名古屋の郊外を走るリニモ。この路線の沿線は比較的新しい街であり、その中を通るリニモも比較的新しい路線です。そんなリニモを楽しみました。
写真1. 新しい八草駅の様子
復習:リニモの概要
まず、リニモの概要を紹介します。
図1. リニモが通る場所(googleマップより引用)
- 区間:藤が丘-八草
- 正式名称:愛知高速交通東部丘陵線
- 距離:8.9km
- 形態:複線電化
リニモは藤が丘(名古屋市)と八草(豊田市)を結ぶ路線です。とはいっても、沿線の大部分は長久手市に位置し、長久手市の交通手段という位置づけが強いように感じます。
藤が丘そのものは名古屋の中心ではありませんが、名古屋の大動脈ともいえる地下鉄東山線と連携し、長久手地区と名古屋市中心部を連絡する役割も担っています。名古屋から東に向かう路線は北から中央線、名鉄瀬戸線、名鉄豊田線とありますが、リニモによって名鉄瀬戸線と名鉄豊田線の間の鉄道空白地帯を埋めるようになっています。ただし、既存の市街地を結ぶ名鉄瀬戸線や名鉄豊田線よりも存在感が薄いように見えます。
リニモには快速や急行等の運転はなく、各駅にとまる電車のみの設定です。したがって、藤が丘と八草の間は17分かかります。これでも最高速度100km/hと新交通システムとしては高速運転するほうなのですが。
実際にリニモに乗る
御託はこのくらいにして、実際にリニモに乗ってみましょう!
写真2. リニモの出入口
リニモの出入口です(写真2)。藤が丘駅は地下鉄は高架ホーム、リニモという地下鉄以外の乗り物は地上に出入口があります。これは一見わかりにくいですが、地下鉄のほうが先に開業し、高架駅を建設。そして、後に開通したリニモは地下しかスペースがなく、リニモが地下に駅を設置したと考えるとわかりやすいでしょう。
写真3. リニモの改札口
リニモの改札口です(写真3)。現代の都市圏鉄道らしく、ICカードにも対応しています。
写真4. ホームへの階段
ホームへの階段です(写真4)。階段の手前にコインロッカーがありますが、見事に使われていません!ところで、藤が丘で地下鉄東山線と同一ホームで接続していないのでしょうか?
図2. 藤が丘駅周辺の様子(googleマップより引用)
藤が丘駅付近の様子を示しました(図2)。地下鉄東山線は南から北に延びており、藤が丘駅から東に向かうリニモと同一直線上になく、必然的に立体交差にせざるを得ません。とはいえ、下記の線形のように曲線を描くようにすれば何とかなります(そうすると東山線の延長となり、リニモよりも勾配に弱くなるという事情があります)。
図3. 東山線とリニモの位置関係(googleマップより引用)
このような妄想が楽しくなってきましたが、そろそろ電車に乗りましょう!
写真5. 前面展望席がある
特等席があります(写真5)。ここに座らないと損ですね!
写真6. はなみずき通手前で地上に上がる
はなみずき通手前で地上に上がります(写真6)。
写真7. はなみずき通を過ぎるとカーブがある
はなみずき通を過ぎるとカーブがあります(写真7)。
写真8. 郊外然とした風景が広がる
郊外然とした風景が広がります(写真8)。それも自動車による移動が前提の風景に見えます。
写真9. 杁ヶ池公園に停車!
杁ヶ池公園にとまります(写真9)。「いりがいけこうえん」と読みます。
写真10. まるでアピタ前
まるでアピタ前ともいえる駅です(写真10)。この写真が鮮明であることに気づく人がいるかもしれません。私のイメージでは、新交通システムの駅の線路脇に壁があるのですが、リニモにはそれがありません。開放感の演出と建設費の削減を狙ったのでしょうか。
写真11. ロードサイド店が並ぶ
ロードサイド店が並びます(写真11)。左前方に見える店はアルペンです。残念ながら運動音痴の私には一生関係ない場所です。
写真12. 長久手古戦場が近づく
長久手古戦場に近づきます(写真12)。右に見えるのは東京インテリアという家具販売店ですが、店舗一覧を見ると、東京駅近くや東京23区はおろか、東京都内に全くありません!
写真13. イオンも出現!
イオンモールもあります(写真13)。もともと自動車社会なので、長久手の核という場所はありませんが、ここが長久手の核ともいえそうです。
写真14. 直線区間を飛ばす!
直線区間があり、リニモも飛ばします(写真14)。ただし、この区間は最高速度の100km/hは出しません。
写真15. トヨタ博物館の脇を走る
トヨタ博物館の脇を走ります(写真15)。自動車のすばらしさやトヨタ車のすばらしさが展示されているのでしょうか。と思ったら、トヨタ車以外の展示もあるようです。でも豊田車の展示はないでしょう!
写真16. 建物が少なくなってきた
建物が少なくなってきました(写真16)。
写真17. 高速走行を披露!
この区間は最高速度の100km/hを出すほどの高速性を誇ります(写真17)。
写真18. 公園西に停車!
公園西に停車します(写真18)。公園というのは愛・地球博記念公園のことです。
写真19. 家具販売店の横を通る
家具販売店の横を通ります(写真19)。北欧風の家具を売ることで有名な店舗です。さっきも家具販売店の脇を通りましたが、このあたりは家具の需要が大きいのでしょうか(商品の性質上、自動車で持ち帰ることが多いために道路が広い郊外に多いだけでしょう)。
写真20. 山の上を走る
山というか丘のうえを走ります(写真20)。
写真21. 愛・地球博記念公園に停車!
愛・地球博記念公園に停車します(写真21)。ここには中線があります。公園の最寄駅に中線があるパターンは日暮里舎人ライナーと似ていますね!
写真22. 古びた看板がある
思わず道路に視線が向かってしまいました(写真22)!明度と彩度が低い青看板です。私が物心ついたときには、すでにこのタイプの看板は古いタイプ扱いだったように記憶しています。2022年のこのころまで残っているとは!
写真23. 坂をぐいぐい登る
坂をぐいぐい登ります(写真23)。これを見ると従来の鉄輪式ではない鉄道を採用した意味も分かるものです。
写真24. 丘の頂上付近か?
丘の頂上付近でしょうか(写真24)?
写真25. 陶磁資料館南に停車!
陶磁資料館南に停車します(写真25)。瀬戸焼で有名な瀬戸市に近いことを実感させる駅名です。
写真26. 今度は坂を下る
今度は坂を下ります(写真26)。
写真27. 八草が見えてきた
八草が見えてきました(写真27)。
写真28. 建物は少ない
八草は放射軸のリニモと環状軸の愛知環状鉄道が交差する場所ですが、建物は少ないです(写真28)。
写真29. 八草に到着!
八草に到着しました(写真29)。
リニモに乗ってみて
写真30. イカした配所の車内
今回、浮上式の鉄道であるリニモに乗ってみました。しかし、浮いている感じはなく「普通の新交通システム」という感想を抱きました。つまり、リニモは乗り心地を特段の犠牲にしているわけではないのです。
沿線の長久手市は自動車社会のように見え、リニモは空いていました。それでも無人運転の長所(人件費がかからない)を生かし、8分間隔を維持しているのは称賛に値します。
幸いにも沿線に大型の商業施設も立地しており、地域輸送のニーズにはある程度一致しそうな面があります。今後も東山線と連携することで名古屋市東側の放射軸として活躍してもらいたいものです。