近鉄湯の山線の旅(前面展望も収録)

記事上部注釈
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かつて特急列車も走っていた近鉄湯の山線。現在は特急の運転はなく、普通のみの運転です。特急がなくなった路線には何があったのでしょうか。その素顔を探ってみました。

写真1. 湯の山温泉に停車中の普通

復習:近鉄湯の山線の概要

まず、近鉄湯の山線の概要を紹介します。

図1. 近鉄湯の山線の経路(googleマップより引用)

近鉄湯の山線の概要

  • 区間:近鉄四日市-湯の山温泉
    ※起点はJR四日市ではなく近鉄四日市であることに注意
  • 形態:単線電化
  • 距離:15.4km

近鉄湯の山線はその名の通り、湯の山温泉に向かう路線です。湯の山温泉はそれなりにくつろぐことが可能な場所で、有名観光地ではない(ように見える)ながらも、立派な温泉地です。

その湯の山温泉への起点は近鉄四日市です。三重県で最も人口の多い都市、四日市の中心地から発車しています(JR四日市周辺よりも近鉄四日市周辺のほうが発展しています)。四日市周辺は市街地化されており、現在の湯の山線は日常利用者が主体です。これが特急がなくなった原因でしょう。

また、全線単線です。都市近郊路線としてはそれなりの本数の毎時2~3本(朝は毎時4本のこともある)で、速達列車もありませんから、単線で充分ということなのでしょう。

実際に近鉄湯の山線に乗る

御託はこの程度にして、実際に乗ってみましょう!

写真2. 普通四日市行きがやってきた

普通四日市行きがやってきました(写真2)。3両編成の電車にはそれなりに人が乗っていたように見えます。

写真3. 四日市を発車!

四日市を発車しました(写真3)。

写真4. 高架線を走る

高架線を走ります(写真4)。架線周囲の設備と標準軌の線路が近鉄らしさを感じさせます。大阪の民鉄が中部地方の三重県まで伸びていると考えると、近鉄の規模の大きさを実感します。と書きたいところですが、ここ三重県は近畿地方です。

写真5. 伊勢松本に停車!

伊勢松本に停車します(写真5)。JRや近鉄問わず、駅名に「伊勢」と付く駅が散見されます。この駅の場合は、長野県の松本と区別するためです。でも、当の近鉄は旧国名を省略する傾向があります(最近は省略しないようにしていますが)。

写真6. 夕暮れの住宅街を走行する

夕暮れの住宅街を走行します(写真6)。この日は夜が明ける前に自宅の最寄駅を出て、ずっと移動してきました。だいぶ遠い場所まで来たものです。

写真7. 郊外的な風景が広がる

郊外的な風景が広がります(写真7)。

写真8. 田園風景が広がる

田園風景が広がります(写真8)。

写真9. 伊勢川島で四日市行きとすれ違う

伊勢川島で普通四日市行きとすれ違います(写真9)。車両の行先表示には「普通」と書いてあり、運転士の時刻表には「各停」とあります。

近鉄の名古屋地区は普通は自動放送でも「ふつう」と呼んでいますが、表示と放送の文面が異なる会社や路線もあり、(その路線であれば)混乱を避けるためにどちらかに統一いただきたいものです。

写真10. 桜に停車!

桜に停車します(写真10)。関東地方の標準軌の大手民鉄にも同様の読みかたの駅名がありますが、漢字が異なります。

写真11. だんだん建物が減ってきた

だんだん建物が減ってきました(写真11)。

写真12. 菰野を発車した直後の車内

菰野(こもの)を発車した直後の車内です。3両編成の先頭車は空席だらけです。四日市を発車した時点では座席の半分程度が埋まっていましたので、途中駅利用者が多いことがわかります。

写真13. 単線の線路を走る

単線の線路を走ります(写真13)。

写真14. 新名神高速道路が見える

新名神高速道路が見えます(写真14)。このような高規格道路の開通によって、鉄道は苦戦を強いられています。高規格道路を見るたびに、公費で鉄道施設の整備をしたらと考えてしまいます。

写真15. 山あいの風景になってきた

山あいの風景になってきました(写真15)。

写真16. 湯の山温泉に到着!

湯の山温泉に到着です(写真16)。

写真17. 折り返し普通四日市行きになる

折り返し普通四日市行きになります(写真17)。

写真18. 多くの普通は改札に面したホームにとまる

湯の山温泉駅は2面2線の駅で、片方のホームが改札に面しています。私が見た限り、改札に面したホームをメインで使っています(写真18)。駅に入ってから電車に乗車するまでの距離が短いのが正義ですから、このようなオペレーションは地味ながら重要です。

写真19. 湯の山温泉駅の様子

その湯の山温泉駅の外観です(写真19)。小さいながらも駅員さんもいて、地域の拠点であることがうかがえました。

電車に合わせて温泉ホテルへの送迎車が発着している場面も確認できました。そのため、少数とはいえ、温泉利用者がいることも事実です。

近鉄湯の山線に乗ってみて

写真20. 温泉宿に明らかに自動車で来たであろう家族連れを目撃

今回、近鉄湯の山線に乗ってみました。菰野以遠は乗客も少なく、湯の山温泉へのアクセス路線というよりも地域路線という側面が大きいことを感じました。

ただし、湯の山温泉へのアクセスとしての機能がないわけではありません。現に私が乗った際も駅に温泉ホテルの送迎バスが発着し、スーツケースを持った人が駅のホームにいたことも事実です。そのため、湯の山温泉へのアクセス路線として一定の役割を担っているのです。

では、そのアクセス機能を重視し、湯の山特急を復活させるのはどうでしょうか。この日に宿泊した温泉宿には多くの人が宿泊しており、その多くは自動車を使っています。これらの1割でも鉄道利用にすれば鉄道が活性化します。

ただし、これは難しいでしょう。自動車利用者の多くは機動性を求めています。自動車の機動性に対抗するには1日1往復の直通特急では足りません。せめて1時間間隔で大阪・名古屋双方に直通運転しないと自動車交通に対抗できません。これはどう考えても過剰サービスでしょう。

現状でできることは部分複線化により、行き違い待ち時間を減らし、若干のスピードアップと行き違い待ちによるストレス減によるサービス向上でしょうか。行政が道路に多額の投資をしている以上、行政によって鉄道の設備増強もしてもらいたいものです。

前後を読みたい!

(←前) 関西本線快速の前面展望(名古屋→桑名)

近鉄湯の山線の旅:現在地

湯の山温泉 湯元 グリーンホテルの宿泊記(次→)

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