阪急神戸線特急の前面展望を楽しむ(十三→神戸三宮)

記事上部注釈
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阪急でも主力の路線の神戸線。その神戸線の特急は並行するJR新快速ほどではありませんが、高速運転することが魅力的です。山あいを走り、独特の風景が展開する神戸線特急の前面展望を堪能しました。

阪急7000系(十三)

写真1. 十三に進入する特急

阪急神戸線の特急の概要

阪急神戸線には多くの種別が設定されていて、特急はその中でも速達性の高い種別として設定されています。そうはいっても、停車駅がわからないとわかりにくいでしょうから、停車駅を示します(図1)。

阪急神戸線の停車駅

図1. 阪急神戸線の停車駅

阪急神戸線の最速達列車が特急です。特急といっても特別料金は不要です。つまり、普通の電車として利用できるということです。特に、日中時間帯は特急と普通のみの運転となっていて、ある程度沿線需要にも応じた停車駅となっています。

停車駅に塚口を加えると通勤特急に、さらに六甲を加えると快速急行に、快速急行の西宮北口以西を各駅停車にすると急行にそれぞれ変わります。

なお、多くの特急は7000系より新しい車両によって運転され、最高速度115km/hの俊足を誇ります。

実際に特急に乗る

さて、実際に特急に乗ってみましょう。

阪急7000系(十三)

写真2. 特急がやってきた

特急がやってきました(写真2)。この車両は7000系といい、神戸線の特急では最古参の車両です。ただし、そこまでの古さは感じさせません。なお、この車両は6両編成で、大阪梅田側に別の車両をつなげた8両編成にしています。現在の阪急神戸線は8両編成ですが、かつては山陽電鉄の須磨浦公園まで直通していて、6両編成が必要でした。7000系に6両編成があるのは、そのような背景があるのでしょう。

写真3. 十三での前面展望

十三から神戸三宮までは直線が多く、高速走行を楽しめます。その楽しみの機会を積極的に活かすべく、運転席後ろに立ちました。十三では北に向いていますが、神戸は西にあります。そのため、線路は左方向にカーブしています。

ここで大阪梅田行き特急とすれ違います。

写真4. 特急は加速

特急は加速していきます(写真4)。ある程度速度が出ていて、揺れていることがわかるでしょうか。

写真5. 神崎川を通過!

神崎川を通過します(写真5)。ここは普通だけしかとまりませんが、日中時間帯でも10分間隔の乗車チャンスが確保されています。これは神戸三宮までのどの駅でも同じです。10分待てば電車が来るというのは、サービス水準は高いほうともいえます。

写真6. 道路をくぐる

阪神高速をくぐります(写真6)。向こうは高速道路ですが、こちらも高速運転です!

写真7. 豊中の住宅街を走る

このあたりは豊中市です。大阪市から直接尼崎市にはいるのではなく、いったん豊中市を経由します。ただし、豊中市には阪急神戸線の駅はありません(図2)。

図2. 豊中市をかすめる(線路のやや東側に豊中市立の中学校があるのがわかります)

写真8. 111km/hで走行中!

十三から西宮北口まではスピードが乗る区間です。このときは111km/hで走行していました。大手民鉄の料金不要列車で110km/hを越えるのは京急の快特と京成のアクセス特急くらいです。阪急神戸線特急はそこまで目立ちませんが、民鉄でもトップクラスの速度で走るのです。

写真9. 高架に上がる

ここで高架に上がります(写真9)。高架は地域の見栄のために建設されるのではなく、周囲の道路の渋滞解消のために建設されます。

写真10. 園田は2面4線

園田は2面4線の立派な駅です(写真10)。とはいえ、普通以外は通過します。

写真11. 山陽新幹線をくぐる

山陽新幹線をくぐります(写真11)。大阪から神戸までの速度は新幹線がピカ一ですが、新幹線の駅は中心部から離れています。そのため、大阪中心部と神戸中心部を行き来する人は新幹線を使わないでしょう。

写真12. 112km/hで走行中!

先ほどより1km/h速度が上がった瞬間をとらえました(写真12)。

写真13. マンション街を走る

このあたりはマンション街です(写真13)。このマンションの住人の一部が阪急神戸線の利用客になります。

写真14. 塚口を通過!

高架に上がり、再び地上に戻ると、塚口です(写真14)。通勤特急以下は停車しますが、特急は通過します。ここで伊丹線が分岐します。JRの塚口とはやや離れています(図3)。

図3. 阪急塚口とJR塚口の距離(googleマップより引用)

このように1km離れているのです。

写真15. 直線を走る

いくら最高速度115km/hを誇っていても、カーブだらけではその効果は半減します。しかし、阪急神戸線は直線区間が多く、その効果をいかんなく発揮します(写真15)。

写真16. まもなく西宮北口

武庫川を渡るとまもなく西宮北口です(写真16)。

写真17. 西宮北口が見えてきた

西宮北口がみえてきました(写真17)。「北口」とついていますが、れっきとした阪急神戸線の拠点駅です。ここでは今津線と連絡します。そのような拠点駅なので特急含めて全列車停車、といいたいですが、そうではありません。今津線からの梅田行き準急はここを通過します。

余談ですが、車内放送では「次は夙川にとまります」と案内します。これは私のような関東人にとってみると違和感のある表現です。親切に言うのであれば、「西宮北口の次は夙川にとまります」と表現するべきです。

写真18. 普通が停車中

普通が停車中です(写真18)。日中時間帯の阪急神戸線のダイヤは単純で、10分間隔の特急と10分間隔の普通が運転され、両者は西宮北口で接続します。逆にいうと、西宮北口以外での待ち合わせはありません。

写真19. 西宮北口に停車中

西宮北口に停車中です(写真19)。大阪梅田行きが遠くに見えます。

写真20. 西宮北口を発車!

西宮北口を発車します。一見して直進するように見えますが、左に曲がります。直進すると引上線です。せっかくの特急ですが、ここではポイント制限を受けてしまいます。

写真21. 引上線の脇を走行

引上線の脇を走ります(写真21)。ここではまだスピードは出ません。

写真22. 特急とすれ違う

特急とすれ違います(写真22)。

写真23. 高架区間を走行

高架区間を走行します(写真23)。何となく山が迫ってきているように思えます。考えてみたら、神戸に近づいており、その神戸は山と海が近い場所です。

写真24. まもなく夙川に停車!

まもなく夙川にとまります。あまり大きい駅には見えませんが、特急がとまります。JRの駅にも近く、何らかの処置が必要だったのでしょう。ただし、特急が夙川にとまったダイヤ改正では特急の所要時間は増えていません。110km/hから115km/hにスピードアップしており、停車時間ぶんは相殺できているのです。

写真25. 夙川は丘のふもとという印象

夙川は高級な感じを受けます(写真25)。丘の近くというのがそのイメージの1つかもしれません。首都圏で沿線イメージの良い横浜方面も丘があるので、沿線イメージにこのような地形が影響しているのかもしれません。

写真26. 上り勾配がある

夙川を出るとすぐに上り勾配があります(写真26)。阪急神戸線が山沿いにあることを実感する光景です。

写真27. 勾配をのぼる

意外と急な勾配です(写真27)。阪急神戸線は開業当初から電車による運転が前提とされたため、勾配も比較的多くあります。運転席後ろに立っていると、このような光景が見ることができて、興味深く感じます。

写真28. 今度は下る

すると、今度は下ります(写真28)。ある程度の勾配を許容することによって、カーブを避けることができます。勾配よりカーブで減速せざるを得ない現代の鉄道にとってはベターな選択です。

写真29. 芦屋川を通過!

芦屋川を通過します(写真29)。その名の通り、芦屋川にほど近い駅です。1駅しか離れていませんが、夙川付近と雰囲気が異なります。

写真30. 岡本に停車!

岡本にとまります。特急停車駅なので、複雑な配線と思いきや、単純な配線の駅です(写真30)。このあたりはもう神戸市です。

写真31. また上り勾配

上り勾配が現れます(写真31)。

写真32. どんどんのぼっていく

その上り勾配をどんどんのぼっていきます(写真32)。高架に上がるのでしょうか。

写真33. 右にカーブする

と思ったら、周囲の標高が高くなりました(写真33)。山のふもとを通るので、周囲の標高はめまぐるしく変わります。

写真34. そして左にカーブする

右にカーブの後は左カーブです(写真34)。このカーブのすぐ先に御影があります。阪神特急は御影にとまりますが、阪急特急は御影を通過します。両者の駅は結構離れています。御影を過ぎると、速度が回復します。

写真35. 六甲を通過すると山のふもとという感じはなくなる

御影、六甲と通過すると、神戸の市街地に近づいてきます(写真35)。それと同時に、山のふもとという雰囲気も薄くなります。ここで特急とすれ違います。

写真36. 王子公園を通過!

王子公園を通過します(写真36)。東京の王子にありそうな駅ですが、東京の王子駅の近くにある有名な公園は飛鳥山公園です。神戸三宮まであと2駅です。

写真37. 高架を走る

高架を走ります(写真37)。周囲に高い建物が多くなってきたことも神戸の市街地に近いことを感じさせます。

写真38. 普通とすれ違う

今度は普通とすれ違います(写真38)。左に見えるのがJRです。JRでは新快速が15分間隔で走り、その速達性が目立ちます。しかし、快速も15分間隔で走り、大阪-三ノ宮の所要時間は27分と、阪急の特急と同等の所要時間で、こちらも強い競合相手です。

写真39. 都市の中を走る

都市の中を走ります(写真39)。長距離移動をされる人であれば、左側のJRのほうからの景色になじみのある人も多いかもしれません。

写真40. 春日野道を通過

最後の通過駅の春日野道です(写真40)。

写真41. 神戸三宮に近づいてきた

神戸三宮に近づいてきました(写真41)。阪急の神戸三宮はJRの三ノ宮よりもやや西よりに位置しています。写真の左端にホームが見えますが、それはJRの三ノ宮です。

写真42. 神戸三宮が見えてきた

神戸三宮が見えてきました(写真42)。阪急神戸線はここまでです。ここから先は神戸高速鉄道管轄エリアです。

阪急8000系(神戸三宮)

写真43. 後ろ2両は8000系

最初に7000系は6両と述べました。もう2両は8000系でした(写真43)。阪急では異なった系列を連結していないと思い込んでいました。このようなことは現地に行かないとなかなか気づかないものです。

神戸線の特急に乗ってみて

阪急の特急といえば京都線のクロスシート車がどうしても印象に残ります。しかし、神戸線の特急も車窓に変化に富み、速度も高く、乗りがいがある列車です。

そして、何よりも10分間隔で運転されていて、いつでも乗れるというのが好印象です。並走するJRの新快速は15分間隔で待つ印象が強いです。また、車両も美しく保たれており、その観点でも好印象です。

ただし、ほとんどがオールロングシート車でやや味気なく感じます。比較的混まないであろう新開地方の1両だけでも、大々的に(※)転換クロスシート車を導入すると多くのニーズに応えられるでしょう。

※一部の8000系で転換クロスシートを導入していることは存じていますが、少数の編成に限られ、「いつでも選べる」ものではありません。

そんなこともありますが、高速に運転されていて、本数が多いという鉄道輸送の正義を実現している運転系統でありましょう。そして、これまでも、これからも大阪と神戸の都市間輸送を担っていくのです。

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