ぶ

古い民家が並んでいます(写真17)。名古屋のベッドタウンとしては遠いので、このあたりは宅地化がなされずに、昔から住んでいる人が多いのでしょうか。

写真18. 幸田を通過!

幸田を通過します(写真18)。「こうだ」ではなく「こう」と読みます。

写真19. 住宅が少し増えてきた?

住宅が少し増えてきたように見えます(写真19)。

写真20. 相見を通過!

新興住宅街に入ったと思ったら、相見を通過します(写真20)。2012年に開業した比較的新しい駅です。JR東日本だと新駅は凝った駅名にするところが多いですが、JR東海はオーソドックスな命名のように見えます。

写真21. 住宅が増えてきた!

住宅が増えてきました(写真21)。豊橋から名古屋の間で最も人口の多い、岡崎市の代表駅に近づいているのです。

写真22. まもなく岡崎に停車!

まもなく岡崎に停車します(写真22)。

写真23. 岡崎に停車!

岡崎に停車します(写真23)。ホームに立っている人の数を見ると、蒲郡よりも多いです。ここで座席が埋まりました。岡崎からの流動に配慮し、6両編成としているのでしょう。8両編成でもがら空きではありません。

写真24. 岡崎を発車!

岡崎を発車しました(写真24)。主要駅ですが、繁華街らしさはありません。それもそのはず、岡崎市の中心は名鉄の東岡崎駅周辺です。

写真25. 矢作川を渡る

矢作川を渡ります(写真25)。

写真26. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真26)。しかし、先ほどと異なり、田園風景の向こう側には新しい建物が並びます。名古屋に近くなったので、宅地も多いのでしょう。

写真27. 田園風景を走る

と思ったら、またのどかになってきました(写真27)。

写真28. 安城に停車!

安城に停車します(写真28)。このあたりに名鉄西尾線が通っていますが、東海道線に乗りかえることはできません。名鉄としても安城から名古屋までJR線利用ではなく、新安城からそのまま名鉄を利用して欲しいためでしょう。

写真29. 田園風景を走る

田園風景を走ります(写真29)。関東と異なり、拠点駅周辺は市街化されているものの、小駅周辺はそこまでではありません。関東と異なり、速達列車の割合が多いのは都市構造の違いもありそうです。

写真30. 住宅街を走る

住宅街を走ります(写真30)。

写真31. 東刈谷を通過!

東刈谷を通過します(写真31)。いつの間にか新幹線接続の三河安城を通過していました。新幹線の駅名に旧国名を付けるのは例が少ないですが、新安城という駅名は名鉄で使われているための苦肉の策でしょうか。

写真32. 住宅街が広がる

住宅街が広がります(写真32)。このあたりには野田新町という新駅もあり、宅地開発が進みつつある地域と読み取れます。

写真33. 名鉄が近づく

名鉄電車が近づきます(写真33)。今度は三河線です。碧南方面から名古屋に最速で向かうには、知立で乗りかえるよりも刈谷で乗りかえたほうが良いでしょう。東海道線の快速系も名鉄の特急系も15分間隔で、待ち時間は同等です。まあ、名鉄には急行も走っているので、乗車チャンスは増えるのですが…。

写真34. 刈谷に停車!

刈谷に停車します(写真34)。名古屋に近いためか、郊外方面のホームにも人がいます。

写真35. 刈谷を発車!

刈谷を発車しました(写真35)。

写真36. 逢妻を通過!

逢妻を通過します(写真36)。この駅は1980年代に開業した駅です。東海道線名古屋地区は1980年代以降に開業した駅が多いです。これは、地域輸送に力点を置き、沿線の多くの場所から列車を乗りやすくする(沿線の任意の点から駅までの距離を縮める)ためです。東海道線名古屋地区の輸送改善の1つの例でしょう。

写真37. 広大な大府構内を走る

大府に近づいてきました(写真37)。かつて東海道線が日本の長距離輸送を担っていた名残をこのような広い構内で感じます。

写真38. 大府に停車!

大府に停車します(写真38)。ここは3面4線で乗りかえは不便です。現代的な視点で語るのであれば、阪神尼崎のように4面6線とし、待避する普通をホーム両面のドアを開き、その普通を介して武豊線と東海道線快速を階段なしで乗りかえできるのがベストシナリオです。

写真39. 普通豊橋行きに着目!

普通豊橋行きに着目してみました(写真39)。先頭車の先頭よりにパンタグラフがあります。これは通常の313系ではなく、飯田線に特化した313系1700番台です。飯田線に対応するようにしていれば、他の路線では問題なく走ることができます。そうすると、飯田線の予備車と他線区の予備車を共通化できます。東海道線に飯田線の車両が走るとこのような合理化が達成できます。

写真40. 普通岐阜行きを抜かす

大府で普通岐阜行きを見かけます(写真40)。ここで待避していると思いかけましたが、そうでなく大府始発の普通岐阜行きです。この存在があるせいで、岡崎から大府までの快速通過駅は30分間隔になる箇所があります。

写真41. 立ちも発生した車内

車内は立ちも発生しています。

写真42. 住宅街を走る

大府からは住宅の密度は増えてきます(写真42)。大府断面では普通は空いており、大府から金山までは新快速が停車しませんが、近距離は普通という棲み分けでしょうか。日中時間帯であれば、名古屋まで普通も追い抜かれることはありません。

写真43. 共和を通過!

共和を通過します(写真43)。ここは快速停車駅です。

写真44. 新幹線を激写!

新幹線と並走します。ここで新幹線を激写しました(写真44)。

写真45. 笠寺を通過!

いつの間にか名古屋市内に入っていました。笠寺を通過します(写真45)。

写真46. 川を渡る

山崎川を渡ります(写真46)。

写真47. 名鉄名古屋本線が合流!

名鉄名古屋本線が合流します(写真47)。

写真48. 名鉄常滑線をくぐる

続いて、名鉄常滑線をくぐります(写真48)。

写真49. 神宮前を通過!

すると、名鉄の神宮前を通過します(写真49)。こちらには駅はありません。

写真50. 熱田を通過!

熱田を通過します(写真50)。逆にこちらには名鉄の駅はありません。名鉄とJRの乗りかえが不便そうにも見えますが…。

写真51. イオンモールがある

イオンモールがあります(写真51)。大型商業施設には多くの人が集まりますが、この大型商業施設は駅から遠く、そのような意味では駅が欲しいところです。

写真52. 金山に停車!

金山に停車します(写真52)。熱田と神宮前が離れていて乗りかえに不便にも見えますが、両者はここで乗りかえられます。先ほどの名鉄線のほかにも地下鉄名城線、地下鉄名港線、中央線のジャンクション駅でもあります。

ここ金山で降りる人も多く見られました。栄方面には名古屋で乗りかえるよりもショートカットできます。

写真53. 名古屋の市街地を走る

名古屋の市街地を走ります(写真53)。

写真54. 名鉄の山王を通過!

名鉄の山王を通過します(写真54)。このあたりは市街地なのですが、東海道線でも名鉄でも普通しか停車しない駅は15分間隔が基本です。

写真55. 高い建物が増えてきた

高い建物が増えてきました(写真55)。金山が副都心的になっているとはいえ、やはり名古屋駅周辺のほうが発展しています。

写真56. 名古屋が近づいた

そうしているうちに名古屋が近づいてきました(写真56)。スパイラルタワーズが独特な形状ですね!

写真57. まもなく名古屋に停車!

まもなく名古屋です(写真57)。

写真58. 名古屋に到着!

名古屋に到着しました(写真58)。乗る人も降りる人も多いです。

写真59. 名古屋から座席が埋まる程度の混雑

名古屋からは座席が埋まる程度の混雑です(写真59)。

写真60. 新快速大垣行きの表示

新快速大垣行きはあと30km以上走ります(写真60)。

名古屋地区の新快速に乗ってみて

今回、名古屋地区の新快速に乗ってみました。昼ごろに到着(名古屋到着13:15)とあってか、それなりに利用されていました。6両編成か8両編成で運転され、朝夕は本数も増えます。そのため、供給座席数も比較的多く、遠距離利用ではどこかで座れるという安心感もあります。このような安心感があるのか、本数が多いためか、速度が速いためか、昼間でも利用も多かったです。

意識せずに速達列車に乗れることは、利用の定着に大いに役立ちます(朝夕でも豊橋と名古屋の間は60分もかかりません)。たまに来る速達列車では「当たればラッキー」で終わりますが、均質に速達サービスが提供されていれば、大きな意味で生活の基礎インフラに当たるのです。名古屋地区の快速群はそれに該当します。

以前は豊橋から名古屋まで50分を切っていました。それが52分まで伸びています。新駅開業(=先行の普通の所要時間がかかるようになる)など、速度が遅くなる要因もあります。しかし、直近では311系電車引退による313系・315系統一が迫っています。加速性能向上や最高速度向上により、少しでも所要時間を短縮し、利便性向上と運用効率化(=コスト削減)も狙ってもらいたいものです。

前後を読みたい!

(←前) 東海道線での浜松と豊橋の移動

東海道線新快速での豊橋から名古屋の移動:現在地

関西本線快速の前面展望(名古屋→桑名)(次→)

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